
紙を使って、誰もが一度は折ったことがある物といえば「紙飛行機」ですね。広島県福山市には、そんな紙飛行機の魅力を発信する日本で唯一の「紙ヒコーキ博物館」があります。
紙飛行機は、折り方や飛ばし方を少し工夫するだけでも滞空時間や飛距離が段違い。それが面白くて、子供だけでなく大人も童心にかえって夢中になれる遊びですよ。
館内には、カッコイイ紙飛行機がいっぱい。また、鳥・昆虫などユニークなものもある。その見た目から「これ、本当に飛ぶの?」と思うだろう。特にギネス記録を持つ「スカイキング」は必見です。
本記事では、「見て、作って、遊べる」紙飛行機の聖地こと「紙ヒコーキ博物館」を紹介します。
目次
紙ヒコーキ博物館とはどんなところ

紙ヒコーキ博物館は、折り紙ヒコーキ協会会長の戸田拓夫(とだ たくお)館長や、国内外の作家などが作成したカラフルで多種多様な紙飛行機を展示している紙飛行機専門の博物館です。
福山市加茂町を起点とし、同市横尾町へ至る約6kmほどの加茂福山線(県道391号)沿いにあり、外観は普通の住宅のように見えますね。
保管展示している紙飛行機は、何と約400点にのぼるとのこと。私たちが良く遊ぶA4サイズの紙で折った物を始め、ビッグサイズやミニマムな物まで素材や形に工夫を凝らしたユニークな機体は見応えがあります。
見ているだけでも面白いのですが、実際に紙飛行機を折り、飛ばして遊んでみよう。また、手作りの風洞実験装置にて、紙飛行機が飛ぶ仕組みを学べます。
【周辺の見どころ】
紙ヒコーキ博物館周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
カッコイイ紙飛行機がズラリと並ぶ

紙ヒコーキ博物館は2階建てで、1階は紙飛行機の展示室、2階にも紙飛行機が展示されていますが、実際に折った紙飛行機を飛ばして遊ぶことができます。
館内へ入ると、まずは受付をすまして奥へ向かって下さい。棚の上に所せましと並んだ、大小様々な紙飛行機に圧倒されるだろう。
パッと見ただけでは、「どうやって折ったの?」と思える物が多々あり、1枚の紙がこうも変化を遂げるのかと驚かされました。それに加え、今にも飛び出しそうでカッコイイ作品がいっぱい。見ているだけで、テンションが上がります。
もっともポピュラーな紙飛行機といえば「へそ飛行機」や「イカ飛行機」ですね。長方形の紙1枚を使い、誰でも簡単に作れるので、私も子供の時に良く作っていました。

こちらの紙飛行機は「キャリバー」です。戸田館長が考案したイカ飛行機の変形型ですよ。
特徴は、直進性と飛距離を両立させたバランスの良さなんだとか。イカ飛行機の中でもシンプルで簡単に折れるので、初心者におすすめします。

こちらの紙飛行機は「サターン」と呼ばれるもの。先ほどのキャリバーとは、立体感の違いが一目瞭然だ。
こちらも戸田館長が手掛けた物で、立体型の紙飛行機として初めて誕生しました。垂直尾翼を下に持てるような工夫が見て取れます。
見た目からして、どこまでも遠くまで飛んでいきそう。実際、滞空時間より直進性と飛距離に優れているのがウリだそうです。機首部分を筒状や箱状にすることで、適度な重さと共に絶妙な空気抵抗のバランスを生み出しています。

個人的にとても驚いたのが、こちらのスペースシャトルの紙飛行機。周囲の物と比べると、その大きさは圧倒的です。本当に1枚の紙で折ったとは思えないかな。大きすぎて飛ばし方に工夫が入りそうですね。

こちらのショーケースの中をよく見ると、小さな紙飛行機ではないですか。先ほどの巨大な物とは別の意味で驚きました。これは手先が器用でなければ、折るのが難しそう。

こちらを見て下さい。中が空洞になっていますが、これも紙飛行機の一種なんだとか。
私はこれを見た時に「これ、本当に飛ぶの?」と思いました。飛ばし方が難しいそうですが、面白い飛び方をするというので、気になる方は、作ってチャレンジして下さいね。

