
テレビCMの「光の道」にて一躍有名になった福岡県にある話題の神社が「宮地嶽神社(みやじだけじんじゃ)」です。
毎年220万人以上の参拝者や観光客が訪れるほど人気と格式が高く、何事にも打ち勝つ開運の神様が祀られていることから、どのような願いも叶うとして信仰を集めてきました。
特に拝殿の奥には8つの奥の宮があり、それらを全て巡ると大願が叶うという。「光の道」で有名になる前から知る人ぞ知るパワースポットとして知られています。
さらに、日本一のものが3つも見られるというのだから凄くないですか。それに境内では、幸運を導いてくれるフクロウがお出迎えしてくれますね。
本記事では、福岡を代表するパワースポットの一つに数えられる「宮地嶽神社」を紹介します。
目次
宮地嶽神社のご祭神・ご利益・所要時間

宮地嶽神社は、福岡県福津市に鎮座する全国にある宮地嶽神社の総本社です。
創建は約1700年前までさかのぼるほど古く、歴史と格式があり、宗像地方では宗像大社と並んで参拝者が多いですね。
冒頭でも触れましたが、毎年220万人以上の参拝者や観光客が訪れ、特に正月三が日には100万人以上の人々が足を運ぶという。表参道には、多くの土産店が立ち並んでいて、名物・松ヶ枝餅(まつがえもち)などを販売しています。
ご祭神は以下の通り。
- 息長足比売命(おきながたらしひめのみこと)・・・神功皇后のこと
- 勝村大神(かつむらのおおかみ)
- 勝頼大神(かつよりのおおかみ)
これらの三柱の神様を「宮地嶽三柱大神」として祀っています。
特に主祭神である神功皇后は、三韓征伐の際に神がかりな能力や統率力を駆使して成功をおさめたことから、商売や事業の守護神として信仰されました。
そのため、多くの商人や経営者は事業成功を願って参拝する人が後を絶ちません。

ご利益は「商売繁盛・家内安全・開運招福・心願成就・無病息災・開運・金運向上・航海安全」など様々です。
特に勝運の神様として知られているので、何かに挑戦したり、問題を乗り越えたいと願う人にピッタリ。心から祈願して「困難に打ち勝つ力」を授かって下さいね。
所有時間は、境内をゆっくり見て回ったとしても30~60分ほど。奥の宮八社巡りを含めると、60~90分ほどかかります。
【周辺の見どころ】
宮地嶽神社周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
CMで有名になった「光の道」の風景

表参道の奥にある石段は、「男坂」と呼ばれており、その石段を上った先で振り返ろう。
すると、門前町を通り玄界灘に面した宮地浜の先にある相島を望むことができます。約800mに渡る一直線の道路と周辺の織りなす風景は壮観なり。
かつて、このあたりは大和朝廷と中国大陸や朝鮮半島とをつなぐ重要なルートだったそうな。かなり力を持った豪族がおさめていたといいます。


そのような縁ある場所は、2016年に日本航空(JAL)のCMとして放映されました。特にこの一直線に延びた先に夕日が沈む光景は話題となり、「光の道」として全国に知られるようになったのは、よく覚えています。
そのようなタイミングが訪れるのは、2月と10月の年に2回だけ。光の道を楽しめるベストな1週間の期間を「光の道ウィーク」と命名して、「夕陽の祭」が開催されることに。
観覧席として使用されるのは、参道の階段ですよ。最上段部分には祈願特別席を設けて、御祈願(祈願料5,000円)を受けた人のみが入れる特等席となる。人気が高いので、興味がある人は早めに電話で予約するのが無難かな。
ちなみに中段以下は、無料の整理券配布にて観覧できます。くわしくは、宮地嶽神社の公式ホームページでご確認下さい。

境内には、夕日が沈む「光の道」の写真を掲載した大きな案内板が設置されているので、お見逃しなく。参道から海まで延びる道路の周辺全体が黄金色に輝き、まるで天と地がつながるような美しい光景が素晴らしいですね。
写真からでもその美しさは感じ取れるので、いつの日か実際に生で見てみたいと思いました。
【神社仏閣の紹介(その1)】
福岡県内で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
奥の宮八社巡りで大願成就を叶える

