
門司港レトロ観光で欠かすことができな名所の一つ「門司港駅(もじこうえき)」。
現役の駅として、学生やサラリーマンなど多くの人たちに利用されています。日本国内には数多くの鉄道駅舎がありますが、国の重要文化財に指定されているのは門司港駅と東京駅のみ。
ルネサンス様式の駅舎の外観は、写真映えするため、多くの観光客の撮影スポットとして人気が高いですね。もちろん外観だけでなく、駅舎内も大正レトロたっぷりの雰囲気を味わえます。
関門連絡船通路跡や旧貴賓室、待合室、展示室などへ足を運び門司港の歴史と繁栄を肌で感じとろう。
本記事では、大正ロマンを感じてやまない「門司港駅」を紹介します。
目次
門司港駅とは

門司港駅は、福岡県北九州市門司区西海岸一丁目にて1914年に創建されました。建設当初は門司駅と呼ばれていましたが、1942年に改称された次第です。
1958年に関門トンネルが開通するまでは、本州との連絡船が出航する駅として利用されており、戦時中にはこの港から大陸へ向けて、多くの兵隊が出兵されました。
その後、1988年に鉄道駅舎として初めて国の重要文化財に指定。約6年間の保存修理を経て、2019年3月10日に大正時代の姿に復原され今に至ります。
建設当初の内観をみごとに復元しているので、当時の面影に触れてみて下さいね。

かつて1階にあった「旧三等待合室」の場所には、スターバックスコーヒーが入っています。(昔は、待合室が一等から三等までありました。)

改札横にはファミマがあります。ファミマといえば、店舗の外観にてブランドカラー(緑・白・青の3色の帯)が見られますが、周囲の景観に配慮しているようで、茶色と白色を基調にした帯になっているではないですか。新鮮で落ち着いた感じがします。
【周辺の見どころ】
門司港駅周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
重厚感たっぷりの駅舎と噴水広場

門司港駅の駅舎は、左右対照に作られた美しいルネサンス様式の建築物です。九州の駅の中でも歴史が古く、価値の高い駅舎なんだそうですよ。
どの角度から見ても大正レトロの雰囲気が漂っているのがいい感じ。この駅舎前で撮影する観光客が多いといいます。
正面から見ると、中央が「門」の文字に見えるではないですか。たまたまなのか、門司港駅の「門」にかけているのかは分かりませんが、いい仕事をしているなと思いました。
1,500平方メートルの銅板と約700mの石綿ストレートがふかれた屋根、磨きあげられた真鍮巻きの柱などを眺めていると、かつて大陸交通の要所をして活躍をしていた当時の風格をうかがい知れます。

日本経済新聞社が2007年にアンケートした結果によると、門司港駅は「足を延ばして訪れて見たい駅」の全国第1位にランクされました。

駅舎正面前にて、神官がわかめを刈りとる「和布刈神事(めかりしんじ)」を題材にして詠まれた横山白虹(よこやま はっこう)の句碑を発見。
その句碑の台座には、「和布(わかめ)刈る 神の五百段(いほだん)ぬれてくらし」と刻まれています。

また、駅舎前は噴水広場となっており、基本的に毎日10時から19時20分まで、1時間おきの毎時0分から20分間水が噴き出しますね。そのような場所では、子供たちが水遊びをする微笑ましい光景が似合っているかな。
一般的な噴水では、池または水を湛えた器があってそこに水が落ちるのだけど、ここの噴水はそうではない。水受けがないので、広場の石畳に直接水が流れてしまう。
しかし、噴水のあるところはすり鉢状にへこんでいるので、きちんと排水できる設計になっているのが見て取れました。
駅舎と噴水とのコントラストがGood。夜はライトアップされるので、昼間とはまた違った雰囲気を味わえます。
【趣きのある建築物の紹介(その1)】
門司港駅のような趣きのある建築物を、下記記事で紹介します。
オリジナルの入場券を購入して改札へ

乗車せずに駅構内を見学したい人は、まずは入場券を購入しよう。自動券売機で入場券を購入できますが、改札口で購入するのをおすすめします。
その理由は、オリジナル入場券がゲットできるからですね。昼と夜に正面から駅舎を撮影した図柄と夜のホームを撮影した計3種類の中からお好みで選ぶように。この券は、門司港駅を観光した証になると思います。
自動券売機では、オリジナル入場券は手に入れられません。オリジナル入場券を駅員さんへ見せると、ハンコを押してくれるので、それもまた旅の思い出の一つですね。