おっ、カッコイイ紙飛行機を発見。こちらは名機「コンコルド」をモチーフにしたもの。細長く尖った機首と特徴的なデルタ翼が確かに似ているかな。
2003年に惜しまれつつ全機が退役した「空の貴婦人」の紙飛行機バージョンと思うと、航空機マニアであれば胸アツな展開です。
実物のコンコルドは最高速度マッハ2.0を誇り、成層圏を飛行してパリやロンドンとニューヨーク間を約3時間半で飛行した、世界で唯一の超音速民間旅客機。個人的にその伝説を譲り受けた紙飛行機に興味津々ですよ。


旅客機や戦闘機に模したものなどその種類の多さや、クオリティーの高い作品の数々に紙飛行機の奥深さを痛感。まさに紙飛行機の聖地と呼ぶに相応しい充実ぶりです。

館内には、紙飛行機と宇宙に関わる展示品もありますが、一番驚いたのはこちらのプロジェクトのお話。
パネル資料によると、国際宇宙ステーションから紙飛行機飛ばして地球に帰還させる計画が進行中みたい。このような夢のある計画は、ぜひ実現してもらいたいです。
宇宙には空気がないので、紙飛行機に影響を与える「揚力」や「空気抵抗」が存在しないだろう。なので、飛ばした瞬間に同じスピードを維持したまま真っ直ぐに飛んでいくような気がします。
ギネス記録を持つ紙飛行機の実力とは

館長の戸田さんは、紙飛行機のギネス世界記録保持者です。私たちのような一般人レベルならば、2~5秒間も飛んでいれば良しと思うし、10秒間も飛んでいれば「凄い!」と思いますね。
しかし、競技の世界ではそんなのはぜんぜん序の口みたい。ギネス世界記録は、なんと「29.2秒」というのだから、レベルが全く違います。
この世界記録を樹立したのは、2010年12月19日のこと。未だに破られていません。

館内には、公式認定書と共に世界記録を樹立した紙飛行機「スカイキング」が展示されているのでお見逃しなく。
どうですか、この面構え。こちらの写真では分かりづらいですが、いかにも空で舞うことに特化しているような感じがしました。

スカイキングは、A4サイズの紙1枚を折って作ります。左右のバランスを正確に折り上げるのがポイント。そして、真上に向かって高く投げ上げると、滞空時間が長くなり、パラシュートのようにゆっくりと落下しますね。
興味がある方は、ぜひスカイキングを作って、どれくらい飛んでいられるのかレッツチャレンジ♪
【博物館の紹介(その1)】
旅先で訪れた博物館を、下記記事で紹介します。
鳥・昆虫など見た目がユニークな紙飛行機もいっぱい

空を飛ぶ生き物には鳥やクワガタのような昆虫がいて、紙飛行機のモチーフにぴったりですね。
そういう意味では、ツバメやスズメ、鶴、蝶々、クワガタ、かみきり虫をイメージした紙飛行機が誕生するのは、それほど違和感を感じません。
なので、館内でそれらに模した紙飛行機を見つけたと時は、「やはりあったか!」と思いました。

こちらの蝶々型の紙飛行機にご注目。見た感じだと、まったく飛ばなさそう。しかし、グライダーのように滑空して飛ぶみたい。いい意味で期待を裏切る作品です。

館内で見つけた紙飛行機の中で、個人的に気にいった物の一つがこちら。どうですか、どうみても五月人形に見えるでしょ。これ欲しいと思いましたが、残念ながら非番品のようです。
よく見ると、矢の先も小さな紙飛行機みたい。確認はしていませんが、鯉のぼりも飛行リングの一種なんだろうな。全体的に芸の細かさには脱帽です。
柄のデザインも含めて、作るのにそれなりに時間がかかったのは間違いありません。飛ばして遊ぶというより、インテリアの一部として飾っていた方が似合っていますね。
館内には、これらのようなユニークな紙飛行機あるので、一つづつじっくりと見学して行きましょう。
風洞実験装置で紙飛行機が飛ぶ仕組みを学ぶ

