
「輪行」と言う言葉をご存じでしょうか。
スポーツ系の自転車へ乗っている人は聞いた事がある人も多いでしょう。
輪行とは、自転車を電車や飛行機などの公共交通機関へ載せて、街から街へ移動する事を言います。
この輪行を活用すれば、自転車旅の行動範囲が飛躍的に広がり、遠い場所がより身近に感じられるでしょう。
日本全国至るところが全て活動範囲に含まれ、自転車旅がより楽しい物に進化します。
まだ輪行を経験した事がない人は実にもったいない。
輪行には様々なメリットがあります。
本記事では、輪行を行なうための道具と輪行のメリットについて詳しくお伝えします。
自転車旅は輪行でより充実します
公共交通機関を利用しないで、自転車旅を続けて行く事を想像してみましょう。
例えば、東京都に住んでいる人が、自転車で憧れの富士山へ登った後で、大阪府へ行こうとします。
東京都と大阪府の距離は約500kmもあり、自転車で旅を続けて行くとすれば、1日100km走っても5日はかかる計算になりますね。
これに山梨県で富士山を登る事を考えるとプラス1日で計6日はかかります。

日数がかかると言う事は、それだけ宿泊費や食費がかさむね。
輪行すれば、東京都から山梨県まで電車で移動して、富士山に登った後1泊します。
翌日、電車で大阪府へ向かえば2日で事足りますね。
6日間旅を続けて行くのは、時間や費用がある人にとっては有意義ですが、現代人は何かと時間が足りない人が多いです。
そこで、輪行により、時間を大幅に短縮できて、憧れの富士山にも登れるため充実した旅を過せます。

輪行すれば、旅のスタートとゴールを好きに決められるよ。
輪行を交える事で自転車旅には以下のメリットがあります。
- 行動範囲、計画範囲が広がる
- 寄り道もリタイヤも自由
- 心に余裕が持てる
- 疲労の軽減ができる
輪行を交えて自転車旅を続けて行く事で、旅の充実度がより向上するでしょう。
輪行の歴史
輪行とは、かつて競輪選手が自走して全国各地にある競技場へ向かう事を表していました。
やがて、日本サイクリング協会(JCA)の会員や競輪選手のみが自転車を専用の袋に入れて、手荷物として鉄道に載せて移動していたため、交通機関で移動することを「輪行」と呼ぶようになりました。

自転車を入れる専用の袋の事は「輪行袋」と呼ばれたよ。
1999年に多くの人の署名により、JRと東京メトロが無料化になります。
その後、輪行袋に入れて運ぶというルールを守る事で、鉄道へ自転車を載せれるようになりました。

輪行は日本オリジナル文化だね。欧米では鉄道にそのまま自転車を載せるのが普通だよ。
輪行に必要な道具
輪行する上で必要な道具は、基本的に「輪行袋」と「リアのエンド金具」だけです。

輪行袋には縦型と横型の2種類があるよ。横型を使う場合、エンド金具は必要ないね。
しかし、輪行袋以外にも以下の道具があれば、自転車を輪行袋に入れた後に持ち歩くと傷ができる可能性があるため、傷防止に役立ちます。
- スプロケットガード
- チェーンカバー
- フレームカバー
- フロントのエンド金具

ちなみに私が傷防止で使っているのは、スプロケットガードだけで十分だね。横型の輪行袋を使う時はフロントのエンド金具も使っているよ。
輪行のメリット
行動範囲、計画範囲が広がる
人によって1日かけて自転車で移動できる距離は変わってきます。

1日で100kmを走れる人がいれば、200kmも走れる人がいます。
自走しなくても、輪行を行うと一日で移動できる距離を大幅に伸ばす事が可能です。
人によって使える時間や体力は異なるので、輪行を交える自転車旅はとても効率が上がります。

