
九州地方の最北端には、約1,800年の歴史を持つ「和布刈神社(めかりじんじゃ)」が鎮座しています。
九州と本州をつなぐ関門海峡を目前に望むという圧倒的なロケーションが素晴らしく、まさにフォトジェニックスポットですね。
また、海に向かって建つ鳥居や海中の灯籠、そして海抜0mにある巨大な磐座(いわくら)など見どころも多い。ダイナミックな景色を楽しみながら、九州最北端のパワースポットを巡り、導きの神様のご利益を授かってみてはいかがですか。
本記事では、和布刈神事で全国的に知られる「和布刈神社」を紹介します。
目次
和布刈神社のご祭神・ご利益・所要時間

和布刈神社は、福岡県北九州市の港町・門司に鎮座する古い歴史と由緒を持つ神社です。
創建は西暦200年と古く、仲哀(ちゅうあい)天皇の妃であった神功皇后(じんぐうこうごう)が、三韓征伐の後に創建されたと伝わっています。
ご祭神は天照大神の荒魂「撞賢木厳之御魂天疎向津媛命(つきさかきいつのみたまあまさかるむかつひめ)」ですね。別名で「瀬織津姫(せおりつひめ)」と呼ばれている月の女神様ですよ。
この月の女神様は、潮の満ち引きを司る「導きの神様」として、関門海峡を望む多くの人々の行く道を照らし続けてきました。そのことから、人生の進路や物事を良い方向へ導いてくれるご利益があります。
さらに、海へ穢れ流す「禊の神様」としても知られ、穢れを祓うご利益が期待できる。その他にも「航海安全・海上交通・豊漁」などのご利益があります。

境内はこじんまりとしており、一通り見て回るのならば所要時間は15~30分もあれば十分です。
境内からは観潮遊歩道が続いているので、関門海峡の風景を眺めながら散策するのをおすすめします。その場合は、所要時間は1時間以上はみておきましょう。
和布刈神社の目の前に広がるのは、「早鞆の瀬戸」と呼ばれる流れの速い海峡ですよ。源平合戦のクライマックスとなった「壇ノ浦の合戦」の舞台なんだとか。
関門海峡の絶景を眺めながら、歴史が動いた源氏と平家の戦いに思いを馳せてみてはいかがですか。
【周辺の見どころ】
和布刈神社周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
全国的に有名な「和布刈神事」とは

和布刈神事は、一年でもっとも潮が引く旧暦の元旦(毎年1月下旬~2月上旬頃)にて、ワカメを奉納する儀式です。1958年4月には、福岡県指定無形民俗文化財に認定されています。
三韓征伐の凱旋を祝い、神功皇后が自ら神主となって、早鞆の瀬戸のワカメを神前に捧げたという古事が由来なんだとか。昔は神事を見ると目がつぶれると言われていましたが、戦後以降は自由に拝観できるようになりました。
この神事は、まだ夜が明けない早朝(午前2時30分から4時頃)の干潮時に行なわれていて、3人の神職が干潮の海に降りて、鎌でワカメを刈りとると、それを神前に供えるそうな。そして、航海の安全や豊漁を祈願しています。
烏帽子や狩衣、白足袋、草履姿という古式ゆかしい衣装に身を包んだ神職たちが、松明の火が照らす中でワカメを刈りとる姿というのは、想像するだけでも幻想的ですね。
和布刈神事で奉納されたワカメは、万病に効くと伝えられており、朝廷や歴代の領主に献上された記録が残っています。
関門海峡が織りなすダイナミックな風景

和布刈神社は、海に面して鳥居や社殿が建てられていて、九州と本州をつなぐ関門橋と関門海峡が織りなすダイナミックな風景が素晴らしいですね。
関門橋は全長1,068mの長さを誇る吊り橋で、開通当時は東洋一の吊り橋と言われていたほどです。この巨大な構造物が、自然の風景の中で見事に調和しています。様々な角度からカメラ撮影を楽しもう。
鳥居越しから関門橋を入れる構図にしてみたり、橋の下を行き交う船を交えながら撮影するのも良し。一日に大小700隻もの船が行き交うスポットということなので、様々な船舶を目撃できます。

また、こちらの鳥居をくぐると、急な階段になっていて海まで降りていけるのですが、個人的には危険と思うので、降りない方が無難でしょう。もし降りる場合は、十分に足元に気を付けて下さい。
和布刈神社の境内や遊歩道を歩きながら、時間と共に刻々と変わりゆく景色を楽しみましょう。