紙飛行機がなぜ浮き続けるのか疑問に思っている方も多いだろう。その答えが良く分かる手作りの風洞実験装置が館内にあります。
装置の中には紙飛行機がスタンバイしており、発生させた空気の流れで、何秒間紙飛行機が浮き続けるのか確認できるとのこと。紙飛行機を研究するのに欠かせない装置ですね。
そもそも浮き続けるのには、推力・揚力・重力・空気抵抗の関係が重要になる。まずは手で投げることで前に進む推力が生まれ、翼の下から上へ押し上げる力、いわゆる「揚力」が発生。この揚力が重力に勝っている間は浮き続けます。
紙飛行機自体には推力を生み出す力はなく、やがて空気抵抗により速度を落とし揚力が減ってくると、重力に引かれて降下する仕組みという訳だ。適切な揚力を得るには、翼の迎え角・上反角・後方の曲げ方の工夫が大事です。
このような装置が一家に一台あれば、研究の末に究極の紙飛行機を作れるのではないでしょうか。
実際に紙飛行機を飛ばしてみよう

2階には、自分で折った紙飛行機を飛ばせるフライトエリアがあります。そこには、的あてゲームを遊べる要素もあるので、ぜひチャレンジして下さいね。
自分で折らなくても、あらかじめ自由に飛ばしても良い紙飛行機は用意されているので、そちらを使ってもOK。的の中心に当てれば100点で、外側に向かうほど点数が50・30・10点と低くなります。
ということで実際にやってみると、これが中々難しい。紙飛行機を真っ直ぐ飛ばすことが難しく、何度も的から大きく外れました(0点ですね)。
慣れてくると、何度か的へ当てることができましたが、100点には程遠い。個人的にこれは結構ハマルかも。一人でも楽しく遊べますが、家族や友人とワイワイしながら点数を競って遊ぶのも面白いと思います。

ちなみに、1階では紙飛行機の紙や本を購入できるぞ。競技用の紙は、距離用と滞空時間用の2種類があり、サトウキビの絞りかすから作ったエコ用紙ですよ。つまり、もし飛ばした後で見失っても、いずれ土に還ります。
また、メモを書いて飛ばす「とびメモ」も楽しそう。あなたが書いたメッセージをのせて、紙飛行機を飛ばしてみてはいかがですか。
【博物館の紹介(その2)】
旅先で訪れた博物館を、下記記事で紹介します。
紙ヒコーキ博物館の基本情報とアクセス
| 住所 | 広島県福山市御幸町中津原1396 |
| 電話番号 | 084-961-0665 |
| 営業時間 | 毎週土曜日のみ開館 10:00~12:00、12:45~16:00 |
| 入館料 | 100円(3歳未満は無料) |
【アクセス】
- JR横尾駅から徒歩約20分
- JR福山駅からタクシーで約15分
- 山陽自動車道「福山東IC」から車で約15分
紙ヒコーキ博物館の駐車場
紙ヒコーキ博物館には、無料駐車場があります。(普通車3台)
まとめ

紙飛行機は、手軽に作れて夢中になれる魅力的な遊びです。
その歴史は古く、19世紀半ばには既に子供たちの間で遊ばれていました。単純に長方形の紙を折るだけの遊びから、航空力学や折り紙工学を導入し、日々進化をし続け今に至ります。
紙ヒコーキ博物館では、そんな紙飛行機の魅力を発信。カッコイイ紙飛行機やユニークな紙飛行機がズラリと並び、見ているだけでも楽しいです。
実際に紙飛行機を作り、どこまで飛ぶのか、いつまで飛び続けるのかチャレンジしてみよう。紙の折り方や飛ばし方を工夫して、自己ベストを更新して下さいね。


