
ロードバイクのホイールの寿命をご存じですか。
ホイールはかなり長い年数を使い続ける事ができますが、いずれ寿命を迎えます。
これはホイールだけの話だけではなく、どの部品にも寿命はありますね。
しかし、扱い方によっては、ホイールの耐用年数を延命できますのでご安心下さい。
本記事では、ホイールの寿命と耐用年数の延命方法についてお伝えし、今使っているホイールを長く使える方法を学べます。
定期的にホイールのメンテナンスをしよう
ホイールは、一般的に走行距離が20,000km以上走ったら交換時期だと言われています。

これがいわゆる「寿命」ですね。
しかし、メンテナンスを全くしなかったら寿命は短くなるばかりです。
そんなことにならないためにも、ホイールの定期的なメンテナンスを行ないましょう。
ホイールを構成する部品には、主に以下の3つがあり、これらの寿命がホイール全体の寿命に影響を与えます。
- リム
- ハブ
- スポーク

当たり前だけどリム、ハブ、スポークそれぞれに寿命があるよ。寿命を迎えた部品は交換が必要だね。
特にスポークは、強く衝撃により折れたり、曲がったりしますので、そうなった場合は放置せず新しいスポークに張替えましょう。
ホイールは、自転車の足回りを支える大事な部品であり、走りの軽さそのものに大きな影響を与えます。
定期的にしっかりとホイールのメンテナンスを行ない、長く性能が発揮できるように努めましょう。
ホイールの寿命は何年か?
ホイールの寿命は、一般的に走行距離が20,000kmと言われており、仮に年間2,000kmで走り続けていれば10年で寿命を迎えてしまいます。

年間走る距離が長ければ長いほど、当たり前ですが寿命は短くなっていくよ。
全てのホイールに言える事ですが、定期的にメンテナンスをしていないと寿命は縮まるばかりです。
例えば、ブレーキシューに細かい金属片が刺さったままでブレーキをかけ続けていくと、リムの摩耗が早くなります。

ホイールの性能や使用状況、メンテナンスの頻度により、「20,000km」と言う数値は変わってきますので、大まかな目安として覚えておくと良いでしょう。
完組みホイールの場合は、寿命を迎えたら新しいホイールを購入することになりますが、手組みホイールの場合は、ホイール全体を変えるのではなく、ホイールを構成する部品を交換する事で、費用を抑えて復活できる可能性があります。

ホイールを構成する全ての部品が寿命を迎えたとは限らないね。使える部品は使ってみよう。
今は完組みホイールが主流ですが、部品ごとに修理が容易にできるメリットを生かすならば、あえて手組みホイールを選択するのも良いでしょう。

完組みホイールでも修理ができない訳ではないよ。ホイールの機種によっては、メーカー修理になる可能性があるね。

手組みホイールは、使用する部品の品質や部品同士の相性、ホイールを組み人の力量により性能が全く異なるため、初心者は完組みホイールの方が使い易いと思うよ。
ホイールの構成部品ごとに寿命を考察
リムの寿命
リムはホイールの外周部の部品でタイヤを取り付けるところです。
ロードバイクでは主にキャリパーブレーキを使用しているため、ブレーキシューでリムを挟む事でスピードをコントロールしています。
そのため、ブレーキをかける度にブレーキシューとリムの間で摩擦が発生し続けるため、リムが消耗する訳です。

ディスクブレーキの場合は、スピードのコントロール方法が異なるため、リムに与える影響は少ないよ。
また、段差などに勢いよくリムをぶつける事で、リムを痛める原因になります。

激しい衝撃により、リムが一目でわかるように変形する場合もあるし、特に問題がないように見えても全体に僅かに歪んでいる可能性があるため、リムに負担がかかる運転はやめましょう。

リムに負担をかけ過ぎるとリムの寿命を縮めるばかりだね。
リムの材質によっても寿命は異なります。
そこで、以下のリムについて寿命を考察してみましょう。
- アルミリム
- アルミにプラズマ電解酸化皮膜処理をしているリム
- カーボンリム
アルミリムの寿命
アルミリムにあるブレーキ面(ブレーキシューと接する面)の凹みや溝は、ブレーキをかけ続けていくと少しずつなくなっていきます。
凹みや溝が完全になくなる頃がアルミリムの寿命です。

ブレーキシューはゴムだけど、アルミが全く削れないわけではないよ。
自転車の走り方やブレーキの仕方などにより、一概には言えませんがアルミリムは、走行距離が20,000~30,000km程度が寿命でしょう。
アルミにプラズマ電解酸化皮膜処理をしているリムの寿命
リムの寿命自体は、アルミリムより長いと予想できますが、アルミリムの上に表面処理をしているだけなので、実質的にはアルミリムと同程度と考えていた方が無難ですね。

プラズマ電解酸化皮膜処理とは、特殊な表面処理の事だよ。通常のアルミリムより摩耗耐性と強度が向上するね。
プラズマ電解酸化皮膜処理をしているリムは、通常のアルミリムと比較して、ブレーキングによるリムの削れが少ない特徴があります。
その特徴を持って、通常のアルミリムより寿命が長いと判断するのも決して間違いではありません。

電解酸化処理の黒くなっている部分は、ブレーキをかけた時、ブレーキシューに金属片や石などが付いていると剥げてしまう可能性があるね。
カーボンリムの寿命
カーボンリムは、リムが削られずブレーキューのみが削れる構造になっています。

