正しい自転車チェーンの選び方、グレードによる違いとは

自転車のチェーンが摩耗したので交換する際、いつも同じチェーンを選んでいませんか。

別にそれが悪いわけではありませんが、チェーンは自転車の駆動部の中心となる重要部品。できれば、グレードの高いものを選びたい。

選ぶ時の注意点として、変速段数にあうチェーンを選ばないと、使えない可能性が高いですね。特にシマノのチェーンは、グレード別に表面処理が違っており、防錆性能に差が表れる。

本記事では、シマノチェーンの互換性やグレード別の特徴を含め、チェーンを選ぶ方法を説明します。

自転車のチェーンを選ぶポイント

自転車（ロードバイクなど）に乗り続けていれば「変速すると歯飛びする頻度が多くなった」「突然、チェーンが外れた」のような出来事が起きたりします。

それは、チェーンが寿命を迎えようとしている合図ですね。そのまま放置して、自転車に乗り続けていると、思わぬトラブルの要因になりかねませんので、寿命を迎える前に早めに交換すべきです。

その際、自転車ショップを訪ねて「同じチェーンに交換して頂けますか」と尋ねる人もそれなりに多いでしょう。決してそれは間違いではありませんが、自分でチェーンを選んでみませんか。

チェーン選びの知識があれば、マイ自転車に最適なチェーンの判断ができて、今以上に自転車の走りがスムーズになるかも知れません。

ロードバイクやクロスバイクなど変速性能が充実しているスポーツ系自転車では、自転車部品メーカーの最大手であるシマノのチェーンを使用していることが多い。シマノのチェーンは、コンポーネントのグレードによりモデルが異なります。

そこで、チェーンを選ぶポイントを以下にまとめました。

それぞれについて説明します。

チェーンの変速段数を確認

チェーンの交換で、まず始めに確認するのは、自分の自転車の変速段数の確認です。チェーンは、変速段数により使える物が異なります。

たとえば、11速用のリアギア（スプロケット）を使用している自転車には、9速用のチェーンは使えません。スプロケットの歯が何層になっているか数えることで、変速段数が確認できますね。

ちなみにこちらの写真は、歯が11層になっている。つまり、11速用のスプロケットですよ。

なので、このスプロケットに合うチェーンを選択しましょう。

ちなみに変速段数によって、使用可能なチェーンの幅は違っている。2021年時点では、変速段数が多くなるほど、チェーンの幅は狭くなり、寿命が短くなる傾向があります。

チェーンのメーカー選定

自転車のチェーンメーカーは色々ありますが、個人的には「シマノ」のチェーンを選んでおけば品質的に問題はないと考えています。その他には「KMC」辺りが有力ですね。

自分の自転車に使用しているスプロケットとチェーンの相性の問題もありますが、基本的に品質の高いメーカーの物を選んでおけば安心できます。

品質の高いチェーンは、回転の滑らかさや変速のスムーズさなど基本性能に問題がありません。

チェーンの互換性を確認

シマノのロードバイクに使用するチェーンのモデルと互換性について下表に示します。（既に廃盤となったチェーンは含めていません。）

上表を見てわかるように注意点として、ティアグラは4700シリーズと4600シリーズでは互換性がないため、注意が必要です。

さらに11速用のチェーンはどのグレードを選んでも互換性があることが分かります。

このことから、11速用のアルテグラのチェーン「CN-HG701-11」モデルは、デュラエースのチェーン「CN-HG901-11」モデルと交換しても使用できる。

また、ロードバイクのコンポーネントのグレードが9速用の「ソラ」ならばチェーンは「CN-HG93」か「CN-HG53」モデルのどちらかを選択すれば良い訳です。

また、マウンテンバイクに使用するチェーンについて下表に示します。

マウテンバイクもコンポーネント別にグレードが分かれていますが、グレードに関係なく変速段数によって使用できるチェーンが決まっているため、分かりやすいですね。

グレード別によるシマノチェーンの正しい選び方

シマノのチェーンは、グレードによって変速の滑らかさやチェーンの重量などに大きな違いはありません。しかし、表面処理の違いによって錆びやすさが異なります。

シマノの表面処理は以下に6段階があり、先頭の番号が少ないほど錆に強いです。（最高はクロマイジング）

尚、グレードによっては、チェーンのアウタープレートとインナープレートで表面処理は異なることも。特に「SIL-TEC」は、錆びにくいだけでなく、ノイズや駆動抵抗の低減、耐摩耗性の向上、泥はけの良さなど多くの効果があり、できればこの処理が付与されているチェーンを選びたいですね。