こちらは、当時の切符の販売窓口です。重厚感のある木の外観がいい感じ。ここでは切符が買えないので気を付けて下さいね。
私はそのことを知らなくて、この小さな窓口前でオリジナル入場券を買うために、駅員が来るのをしばらく待っていたのは秘密ですよ。(笑)


また、当時の切符の販売窓口だけでなく、当時の改札も復元されているのでお見逃しなく。(もちろん使用されていません。)
隣には現在の自動改札がありますが、駅員にオリジナル入場券を見せて改札を通り、ホームへ向かいましょう。
現役で活躍するホームを見物

現役で活躍するホームには、電車が停車していたり、電車を待つ人々で賑わいます。観光する際には、通行の邪魔にならないようマナーを守りましょう。
昨今「撮り鉄」のマナー違反が問題視されています。電車を待つ人に「どけ!」「邪魔だ!」と罵声を浴びせるなんてご法度ですね。
南側から1~5番線があり、3番線はホームに面していない留置線になっている。また、ホームの木造の屋根に注目しよう。というのは、屋根を支えている梁には、線路のレール材が使用されているそうですよ。
ホームを歩いていると気が付くのですが、ベンチや自動販売機などが一切ありません。一直線に抜けたホームに「もじこう」の駅名標が織りなす景観が実に良し。人気のフォトスポットになっています。
また、改札から入ってすぐ正面のホームには、「0哩(ゼロマイル)標」や「旅立ちの鐘」「幸福の泉」などのモニュメントが並んでいますので、見物して下さいね。
全体的に見渡すと、旅情をかき立てる独特の雰囲気に拍手喝采を贈りたい。それでは、ホームの様子をダイジェストで紹介します。





こちらは「0哩(ゼロマイル)標」です。日本の鉄道開業100周年を記念して建立されました。九州の鉄道起点を示すものなんだそうな。ここを起点にして、九州の産業と文化が栄えていたかと思うと胸アツだな。
1891年4月1日に門司港駅から玉名駅(当時は高瀬駅)まで開通した際に、最初の「0哩標」が設置されたという。先人の偉業をたたえる「0哩標」が再び復活を遂げたのは、鉄道ファンにとっては嬉しい出来事だったと思います。

この0哩標の手前には、鐘があるではないですか。こちらの鐘は「旅立ちの鐘」と呼ぶそうだ。この鐘の下にあるのが「幸福の泉」です。
当時、駅舎が完成した際に「出発合図の鐘」として作られたという。昭和時代になると、正常な運転と作業の安全を願う「安全の鐘」として利用され、2009年に再び「旅立ちの鐘」として復活を遂げました。
鐘は自由に鳴らしても大丈夫のようで、進学や就職、結婚などで九州を旅立つ人たちを送り出す際に使いたいですね。
ちなみにこの鐘を鳴らすと「カーン!カーン!」と大きな音が響き渡るので焦るかも。鳴らし過ぎには気をつけましょう。

せっかく旅立ちの鐘を鳴らすのであれば、こちらの「幸福の泉」にも注目したい。
鐘を鳴らしてから泉にコインを投げ入れて、願い事をすると夢が叶うと言われています。また、プロポーズの場所として、密かに人気があるというのだから驚きました。人通りの多い駅でプロポーズをするとは、勇者すぎませんかね。
実際に泉の中を覗いてみると、5円や10円といった小銭があったので、利用している人が多いみたいです。
駅構内には「関門連絡船通路跡」や「帰り水」など歴史的資産が多い

駅舎の中へ入ってまず驚くのは、外観に似合う内装のゴージャス感だろう。床や天井、照明など細部にわたって大正ロマンを感じますね。
現代的な駅舎内よりも華やかな感じがして、特に用がなくても長いしたくなる雰囲気があるかな。
駅構内には、戦前から使用されている歴史的資産が点在しているのでスルーするのはもったいない。観光に訪れたのであれば、一つ一つじっくりと見学していこう。

