岡山県津山市のシンボルと言えば津山城です。
その風情あるお城の麓には、動物(珍獣)の実物のはく製や本物の人体の臓器をホルマリン漬けにして展示している「つやま自然のふしぎ館」が佇んでいます。
この博物館は、知る人ぞ知るB級スポット。そのスゴサは、実際に見学してみないと分からないかも。興味本位で館内へ入り、見学し終わった後は、「面白かった!」と絶賛するのは間違いないでしょう。
なので、期待値を高めてもらっても構いません。
本記事では、不思議な魅力の詰まった「つやま自然のふしぎ館」の見どころを紹介します。
【閲覧注意】
本記事では、本物の臓器の画像が登場します。グロイ画像が苦手な方は、これより先は読まないようお願いします。
つやま自然のふしぎ館とは
つやま自然のふしぎ館とは、世界中の珍しい動物のはく製を始め、昆虫(蝶々、カブトムシなど)、貝類、化石、鉱石類を展示している自然科学の総合博物館です。
更に人体の実物標本や動物の骨格標本も展示されており、興味深く見学できます。
展示点数は、約20,000点とボリューム満点。じっくり展示品を1つ1つ見学していけば、1日では到底時間が足りません。
このふしぎ館の展示室は、全15フロアに分かれており、以下のような内容を展示しています。
展示室の主な内容
- 第1室:化石の世界
- 第2室:人体の神秘と動物の骨格
- 第3室:世界と日本の珍しい貝
- 第4室:昆虫の世界
- 第5室:日本とアジアの動物
- 第6室:世界の鳥
- 第7室:北米大陸の動物
- 第8室:日本の野生動物
- 第9室:極地(北極・南極)と南米の動物
- 第10室:爬虫類・両性類(ワニ、カメなど)
- 第11室:日本の鉱石・岩石
- 第12室:世界の珍鳥
- 第13室:オーストラリアの動物
- 第14室:日本及びアジアの野鳥
- 第15室:西アジア・アフリカの動物
全てのフロアを1つ1つ紹介するのは大変ですので、見どころを7つに絞りました。
それぞれの見どころを紹介します。
【博物館の紹介】
つやま自然のふしぎ館のような博物館を訪れると、色々と勉強になりますね。下記記事では、旅先で訪れた博物館について紹介します。
パトラッシュ?がお出迎え
館内へ入ってみると、いきなり大きな犬がお出迎えしてくれます。セントバーナードですね。セントバーナードを見かけたら思わず「パトラッシュ!」と声を掛けたくなってしまいました。(笑)
そう思ってしまうのは、きっと私だけではないだろうな。(世代にもよりますが・・・)
パトラッシュについてご存じない方もいると思いますので、簡単に説明すると、アニメ「フランダースの犬」に登場する主人公ネロの愛犬です。
フランダースの犬の話は良く知らないけど、ネロの最後のセリフ「パトラッシュ……疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ……パトラッシュ……」は知っている人は多いと思う。
あまりにも有名なシーンで、物語の全容を知らなくてもこのシーンだけで号泣できるほど、深く印象に残りますね。
余談ですが、私も長い間パトラッシュの犬種は、セントバーナードと思っていたのですが、実は「ブービエ・デ・フランダース」が正しいそうです。
しかし、今だにセントバーナードを見かけたら「パトラッシュ!」と思ってしまうのは、子供の時に「セントバーナード=パトラッシュ」の公式が私の中では完成されているからなので、仕方ないかな。(苦笑)
【動物との触れ合い】
動物との触れ合いは、心が安らぎますね。下記記事では、旅先で訪れた動物たちと触れ合えるスポットを紹介します。
初代館長の遺言、ホルマリン漬けされた館長の臓器
つやま自然のふしぎ館のスゴイところの一つが、人体の脳や心臓、肺などの本物がホルマリン漬けで展示さていることです。
臓器を直接見る機会なんて普通になく、イメージ的にグロイと思っている人が多いと思う。確かにその通りなので見学するならば、覚悟しておくように。
これらは全てこの博物館の初代館長 森本慶三氏の臓器です。
森本氏は、自身の臓器を法の許す範囲で標本として展示して欲しいと遺言状に残したとか。恐らく世界広しとは言え、本物の臓器を展示しているのはここだけでしょうね。
臓器が展示されているフロアは、その他に人体模型なども展示されており、人体の神秘を感じます。
グロイ物が苦手な方は、本フロアはスルーされた方が良いかも知れません。
