
関門海峡に面した福岡県北九州市にてそびえ立つ「小倉城(こくらじょう)」。
新幹線が停車するJR小倉駅から歩いて約15分と近く、アクセスが抜群なため、観光するのに打ってつけのお城です。
「唐造り」と呼ばれる天守閣の外観が珍しい。さらに天守閣内では、「時代なりきり体験」エリアにてエンターテイメントを楽しめる。大名かごに実際に乗って殿様気分を味わってみてはいかがですか。見て・触れて・体験できる面白いお城を満喫しよう。
また、四季折々の豊かな自然を楽しめる大名庭園も素晴らしいので、ぜひ散策を楽しんで下さいね。
本記事では、小倉のシンボル「小倉城」の見どころを紹介します。
目次
小倉城とは

小倉城は、1569年(永禄12年)に中国地方の戦国大名・毛利氏が築城したのが始まりです。
1600年(慶長5年)に起きた関ヶ原の戦いで、勝者となった徳川家康に与した細川忠興(ほそかわ ただおき)がその後を治めました。
彼は、1602年から7年の歳月をかけて「唐造り」と呼ばれる天守閣を築城。その後、細川氏が肥後国熊本藩へ転封すると、1632年(寛永9年)に小笠原忠真(おがさわら ただざね)が入国し、明治まで10代・約230年にわたり小笠原氏の居城となりました。
1866年の第二次長州戦争にて、長州藩が幕府軍の小倉城へ侵攻すると天守閣は焼失しましたが、北九州市民の希望により、1959年に鉄筋コンクリート構造で再建され今に至ります。

ちなみに小倉城創建当時における天守閣の規模は、西日本の中でとても巨大なものだったそうな。世界遺産の姫路城や大阪城など名だたる城よりも、大きかったとはビックリですね。
また、天守閣は日没後から22時まで毎日ライトアップされており、昼間とはまた違った幻想的な雰囲気を楽しめます。


天守閣の周辺には、観光案内所や飲食コーナー、お土産コーナーなどがある「しろテラス」を始め、小倉城庭園や八坂神社、松本清張記念館などがあるので、併せて足を運んでみよう。
特に小倉城庭園では、小笠原氏の下屋敷跡を復元した大名庭園を楽しめます。都心の中にある豊かな自然を感じて下さいね。
「唐造り」と呼ばれる斬新なデザインの天守閣

お城ファンの人からすると、小倉城の天守閣を見て違和感を感じたりするだろう。
よく見ると、4階層と5階層の間に日を遮るひさしがなく、さらに最上階の屋根の下が、一回り大きくなっているではないですか。実は、4階よりも5階の方が大きい「唐造り」と呼ばれる構造なんだとか。当時では全国唯一だったそうですよ。
先ほども触れましたが、当時の天守閣が焼失した後で、「豊前小倉御天守記」「小倉城絵巻」「延享三年巡見上使御答書」などを参考にして、藤岡通夫氏の設計考証により、6千万円の費用を掛けて今の天守閣を再建しました。
ちなみに現在の天守閣は、大阪城・名古屋城に次ぐ国内で三番目の大きさです。
また、近くを流れる紫川から三方に水をひいており、石垣が高く積まれているのもいい感じ。自然の形の石を積み上げる「野面積み」という技法で造られています。


2019年には、天守閣内の全面リニューアルを実施。以下のコーナーにて、小倉の歴史だけでなく、からくりシアターやジオラマなどを活用した、当時の雰囲気を味わえる体験型の施設になりました。
| 1F | 高画質の大画面シアター・時代なりきり体験 |
| 2F | 小倉城英傑伝・小倉ゆかりの文化(細川藩・小笠原藩の歴史) |
| 3F | 武蔵・小次郎伝(宮本武蔵のリアルなフィギアなどを展示) |
| 4F | 企画展示コーナー |
| 5F | 小倉城下展望室 |
小倉は、九州地方の玄関口として交通や商業の要として発展。その城下町の発展の様子を、ジオラマや展示資料を通じて学んで下さいね。
1階から5階まではエレベーターで移動できるので、より快適に移動できるのもありがたいです。
また、天守閣の夜間貸切も可能なんだそうな。特別なイベントやプライベートな集まりに活用すれば、城好きの人ほどテンションが爆上がりすると思います。
【お城の紹介(その1)】
旅先で訪れたお城や城跡を、下記記事で紹介します。
江戸時代を体感、「時代なりきり体験」で遊ぼう

天守閣1階では、大名かごへ乗ったり、当時の軍議を再現した場面に参加したり、走る馬の上から的に矢を射る流鏑馬ゲームを遊べるなど趣向を凝らした様々な体験コーナーがあります。
せっかく小倉城を訪れて、参加しないのはもったいない。ということで、流鏑馬ゲームにチャレンジ。体験は馬乗りの練習から始まり、操作方法を練習します。そして、よいよ本番の開始。

