
山口県長門市の沖合に浮かぶ「青海島(おおみじま)」。
青く透き通った綺麗な日本海にて、古くからの火山活動や荒波により、長い年月をかけて造り上げた奇岩や洞門が、山のようにそびえ立つ絶景を醸し出しています。
その景観美から「海上アルプス」と呼ばれているほどですね。その大自然の雄大さを楽しむならばクルージングがおすすめ。
仙崎港から出港する遊覧船に乗って、船上でしか見られない風景を楽しんで下さいね。また、写真映えするスポットばかりなので、シャッターから指が離れなくなるかも。
本記事では、青海島観光汽船の遊覧船に乗って満喫する、青海島クリージングを紹介します。
目次
青海島観光汽船の遊覧船乗り場

青海島は、国の名勝・天然記念物・日本百景に選ばれた風光明媚な観光名所です。青海大橋を渡って車で行くことができますが、海上からの眺めは格別ですよ。
青海島観光汽船では、青海島クリージング用の遊覧船がたくさん用意されており、その乗り場は観光施設「青海島シーサイドスクエア」の敷地内にあります。
この施設内には、道の駅センザキッチンや長門おもちゃ美術館、観光案内所などが併設されているので、とても便利。単なる観光施設ではなくて、青海島の魅力を発信する拠点として役立ちますね。
海に面した一番奥には、青海島観光汽船の建物があり、切符売り場と遊覧船の乗り場を兼ねている。まずは、切符売り場にて乗船券の購入を済ませよう。そして、出航時刻の5~10分前に乗り場前へ集合していると、スタッフが乗船する遊覧船まで案内してくれます。

乗り場前には、本日のコースが電光掲示板にて案内されているのでお見逃しなく。
くわしくは後ほど紹介しますが、当日の天気や波の状態によりコースが決定するので、狙っているコースがあるならば、青海島観光汽船の公式ホームページなどで事前に確認して下さいね。


出航時刻が近づくまでは、敷地内にある様々な施設へ足を運んだり、食事をしながらゆっくりと過ごしていると、待ち時間はそれほど気になりません。
個人的なおすすめは、一番奥の海際に設置された「NAGATO」の文字モニュメントです。ここでポーズを決めて撮影して、長門市仙崎へ観光にきた思い出を残してみてはいかがですか。
【周辺の見どころ】
青海島観光汽船周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
青海島クルージングコースと所要時間

先ほども少し触れましたが、青海島クルージングコースは、当日の天気や波の状態により決定されます。
基本的には、青海島を一周するコースです。全部で5つのコースがあり、コースによって料金や所要時間が違ってくるので気を付けて下さいね。
コース | 所要時間 | 料金 | 概要 |
---|---|---|---|
一周コース | 約1時間20分 | 大人 2,800円 小人 1,400円 | 基本コース |
観音洞コース | 約1時間 | 大人 2,400円 小人 1,200円 | 観音洞で折り返すコース |
大島コース | 約1時間 | 大人 2,200円 小人 1,100円 | 西風が強い時のコース |
赤瀬コース | 約50分間 | 大人 2,200円 小人 1,100円 | 波が高く外海へ出られない場合のコース |
花津浦・紫津浦 コース | 約50分間 | 大人 2,000円 小人 1,000円 | 波が高く外海へ出られない場合のコース |
10名以上で団体割引きあり(中学生以上は200円、小学生以下で100円割引き)、幼児は無料です。
出航時刻は以下の通り。季節によって違っています。
- 3/1~11/30
- ①8:40 ②9:40 ③10:40 ④11:40 ⑤13:40 ⑥14:40
- 4/1~9/30までは追加で季節便を運行する場合あり(12:40、16:00)
- 12/1~2月末日
- ①9:40 ②10:40 ③13:30 ④14:40
特に予約しなくても、乗船人数に合わせて臨時便を運行するという。荒天により欠航となる場合があるので、気になる人は電話で確認すると良いでしょう。
仙崎湾にそろうカラフルな遊覧船

クルージングを行なう遊覧船には、大きく分けて「クジラ船」と「イルカ船」の2種類があります。
クジラ船は、デッキに出ることができるという。一方、イルカ船は小型のため、洞門など狭いところをくぐり抜けれるぞ。
どちらに乗船することになるのかは、当日のお楽しみ。仙崎湾には、カラフルで可愛らしいフォルムの遊覧船が並んでいるので、見ているだけで楽しくなりますね。