ちなみに、これらを展示しているのは「第2室 人体の神秘」のフロアにあるぞ。
案内板の「人体の神秘」のフレーズから興味を注がれますが、臓器を見たくない人は気を付けて下さいね。
スゴイ迫力!世界の動物のはく製
動物を展示しているフロアは、複数に分かれていますが、どのフロアもスゴイ迫力を感じました。
今にも飛びかかろうなリアルな動物たちが見て取れます。厳つい顔をした猛獣たちがいたりするので、小さなお子さんはビックリするかも。
それに、どこかしらから「ガオー!」の雄叫びが聞こえくる雰囲気があるぞ。
頭では、はく製と理解しているのですが、それでも驚いてしまうのは仕方がない。それほど本物にそっくりです。(はく製なので当たり前か。)
現代では、多くの動物の剥製はワシントン条約で規制されており、それは過去に製作されたはく製にも及びます。
そのため、新たな動物のはく製を作ったり、海外から輸入もできないため、今では大変貴重な物になっているのです。
そんな剥製を惜しげもなく展示している「つやま自然のふしぎ館」の存在は嬉しい限りですね。
猛獣ばかりではなく、可愛らしい動物たちもたくさんいるぞ。
う~む、これは和むな。リスなどの小動物たちの愛くるしい姿を見ていると、「可愛いは正義」という言葉を信じられるかも。
また、運営側がユーモラスな方たちのようで、館内には面白い演出があるのでお見逃しなく。
たとえば、館内には「ホッキョクグマ VS ゾウアザラシ」といった夢の競演を実現していました。(笑)
ホッキョクグマのお腹の近くには、トドの頭が飛び出しており、「トド、おまえ死にたいの?」なんて思ったり。
また、階段を上がっていると、こちらのツキノワグマがいきなり登場。
ガラス越しでないのは、怖いからやめて!!
これは本当にビビります。もし夜に出会うと腰を抜かしそうです。(笑)
このようなユニーク?な演出をぜひ楽しんで下さいね。
【夏の夜限定でナイトミュージアム開催】
夏の夜限定ですが、つやま自然のふしぎ館は夜も営業しています。夜の動物たちは、昼間と違って怖すぎませんかね。(特にヒグマとか)
尚、日中通常入館された方にも、別途料金がかかるので注意するように。懐中電灯は持参をお願いします。
空の王者推参、世界の鳥のはく製
空の王者と言えば鳥類でしょう。羽を広げた鳥たちは、今にも飛び立ちそうですね。
一度は鳥になって「大空を飛んでみたい!」なんて思った人は、多いと思います。(私もそうだけど、個人的にそれ以上に舞空術をマスターしてみたい。)
ジッとこちらを見つめている沢山の鳥たちを眺めていると、なんだか怖く感じるかも。
これははく製ですが、実際にリアルの野鳥もジッとこちらを見つめていたりするぞ。
おっ、こちらはフクロウではないですか。ルビーアイは夜見ると絶対に滅茶苦茶怖いです!!
そもそもフクロウは夜行性だ。個人的にフクロウの比較的こもった声が結構好きですね。短くリズミカルに「ホッホッホッ」や「ホー」と伸ばして鳴いているのを聞くと、テンションが上がります。
可愛いペンギンたちの群れもいるぞ。
水族館などでヨチヨチ歩くペンギンを思い出して思わずニヤニヤしてしまいました。(笑)
頭部がグリーンの鳥を発見。何て言う鳥なのかな。
私が知っている鳥や全く知らない鳥がいたりして、飽きることなく見学できました。野鳥好きな人には、溜まらないスポットですね。
思わずビックリ!ワニなどの爬虫類
館内には爬虫類のフロアもあります。爬虫類が苦手な人は回れ右。そうでないのであれば、ぜひ足を運んで下さいね。
フロアに入ったとたん、いきなり中央のワニに視線が釘付けです。
こちらを見て下さい。この迫力あるお顔を。こんなワニが徘徊していたらマジでビビります。
今にも襲い掛かってきそうでドキドキしますね。
生きているワニには、怖すぎて近づくことすらできませんが、ここは博物館。
ワニと一緒にツーショット写真もできる。(笑)
ワニだけでも驚きますが、まだまだこれは序の口だ。人によっては、生理的に受け付けない動物もいる。
フロアの中を歩きながら、ふと振り返って見るとその存在と目が合いました。
突然の出会いに頭の中に「!!!!!」がとどろきます。不意打ちのような出会いだったのでかなり驚きましたね。実に心臓に悪いです。
個人的に蛇は苦手な部類に入るので、どうしても長時間は見ていられない。例外として、白蛇は可愛く感じるのはなぜだろう?