昔、岐阜県岐阜市から自走で京都市へ移動した後で、輪行で広島県尾道市までいっきに移動して、しまなみ海道を渡ったりしたね。
また、公共交通機関を利用するため、日本全国どこでも旅のスタート(又はゴール)にできますね。
見知らぬ街へ降り立ち、そこから旅を始めるのは、とても新鮮でワクワクします。
旅の計画を立てる時に輪行を考慮すると、行動範囲の制限がなくなり、より自由な旅の計画を考えられますので積極的に活用しましょう。
寄り道もリタイヤも自由
自転車旅を続けていると、道中に旅の計画を少しずつ変える事は良くあります。
旅の道中に興味がある出来事に遭遇すると、寄り道しますね。
寄り道が影響して、どうしても立ち寄りたいスポット(イベントなど)へ時間的に間に合わない場合は、公共交通機関を使う事で間に合うかも知れません。

また、トラブルにより自転車旅が続けられなくなった時に自走しか手段がなければ途方に暮れますね。
そういう時に輪行ができると助かります。

輪行の選択肢があれば、時間や距離が気にならなくなるよ。
自走以外の移動手段しか持っていなければ、たとえ時間的に困っても最後まで走りきるしか手段がありません。
輪行はロスした時間を取り戻したり、移動距離を短縮できます。
そのため、寄り道やリタイヤも気軽にできますね。
心に余裕が持てる
自転車旅において最も大事なのは「旅を楽しむ」ことです。
人は時間に余裕がなくなると、どうしても焦ってしまいます。
そんな心では旅を楽しめるはずがありません。
輪行はロスした時間を取り戻したり、時間の短縮に役立ちます。
輪行という手段があれば、寄り道をしたり、トラブルが起きてリタイヤする事になっても普通に帰ってこれるため、安心感があります。
その安心感が、心に余裕を生むのです。

輪行するしないはともかく、輪行ができる準備が整っていると安心感が違うよ。
【自転車の楽しみ方あれこれ】
心に余裕が無いと何をやっても楽しくないですね。下記記事では自転車(ロードバイクなど)の楽しみ方について紹介しますので、心に余裕を持って楽しみましょう。
疲労の軽減ができる
先ほど触れた話ですが、輪行のメリットの一つに「心に余裕がもてる」があります。
心に余裕がないという事は、精神が不安定な状態ですね。
そんな状態のまま自転車で走り続けて行れば、体に与える疲労度は想像以上に大きいです。
長距離・長時間走る自転車旅では、リラックスして旅を楽しみながら走る事が大事です。
また、公共交通機関に乗っている間は、休憩しているので疲労回復に役立ちます。
輪行は公共交通機関で運ぶ以外にも意味がある
輪行は公共交通機関に自転車を載せて移動する事ですが、それ以外にも意味があります。
輪行ができる・できないによって、自転車旅の自由度が天地も違います。
輪行という手段がなければ、常に自転車で自走する事が義務になります。
輪行という選択肢がある事で、目的地や宿泊地へ向かうのに自走するのもしないのも自由です。

輪行により、自転車旅の自由度がより大きくなり、旅を一層楽しめるよ。
自転車旅の初心者には是非輪行を覚えて欲しい
自転車旅の初心者が、いきなり100kmを越える距離を走ると挫折する可能性は高いです。
「100km走破」といった明確な目標を持つことは素晴らしい事ですが、十分な体力や経験がない初心者ではハードルが高い目標を設定してはいけません。
初心者が自転車旅で挫折を味わうと、悲しい事ですが、そのまま自転車から遠ざかってしまう可能性があります。
輪行という手段があれば、旅の最中に辛くなったら公共交通機関を使って帰ったり、目的地や宿泊地の途中まで移動もできますね。
そうする事で、自分の体力や経験に合った自転車旅を継続できます。

自転車旅はレースなどの競技ではないので、無理をする必要は全くないね。
自転車旅は輪行を交えると行動範囲が広がります
自転車旅に輪行を交えると、行動範囲が飛躍的に広くなります。
何日も時間を掛けて移動していた事が、まるで嘘のようにより身近に感じられるようになりますね。
日本全国至るところが全て活動範囲に含まれ、自転車旅がより楽しくなるでしょう。
【輪行で始まる自転車旅のあれこれ】
旅の開始は、自宅から自走しなければ、目的地まで車で自転車を運ぶか輪行するのが一般的ですね。下記記事では、輪行から始まる自転車旅の様子をお伝えします。