
自転車においてブレーキは、命を守るための最重要部品です。
世の中には様々な自転車があり、ブレーキの種類も1種類ではなく多種多様にあります。
ブレーキは種類によって特徴が異なっているため、長距離・長時間走る自転車旅では適切なブレーキを選びましょう。
何を重要視するかによって利用するブレーキの種類を使い分けてみるのも良いですが、共通して言える事は、どの種類を選んだとしても性能の良いブレーキを使用すべきです。
ブレーキで自転車のスピードをコントロールできるからこそ、安心して自転車に乗れるのであって、価格が高いからと言って安易に安価な性能の悪いブレーキを使う事はやめたほうが良いですね。
本記事では、自転車のブレーキの種類と特徴についてお伝えし、サイクリングや自転車旅に適したブレーキについて学べます。
ブレーキは命を守る最重要部品です
自転車に取り付けているブレーキは、自転車の種類によって異なります。
主に自転車旅で使用する自転車の種類は、ロードバイク、クロスバイク、グラベルロード、ランドナー、E-Bikeですね。

シティーサイクル(ママチャリ)で旅をしている人がいますが少数派です。もともと日常で使用する自転車のため、旅用には向いていません。
自転車購入時に既にブレーキは取り付けられていますが、安い自転車を購入した場合は、たいてい安くて性能の悪いブレーキが付いている事が多いので、性能の良いブレーキへ交換すべきです。

ブレーキは命を守るための最重要な部品であるため、個人的には一番初めにお金をかける部品だと思っているよ。
もしブレーキの性能が悪く制動力が弱ければ、スピードを出したり、坂道を下ったりするのが怖くて使い物になりません。
ブレーキは大きく分けると以下の3つに分類できます。
- ハブブレーキ
- リムブレーキ
- ディスクブレーキ
この中でハブブレーキの内訳には、バンドブレーキやローラブレーキなどがあり、主にシティーサイクルで使用されているため、自転車旅で使用するブレーキから外します。

ハブブレーキはリムブレーキと比べて制動力が弱いですが、雨や風などの環境に強いメリットがあるため、日常用の自転車で活躍できますね。
リムブレーキにも複数の種類(Vブレーキやキャリパーブレーキなど)がありますが、最終的に自転車旅では以下のブレーキを使用すると良いでしょう。
- Vブレーキ
- キャリパーブレーキ(ダブルピボット)
- ディスクブレーキ
これらのブレーキにはそれぞれ特徴がありますので、良く理解して自分に合ったブレーキを使用して、安全運転を心掛ける事が大切です。
ブレーキの役割
ブレーキとは、運動エネルギーを減衰させるための機構です。
自転車はペダルを漕ぐと前へ進みますが、この時発生する運動エネルギーを減衰させなければ何時まで経っても停止しません。
そのため、ブレーキをかける事でスピードをコントロールして、自転車を止める事ができるのです。

厳密に言うと摩擦があるため、ブレーキをかけなくてもいずれは止まります。
もしブレーキがなければ、自転車の停止ができないため、そんな危険な乗り物には乗れませんね。
そのため、ブレーキは自転車において最重要部品になるわけです。
自転車旅で使用するブレーキの種類と特徴
Vブレーキ
主にクロスバイクやマウンテンバイク、ミニベロに使用されているブレーキです。
ワイヤー式のリムブレーキの中では最高の制動力を誇ります。
自転車部品メーカーで有名な株式会社シマノがかつてクロスバイク用のブレーキとして製品化したため、広く日本へ普及しました。
Vブレーキには以下のような特徴が挙げられます。
- テコの原理を利用する事で高い制動力を発揮する
- 部品点数が少ないため、メンテナンスが容易
- 価格が比較的安価
雨の日は制動力が落ちるため、強くブレーキをかける事でブレーキシューの消耗が激しくなりますので注意が必要です。
キャリパーブレーキ(ダブルピボット)
キャリパーブレーキには「シングルピボット」と「ダブルピボット」の2種類がありますが、主にロードバイクで使用されているのはダブルピボットです。(別名でデュアルピボットとも言います)