まず始めにご紹介するのは、こちらの「関門連絡船通路跡」です。関門連絡船は、1901年から63年間に渡り、本州と九州をつなぐ輸送機関として活躍していました。
最盛期の1941年には、1日平均53往復して、年間約880万人の利用者がいたというのだから、当時はなくてはならない存在だったのでしょう。
門司港駅で下車した人たちが、関門連絡船へ乗船するために、この関門連絡船通路(地下通路)を通過して港へ向かっていたそうです。
今はその通路は塞がれているので、通り抜けはできません。戦争末期に軍の命令で作られた渡航者の監視所跡も残っています。
当時のコンクリートがむき出しになっており、壁面には栄光の関門連絡船の写真がデカデカとかけられているので、当時に思いを馳せてみよう。

また、トイレ(旧洗面所)の近くには「帰り水」と呼ばれる共用栓(給水栓)があります。案内板によると、駅が開設された頃に設置されたそうなので、大正時代の代物ですね。
昔から門司の水は、きれいで美味しいと評判であり、特に長期の旅を続ける外国航路の船には、何ヶ月にも渡り腐らない水として人気を博していたそうです。
戦前の海外旅行帰国者を始め、終戦後に門司港へ帰り着いた引揚者や復員兵が日本に帰って来た喜びと安堵の思いで喉を潤したことから、「帰り水」と呼ばれています。
実際、水道水なので今も現役で飲めるそうですよ。しかし、今時の人は路上にある共用栓で手足を洗うことはあっても、飲み水として使用していないのでは?
構内のファミリーマートへ足を運び、ミネラルウォーターを買う人が多いだろうな。

「帰り水」の後ろ側にある旧洗面所の中へ入ると、たくさんの蛇口が並んでいます。実際、蛇口をひねると水が出るので利用可能ですね。
1929年に作られたもので、大理石の洗面台、古めかしい蛇口などを眺めていると、ノスタルジーを感じてやみません。
この洗面所は、かつて蒸気機関車が走っていた頃に、機関車の煙で真っ黒になった顔や手足を洗っていました。

その他にもトイレ前に戦時中の貴金属供出からも免れた青銅製の手洗い器があるみたい。
「幸運の手水鉢」と呼ばれていて、ここで手を洗うと幸運が訪れるという。私は後からそのことを知り、ナンテコッタイとなりましたね。(トホホ・・・)
なので、特にトイレを利用しなくても足を運んでみよう。
【趣きのある建築物の紹介(その2)】
旅先で訪れた趣きのある建築物を、下記記事で紹介します。
駅舎2階にはゴージャスな「旧貴賓室」などがある

駅舎1階の改札前にある扉から、2階へ上がれます。2階では、旧貴賓室や旧次室を見学できますね。
駅なので終始利用できると思われがちですが、2階の利用時間は9時から20時までなのでお気を付けて。

まず扉を入って直ぐ目に留まるのは、赤い階段の存在だろう。階段には、重厚感のある木の手すりがあり、その色と相まって、見るからに身分の高い方々をお迎えするための用意されたようだ。
白壁に囲まれた明るい雰囲気の中、重厚な木ででき天井から吊り下げたゴージャスな照明が辺りを照らしています。

また、廊下の装飾はシンプルで落ち着いていますが、歴史を感じさせる雰囲気がGood。
廊下を歩いて、各部屋の中を覗いて見よう。廊下の奥の方には、駅舎の屋根裏を見ることができる小窓もあります。

こちらは「旧貴賓室」です。天皇陛下や皇族、要人など身分の高い人々だけが使えた特別なお部屋。どうですが、あまりの華やかさにビックリするのではないだろうか。
床には赤い絨毯(じゅうたん)が敷き詰められており、壁紙には当時貴賓室に貼られていた物を使用しています。窓から差し込む陽光が室内を明るく照らし、内装と相まって優雅に過ごせそう。
しかし、あまりの華やかさに落ち着いて過ごせない人もいるのではないでしょうかね。

旧貴賓室の隣には、貴賓の従者が控える場所だった「旧次室」があります。旧貴賓室と比べると、華やかではありませんが、とても落ち着いている。個人的には、こちらの部屋であれば何日も滞在できそうかな。
これらの部屋以外にも、かつては「みかど食堂」というレストランがありました。当時の高級レストランで、国内で駅構内や食堂車で初めて営業を行なった、みかど株式会社が運営していたそうです。
1階にある展示室には、みかど食堂で使われていた品物や旧貴賓室の壁紙などが展示されています。
門司港駅の歴史を語る「待合室」と「展示室」

