「猫の細道」を知っていますか。名前からして何だか楽しそうな響きですね。
尾道観光の定番として有名な千光寺の近くには、不思議な雰囲気に包まれた小道があります。その小道こそが「猫の細道」です。
リアル猫に合えたり、猫に関するアート作品の数々を見学できる。また、猫に関するお店も数店舗あるぞ。特に優しく3回撫でると願いが叶う「福石猫」は必見です。
尾道へ訪れたら猫好きな方はもちろん、そうでない方もぜひ足を運んでみてはいかがですか。
本記事では、千光寺の荘厳な雰囲気が一変する「猫の細道」の行き方や見どころを紹介します。
「猫の細道」とはどんなところ
猫の細道は、千光寺山ロープウェイ乗り場の西側にある艮(うしとら)神社から、天寧寺三重塔に続く約200mの小道です。
その名が示すように、道中には可愛い猫に出会えるよ。今でこそ観光地として有名な尾道ですが、かつては空き家や廃屋の問題がありました。
この美しいエリアを残しておきたいと願い、アーティストの園山春二さんを中心に様々な取り組みが行われたそうです。
建物を壊さずにリノベーションを行うことで、昔ながらの雰囲気を保ちながら不思議な空間を生み出す。そして、その集大成が「猫の細道」ですね。
名前の由来には諸説がありますが、道を作っている最中に猫が歩いた後に足跡が残ったからだそうな。そういうの知ると、これも巡り合わせではないかと思います。
細い路地裏には、猫のデザインが描かれていたり、石にペイントされた猫がいたりする。そんな猫のアート作品を見物できるのが面白いです。
そのようなデザインを探しながら歩くのが楽しいし、様々な角度からデザインと一緒に思い出に残る一枚を撮ってみて下さいね。
哀愁漂う尾道の町並みと共に、猫の細道へ迷い込んでみよう。
猫の細道は、2022年の猫の日(2月22日)の前に旅行情報誌「じゃらん」でアンケートを取ったところ「一度は行ってほしい猫スポット5選」の1つに選ばれました。
【周辺の見どころ】
猫の細道周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
猫の細道のマップと所要時間
猫の細道の出入り口へ向かうには、艮神社方面と千光寺方面の2つのルートがありますが、千光寺方面のルートをおすすめします。
というのは、尾道は坂の町なので、艮神社方面から歩くと坂道を上らなければならない。当たり前の話ですが、坂道を上りながら観光するより、下りながら観光する方がかなり楽ですね。(体力的にも精神的にもです。)
猫の細道は距離にして約200mほどしかないため、ただ歩くだけならば5分もあれば余裕ですよ。
しかし、思わず立ち止まるような場所が多いので、それなりに時間はかかるものだ。(私がそうでした。)なので、じっくり見て回ったとしても所要時間は15~30分ぐらいはみておきましょう。
尚、千光寺へ行かないのであれば、艮神社方面から歩いた方が時間的に早く見て回れます。
ちなみに千光寺から猫の細道の入口までは、徒歩約5分ほどだよ。
猫の細道の行き方、千光寺の参道から入る方法
猫の細道と一緒に千光寺公園・千光寺へ足を運ぶのがおすすめです。
その際、コースは「千光寺公園 → 千光寺 → 猫の細道」の順番が効率的に回れます。まずは、千光寺山ロープウェイに乗って千光寺公園へ向かいましょう。
そして、千光寺公園の散歩道(文学のこみち)を下れば千光寺へ辿り着きます。
文学のこみちは、正岡子規や十返舎一九など尾道ゆかりの25名の作家・詩人の詩歌・小説の断片等を自然石に刻みついているので、猫の細道とはまた違った魅力があります。
千光寺から市街地へ向かって階段を下りていると、お洒落なカフェ「みはらし亭」が見えてきました。
このカフェでは、ゲストハウスもしているそうでよ。ここを拠点にして尾道観光へ出かけるのもいいですね。
そこから少し歩くと、足元には石に猫の顔が描かれた「福石猫」を発見。可愛いデザインの前には、自然と足が止まります。
この福石猫の隣りには、細い路地が続いているぞ。
何だかワクワクするではなないですか。実はここが「猫の細道」へつながる入口になっている。
足を踏み入れて階段を下ってみよう。
おっ、目の間に立派な塔が見えてきた。これは天寧寺三重塔ですよ。千光寺から階段を降りる際にも見えていた塔ですね。
ここからは一本道なので、真っすぐ歩いていくと猫の細道へ辿り着きます。
猫の細道の見どころを紹介
猫の細道には様々な見どころが多いので、じっくりと見物していこう。
主な見どころを以下にまとめました。
