
自転車で道を走っているとチェーンから「キュルキュル」や「カラカラ」と言ったような異音が聞こえてきた経験がありませんか。
その時、特に気にせずに放置している人も多いでしょう。
しかし、異音が鳴っていると言うことは、何かが起こっているメッセージです。
放置しないで、異音の原因を突き止めしっかりと対処しないと、トラブルに発展する可能性がありますね。
本記事では、自転車のチェーンが音鳴りする原因とその対処方法についてお伝えします。
チェーンの異音には必ず原因があります
チェーンに限らず自転車から異音が鳴っていると言うことは、明らかにおかしな状態であると言えます。
異音の正体を突き止め、しっかりとメンテナンスすることが大事です。
特にチェーンの異音の原因は分かりやすいので、ポイントを押さえて調査すると、あっさりと対処できたりします。

チェーンから異音が鳴る原因について以下にまとめました。
チェーンから異音が鳴る原因
- チェーンの油不足
- チェーンのたるみ
- チェーンの歯飛び
- チェーンとフロントディレイラーの干渉
- チェーンとスプロケットが擦れている
普段からしっかりとチェーンのメンテナンスを行なっていると異音が鳴ることは少ないですね。
そのため、「異音が鳴ってから整備しよう」と言う考えではなく、定期的にメンテナンスを行ないましょう。
チェーンから異音が鳴る原因と対処方法
チェーンの油不足
チェーンから異音が鳴る原因として一番多いと思われるのが「油切れ」です。
チェーンの油が切れた状態で、自転車を走らすと「キュルキュル」と言った異音が聞こえてきます。
普段からチェーンの洗浄と注油をしっかりと行なっている人は、聞くことがない異音ですが、メンテナンスをサボリがちな人は良く耳にしているでしょう。
この音の原因は、チェーンに油(潤滑油)が足りていないため、チェーンの金属同士が擦れ合うことで鳴り響いています。
一概には言えませんが、チェーンに油を指した後、走行距離が300km~500kmぐらいに達すると油切れが起こったりしますので、それより前の100km~200kmぐらい走った後でチェーンへ注油することを目安にしておくと良いでしょう。

また、チェーンが錆びたりしていると、油が足りていないことが多いです。
チェーンへ注油する時は、必ずチェーンを洗浄してから油をさしましょう。
注油だけの場合は、かえってチェーンにゴミなどが付着しやすくなり、チェーンの寿命を縮める原因になります。

サイクリストは、1日に100km以上のロングライドを走る人が多いね。ロングライドでは、自転車に乗る前にチェーンの洗浄と注油をしておくと安心できるよ。
【サイクリングのすすめ】
自転車を走らせていて異音が聞こえないのは気持ちが良い物です。そんな状態で常にサイクリングへ出かけましょう。下記記事では、サイクリングに適したスポットを紹介します。
チェーンのたるみ
チェーンは消耗品であるため、使い続けているといずれ寿命を迎えますね。
その寿命を知る方法として、チェーンの延び率を図る方法がありますが、チェーンの伸びが酷くなると明らかな「たるみ」が見て取れるようになります。
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ系自転車は、主に外装式変速機を使用しているため、自動的にチェーンのたるみを調整してくれるのですが、変速機が付いていない自転車や内装式変速機の場合は、自力でたるみを調整しなければなりません。

外装式変換機なのにチェーンがたるんでいるのは、そのチェーンは寿命を迎えようとしているね。チェーンの交換を考えよう。
チェーンのたるみが起こる自転車の代表格と言えば、シティーサイクル(ママチャリ)でしょう。
チェーンが伸びてたるんでくると、チェーンカバーと擦るようになり「カラカラ」と音が鳴り響いてきます。
チェーンを張り直すことで対処できますが、それなりの知識が必要になりますので、良くわからない場合は自転車ショップで修理してもらうのが無難です。
チェーンの歯飛び
チェーンが伸びてくると、その影響でギアとチェーンのかみ合わせが悪くなり、「変速していないのにギアが勝手に切り替わる」「ギアが抜ける」といった症状が発生したりします。
この時に「ガコッ」と言うような異音が響きますね。
この症状を「歯飛び」と言います。

