「自転車が気持ち良く進まないな」「ペダルを漕ぐのが重く感じる」といった経験をしたことがないですか。
それは、自転車が発しているSOSですよ。明らかに何かが自転車に起きているのです。その状態を放置しておけば、より進まなくなり、最悪、何かしらのパーツが壊れるかも知れません。
最も考えらる原因は、タイヤの空気圧不足ですが、その他にも様々な原因があります。原因が分かれば、打てる手はいくつも考えられるようになれるので、何が起きているのか知っておこう。
本記事では、自転車の「ペダルが重い」と感じる様々な原因について解説します。
ペダルが重くなるのは必ず原因があり、走行性能に影響をうける
自転車は、ペダルを漕ぐと力が様々な部品に伝わり、前に進むものです。また、自転車の様々なパーツの状態を足から感じ取れますね。
もし、ペダルを漕ぐ感覚がいつもより重いと感じたならば、何かしらの原因があると思って下さい。
ペダルそのものよりも、タイヤやチェーン、さらにはブレーキまでもが影響して、ペダルが重たくなる症状が発生している場合が多いです。
ペダルが重たく感じれば感じるほど、単純に自転車の運転が疲れます。いつもと違う足取りに、地味に精神的ダメージも受けますよ。
症状が酷くなれば、坂道を上るのが難しくなり、自転車を手押した方が楽に感じることも。ここまで酷くなる症状は稀ですが、早めに原因を特定し解決しなければ、いずれ自転車に乗るのが嫌になるでしょう。
好きだった自転車が嫌いになるのは、実に悲しいですね。
結論からいえば、ペダルが重くなる原因は、タイヤの空気圧不足がほとんどです。
それ以外にも様々原因がありますので、以下に主な原因をまとめました。
それぞれについて説明します。
ペダルが重いということは、どこかのパーツに抵抗がかかっている可能性がありますね。抵抗を受け続けている状態が長引くようでしたら、いずれは壊れてしまうのも道理です。
そうなれば、自転車が走らなくなるかも知れません。修理費用もかさむし、いいことが全くないので早期発見、早期解決を図りましょう。
タイヤの空気圧不足
タイヤの空気は、たとえ自転車に乗っていなくても時間の経過とともに自然に抜けていくものです。また、気候や劣化具合によって空気の抜け具合は早まります。
「ん?ペダルが重く感じるぞ」と気が付いたならば、まず始めにタイヤの空気圧を疑ってみよう。タイヤをつまんだ時に、プニプニ変形するならば、明らかな空気圧不足ですよ。
ロードバイクなどのスポーツ系自転車に乗る場合は、自転車に乗る前に空気圧をチェックしている人が多い。しかし、ママチャリなどの実用車では、空気圧をチェックしていない人がわりと多い気がします。
タイヤには適正空気圧があり、適正空気圧は意外に硬いですね。空気圧が低ければ、タイヤと地面との接触面が大きくなって摩擦が増えます。
これが、ペダルが重いと感じる根本原因となる。つまり、タイヤの空気圧を適正に保てばペダルが軽くなり、万事解決します。
尚、タイヤの空気圧が低い状態で自転車を運転していれば、パンクする可能性が高くなるので全くいいことがありません。
タイヤを新しく交換して空気圧を適正にしても、ペダルが重く感じる。どうして?