軽快なBGMが流れる中、弓矢の形をしたデバイスを用いて、揺れる馬上から画面に映り出す的(扇)を射抜いていく。見事に射貫けると画面に「的中」の文字が表示。うん、これは気分が良いかな。そして、全て射抜けば「流鏑馬ひのとり」の称号を得られるぞ。
このゲームは面白いですね。えっ、私の結果ですか。それは・・・秘密です。
注意点として、このゲームには身長制限があり、117㎝以下であると体験はできません。

おっ、これは「石」を運ぶコーナーではないですか。小倉城の石垣は、足立山から重い石を一つ一つ運んで築いたそうです。
トラックやクレーンが無い時代は、すべて人手で行なわなければなりません。このコーナーでは、それを体験できるということなので、レッツチャレンジ!
石を落ち上げることはできるけど、お・・重い。これを運び続けるのは、私にはちょっと無理かな。築城がいかに大変だったのか、身に染みて分かりました。

こちらは、島原の乱の発生に伴い軍議が開かれている場面です。リアルな人形の真剣ななまなざしに、軍議に臨む武将の臨場感を感じるかな。
一番奥の席へ座り、ビシッとポーズを決めて、はいチーズ。ぜひ記念撮影を楽しんで下さいね。

記念撮影といえば、「小倉城なりきり瓦版」も撮影スポットとして大変魅力的です。
スクリーンの前に立つだけで、バーチャル技術を駆使して、自分の服装が自動的に侍や忍者、殿様、姫などの衣装に早変わり。うん、これは楽しい。

どんな衣装になるのか、どんな衣装が似合うのかぜひ色々と確かめてみよう。スクリーンの前で手は払うと、衣装が次々にチェンジするぞ。

さて、小倉城を一通り見学し終えたら、ぜひチャレンジして欲しいのが、こちらの「寺子屋クイズ道場」です。
画面に表示する質問に対して、足元の「〇」と「×」の位置に立ち回答していくスタイル。さて、いったい何問正解できるかな。
遊び心満載の「時代なりきり体験」のエリアにて、江戸時代の暮らしに触れてみて下さいね。
【お城の紹介(その2)】
旅先で訪れたお城や城跡を、下記記事で紹介します。
殿様気分を味わえる動く「大名かご」

色々なお城や歴史博物館へ訪れると、大名が使っていた「駕籠(かご)」が展示されていたりします。それは、それで大変貴重なものですが、小倉城の「大名かご」は一味違っているので驚くだろう。
普通は展示品には乗れないものですが、ここでは実際に乗れてしまう。それだけでなく、スイッチを押すと大名かごはゆっくりと浮き上がり、左右にゆらゆらと動くのです。(しばらくすると止まります。)
その揺れの感想は「絶対にもっと揺れるだろう!?」と思うのですが、本当に激しく揺れると危ないので、これはこれで丁度良いかも。新鮮な体験ができるので、お見逃しなく。

どうせなら江戸時代の衣装に着替えて、大名かごへ乗ってみよう。
着物や陣羽織を実際に身につければ、気持ち的にはいっぱしの侍だ。また、見た目からして豪華な衣装もありますが、せっかくなので臆せずに着てみてはいかがですか。
料金は入場料に含まれているので、気軽に体験して下さいね。
日本最大級の迫力ある虎の絵「迎え虎」と「送り虎」
小倉城には、雄雌一対の大きな虎の絵が展示されています。初見では、あまりの迫力にビックリするだろう。これほど大きな虎の絵を見る機会なんて、そうそうありません。
1階には雄の「迎え虎」がいて、2階には雌の「送り虎」がいる。どちらも高さが4.75m、幅2.5mもあります。まさに小倉城の守護神ともいえる存在ですね。


これらの虎の絵は、小倉城が焼失した年が寅年に因んで描かれました。迎え虎は千客万来、送り虎は麗虎招福の意味を持っているというのだから、ぜひじっくりと見物して下さいね。
特に面白いのが、迎え虎はどの位置から見ても真正面から迫ってくるように見えること。まるで、こちらを値踏みしているように感じるだろう。そのような姿から「八方睨みの虎」とも呼ばれています。

また、迎え虎と送り虎をもとにして作られた公式キャラクター「とらっちゃ」もいるぞ。三頭目の虎として、小倉城を全国にアピールするため、日々活動を頑張っています。
その愛くるしい姿から子供から大人まで幅広く愛されていますね。運が良ければ本物の「とらっちゃ」に出会えるかも。もし出会えたらならば、幸運が訪れるそうですよ。
今もなお語り継がれる「武蔵 vs 小次郎」による巌流島の決闘

小倉にゆかり深い有名な剣客といえば、宮本武蔵と佐々木小次郎が挙げられます。
関門海峡に浮かぶ巌流島で繰り広げられた決闘は有名なので、知っている人も多いだろうな。この戦いは、小倉藩主・細川忠興のもとで行われました。
二刀流を編み出した武蔵と秘剣・燕返しを編み出した小次郎の勝負の行方は、皆さんもご存じの通り、武蔵が勝利することに。
約束の時間に遅れてきた武蔵に対して、小次郎が刀を抜いて鞘(さや)を投げ捨てた時の武蔵が放ったセリフ「小次郎、敗れたり!」は超有名ですね。色々な場面で汎用的に使えそうです。

