
ロードバイクではドロップハンドルを使用するのが一般的ですが、このハンドルの水平部分(上ハンドル)には補助ブレーキを付けれる事をご存じでしょうか。
実際にロードバイクへ補助ブレーキを付けている人は少数派ですが、補助ブレーキを付けるには確かなメリットがあり、使用用途によっては大変便利な物です。
もちろんメリットだけではなくデメリットもあるため、補助ブレーキは付ける人を選びます。
それでは、どんな人が補助ブレーキを付けると喜ばれるのでしょうか。
本記事では、ロードバイクに補助ブレーキを付けた場合のメリットやデメリットについてお伝えし、あなたのロードバイクに補助ブレーキを付けるべきか考えるきっかけになります。
補助ブレーキで安全性アップを図れる
ロードバイクへ補助ブレーキを付けない人が多い理由の一つには、「必要性を感じない」が挙げられます。
確かに補助ブレーキがなくても走行には何も支障がありません。
ロードバイクの象徴とも言えるドロップハンドルの扱いに慣れていると、補助ブレーキを付けるメリットよりデメリットが際立ちます。
補助ブレーキのメリットは最終的に以下の一つに絞られますね。
- 体勢を起こした状態でブレーキをかけれる
このメリットに対して以下のようなデメリットがあるため、敬遠する人が後を絶たない訳です。
- ハンドル周りが狭くなる
- 見た目がカッコ悪い
実際に販売されているロードバイクで最初から補助ブレーキが付いているのは、入門用のロードバイクが多いです。

ドロップハンドルに最初から補助ブレーキが付いていなくても、後から取り付けができるよ。
体勢を起こした状態でブレーキをかけれるのは、ロードバイクを使う用途によってはたいへん便利であり、走行の安全性を高めます。
必要に応じて補助ブレーキを取り付ける事を考えてみましょう。
【安全性の向上あれこれ】
補助ブレーキに限らず自転車の安全性を向上させるために対応すべきことは色々ありますので、下記記事で紹介します。
ロードバイクはドロップハンドルが一般的な訳
ロードバイクは長距離を長時間走る自転車です。
そもそもは、ロードバイクはレース器材として開発された経緯があります。
有名なレースと言えば、世界最大の自転車レースである「ツール・ド・フランス」ですね。
聞いた事がある人も多いでしょう。

「ツール・ド・フランス」は世界3大スポーツの一つであり、ヨーロッパでは自転車競技は盛んだよ。
レースは順位を争うため、何よりもスピードを重視します。
スピードを上げるための最大の障害が風の抵抗であるため、この風の抵抗を弱めるために開発された一つがドロップハンドルです。
ロードバイクのフレーム形状とドロップハンドルにより、ロードバイクの乗車姿勢は、自然に前傾姿勢となり、風の抵抗を和らげて走行できます。

自転車が受ける空気抵抗の90%は、自転車を運転している人が受けると言われているね。
前傾姿勢をとると、目線が下がるため視界が少し悪くなりますが、通常レースのコース上には、車や人がいるわけではないので、多少視界が悪くても特に問題はありません。
また、ドロップハンドルは、ハンドルのいろいろなところへ手を置くことで、様々な姿勢を保つことができます。
これにより、上半身の負担を少なくして、長時間の走行でも疲れずらくしています。

ドロップハンドルの手を置く場所は、主にブラケット、上ハンドル、下ハンドルの三カ所です。シュチュエーションによって使い分けると便利ですね。
ロードバイクの補助ブレーキの必要性
ドロップハンドルでは、ハンドルから手を放さずにブレーキや変速機の切り替えができるデュアルコントロールレバー(STIレバー)を使用しています。
STIレバーは、ドロップハンドルの一番遠い両端へ取り付けます。
基本的にロードバイクの運転は、このSTIレバーを握って行うため、前傾姿勢になる訳です。
状態姿勢を起こして運転する場合は、ハンドルの水平部分(上ハンドル)を握るため、いざブレーキをかけようとすると、一度手をSTIレバーに戻してブレーキをかけなければならず、確実に一歩出遅れます。
そこで、水平部分にもブレーキ(補助ブレーキ)を付ける事で、遅れることなくブレーキをかけれる訳です。
ロードバイクの補助ブレーキのメリット
補助ブレーキのメリットは、体勢を起こした状態でブレーキをかける事ができます。
前傾姿勢に比べて体勢を起こして運転すると、疲労度がまるで違います。