- 福石猫
- 地面や壁に描かれた猫アート
- 古民家カフェや招き猫美術館
それぞれについて説明します。
願いが叶う「福石猫」
猫の細道に足を踏み入れると、至るどころで見かけるのが、石に猫の顔が描かれた「福石猫」です。
この福石猫は、1998年より置き始め、猫の細道には108匹もいるとか。全部見て回るとなればかなり大変ですね。
しかし、これに序の口というのだから驚きです。というのは、尾道市内には福石猫が1,000匹以上も隠れ潜んでいるというじゃないですか。
福石猫をお目当てに、何度も尾道市へ訪れる楽しみが増えるというものだ。
地面に置かれているだけでなく、草むらに隠れていたり、家屋の屋根からひょこり覗いていたりして、色んな場所にいるので探してみよう。
この福石猫は、1つ1つ丁寧に時間をかけて作っています。
聞くところによると、日本海で丸くなった石を約半年間塩抜きを行ない、特殊な絵の具で3回も塗り重ねて作るそうです。できあがった後は、神社でお祓いされて完成に至ります。
完成までには、7~8ヶ月かかるというので、本当に手間暇をかけてますね。
愛情をかけて作られた福石猫には、パワーがみなぎっていると言われ、そのパワーをもらいに訪れる人も多いとか。なるほど~、何だか分かるような気がするな~。
実はこの福石猫、優しく3回撫でると、願いが叶うといわれていますので、ぜひ優しく撫でてあげて下さいね。
大小様々な色んな福石猫があり、それぞれ違った表情を見せてくれる。これも福石猫の魅力でしょうね。
また、名前のついている特別な福石猫を見つけたので、少しばかり紹介します。
こちらは「アカ(厄除け)」という名前の福石猫。
名前の通り真っ赤ですね。気になる部分を薬指でなでると、無病息災のご利益があるそうです。なので、見つけたらぜひ優しく撫でて下さいね。
こちらはアダムとイブ。この名前といえば、旧約聖書「創世記」に登場する人類の始祖としてあまりにも有名だ。
こちらのアダムとイブは、手で隠して写真を撮ると恋が実るといいます。これは、気になる人がいるのであれば、写真を撮るしかないでしょ。
道中には、尾道アート館(入場料200円)があるぞ。そこには、福石猫神社があり、様々な福石猫が奉納されています。
足を運んで参拝してみてはいかがですか。おみくじもあるので運試しにどうぞ。
こちらは、福石猫の聖地。なんと聖地があるなんて驚きですね。
福石猫の聖地は一見すると、ただの草むらにしか見えません。
しかし、草むらの中をヒョイと覗くと、いるわいるわたくさんの福石猫が隠れているぞ。
その他にも小さな神社がありました。
私が訪れたのは、2022年の秋。そのため祀られていたのは「福石虎」です。なるほど「寅年」に掛けている訳ですね。
この福石猫の聖地には、十二支の描かれた福石猫が隠れています。
なので、あなたの干支の福石猫を見つけ出してみて下さいね。そして、優しく3回撫でてあげましょう。
ちなみに初代福石猫も猫の細道にいました。
のほほんとした表情が可愛らしいので、お見逃しなく。
【アート作品の紹介】
旅先で出会ったアート作品を下記記事で紹介します。
地面や壁に描かれた猫アート
猫の細道には、福石猫以外にも様々な猫のアート作品があります。
お店や路地の壁に描かれたアート作品は、注意深く歩かなくても、直ぐに目にとまるかな。
なので、目を皿のようにして歩かなくても大丈夫。気楽にリラックスしながら歩きましょう。
たとえば、こちらのような壁に貼りつく黒猫たちや大きな猫の顔が描かれているぞ。
おっ、一列に並べられた板にも猫の絵が描かれていました。どれもこれも個性的ですね。
何とも楽しそうな作品をみていると笑顔がこぼれます。
尾道アート館では、福石猫神社以外にも猫の黒板(ねこくばん)を発見。この黒板には猫の情報が書かれているので、良く確認してみよう。
私が見たときは「くろねこのノワールは、耳にお薬を塗っているので触らないでね」ということでした。もちろん了解です。(微笑)
こちらは、初見では全く分からないけど何やら意味深ですね。実はこれは、中心にある福石猫を回して、正面に止まった絵柄の箱からおみくじを引く仕掛けです。
さて、どんなおみくじが引けるのか、運試しとしゃれ込んでみよう。
「なんだ、これは?」と思ったのは、招き猫美術館の入口前にあった実写さながらの大きな猫のデザインをした物体です。
あれ、これよくよく見ると井戸みたい。さしずめ猫井戸といったところか。
猫には全く関係ないですが、なぜか人型がありました。これは一体なんだろうか?