この歯飛びは、当初は上り坂で力をかけてペダルを漕ぐと発生したりしますが、症状が酷くなってくると、平坦路でペダルを漕ぐだけで発生するようになり、不快な思いをしますね。
歯飛びが発生すると言うことは、チェーンが寿命を迎えようとしているのです。
チェーンチェッカーという工具で、チェーンの伸び率を測り、チェーンの寿命が来ていることがわかったならば、速やかにチェーンの交換をおすすめします。

チェーンの交換のみで歯飛びが直れば御の字だよ。また、チェーンチェッカーを持っていない場合は、自転車ショップで見てもらおう。
もし、チェーンを交換しても歯飛びが発生するのならば、既にリアギア(スプロケット)の歯が削られてしまっているため、新品のチェーンとかみ合わなくなっていることが考えられますね。
すると、スプロケットの交換が必要になります。
通常は、これで歯飛びは直りますが、フロントギアとのかみ合わせで歯飛びが発生している場合は、フロントギアのチェーンリングも交換するしかありません。

歯飛びが発生しだしたら、一度自転車ショップへ持ち込み、店員に見てもらった方が良いでしょう。
チェーンとフロントディレイラーの干渉
チェーンが自転車に付いている前側の変速機(フロントディレイラー)に擦れて「ガラガラ」と異音を響かせることがあります。


この症状の原因は、シフトワイヤーが伸びてくることで発生し、フロントディレイラーが所定の位置に動作しなくなってしまうためです。
こうなると、シフトワイヤーを張り直さないと対処できません。
尚、ロードバイクの場合はデュアルコントロールレバー(STIレバー)を使っていますので、トリム操作(音鳴り防止機構)を行ない設定することで、干渉を回避できる可能性があります。

トリムとは、チェーンとフロントディレイラーが干渉して、異音が発生した時に解消するために使う機能のことだよ。
定期的に自転車ショップへ自転車を持ち込み、ワイヤーの伸びを確認してもらうのが無難です。
チェーンとスプロケットが擦れている
チェーンがリアギア(スプロケット)と擦れていると「チャッチャッ」と音鳴りがする時があります。
こちらの原因も先ほどお話したチェーンとフロントディレイラーの干渉と同じく、シフトワイヤーが伸びていると発生しますね。
シフトワイヤーが伸びていると、適切な位置まで自転車に装着している後ろ側の変速機(リアディレイラー)を動かすことができなくなります。

また、シフトワイヤーの伸び以外の原因として、リアディレイラーが真っすぐ水平に取り付けられていないため、斜めに変速していることが考えられるでしょう。
この場合、リアディレイラーを取り付けている部品である「ディレイラーハンガー」が曲がっていないか疑うべきですね。


落車などにより、ディレイラーハンガーに強い衝撃が加わり、曲がるケースがあるよ。
もし曲がっているのならば、曲がりを直してしまうのも良いですが、交換する方が確実です。
チェーンのメンテナンスは必要不可欠
チェーンの伸びは摩耗により発生するため、チェーンの洗浄と注油により摩耗を抑えられます。
必ず洗浄した後で注油することを忘れてはなりません。
注油のみの場合は、かえってチェーンにゴミなどが付着しやすくなり、その影響でチェーンが削られてしまったりしますので、洗浄と注油はセットで行うと覚えておくと良いでしょう。
尚、伸びたチェーンをいつまでも使い続けていると、スプロケットの歯を削ってしまい、最悪スプロケットの交換まで行う羽目に陥る可能性がありますね。
そのため、チェーンは寿命を迎える前に早めに交換することをおすすめします。
【自転車の寿命あれこれ】
チェーンと同じく自転車を構成する各部品にはそれぞれ寿命がありますね。下記記事では、自転車及び構成部品の寿命について紹介します。
異音の原因を掴んで対処しよう
自転車に乗って走っている最中に異音が鳴りだしたら、それは何かが起こっている合図です。
本記事では、チェーンの異音についてお話しましたが、チェーン以外にもブレーキやホイールなど異音を発生させるポテンシャルが高い部品はたくさんあります。
いずれにしても異音が鳴り響いてきたら、放置せずにしっかりと調査して対処することが大事です。
早期発見、早期解決によりトラブルを回避できる可能性が高まります。
【トラブルあれこれ】
チェーン以外の異音などトラブルの原因となることについて、下記記事で紹介します。