拝殿でお詣りした後で足を運びたいのは「奥の宮」です。
奥の宮は八社で構成されており、それぞれに異なる神様が祀られている。一社一社をすべてお詣りすると、大願が叶うと信仰されてきた知る人ぞ知るパワースポットなんだそうな。
「八社すべてお詣りするのは、時間がかかるかも」と心配されている方はご安心を。一社一社の距離は近く、八社全部まわっても30分ほどなので気軽に訪れて下さいね。
まずは、拝殿脇を抜けて奥へ向けて約5分ほど歩くと、「奥之宮」と刻まれた扁額のある鳥居が見えてきます。それが奥の宮の入口です。


奥の院の参道は一本道となっていて、すべてを参拝するとこの入口前に戻ってくる周回コースですよ。奥の宮へ訪れる前に、授与所などで奥の宮八社めぐりの冊子を入手しよう。
その冊子には八社の説明だけでなく、それぞれの社に置かれている記念スタンプを集められるようになっている。これは良い参拝記念になるので要チェックかな。
奥の宮八社は以下の通りです。
- 一番社 七福神社
- 二番社 稲荷神社
- 三番社 不動神社
- 四番社 万地蔵尊
- 五番社 恋の宮(淡島神社と濡髪大明神)
- 六番社 三宝荒神
- 七番社 水神社
- 八番社 薬師神社
特に参拝する順番が決められてはいませんが、参道沿いに一番社から順番に鎮座しているので、この順番で参拝するのが効率的ですね。
それでは、それぞれの神社を紹介します。

七福神社では、名称から分かる通り、福を運ぶとされる七福神(恵比寿・大黒天・布袋・福禄寿・毘沙門天・弁財天・寿老人)をお祀りしています。
社の隣には、大黒堂が建っていて、内部には七福神の像があるのでお見逃しなく。


稲荷神社では、すべての食物の豊かな実りを守る神様をお祀りしているぞ。私たち日本人にとっては、主食のお米(稲)が実らなければ死活問題なので、重要度が高いですね。
五穀豊穣・腕前上達・商売繁盛のご利益があるという。また、聞くところによると、この神社では結婚式を執り行われています。

不動神社では、宮地嶽古墳の石室が神社になっているというのだから、凄くないですかね。八社の中で一番規模が大きい神社なんだとか。
不動神社については、あとでくわしく紹介します。

宮地嶽のお地蔵様は、万地蔵と呼ばれているそうな。その丸いお顔には親しみを感じるかな。
子どもたちの守り神といわれており、子供の願い事はなんでも聞いてくれるといいます。

恋の宮では、女性の心身内外をお守りする神様が祀られていて、特に女性特有の体の病や恋愛に霊験あらたかなんだとか。
恋の宮については、後でくわしく紹介します。



三宝荒神では、竈門(台所)の神様が祀られています。竈門が転じて火の神様となり、火をコントロールする霊力があるという。また、昔は竈(かまど)の火で煮炊きをしていたので、食べ物・調理の神様としても信仰されているぞ。
社の前には、ユーモラスな表情の狛犬とツルが並んでいるのが印象的。なので、思わずカメラのシャッターを切ってしまいました。

水神社では、龍神様が祀られています。
この地には大河はありませんが、恵みの雨が地下水となり、埋蔵水として流れているとのこと。龍神様がとりさばくことで、昔から今日まで水が枯れず湧き続けているのだから、大変ありがたい神様ですね。
このことから、水のように湧き出るパワーを授かることができるだろう。また、無病息災や延命長寿、豊漁、豊作のご利益があります。

最期に紹介するのは薬師神社です。薬の神様が祀られており、あらゆる病難から救ってくれるという。修験者が宮地嶽の山中で修行を行う際に、病気や怪我が無いようにと薬師如来をお祀りしたのが始まりなんだとか。
お寺では薬師如来を良く見かけますが、神社で祀られているとは珍しいですね。病気平癒の祈願書を供えたり、護符(お札)を求めて参拝する人が多いといいます。
宮地嶽古墳の石室が神社となった「不動神社」

不動神社へ向かう道中には、カラフルなのぼり旗が並んでいるので、とても目を引きます。また、拝殿の前には社務所もあり、他の社と比べて特別感を感じてしまう。
不動神社は、ご祭神に不動明王が祀られている全国的にみても珍しい神社です。災いや厄除けのご利益があり、それに何事にも動じない強い心を授けてくれるそうですよ。