ブレーキング時に金属片や石などの異物を挟んでいると、カーボンが削れていくよ。
特にカーボンリムで怖いのが熱による変形です。
ダウンヒルでブレーキをかけ続けていると、熱をどんどん持ち続け最後には、リム自体が変形してしまいます。
カーボンリムは、熱変形により寿命を迎えます。
ハブの寿命
ハブはホイールの中心部分にあり、ホイールを回転させるための部品です。
ハブの中にはベアリングが入っているため、回転性能を維持できます。

ベアリングの潤滑を良くするため、ベアリングにはグリスが塗布されているね。グリスは使用時間や使用状況に応じて劣化していくため、定期的にグリスアップが必要だよ。
自転車の走行中にハブは高速で回転しているため、ハブ内部のハブシャフトとベアリングに負荷がかかり摩耗します。
特にハブシャフトは、ベアリングとの接触で軸が痩せていきますね。
また、ベアリングは摩耗により、虫食いと呼ばれる錆が発生したりします。

虫食いとは、ベアリングに凹みや凹凸が発生することだね。グリスが古くなって潤滑材としての役割を失ったり、グリスが雨などで流れてしまうと発生する可能性があるよ。
そのため、ハブを分解して整備をしないと回転に抵抗が生じるようになり、進みの悪いホイールになります。

ハブの故障は、ハブ内部の消耗部品(ハブシャフトやベアリングなど)による寿命が大きいため、消耗部品の取り換えで対応が可能です。
通常のベアリングは、ステンレスを使っているので、走行距離が3,000km~5,000km程度でメンテナンスをしておいた方が良いでしょう。

CULTベアリングは、グリスアップなどのメンテナンスは必要ですが、ほぼ永久的に使えると言われていますね。
スポークの寿命
スポークは、ハブとリムを繋ぐ部品です。
スポークの働きには、ハブに伝わった力をリムに伝えていたり、振動の吸収を行なったりしています。
スポーク自体にも当然寿命があり、材質により以下の走行距離で寿命を迎えると言われています。
材質 | 走行距離 | 備考 |
---|---|---|
アルミ | 10,000~15,000km | |
カーボン | 20,000km | |
ステンレス | 30,000~40,000km | 衝撃をいなす特徴があるため寿命が長い |
ホイールに強い衝撃を受けるとスポークが曲がったり、折れたりしますので、これも一種の寿命と考えて良いでしょう。

自転車に重い荷物を載せて長期間走り続けていると、荷物の荷重に耐えられずスポークが破断する可能性があるよ。
ホイールの耐用年数の延命方法
ホイールの耐用年数(寿命)の延命方法について、以下の3つを紹介します。
ホイールの耐用年数(寿命)の延命方法
- ホイールのメンテナンス
- ホイールを使い分ける
- ホイールのオーバーホール
それぞれの延命方法についてお話します。
ホイールのメンテナンス
ホイールの寿命を延ばすにあたり、最も重要なのがメンテナンスです。
具体的には、定期的に以下について行ないましょう。
- リムの掃除や、ブレーキシューやリムのブレーキ面に異物があれば取り除く
- ハブのベアリングにグリスを入れる
- ホイールの振取りやスポークの張力を調整する
リムの掃除や異物の除去については簡単な作業ですが、グリスを入れるのは慣れが必要です。
また、ホイールの振取りやスポークの張力を調整するのは、高い技術力が必要になるため、自転車ショップへ任せた方が良いでしょう。
ホイールを使い分ける
複数のホイールを使い分けるのが最も簡単な対処方法です。
一つのホイールを常に使い続ているより、複数のホイールを使って消耗度合いを分散させるのは理にかなっています。

大会用や練習用、日常用などのように、用途別にホイールを用意しておけば、無駄になる事はないよ。
【ホイールの乗り比べにサイクリングへ出かけてみよう】
ホイールを使い分けて使っていると、自転車の乗り味の違いに気が付きますね。サイクリングへ出かけて乗り比べしてみませんか。下記記事では、サイクリングに最適なスポットを紹介します。
ホイールのオーバーホール
自転車ショップへ1年に1回のペースでオーバーホールを頼んでみるのも良いでしょう。

オーバーホールとは、自転車から全ての部品を取り外して、それぞれの部品を洗浄、調整、点検などを行ない、元に戻す作業の事だね。問題がある部品が見つかった場合は、新しい部品に交換してくれるよ。
オーバーホールにより、ホイールで異常が見つかったとしても新しい部品に交換したり、調整したりで対処するため、新品当時の性能に復活する可能性があります。

お財布に余裕があれば、できればホイールだけでなく、ロードバイク自体をオーバーホールする方が安心だね。
ホイールの寿命を延ばし、長く使い続けよう
ホイールの寿命は、一般的に走行距離が20,000km以上走ったら交換時期ですが、ホイールを構成する部品ごとに考えてみると、寿命にバラツキがあります。
ホイールの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスが大事であり、自分でできる事が自分で対処して、無理そうな事は自転車ショップへ依頼しましょう。
尚、ホイールだけでなくロードバイクのタイヤ、チェーンなどの消耗品やフレームにも寿命はありますので対処が必要です。
自分の愛車(自転車)が1日でも長く乗り続けられるように、定期的なメンテナンスを欠かさないよう努めましょう。