シングルピボットはシティーサイクルの前輪用のブレーキとして使用される事が多いよ。
1970年~1980年代のロードレースでは、シングルピボットが主流だったそうですが、現代ではダブルピボットが多いです。
ダブルピボットはシングルピボットを改良した物であり、支点が2本になる事でバランスが取り易くなりました。
ダブルピボットのキャリパーブレーキには以下のような特徴が挙げられます。
- スピードをコントロールしやすい
- 軽い力でシングルピボット以上の制動力を発揮する
- ブレーキが片効きになる事が少ない
- 調整が簡単
雨の日はVブレーキ同様、制動力が落ちるため、強くブレーキをかける事でブレーキシューの消耗が激しくなりますね。

私のロードバイクのブレーキは、デュラエースのブレーキです。昔、ブレーキのグレードを「105」から「デュラエース」に上げた時に、制動力の違いに感動しましたね。尚、「105」のブレーキ性能は素晴らしく文句はありませんが、デュラエースはそれ以上です。
【ロードバイクを乗り続けた影響】
ダブルピボットのキャリパーブレーキは性能が良く使い勝手が良い物です。主にロードバイクで使われており、そんなロードバイクへ乗り続けていると下記記事で紹介するような影響があります。
ディスクブレーキ
2021年8月時点において、多くのメーカーから販売されるスポーツ系自転車には、始めからディスクブレーキが装着されています。

主流ブレーキと言って差し支えないでしょう。
ディスクブレーキは、車やバイクのブレーキとほぼ同じ仕組みであり、ホイールの中心部にあるディスクをパッドで挟んで止める構造です。
ディスブレーキには「機械式」と「油圧式」の2種類があり、以下の特徴があります。
機械式の特徴
- 雨や路面状況に影響されず高い制動力を発揮する
- 油圧式と比べてメンテナンスが容易
油圧式の特徴
- 雨や路面状況に影響されず高い制動力を発揮する
- 軽いタッチで強力なブレーキをかけれる
雨天時でも問題なくブレーキの性能が発揮されるため、自転車旅ではディスクブレーキを使用するのが一番安心できます。
しかし、ホイールの脱着に気を使わなければならなくなり、輪行を多用する人にとっては煩わしいです。
また、輪行袋にディスクブレーキの自転車を入れて持ち運ぶ際、ブレーキーローターを汚したり、曲げたりする可能性があるため、取り扱いに注意が必要です。

個人的にディスクブレーキの自転車へ乗る場合は、今のところは輪行をしない事にしています。(輪行を多用するため、気を使い続けるのは個人的に困難です)
特に油圧式のディスクブレーキでは、ホイールを取り外した後で、ブレーキレバーを握るとブレーキキャリパーのピストンが押し出されて戻らなくなり、左右のパッドに隙間がなくなります。
こうなると、ブレーキローターが差し込めなくなるため、ホイールの固定ができません。

通常、ホイールを取り外した後でブレーキレバーを握る事はないと思いますが、誤って握ってしまった場合は、マイナスドライバーを使ってパッドをこじ開けましょう。
その他のブレーキの特徴
カンチブレーキ
シクロクロスやランドナーなどのオフロード系の自転車に使われる事が多いです。
カンチブレーキは以下の特徴が挙げられます。
- 泥詰まりなどが起きにくい
- キャリパーブレーキに比べて太いタイヤが使用できる
- 調整をそれなりの頻度で行わないと制動力が落ちる
ダイレクトマウントブレーキ
主にスピード重視であるエアロ系のロードバイクに使用されています。
ダブルピボットのキャリパーブレーキとVブレーキの特徴を受け継いでおり、以下の特徴が挙げられます。
- コンパクトなため、空力性能がアップする
- 剛性があり、制動力が高い(直観的にかっちりしたブレーキング)
- 専用のフレーム、フォークのみに対応
ブレーキの特徴を良く理解しよう
ブレーキは命を守るための最重要部品です。
そのため、性能の良いブレーキを使うようにしましょう。
また、少しでも違和感を感じたら迷わず自転車ショップへメンテナンスをお願いすべきです。
本記事では、自転車旅用のブレーキとして、「Vブレーキ、キャリパーブレーキ(ダブルピボット)、ディスクブレーキ」についてお話しましたが、それぞれのブレーキの特徴を良く理解して安全運転に努めましょう。
【サイクリストの管理人からの一言】
自転車旅を続けて行くために、ブレーキは最重要部品であることが理解できたでしょうか。そこで、実際の自転車旅の様子について下記記事で紹介します。