次から変速段数別にチェーンの選び方を説明します。

12速用のチェーンの選び方

12速用チェーンは、ロードバイクとマウンテンバイクの両方で使用できます。

シマノのカタログを確認してみると、ロードバイクのコンポーネントのグレードがデュラエースならば「CN-M9100」モデルのチェーンを使用し、アルテグラならば「CN-M8100」モデルを使っていますね。

予算が許すならば、アウタープレートやローラーにSTL-TECを施している「CN-M9100」モデルを選びたい。「CN-M8100」モデルと「CN-M7100」モデルで選ぶならば、価格差は数百円なので上位の「CN-M8100」モデルを選んでおいた方が無難です。

11速用チェーンの選び方

11速用チェーンは、ロードバイクとマウンテンバイクの両方で使用できます。

「CN-HG901-11」モデルのチェーンは、アウタープレートとインナープレート、ローラー全てにSIL-TICが施されており、約6,000円で購入できますので、予算が許せば入手したい一品です。

入手困難であれば、「CN-HG701-11」と「CN-HG601-11」のどちらかを選択することになりますが、私ならばSIL-TICがアウタープレートとインナープレート両方に施されている「CN-HG701-11」を選びますね。

10速用チェーンの選び方

10速用チェーンは、ロードバイクとマウンテンバイクで異なりますが、ティアグラグレードの4700シリーズはマウンテンバイク用のチェーンと共用ですね。

ロードバイクのクランクがダブル用ならば「CN-6701」モデル。トリプル用ならば「CN-6600」モデルを選ぶこと。

ただし、ティアグラの4700シリーズを使用している場合は「CN-HG95」モデルを使用しないと、スムーズな変速ができない可能性があるので要注意です。

また、こちらの方が表面処理にSIL-TECが施されており、価格も安いのでお得感がありますね。

マウテンバイクならば価格差を考えても「CN-HG95」モデル一択でしょう。

シマノは奨励していませんが、「CN-6701」モデルを使用するかわりに、チェーン幅とコマ間隔が同じ「CN-HG95」モデルを使用できる可能性が高いかも。こちらのモデルは、SIL-TECが施されているのが魅力的です。

9速用チェーンの選び方

9速用チェーンは、ロードバイクとマウンテンバイクで共用できます。

この2つモデルの違いは、表面処理が異なりますが、性能に違いはありません。亜鉛合金メッキを施した方が錆びが発生した場合に目立ちにくいですね。

また、価格差もほとんどありませんので、「CN-HG93」モデルを購入した方が無難でしょう。

6～8速用チェーンの選び方

6～8速用チェーンは、ロードバイクとマウンテンバイクで共用できます。

この両者のモデルでは、倍近い価格差がありますので、予算が許すのならば比較的錆びに強い「CN-HG71」モデルを選択しましょう。

予算的に厳しいのならば低価格な「CN-HG40」モデルでも問題ありません。チェーンのメンテナンスを定期的にしっかり行っていれば、錆びることはまずないので安心して下さい。

まとめ

チェーンは変速段数によって様々なモデルがあり、どれを選べば良いのか迷うので、正しく選ぶ方法を説明しました。

チェーンは、自転車の駆動部の中心となる大事な部品。そのため、できるだけ性能の良いものを使いたい。上位グレードであれば錆びにくくなるので、メンテナンスをサボリがちの人には、特におすすめです。その方が、結果的に長持ちしますね。

本記事が、チェーンを選ぶ際に役立てて頂ければ幸いです。