
輪行は、自転車の行動範囲を飛躍的に広げてくれます。
そのため、電車や飛行機へ自転車を乗せて輪行を楽しんでいる人も結構多いですが、駅や空港がある所までしか移動できないのがネックになることもありますね。
そこで「タクシーを使えばピンポイントで目的地へ行けるのでは?」と誰しもが考えたことがあるでしょう。
では、タクシーに自転車を乗せても大丈夫なのでしょうか。
結論から言うと「ほぼ大丈夫」なのでご安心下さい。
近年、サイクルタクシーやUDタクシーを良く町中で見かけるようになりました。
そのため、タクシー輪行も更にお手軽になっています。
本記事では、自転車をタクシーへ乗せる方法や乗せる際の注意点を含め、タクシー輪行についてお伝えします。
そもそも自転車はタクシーへ乗せられるのか?
タクシーの車種やタイプにもよりますが、問題なく自転車を乗せれます。
しかし、最終的にタクシーへ乗せれるかどうかは、タクシーの運転手の判断によりますので、100%乗せれるとは断言できません。

そのため、自転車をタクシーに乗せるためには、自転車を乗せやすいタクシーを選ぶか乗せやすい自転車を使った方が可能性が高まります。
自転車を乗せやすいタクシーとは、具体的に言えば以下のタクシーですね。
自転車を乗せやすいタクシー
- サイクルタクシー
- ミニバンタクシー
- UDタクシー
尚、従来のセダンタイプのタクシーでも、折りたたみ自転車や車輪を外したロードバイクならば乗せてもらえる可能性が高いでしょう。
ちなみ、私はセダンタイプのタクシーで輪行できた経験があります。
タクシーを使えば、目的地までスムーズに移動できますが、移動距離により料金が高くなるのがネックです。
しかし、タクシーを使えば輪行の幅が更に広がり、行動範囲が広がるのは魅力的ですね。
必要に応じてタクシー輪行を上手に使い、サイクリングを楽しみましょう。
タクシー輪行のすすめ、目的地までピンポイントで行ける
タクシーで移動する最大のメリットは、時間の節約です。
更に目的地までピンポイントへ行けることですね。
例えば、どうしても行きたい観光地の最寄り駅まで輪行したけど、駅から観光地までは距離があり、自転車で走れば営業時間までに間に合わない場合があったとします。
そんな時にタクシー輪行は便利です。

また、別会社同士の電車の乗り継ぎで、駅から駅へ移動する際、移動時間の短縮に役立ち、電車の乗り継ぎがスムーズにできたりします。
タクシー輪行を上手に利用すれば、自分の目的を達成しやすくなりますね。
その他にも、サイクリング中に何かしらの事情で飲酒しなければならなかった場合、自宅まで距離があるならば、自転車をタクシーに乗せて帰宅できます。
間違っても飲酒後は、自転車を運転すると飲酒運転になりますので、絶対にしてはいけません。
タクシー輪行は、かゆい所に手が届く働きをしてくれる頼もしい存在なのです。
【自転車旅あれこれ】
知らない土地や町を自転車で旅するのに、輪行を利用することが多いです。下記記事では、自転車旅をおすすめする理由や魅力などについてお伝えします。
自転車を乗せるのに適したタクシーとは
サイクルタクシー
サイクルタクシーの特徴は、「サイクルキャリア」を装着していることです。
サイクルキャリアに自転車を積載するため、自転車を分解せずそのまま積めれます。
そのため、使い勝手が非常に良く、シチュエーションを問わずに利用できるのは有難い限りですね。
また、サイクルタクシーの一種である「サイクルレスキュータクシー」では、パンク程度の軽度な故障ならば、応急修理をしてもらえたりしますので、いざと言う時に役立ちます。
ちなみに話は変わりますが、「サイクルタクシー」と「自転車タクシー」は全く異なる物なので、間違えないよう気を付けましょう。

自転車タクシーとは、2輪車または3輪車で人力で乗客を運ぶ車両のことだよ。
ミニバンタクシー
ミニバンタクシーは、言葉通りミニバンタイプのタクシーです。
多くの乗客や大型の荷物を運べるようスペースに余裕があるため、自転車を乗せるのも問題はありません。
ただし、自転車を乗せてしまうと「車種指定料金」が発生するため、セダンタイプのタクシーより運賃が高くなる傾向です。
しかし、2人以上で自転車と一緒にタクシーを利用するならば、セダンタイプのタクシーを数台手配するよりもミニバンタクシー1台手配した方が料金を安くできる場合があります。
尚、ミニバンタクシーを予約する時は、忘れずに自転車を乗せる事を伝えておきましょう。
UDタクシー
UDタクシーとは、健康な方を始め、足腰の弱い高齢者や車いすの使用者、ベビーカー利用の親子連れなど誰しもが快適に利用しやすいタクシーのことです。
尚、UDタクシーのUDとは「Universal Design(ユニバーサルデザイン)」の略になります。
車いすが乗せられるほどの広いスペースがあるので、自転車も問題なく乗せれますね。
一般のタクシーと同じく、町中で呼び止めても良いし、予約しても良く、運賃料金も一般のタクシーと変わりません。
自転車をタクシーに乗せる方法
自転車をタクシーに乗せる方法は、以下の2つになります。
- 車内に積み込む方法
- 車外に固定する方法
これらの方法について説明します。
車内に積み込む方法
車内に積み込む場合に問題になるのが、自転車を乗せるためのスペースの確保です。
折りたたみ自転車のように小さくできたり、自転車の部品を脱着できるのならば、スペースの問題も解決できる場合が多いですね。
特に後部シートを移動できる場合は、大き目の自転車でも収納できます。
また、トランクに自転車を収納するケースもあるでしょう。
一般的なセダンタイプのタクシーでは、トランクから自転車がはみ出し、フタが閉まらない可能性があります。

