
タイヤの空気圧を適切な値に保つことは、基本的なメンテナンスの一つです。
めんどくさいからと言ってタイヤに空気を入れるのは、月に1回とか数ヵ月に1回しかしない人もいるのではないでしょうか。
シティーサイクル(ママチャリ)だけに乗る人には、その傾向が多いような気がします。
タイヤの空気圧は自転車の走りに関わる最重要事項であり、走りを重視するロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車では、決して無視できません。
適切な空気圧で無い状態で自転車に乗り続けていると、パンクなどのトラブルに合ったり、乗り心地が悪化したりします。
本記事では、適切な空気圧の目安や調整について詳しくお話します。
タイヤの空気圧は常に適切な値にしよう
適切な空気圧は、タイヤにより異なります。
各メーカーから販売されているタイヤには、適切な空気圧の範囲が決まっており、その範囲内で自分がしっくりとくる空気圧に調整して使用するのがベストです。

タイヤの表面には適正な空気圧が表示されているので、その範囲内で調整しよう。タイヤによっては、最大空気圧しか表示されていないことがあるよ。
例えば、このタイヤの場合は表面に「MAX 980KPa(9.8Bar 140P.S.I)」と表記しています。

最大空気圧が980KPa(キロパスカル)である事がわかりますね。
適切な空気圧の範囲が分からない場合は、自転車ショップやタイヤメーカーのホームページを確認すると良いでしょう。
自転車に乗る前に、空気圧を調整する事を習慣付けていると忘れる事はありません。
空気圧を適切にすると快適な走りを手に入れる事ができます。
空気圧の正体
自転車のタイヤには、様々な種類がありますが、ほとんどがタイヤの中(又はチューブ)には空気が入っています。
このタイヤの中に入っている空気の量を表した数値が空気圧です。
空気圧は一般的に以下5つの単位で表現しています。
空気圧の単位
- bar(バール)
- kpa(キロパスカル)
- psi(ピーエスアイ、プサイなど)
- kgf/c㎡(キログラム毎平方センチメートル)
- 気圧 ※厳密には自転車で使用する単位ではないが使っている人もいる
これらの単位は、メーカーやタイヤによってバラバラ又は混在して使用されているのが現状です。
「bar」はヨーロッパで使用され、「psi」はアメリカで使用されています。
日本で良く使われいる単位は「bar」と「kpa」でしょう。

個人的に単位は統一して欲しいね。
そのため、空気圧計を見る時は、単位に注意しましょう。
フロアポンプ(空気入れ)に付いている空気圧計には、一般的に複数の単位に対応してる物がほとんどです。

また、単位の換算は容易にできるため難しく考える必要はありません。
単位の換算は以下で行います。
1bar = 100kpa (例:6barは600kpaになります)
1bar = 14.5psi (例:1barは14.5psi、厳密に言うと14.5037738psiになります)
1bar ≒ 1kgf/c㎡ ≒ 1気圧 (例:7barは7kgf/c㎡、7気圧となりほぼ同等です)
適切な空気圧について
適切な空気圧はタイヤにより異なり、自転車に乗る体重(重量)によっても影響を受けます。
また、走る道路の状態や天候にも影響を受けるのです。

そうなると空気圧の適切な量は、いくらにすれば良いのか悩みますね。
ご安心下さい。
基本的には、タイヤに表示されている範囲内で自分の走りがしっくりとくる空気圧で調整しておけば問題はありません。
そうする事でタイヤ本来の性能が発揮されます。
最大空気圧しか表示されていない場合は、最低空気圧は上限の7割ぐらいで見ておくと良いでしょう。