そして、足元にも注意しながら歩いていると・・・・・
なんと、階段にも猫のデザインが描かれているではないですか。
壁だけでなく、路面にも猫の姿が描かれているので、注意深く探して下さいね。気を付けていないとスルーしてしまうかも。
たとえばこちらの猫のデザインは、あまりにも路面と同化しすぎているので、意識していないと猫と気が付がつかないかも知れません。
ノスタルジックな小道を歩きながら、どのようなアート作品があるのか探してみるのは面白いですね。
古民家カフェや招き猫美術館
猫の細道には、店数は少ないですがカフェや美術館などがあります。こちらは尾道ハーブ庭園「ブーケ・ダルブル」。
外からは見えない謎めいた空間は、まるで「秘密の花園」を思わせるかも。尾道水道を眺めながらテラス席でハーブティーやコーヒーなどを頂けます。
ブーケ・ダルブルの近くには、「尾道イーハトーヴ・梟の館」というカフェもある。
店内ではカフェを楽しめるだけでなく、梟のコレクションが約1,500体も展示されているというのだから凄くないですかね。
こちらは、招き猫美術館。
大正時代の民家をリノベーションしたそうで、約3,000匹の招き猫がいるという。幸せを呼ぶ招き猫のパワーをいただきに訪れてみませんか。
また、猫の細道オリジナルのお土産を売っているお店もあるので、記念に立ち寄ってみましょう。
私は訪れたタイミングが悪かったらしく、梟の館と招き猫美術館へ入れず。残念でしたが、またの機会に訪れたいと思います。
【博物館・美術館の紹介】
旅先では、招き猫美術館のような博物館へよく訪れるので、下記記事で紹介します。
猫の細道を楽しむポイント
猫のアート作品だけでも面白いですが、リアル猫と触れ会えるかも知れません。
というのは、猫の細道は猫の散歩コースとなっている。運がよければ沢山の猫に出会える可能性は十分にある。
反対に運が悪いと一匹も会えないだろう。日頃からの猫愛や猫に対する行いが運を左右するかも知れないですね。
猫の細道に立てられていたこちらの掲示板に注目。猫の細道付近で暮らす猫の情報が記載さています。
なので、猫の気持ちになって探してみて下さい。ちなみに私は1匹の猫を見かけましたが、何故か逃げられました。(涙)
しかし、近くにある千光寺公園と千光寺の参道では、別の猫と出会ったので良しとします。
リアル猫に出会った時の上手な付き合い方
猫と出会った時のために、猫と上手な付き合い方を以下にまとめました。
尚、これらの内容は、猫の細道へ向かう道中で見つけた掲示板に掲載されていた内容と同じです。
まとめ
猫の細道では、沢山の福石猫や猫のアート作品を見学できます。また、リアル猫の散歩道になっているので、可愛いらしい猫に会えるかも知れません。
千光寺公園や千光寺へ行った帰り道に、ロープウェイに乗らず猫の細道へ足を運んでみて下さいね。千光寺の荘厳な雰囲気とはまた違った、不思議な雰囲気にワクワクするかも。
ゆっくり歩き回りながら、不思議スポットを見て回れば、尾道観光の満足感がより高まります。