シータスの定員は80名、ピンクシータスの定員は76名。どちらも中型船のため、狭いところは通れませんが、船上で潮を吹くパフォーマンスがあるのが面白い。
乗船する際には、足元に注意して下さいね。

イルカ船には、「れいんぼう」や「えんじぇる」といった名前が付いていて、色違いの船が7隻あります。定員はクジラ船より少なく29名。
デッキがないため外へ出ることはできませんが、船頭さんの指示の元、窓を開けれるので生で海上アルプスを見たり、写真撮影ができるのはありがたい。
クジラ船とイルカ船の両方とも冷暖房完備でトイレ付です。

仙崎湾を出発して、波しぶきをあげながら日本海を突き進む遊覧船の姿はカッコイイかな。
防波堤の外へ出ると波が高くなるときもあるだろう。船酔いが酷い人は、事前に酔い止め薬を飲んでおいた方が良いと思います。
大自然が造り上げた海上アルプスの絶景

周囲約40kmもある青海島の周辺は、約9000万年前の火山活動や地殻変動、長い年月を経て波の浸食によって生み出された自然の造形美を楽しめます。
遊覧船は港を出航してしばらくすると、青海大橋の下をくぐり抜け、青海島の西側へ向かう。基本的に青海島を一周するコースですが、私が訪れた当日は「観音洞コース」でした。
湾内にいる内は波静かな様子が続くけど、外洋へ出ると待っていたのは日本海の洗礼だ。風向きにもよりますが、波をけって進む遊覧船はスリル満点。遊覧船の前方へ座っていると、より体感できるだろう。波が結構あることから、観音洞コースになったのも頷けます。
青海島の周りにある奇岩には、様々な名前が付けられているぞ。その中でも見ごたえのあるポイントへ近づくと、船をとめて船頭さんから説明があるので耳を傾けて下さいね。
波しぶきが船に入ってこない状態ならば、窓を開けるのもOK。カメラやスマホなどを構えて撮影タイムとしゃれ込みましょう。ただし、乗り出し過ぎると、誤ってカメラなどを海へ落としてしまうかも。注意が必要です。

青海大橋を越えて、青海湖と海を隔てるように1300mも続く砂洲に沿うように進んだ先には、「花津浦(はなづうら)」が見えてくる。
花津浦は、仙崎出身の詩人・金子みすゞ(みすず)氏の作品に登場しているので、ファンの人ならば知っているでしょうね。
高さ20m、穴の直径は約8mもある巨岩であり、船が近づくと迫力を感じられる。それに、左上辺りをよく見てみると、まるで観音様が手を合わせているように見えるではないですか。

この観音様は、どうやら長い年月をかけて波に削られて偶然誕生したみたい。岩に向けて手を合わせると、ご利益があるそうですよ。


花津浦の奥へ進むと、赤瀬と呼ばれる岩礁エリアへ到着。青空の下、海と赤銅色の巨石のコントラストが美しい。
特に北端にそびえ立つ「筍岩(たけのこいわ)」が見事なり。岩というより孤島を想像させるスケール感がいいですね。

こちらは「コウモリ洞」です。名は体を表すという言葉があるように、その外観は羽を広げたコウモリのようだ。海食洞がいくつもあるので、実際にコウモリが住んでいたとしても不思議ではありません。
このような奇岩が次々と現れてくるので、シャッターチャンスを逃さないように。それでは、個性的な奇岩の数々をダイジェストで紹介します。




次々と変化に富んだ奇岩のオンパレードは、飽きることがありません。
それに奇岩だけでなく、運が良ければイルカに遭遇するかも。時間いっぱい海上アルプスの絶景を、心行くまで堪能しましょう。
【遊覧船の紹介】
旅先で訪れた様々な遊覧船を、下記記事で紹介します。
「幕岩」や「白旗岩」など大自然が創り上げた芸術作品にビックリ