例えば、最大空気圧が9.8barの場合は、最低空気圧は6.9barとなり、空気圧の範囲は6.9~9.8barの間で調整しよう。
タイヤの太さが細くなるほど、適正な空気圧は高くなっていきますが、ロードバイクやクロスバイクでは、私の経験上以下の範囲で調整するのがベターです。
タイヤの太さ | 空気圧の調整範囲 |
---|---|
700×23C | 7~9bar |
700×25C | 6~8bar |
700×28C | 4~7bar |
適切な空気圧に調整する事で、「乗り心地が良い」、「走りが軽い」、「パンクの回数が減った」などのうれしい効果を感じ取ることができます。
【サイクリングへ出かけよう】
タイヤの空気圧が適切な場合、気持ち良くサイクリングができますね。下記記事では、サイクリングにおすすめのスポットを紹介します。
空気圧の調整
空気圧の調整は、適正な空気圧の範囲内で行います。
空気圧を低くしたり高くしたりする事で、乗り心地と走りの軽さが変わっていき、その効果は顕著に感じる事ができるでしょう。

人によって丁度良い空気圧は異なるよ。体重や自転車の重量、荷物の重力を加味した総重量を考慮して空気圧を調整しよう。
空気圧は総重量により比例していきますので、総重量が重い場合は空気圧は高めに、軽い場合は低めに調整していると、自転車の走りも乗り心地も丁度良い空気圧がみつかります。
乗り心地を重視する場合は、空気圧を低くする
乗り心地を重視して自転車に乗りたい場合は、適切な範囲内で空気圧を低く調整しましょう。
タイヤに入っている空気量が多いほど乗り心地は良くなるため、太いタイヤを使用して空気圧を低めにするとより効果的です。
低めの空気圧には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 振動吸収性が高くなり乗り心地が良くなる。
- タイヤが変形しやすいのでグリップ力が向上する。(転びにくくなる)
- 下り坂やカーブを曲がる時に走りが安定する。
- 転がり抵抗が高くなるので、走りが重い。(ペダリングが重い)
- パンクの原因になり易い。
走りの軽さを重視する場合は、空気圧を高くする
自転車の走りを軽くしたい場合は、適切な範囲内で空気圧を高く調整しましょう。
タイヤを細くすることで、転がり抵抗が低くなりますので、細いタイヤで高い空気圧を入れるとより効果的です。
高めの空気圧には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 転がり抵抗が低くなるため、走りが軽い。(ペダリングが軽い)
- 加速性能が良くなる。
- 振動吸収性が低くなり乗り心地が悪くなる。(お尻にダメージを受けやすい)
- タイヤが変形しにくいため、グリップ力が低下する。(転び易くなる)
- 路面が荒れていると自転車が跳ねてしまい走りずらい。
空気圧のチェック
自転車へ乗る前には、タイヤの空気圧を常に確認しましょう。
空気圧の確認をしないで自転車に乗り続けていると、パンクする事が多いですね。

私の場合ですと、ロードバイクで自転車旅へ出かける事が多く、旅の出発時には必ず空気圧の確認を行なっているよ。

旅先では5日毎に空気圧を確認しているね。尚、毎日旅の出発前には、タイヤを指で押さえて、空気が抜けていないか感覚的な確認は行っているよ。

4日間も空気を入れ直さなくて大丈夫なの?

私は700×25Cのタイヤを使用していて、今までの自転車旅の経験上、4日ぐらいは空気を入れ直さなくても大丈夫な事がわかっているよ。タイヤのサイズによっては、空気を入れるタイミングは変わってくるね。
自分好みの空気圧に調整しよう
タイヤにより適切な空気圧の範囲は異なります。
自分が使っている自転車で、適切な空気圧がわからない場合は、タイヤの表面を確認して調べてみましょう。
そして、自分にとって丁度良い空気圧に調整して乗って見て下さい。
今まで「走りが重い」、「乗り心地が悪い」と感じていれば効果てきめんです。
特に1泊以上の自転車旅を続ける時は、旅先で自転車に乗る前に必ず指でタイヤを押して、感覚的でも良いので空気圧の確認を忘れてはいけません。(自転車旅の初心者は忘れがちですね)
定期的に空気圧を確認する習慣を身につけて、タイヤの空気圧は自分にとってベストな状態を保ちましょう。