タイヤを新調した後で、このような問題が起こる場合がありますね。これは、ブレーキの片当たりや引きすぎ、チェーンの張り過ぎが原因の場合が多いです。必要に応じて自転車ショップで見てもらい、調整してもらいましょう。
ブレーキの接触やワイヤーが張っている
タイヤの空気圧を適正に保っていてもまだペダルが重く感じるならば、次に疑うのはブレーキです。
片手で前輪を浮かせてもう片方の手でタイヤを回して下さい。クルクル回り止まりそうな気配がなければ問題ありません。
もし、3秒以内で止まってしまうのであれば、ブレーキシューがホイールに接触している可能性が高いです。いわゆる「片当たり」と呼ばれる症状ですね。接触が酷い状態であれば、シュッというような音が聞こえたりするので直ぐに気が付くだろう。
前輪のチェックが終わったならば、後輪もチェックして下さいね。
なぜこのような現象が起きるかというと、自転車の転倒や接触などで強い衝撃を受け、ブレーキの取り付け位置が傾いているからです。
ブレーキシューがホイールに常に接触しているということは、ブレーキをした状態で走っているのと同じですよ。なので、ペダルが重く感じるのは当たり前。ブレーキを調整すれば直ぐに直ります。
尚、ママチャリの後輪の場合は、自力で解決は難しいので、自転車ショップで見てもらうのが無難といえる。
その他にもペダルが重く感じるブレーキ関係の原因といえば、ワイヤーの張り過ぎが挙げられます。
ワイヤーを強く張っていれば、これも常にブレーキが効いた状態と同じだ。ワイヤーの張りを調整すれば直ぐに直るのでご安心して下さい。
これらのことから、ブレーキが常にロックされている状態にならないよう、日々のチェックやメンテナンスが大事になります。
チェーンの張りすぎ
意外に思われるかも知れませんが、ペダルが重くなる原因には、チェーンの張り具合が関係します。
そもそもチェーンの役割は、ペダルを漕ぐ力を後輪に伝えることなので、全くの無関係とはいえないですね。
チェーンの適正な張り具合は、真中を指で押したときに1cmほどたわむぐらいが丁度いい。
張り具合のチェックは、タイヤを90度づつ回しながら4箇所ほど確認して下さいね。1cmほどの遊びが全くないのであれば、自転車ショップへチェーンの張りを調整してもらおう。
自分で調整するには、専門的な知識が必要となるので、プロに任せた方が無難ですよ。
チューンが張りすぎる症状は、後輪のタイヤを交換した時に起こりやすいですね。
油切れやグリス切れなどのメンテナンス不足
チェーンの油が切れたりすると、チェーンとスプロケットの間に摩擦抵抗が増します。
また、ハブなどベアリングを使っているパーツでは、グリス切れやグリスの劣化により、スムーズな回転を得られなくなるものだ。
特にママチャリは、きちんと清掃せず乗り続けていると、油に汚れが付着したり、サビが出ることが多いですね。
つまり、チェーンやチェーンリング、スプロケットのメンテナンス不足によって摩擦抵抗が増し、結果的にペダルが重く感じるのです。
解決方法は至ってシンプル。汚れをしっかり落とし、注油やグリスの入れ替えを行ないましょう。
BBのネジの緩み
そもそもペダルは、クランクについていますね。
このクランクの回転中心部にはBB(ボトムブラケット)があるのだけど、ここに原因があるかも知れないです。
BBは足の力がダイレクトに伝わるパーツなので、自転車の中でもかなり頑丈に設計されています。走行中は、ここに負荷がかかり続けている状態な訳だから、ネジの緩みが発生する可能性はゼロではありません。
そして、それが緩んだネジの内側にあるベアリングを傷めてしまうかも。それが原因でベアリングが正常に回転しなくなれば、ペダルを回しても重く感じます。
ネジが緩めば、走行中ペダルがガタガタしてくるので気付くだろう。なので、自転車ショップで見てもらって下さいね。
タイヤに何かが当たっている
先ほどブレーキシューが当たることでペダルが重くなることを説明しましたが、当たるのはブレーキシューだけとは限りません。
というのは、泥除けなど他のパーツが接触していたり、葉っぱなどの異物が引っかかっている可能性があります。
落車などの衝撃で泥除けが変形すると、タイヤに接触する可能性が十分にあるし、ブレーキの位置がズレてしまうかも知れないですね。
なので、タイヤに何かが当たっているのであれば、その原因を取り除くことで解消します。
自転車のペダルが重い原因が特定できない場合の対応
どうしてもペダルが重く感じる原因がわからない場合は、プロに任せるのが適切です。自転車ショップへ自転車に持ち込み、症状をくわしく話して相談しましょう。
その際、症状が出る直近で何かしらのパーツ交換を行ったり、転倒などで自転車に強い衝撃をうけた事実があるならば一緒に話して下さい。
具体的に話すことで、原因を早期に突き止められるかも知れません。
とたえば、足回りのパーツを交換してからペダルが重く感じるようになった場合、ただ馴染んでいない可能性があります。プロの意見を聞いて判断してみましょう。
パーツによっては、分解して確認する必要があったりしますので、無理やり自分で作業を行うよりもプロに任せた方が安心です。
まとめ
本記事では、自転車の走行中に「ペダルが重い」と感じる様々な原因について解説しました。
最後にもう一度主な原因について以下にまとめます。
- タイヤの空気圧不足
- ブレーキの接触やワイヤーが張っている
- チェーンの張りすぎ
- 油切れやグリス切れなどのメンテナンス不足
- BBのネジの緩み
- タイヤに何かが当たっている
ペダルを漕ぐことで、自転車の状態を感じることができます。つまり、ペダルは自転車とのコミュニケーションツールとも言えますね。
ペダルが重く感じるのは、自転車から何かしらの警鐘ですよ。原因を早期に特定し、早期解決に努めましょう。