赤瀬エリアから東へ向かうと、青海島平家台へ辿り着きます。ここでは、大自然が創り上げた芸術的な奇岩たちが待ち構えているので期待して下さい。
まずは「幕岩(まくいわ)」の表面に注目しよう。パッと見たただけでも分かるぐらい、まだら模様がクッキリと浮かんでいる。

このまだら模様は、白いマグマに黒いマグマが入り込んで、完全に混ざらずに残ることでこのような結果になったそうです。どちらも融合しない性質のため、起きた現象なんだとか。
自然が創り上げた白と黒で描かれた芸術作品は神秘的。その見事さに思わず「うぉ!!!」と声が漏れました。

さらに注目したいのが、ルーフペンダントと呼ばれる状態が見られること。
黒っぽく見える火砕岩が、その後に貫入してきたマグマだまりの花崗岩の上部に残されている。屋根のように岩体の上にのっかっていることから「屋根岩」とも呼ばれるそうな。
確かに見た目からして、岩肌の違いがクッキリしているかな。上側が火砕岩で、下側が花崗岩ですね。


こちらは白旗岩です。黒い岩肌に白い層が見えるのが印象的。地下の花崗岩マグマが割れ目に沿って、地下から上昇してきた細粒花崗岩の岩脈なんだとか。特に中央を横切る縞模様がカッコイイ。
実は、この縞模様は直下にある花崗岩から派生したアプライト質花崗岩ですね。位置からして、この景観は船上だけでしか見られないだろう。
一周コースでは、柱状奇岩の石門や迫力満点の大門・小門、海に向かって読経している仏様に見える「仏岩」などまだ多くの奇岩が待ち構えています。
大興奮!黄金洞の中へ

青海島クリージングでは、遊覧船で洞窟内へ入る体験ができます。入れる洞窟は複数あり、その中の一つが「黄金洞」です。
穴が2つ空いていることから「夫婦洞」とも呼ばれている。黄金の名をいただくのは、洞内が海面に反射した光により黄金色に輝くからだそうだ。時間帯にもよりますが、そんな景色が現れたら超ラッキーですね。
ここで一つ朗報です。洞内は波が比較的穏やかになるので、船の揺れが気になる人にはありがたいだろうな。また、黄金洞は撮影スポットとしても人気が高いです。


遊覧船が洞内へ進入すると、今までと様子が一変。海の色がより深くなり、透明感が増しているではないですか。
洞窟の長さは約80mほど。奥の方で左右の洞窟がつながっているそうな。途中まで遊覧船は進入すると、一時停止するので天井や岩壁などをじっくりと見物できます。(通り抜けはしません)
特に外から差し込む陽光によって、深いブルーに輝く水面がいい感じ。つかの間の藍の世界を堪能しましょう。
青海島観光汽船の基本情報とアクセス
住所 | 山口県長門市仙崎4297-2 |
電話番号 | 0837-26-0834 |
営業時間 | 4月~11月 8:00~17:00 12月~3月 9:00~16:00 ※運航状況によっては、営業時間が異なる場合あり |
定休日 | 年中無休 ※荒天の場合は、欠航する場合あり |
料金 | コースにより変動 詳細は「クリージングコースと所要時間」の章で紹介 |
【アクセス】
- JR仙崎駅から徒歩約10分
- JR長門市駅からタクシーで約20分
- 中国自動車道「美祢IC」から車で約50分
青海島観光汽船の駐車場
隣接する「道の駅 センザキッチン」の無料駐車場を利用しましょう。(普通車172台、大型車8台、EV専用1台)
第2駐車場では、普通車のみ駐車可能(54台)です。また、土日祝のみ臨時駐車場があります。
まとめ

青海島のダイナミックな絶景を楽しめるクルージングは、時間が経つのを忘れてしまうほど楽しいですね。
仙崎港から出港する青海島観光汽船の遊覧船に乗って、大自然が創り上げた奇岩や洞門が織りなす景観を満喫しよう。花津浦や黄金洞、幕岩、白旗岩、観音洞など見どころ満載です。
コースの決定は、当日の天候や波の状態次第。乗船時間によってもコースが変わる場合もあります。狙っているコースがあるならば、青海島観光汽船の公式ホームページを確認して下さいね。
長門市を観光する際には、青海島でしか体験できない「海上アルプス」の絶景を満喫してみてはいかがですか。