和布刈神社から南北に遊歩道が整備されており、南側へ約4分ほど歩くとノーフォーク広場へ辿り着きます。
道中にあるベンチに座って、潮騒の音に耳を傾けたり、大型船が行きかう様子をボーと眺めて過ごしていると、時間を忘れてしまいそうになる。
また、ポツンと海沿いに立つ奇岩に驚いたり、柵の中に積まれたたくさんの石を発見しました。

その石の前には「産湯井(うぶゆのい)」と書かれた案内板が立てられているぞ。読んでみると、うがやふきあえずの尊(初代神武天皇の父君)の御産湯の井戸があったみたい。案内板がなければ、絶対にスルーしていましたね。
実は、この井戸水は壇ノ浦の合戦にて平家が戦の最中に汲んでのどを潤したそうな。そのような出来事から「平家の一杯水」とも呼ばれています。

こちらはノーフォーク広場からの眺め。人気の観光スポット「門司港レトロ」の街並みを一望できるので、ぜひ足を運んで下さいね。
現代風の建物の中に、明治・大正時代のレトロな建物がそびえ立っている。いくつ見つけ出せるかな。

一方、和布刈神社から北側の遊歩道を歩くと、約1分ほどで門司埼灯台へ辿り着きます。「灯台 + 関門橋 + 関門海峡」の3つが織りなす景色をお見逃しなく。
私は時間の都合上、夕暮れまでに和布刈神社をあとにしたのですが、聞くところによると、夕日の色に染まる関門海峡の景色が絶品といいます。なので、時間の都合がつく方は、夕暮れ時にも足を運んでみてはいかがですか。
【神社仏閣の紹介(その1)】
福岡県で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
巨大な磐座と海上の石灯籠

拝殿へ向かっていると、その隣にあるひと際大きな巨石に目が留まります。それが、約1,800年前に神功皇后が神を祀った御神体である「磐座」ですね。
神社仏閣巡りをしていると、磐座を見かける機会は結構あるため、それほど珍しくはありません。けれど、大抵は山中にあるので海抜0mの場所で見かけると、少なからずとも驚くのでないだろうか。
この磐座には、瀬織津姫の御利益を授かることができる場所なんだとか。磐座を正面から眺めると、上下二枚の大岩から構成されているのが分かる。また、上側の大岩には、注連縄(しめなわ)が張られている。
実はこの磐座は、海をわたる船乗りや漁師たちにとって、道標の役割を果たしてきたという。なるほど、今のように灯台が整備されていない時代であれば、納得できる話ですね。
周囲には賽銭箱はありませんが、磐座の前に立ち、心を落ち着かせて参拝しましょう。

境内を歩いていると、石灯籠を何本も見かけます。その中には、海の中に立つものもあるぞ。
この石灯籠は、かつて対馬国を支配した大名・宗氏(そうし)が寄進したもの。参勤交代のおり、海路を利用中に和布刈神社へ立ち寄り、航海の安全を祈願して寄進したといいます。


海上に立つ石灯籠を見かける機会は少ないと思うので、ぜひ見物してみては。せっかくなので、関門橋を交えて一枚撮ってみよう。
個人的には、カメラの構図が中々決まらずに苦戦しましたね。
【神社仏閣の紹介(その2)】
旅先で訪れた磐座のある神社仏閣を、下記記事で紹介します。
和布刈神社の基本情報とアクセス
| 住所 | 福岡県北九州市門司区大字門司3492 |
| 電話番号 | 093-321-0749 |
【アクセス】
- JR門司港駅から徒歩約25分
- JR門司港駅からタクシーで約12分
- JR門司港駅から西鉄バスに乗って(約12分)、和布刈神社前のバス停で下車後すぐ
- 九州自動車道「門司IC」から車で約15分
和布刈神社の駐車場
和布刈神社には、無料駐車場があります。(普通車 50台)
まとめ

和布刈神社は、九州地方の最北端に鎮座する古い歴史と伝統が息づく神社です。
神社前の関門海峡と関門橋が織りなすダイナミックな景観や、海へと続く参道のコントラストが素晴らしい。福岡県北九州市へ足を運んだ際には、一度は見ておきたい景色が広がっています。
観光地として有名な門司港レトロからは、1~2kmほど離れていますが、レンタサイクルやバスなどを利用してぜひ足を延ばしてみよう。
潮の満ち引きを司り、穢れを祓う瀬織津姫様へ参拝することで、心身のリフレッシュを図り、関門海峡を望む景色に大きな感動が生まれるでしょう。