その場合、ロープでトランクのフタと車体を固定したりしますが、これって法律上(道路交通法)問題がないのでしょうか。
個人的には、はみ出し部分の長さにもよりますが、基本的にOKだと認識しています。
この方法が違法と言うのであれば、トラックなどが荷物を露出した状態で運送できないはずです。
ただし、カーブや段差を越えるときなど、この状態で走行するのは気を使いますね。
尚、タクシー側が転落飛散防止の用意をしていない場合は、乗車を断られるケースがあることを知っておきましょう。
どうしても通常の自転車の状態で乗せたいのならば、サイクルタクシーやミニバンタクシー、UDタクシーを利用する方が無難です。

道路交通法では、自動車の車体の前後から自動車の長さの十分の一の長さを越えてはみ出してはいけないと定められているよ。
【自転車のルールあれこれ】
自転車は軽車両に分類される車の仲間です。そのため、道路交通法を守らなければなりません。下記記事では、自転車のルールについて紹介します。
車外に固定する方法
車外に固定する場合は、サイクルキャリアを使用します。
サイクルキャリアでは、自転車を折りたたんだり、分解することなく、そのままの状態で積むことが可能です。
一言でサイクルキャリアと言っても色々と種類があり、「ルーフマウントタイプ、リヤマウントタイプ、トウバーマウントタイプ」の3種類に分かれています。
いずれのタイプも車体がむき出しのままなので、雨が降っている時には、雨ざらしになるので注意しましょう。
ルーフマウントタイプ
ルーフマウントタイプは、屋根の上に自転車を固定させて運ぶ物です。
日本では、サイクリストがマイカーに自転車を乗せて移動する時に良く使っていたりしますので、見かけた方も多いのではないでしょうか。
安全で簡単に取り付けれるメリットがあります。
リヤマウントタイプ
リヤマウントタイプは、適合車種が少ないですが、車両後部のバックドアやリヤゲートを利用してマウントを取り付けて自転車を固定して運ぶ物です。
自転車を低い位置に取り付けられる特徴があります。
トウバーマウントタイプ
トウバーマウントタイプは、けん引装置を利用して自転車を運ぶため、費用はかかるものの自転車の搭載が一番簡単です。
このタイプは、ヨーロッパでは良く利用されていますね。
しかし、ヒッチメンバーやトウバーが車体に装着されていなければ利用できません。
タクシーに乗せる自転車はどんな種類が適しているか
一般的なタクシーには、サイクルキャリアは搭載されていませんので、車内に積み込むことを考えると、折りたたみ自転車がベストでしょう。
コンパクトに折りたためるならば、座席に乗せることもできるため、出し入れが簡単です。
折りたたみ式でなくても、ロードバイクやクロスバイクのように分解できるのならば、輪行袋に入れてサイズをコンパクトにできます。

輪行袋には、縦型と横型がありますが、横型のタイプはサイズが大きくなりがちなので、タクシーに乗せれない場合がありますね。
そのため、タクシー輪行では縦型の輪行袋を使った方が無難でしょう。
以下に、タクシーに乗せやすい自転車の種類をまとめました。
タクシーに乗せやすい自転車の種類
- 折りたたみ自転車(一番乗せやすい)
- ロードバイクやクロスバイクなど輪行袋に入れてコンパクトにできる自転車
自転車をタクシーに乗せる時の注意点
自転車をタクシーに乗せる時には、いくつか注意点がありますので知っておきましょう。
タクシーは基本的に乗車拒否はできないのですが、自転車が落下して車内が汚れる可能性があったり、営業に支障をきたしそうだと判断された場合は、タクシーの運転手に乗車拒否されます。
これは別におかしな事ではなく、当然の権利ですね。
もし不当に乗車拒否された場合は、タクシー会社やタクシーセンターに相談すると、改善してもらえたりします。

その他に自転車をタクシーへ乗せる際、タクシーを汚したり傷つけたりしないよう配慮が必要です。
自転車の汚れが酷かったり、雨に降られてびしょ濡れだったりしている場合は、汚れや雨はきちんと落として、タクシーを汚さないよう気を付けましょう。
サイクルキャリアがついていないタクシーでは、汚れや傷防止のためにも、自転車をそのままの状態で乗せるのではなく、輪行袋に自転車を入れて乗せるのが望ましいです。
まとめ
自転車は、タクシーに乗せることが可能です。
しかし、タクシーの運転手の判断次第では、乗車拒否されてしまう事がありますね。
自転車を確実にタクシーに乗せるには、自転車を乗せやすいサイクルタクシーやミニバンタクシー、UDタクシーを予約するのが無難です。
尚、従来のセダンタイプのタクシーでも、折りたたみ自転車のようにコンパクトに出来たり、ロードバイクやクロスバイクを輪行袋に入れてコンパクトにすれば、乗せてもらえる可能性が高まります。
タクシー輪行を上手に使えば、サイクリングをより快適に楽しめるでしょう。