実はそれ以上に珍しいのは、江戸時代に発掘された日本最大級の横穴式の古墳内部に不動明王が祀られていること。
拝殿で参拝している時に石室の入口を見ることができるのですが、撮影はNGなので気を付けて下さいね。


年に3回の大祭日(1/28、2/28、7/28)には開門され、その時に古墳内部での参拝ができます。
本殿となる古墳の大きさは、直径34mの円墳なんだとか。内部の石室は全長23m、一人で通行可能な幅として2.8mもあり、天井までの高さは3.1mなんだそうな。
その大きさにも驚かされますが、埋葬品がもっと凄い。金色に輝く冠を始め、精巧な飾りが施された馬具や特大の太刀などが出土されました。約300点の埋蔵物の内、20点が国宝なんですって。
その類まれな優れた品ぞろいであることから「地下の正倉院」と呼ばれています。ちなみに、埋蔵物は九州国立博物館に寄託されているので、興味がある人は足を運んでみてはいかがですか。
縁結びや恋愛に霊験あらたかな「恋の宮」

恋の宮の前へ通りかかると、一番最初に目につくのは、大きなハートマークの絵馬掛けだろう。
少し遠くからでも目立つので、よい目印ともいえるかも。恋の宮の神様にお願いする際には、このパネルに絵馬を掛けよう。そして、願いが叶った時もお礼に再度奉納して下さいね。
近くにある朱塗りの鳥居をくぐり抜けた先に「恋の宮」があります。

恋の宮では、あわしま様(淡島神社)とぬれがみ様(濡髪大明神)の二柱をあわせてお祀りしています。
あわしま様は、多くの伝承で婦人病にかかったため、夫神(住吉神)に嫌われて海に流されたと伝わっています。そして、流されて漂着した紀州加太の地にて、女性を救う女神様となり、全国にその信仰が広がりました。
祈願する際には、女性が手作りの人形を奉納する習慣なんだとか。女性特有の病気にご利益があるとして、女性の体を守ってくれるありがたい神様ですね。

一方、ぬれがみ様は、女性の心を守ってくれる神様です。濡れた髪が女性の美を思わせることから、花街の女性たちの信仰を集めました。いつの頃かは分かりませんが、やがて恋愛の神様として信仰されることに。
女性の心身内外をお守りしてくれる神様たちなので、婦人病などで体調がすぐれなかったり、恋愛関係で悩んでいるのであれば祈願してみて下さいね。

また、恋の宮の隣には、2つの大きな「陰陽石」が置かれています。陰陽石とは、男女の陰部に似た形の石のことで、神社巡りをしていると、見かける機会が多いですね。
この陰陽石は、昭和初期頃に奉納された手彫りの石なんだそうな。恋愛成就・夫婦円満・子宝祈願・厄除けのご利益があるといいます。
カップルや夫婦で訪れたのであれば、こちらの陰陽石にもお詣りしてみると良いのでは。
恋の宮は、自然豊かな場所に鎮座しているので、そこに立って参拝するだけでも心と体を癒してくれそうな感じがしました。
その大きさにビックリ、日本一の大注連縄・大鈴・大太鼓

宮地嶽神社で見かける「大注連縄(しめなわ)・大鈴・大太鼓」はどれもがビックサイズ。さすがは、日本一の大きさを誇るのも納得できます。
1つ目の日本一となる「大注連縄」は、拝殿に掛けられており、落ち着いた拝殿の佇まいと相まってインパクト抜群ですよ。直径2.6m、長さ11m、重さ3トンもあるのだから、普段見かける注連縄と比べてみると、その圧倒的な存在感に驚きますね。
実は、この注連縄は、毎年掛け替えられているという。この大注連縄を作るために、毎年約2反の御神田で、昔ながらの稲を生育させているそうな。そして、丹精込めたワラにて仕上げられているというのだから、手間暇がかかっています。
宮地嶽神社に縁の深い延べ1,500人の方たちにより、これらの一連の作業を行なわれているというのだから、一大イベントともいえるでしょう。関係者の皆さんに対して、「毎年お疲れ様です。そしてありがとう!」と言いたいですね。