体勢を起こして運転すると、スピードが犠牲になるよ。
通常、ドロップハンドルの水平部分を握って体勢を起こして運転する時は、以下のシュチュエーションが考えられますね。
- 見通しの良い平坦路をリラックスして走る場合
- 街中をゆっくり走る場合
- きつい坂道を上る場合
特に街中を走っている時は、ストップ&ゴーを行う場面が多いため、ドロップハンドルの水平部分にブレーキがあれば、STIレバーに一度手を戻す必要もなく、ブレーキをかける事ができます。

ブレーキをかけるタイミングが遅れないのは、安全性を高めるね。
【補助ブレーキが役立つ走り方】
ロードバイクに補助ブレーキを付けてゆっくりと走ってみませんか。下記記事では、ゆっくり走る楽しみ方や補助ブレーキが役立つ場面が多い坂道の運転技術について紹介します。
ロードバイクの補助ブレーキのデメリット
ハンドル周りが狭くなる
ドロップハンドルの水平部分に補助ブレーキを取り付ける事で、他に取り付けたいガジェットやフロントバッグの取り付けが困難になります。
具体的には、フロントライトやサイクルコンピュータ、GoProなどの動画撮影機器、スマホホルダーなどを取り付けたい場合は、スペースの問題で全てを取り付ける事が困難になり、優先順位を決めて取り付けるしかありません。

補助ブレーキは、意外とスペースを取るよ。これが一番のデメリットだね。
見た目がカッコ悪い
ドロップハンドルに取り付けた補助ブレーキは良く目立ち、個人的には、やぼったい感じがします。
この見た目が嫌と言う人は、それなりにいると思います。

見た目の問題は、人によって様々な意見があるね。当人が気にならないのならば、何も問題はないよ。
私は、ロードバイクはある意味走る芸術品と考えているため、性能だけでなく機能美も大事だと思っています。
自転車旅を続けて行く相棒ですので、見た目もそれなりにカッコ良くしたいですね。
【サイクリングあれこれ】
見た目のカッコ良い自分のお気に入りの自転車でサイクリングへ出かけると気分が上りますね。下記記事では、サイクリングに適したコースを紹介します。
ロードバイクへ補助ブレーキの取り付け
補助ブレーキの取り付けは、知識と技術があれば誰にでもできますが、自転車ショップのプロへお任せした方が良いでしょう。
補助ブレーキは適当に取り付けると、ブレーキの制動力が落ちる問題があります。
補助ブレーキの取り付けには、いろいろと考える事があり、例えばアウターケーブルの長さや補助ブレーキ本体の取り付け角度、補助ブレーキを作動させた時は、もう片方のブレーキワイヤーと接触させないなど素人が手を出すのには少し敷居が高いですね。
ロードバイクで街乗り中心の場合、補助ブレーキは活躍する
先ほどもお話しましたが、補助ブレーキが活躍できるシュチュエーションは街乗りです。

街中をゆっくり走る場合は、体勢を起こしている事が多く、そのためドロップハンドルの水平部分を握っています。
また、街中では急に人が飛び出したり、信号が多いため、頻繁にストップ&ゴーを繰り返しますね。
補助ブレーキがあれば、とっさの判断でブレーキを遅れる事なくかけれるため、安全性が高いです。
街中を中心に走る場合は、補助ブレーキの取り付けを検討してみましょう。

街乗り中心の場合は、そもそもロードバイクよりクロスバイクの方が乗りやすいよ。
補助ブレーキを使って安全性を向上させよう
補助ブレーキには、メリットとデメリットが存在します。
この両方を良く理解して、補助ブレーキの取り付けを行いましょう。
また、ブレーキはスピードをコントロールする大事な機構なので、定期的にメンテナンスを行い、不備がない状態を保ちましょう。
体勢を起こした状態でブレーキをかけれるのは、ロードバイクを使う用途によってはたいへん便利であり、特に街乗り中心に走る場合は、その恩恵を充分に受け取れます。
必要に応じて補助ブレーキを使い、走行の安全性を高めましょう。