こんな時は、大きな亀を眺めて気持ちを落ち着けましょう。(笑)
このとぼけた表情がいいかんじかな。
フロアの奥の方には、特別天然記念物のオオサンショウウオがいました。体長1.28m、体重23kgと大きいですね。
津山市と同じ美作(みまさか)地方にある湯原温泉郷では、今でもオオサンショウウオが活動していますので、興味があれば会いに行ってみませんか。
尚、オオサンショウウオは、夜行性なので昼間は見つけるのがかなり難しいので悪しからず。
【水族館の紹介】
水族館には、大きな亀や珍しい魚を眺めたり、イルカショーがあったりしますね。下記記事では、旅の道中で立ち寄った水族館を紹介します。
苦手な人は注意かも、世界のリアルな昆虫たち
昆虫フロアには、数えられないほどの沢山の虫の標本が並べられています。
昆虫が苦手な方は、無理に見学しない方が良いと思う。標本は綺麗に並べられており、とても見やすいですが、うじゃうじゃいる昆虫に鳥肌が立つかも知れません。
こちらはクワガタの標本です。クワガタやカブトムシは、いつの時代でも子供たちに大人気。
そういえば、私が子供の時には、山へ行ってよくカブトムシを取っていたりしましたね。
昆虫の標本といえば、蝶々の標本は外せません。
遠目で見ると綺麗なのですが、近づいて見ると結構グロテクス。う~む、この辺りは人それぞれの感性により、受け取り方は違ってくるぞ。
おっ、こいつは「アレキサンドラトリバネアゲハ」ではないですか。世界最大の蝶々ですよ。
この蝶々、パプアニューギニア島南部とオーエン・スタンレー山脈東部だけに生息しているため、日本にいると見かけることはありません。
メスの体長は17cm~28cmもあるそうで、人の顔ぐらいの大きさの蝶々が目の前を飛んでいることを想像すると、妖精モドキ?と思ってしまうのは私だけでしょうかね。
美しくて面白い数多くの化石、貝殻、鉱石
化石フロアでは、アンモナイトやウニなどの化石を見学できます。
「そんなの興味なんてないし!」と思っている人が一定数いると思いますが、そんなこと言わずにぜひ足を運んでみて下さい。
化石などを見ていると、はるか昔の地球について思いを馳せるかも。いつか人類も滅んでしまうと、このような形で残るかも知れないですよ。
また、珍しい貝殻を集めた専用のフロアもあります。
こちらは世界最大の大きさを誇る「オオシャコガイ」です。実に面白い!
展示されていた貝殻は、長さ約45cmで重さ45kg。ちょっと重すぎませんかね。
珍しい形をした貝殻のクモガイを見つけました。
クモの足のようなところがネーミングとなった所以ではないでしょうか。
こちらの貝殻の標本は綺麗ですね。世界中の貝殻が入り混じり実に見応えがあります。
日本だけでなく世界中には、綺麗な貝殻やデザインセンスに優れた貝殻などが多く、そういうのを見ているとインスピレーションが沸き上がることもある。
それに、いい意味で気分転換になったりしますね。
こちらは、鉱石を展示しているフロア。
全く知らない鉱石ばかりでしたので、見ていて勉強になりました。
鉱石は私たちの暮らしに欠かせない物です。有名どころを挙げると「鉄、銅、金」かな。
鉱石を眺めていたら、ふと子供の頃に「すいへーりーべーぼくのふね・・・」の呪文で、元素記号を覚えた事を思い出しました。(笑)
【巨大な奇岩の紹介】
鉱石の中には、とてもつもなく大きな奇岩があったりして、崇拝の対象になっていたりしますね。下記記事は、そんな奇岩を紹介します。
つやま自然のふしぎ館の基本情報とアクセス
住所 | 岡山県津山市山下98-1(鶴山公園正面入り口付近) |
電話番号 | 0868-22-3518 |
営業時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) 【夏の夜限定開催】 ナイトミュージアム 18:00~21:00(入館は20:30まで) |
休館日 | 3月・5月・7月・9月・11月は月曜日(GW期間は毎日開館) 1月・2月・6月・12月は月曜日と火曜日 上記以外の月及び祝日は開館 年末年始(12/29~1/2) |
入館料 | 大人800円 小人(小中学性)600円 幼児(4~5歳)400円 ※団体割引や障害者割引、高齢者(70歳以上)割引があります。 ※歴史民族館との共通券もあります。 |
【アクセス】
- JR津山駅より徒歩約10分
- 津山IC又は院庄ICより車で約15分
つやま自然のふしぎ館の駐車場
つやま自然のふしぎ館に隣接する津山観光センターの無料駐車場を利用しましょう。
収容台数は普通車が30台、バス6台になります。
観光センター以外で長時間利用する場合は、念のためセンターの方へ確認した方が無難ですね。
尚、営業時間は4月~9月で9:00~18:00、10月~3月は9:00~17:00になります。
まとめ
つやま自然のふしぎ館は、世界の動物や人体の臓器が見られる珍しいスポットです。
今回紹介した動物たちは本の一部であり、迫力ある動物はまだまだ沢山います。
今現在、多くの動物たちが人間の都合により、絶滅に瀕している事実が良くわかり大変勉強になりました。
岡山県津山市へ訪れる機会があれば、是非足を運んでみて下さい。
自然界の不思議が詰まった空間は、一見の価値があります。