またレプリカですが、巌流島の戦いで両者が使った刀と木刀を展示しています。
小次郎が扱った刀の刀身は、三尺三寸(約1m)もあり、その長さから「物干し竿」と呼ばれていました。それにしても、これだけ長いと扱いづらいものですが、このような刀を自在に扱っていた小次郎の才能と努力は、凄まじいものだったのだろうな。

武蔵は剣豪としてだけでなく、晩年に芸術家としても活躍しており、武蔵の剣術の奥義をまとめたものが「五輪書」ですね。城内には、五輪書を模した5つの巻物があるので手をかざしてみよう。
武蔵があなたに対して言葉を語りかけてくれます。どのようなお言葉なのかは、自分自身でぜひ確かめて下さいね。
天守閣の最上階は展望スペース兼カフェ・バー

天守閣の5階は、小倉の町並みを一望できる展望スペース兼カフェ・バーになっています。
四方から小倉市街を眺めながら、カフェを飲んで一息つくのも良いですね。そもそも小倉は、本州と九州を結ぶ要所であり、中津街道や長崎街道の起点であることから「九州全ての路は小倉に通ずる」と言われていました。
窓越から見えるそんな小倉の町並みは、特別感を感じてやまないです。都市らしい高層ビルディングがそびえ立つ風景ですが、それ以外にも南側には、日本新三大夜景に選ばれている皿倉山などが見え、西側には石嶺山や高塔山などが連なります。

全国にたくさんある天守閣の中でも、最上階で飲食ができるのは小倉城しかないだろう。
日中はカフェとして利用できますが、土曜の夜にはお酒を楽しめるイベントも開催されるみたい。夜の小倉城にて、特別なひと時を過ごしてみるのも楽しそうですね。
【お城の紹介(その3)】
旅先で訪れたお城や城跡を、下記記事で紹介します。
四季折々の景色を楽しめる小倉城庭園

小倉城庭園は、小笠原氏の下屋敷跡を復元した大名庭園と江戸時代の武家の書院・茶室・展示棟がある文化施設で構成されています。
池の周りを散策しながら春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は赴きを感じさせる冬枯れの景観を楽しもう。四季ごとに刻々と表情を変える美しい庭園は、都会の中にあって、心安らぐひと時を過ごせますね。
特に水面が周囲よりもかなり低く設計された「のぞき池」の景観が特徴的。その景観は、まるで水上に浮かんでいるように感じるだろう。
そのよう池泉回遊式庭園の風景をダイジェストで紹介します。




書院棟は、長い柱が床下を支える日本の伝統的な建築工法「懸造り(かけづくり)」を用いており、書院造りを再現した本格的な木造建築ですね。
広縁の一部が池に張り出しているので、その場所から眼下に広がる美しい庭園の風景を楽しもう。
また、礼法の歴史を紹介するコーナーや日本の生活文化に関する企画展示を見学したり、本格的な茶席も体験できます。さらに毎夜、幻想的なレーザーライトアップショーを楽しめます。
- 住所 福岡県北九州市小倉北区城内1-2
- 営業時間 4月~10月 9:00~20:00、11月~3月 9:00~19:00
- 休園日 無休
- 電話番号 093-582-2747
- 料金
- 一 般 350円
- 中高生 200円
- 小学生 100円
小倉城の基本情報とアクセス
| 住所 | 福岡県北九州市小倉北区城内2-1 |
| 電話番号 | 093-561-1210 |
| 営業時間 | 4月~10月 9:00~20:00 11月~3月 9:00~19:00 |
| 定休日 | 無休 |
| 入館料 | 一 般 350円 中高生 200円 小学生 100円 ※関連施設共通チケット有り(2施設共通入場券、3施設共通入場券) 【2施設共通券(小倉城と小倉城庭園)】 一 般 560円 中高生 320円 小学生 160円 |
【アクセス】
- JR小倉駅から徒歩約15分
- JR西小倉駅から徒歩約10分
- 北九州都市高速大手町ランプから車で約5分
小倉城の駐車場
小倉城の周辺にある有料駐車場をご利用下さい。
- 勝山公園駐車場(普通車15台、大型バス5台)
- 勝山公園地下駐車場(普通車500台)
まとめ

小倉藩の初代藩主・細川忠興は、小倉城の大改修と全国から商人や職人を集めて「商工業保護」を行ない、城下町を発展させました。
当時の天守閣は焼失しましたが、戦後に天守閣を再建し、その威風堂々とした特徴的な景観は、小倉のシンボルとして親しまれています。
天守閣の中へ入ると、大名かごに乗って殿様気分を味わうなど面白い体験ができたり、最上階から小倉の町並みを一望できますね。夜になると、天守閣はライトアップされるので、幻想的な風景を堪能しよう。
また、四季折々の豊かな自然を楽しめる大名庭園など見どころが多いです。それに、桜の名所としても知られています。
福岡県北九州市へ観光で訪れた際には、小倉城へ足を運んでみてはいかがですか。