当時の鉄道車両は、一等から三等までの等級に分かれていました。
現在、旧一・二等待合室はみどりの窓口と観光案内所に使われており、旧三等待合室は先ほども触れた通り、スターバックスコーヒーの店舗が入っています。
当時はどの駅にも小荷物取扱室があったそうで、そこで旅客の手荷物の受け渡しなどを行なっていたという。この小荷物取扱室が「待合室」として整備されています。

石造りの床には、木製の背もたれのあるベンチが並んでいる。片隅には保管庫だった小部屋もある。室内の広さは、ちょっとした講演会やイベントが開催できるほどありますが、当時は多くの荷物で埋め尽くされていたのだろうな。
また、門司港駅の長い歴史を紹介したパネル資料や、当時復元された駅舎の記録を映像で見ることができるので見学していこう。



その隣も小荷物を取扱う部屋だったようで、今は門司港駅に関する資料を展示する博物館のような場所ですね。
門司港駅のジオラマや復原工事中に発見された古い時代の部材、みかど食堂で使われていた品物などが展示されています。

特にこちらの「誇りの鏡」のエピソードには感銘を受けました。
太平洋戦争が終わった直後にあった実話で、駅員と幼い子供を連れた妊婦さんとの心温まる話が素晴らしいです。
駅員は、駅のホームで陣痛が始まった妊婦さんを連れて病院を駆け巡ったのですが、開いている病院が一つもなく、最終的に駅員の自宅へ運び、近所に住む女性の助けをかりて無事に出産できました。
親戚も知り合いもいない場所で、駅員に励まされて出産した彼女はどんなに心強かったことか。そして、2週間後に大陸から到着した御主人とともに関東へ帰っていったそうです。
それから26年後に再開を果たし、感謝の気持ちとして贈られた大きな楕円形の鏡は「誇りの鏡」と名付けられています。
門司港はバナナの叩き売り発祥の地

噴水広場の周囲にある旧JR九州本社ビルの前には、「バナナの叩き売り発祥の地」の石碑があります。
バナナが日本に輸入されたのが、1903年頃で台湾の商人が神戸へ持ち込んだそうです。1908年頃には、バナナが大量に輸入されることになり、当時は台湾が日本の領土だったことと門司港が地理的に近かったこともあり、大量に荷揚げされて市場が設けられていました。
今ではバナナの叩き売りなんて見かけることは、ほぼないでしょう。実は「門司港バナナの叩き売り連合会」にて継承されているそうですよ。聞くところによると、門司港バナナ塾を毎年開催しているみたい。
あの名セリフ「ご用とお急ぎでない方は、見ていらっしゃい、聞いてお帰り」といった前口上を生で聞いてみたいかな。それに、売り手がバナナを高く提示して、買い手が値段を下げさせながら楽しむコミュニケーションは面白そう。
このバナナの叩き売りは、関門ノスタジリック海峡の構成文化財の一つとして「日本遺産」に認定されています。
門司港駅の基本情報とアクセス
| 住所 | 福岡県北九州市門司区西海岸1-5-31 |
| 電話番号 | 093-321-8843(九州旅客鉄道(株)) |
【アクセス】
- JR門司港駅を下車後すぐ
- 関門自動車道「門司港IC」 から車で約5分
門司港駅の駐車場
門司港駅の周辺には、たくさんの有料駐車場が点在していますので、その一部を紹介します。
- 門司港レトロ西海岸有料駐車場(収容台数 100台)
- 門司港レトロ駐車場(収容台数 200台)
- 北九州市営九州鉄道記念館西駐車場(収容台数 30台)
- 関門海峡ミュージアム駐車場(収容台数 200台)
まとめ

門司港駅は、現役の駅として日々多くの人たちに活用されています。
駅舎を観光スポットとして捉えることは、通常はありませんが、大正ロマンを身近に感じ取れる場所なのが魅力的ですね。そのため、九州の陸の玄関口としてだけでなく、門司港レトロ観光では外せない観光スポットになっています。
鉄道の起点を表す「0哩(ゼロマイル)標」や、終戦後に多くの復員兵が喜びをかみしめながら飲んだ「帰り水」など歴史のエピソードに飾られた見どころが満載です。
駅構内をゆっくりと歩きながら、大正時代に思いを馳せてみてはいかがですか。