2つ目の日本一となる「大鈴」は、高さ3m、重さ450kgもある銅製の鈴です。
専用のお堂(鈴堂)に収められているので、ガラス窓越しでしか見れないので写真映りは今一つですが、実物を間近でみると、よくぞこのような鈴を作ったものだと感心しましたね。奉納された人たちの、信仰心の篤さを推し量れるというものだ。
以前は拝殿の大注連縄と共に飾られていましたが、あまりにも重いので鈴堂にて飾られるのようになったといいます。

3つ目の日本一となる「大太鼓」は、全ての材料を国産で作られたもので、直径は2.2mもある。こちらも大鈴同様に専用のお堂(太鼓堂)に収められています。
前後の鼓面には、和牛皮がまるまる一頭分使われているという。そう聞くと、使われた和牛の魂が全て込められていると感じるのは、私だけでしょうか。
毎年、1月1日午前零時になると、大太鼓が打ち鳴らされます。その鳴り響く音は、境内から数キロ離れたところにも響き渡るというのだから、遠くからでもその存在感を感じられますね。
【神社仏閣の紹介(その2)】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
現代的なお洒落なデザインの「手水舎」と安産祈願の「うぶすな石」

宮地嶽神社の手水舎を見て、ビックリする人は多いのではないだろうか。
特に神社仏閣巡りを趣味にしている人にとっては、その先進的でお洒落なデザインは見たことがないと思います。
水が透明なアクリル板に沿って上から下に流れる様は、まさに現代アートに通ずるものがある。近づくと、センサーが感知して手水が流れる仕組みのようだ。
人工滝のように流れる水をバックにして、可愛いお花が咲く光景は、現代科学と自然が融合したハイブリッドの美しさですね。

特に妊婦さんは、手水舎の近くにあるこちらの「うぶすな石」に注目しよう。
うぶすな石は、「赤ちゃんが無事に生まれてきますように、そして健康にスクスクと成長しますように」と願いを掛けて持ち帰るものです。そして、赤ちゃんが無事生まれると、この石を神社へお返しするという風習があります。
何代にもわたり、脈々と受け継がれてきた安産祈願の幸運の石。母親たちの尊い願いを叶えてきました。
黄金伝説のあるフクロウ

宮地嶽神社では、正直者がフクロウの鳴声に誘われて、金の玉を授かったという黄金伝説があります。
そのことからフクロウを神の使いとして崇めているそうですよ。境内の一角には、じっさいにフクロウがいるので、ぜひ会いに行ってみよう。
丸い顔やずんぐりした体形が、ふわふわして可愛い。「不苦労」「福来郎」「福老」といった当て字が使われるほど、幸運や縁起の良い鳥なので、拝めば福がやってくるかも。
私が見かけたのは、1羽のフクロウでしたが、実際には2羽いるみたい。(私が気付かなかっただけかも)
後から知ったのですが、2020年に2羽のフクロウが奉納されていて、モーちゃんとマーくんという名前が付けられています。
宮地嶽神社の基本情報とアクセス
| 住所 | 福岡県福津市宮司元町7-1 |
| 電話番号 | 0940-52-0016 |
【アクセス】
- JR福間駅から徒歩約25分
- JR福間駅から西鉄バスに乗って宮地嶽神社前バス停(約10分)で下車後、徒歩約5分
- 九州自動車道「古賀IC」から車で約20分
宮地嶽神社の駐車場
宮地嶽神社には、無料駐車場があります。(普通車 約700台)
※大型バスや車椅子対応のスペースあり
まとめ

宮地嶽神社は、古い歴史と由緒を持つ全国にある宮地嶽神社の総本社です。
毎年220万人以上の参拝者や観光客が訪れるほど人気が高く、商売繁昌や開運などのご利益があるとして知られています。
また、広々とした駐車場を完備しており、アクセスが良いので気軽に足を運べるのも良いですね。
参道から海まで一直線に延びた先にて、夕日が沈む瞬間が見られる「光の道」は、ベストタイミングは年に2回だけ。しかし、ベストタイミングでなくても、いつでも見事な風景を堪能できます。
さらに、奥の宮八社巡りにて大願成就が叶うパワースポットですよ。
福岡県へ訪れた際には、宮地嶽神社へ足を運び、神秘的な雰囲気を体感しながら運気アップを目指してみてはいかがですか。


