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旅の体験談

別子銅山・東平の観光、バスツアーで行く東洋のマチュピチュの楽しみ方

東洋のマチュピチュ

愛媛県新居浜市にある標高約750mの急峻な山の中には、東洋のマチュピチュと呼ばれる空中都市があることをご存じですか。

それは、かつて大勢の人々でたいへんな賑わいをみせていた別子銅山(べっしどうざん)・東平(とうなる)地区のことです。

色あせたレトロなレンガ造りの産業遺産群が、自然の中に溶け込んでおり、往時の雰囲気をしっかり残しています。

一般公開されているので、自由に訪れることができますが、ガイド付きのバスツアーによる観光が便利ですよ。

本記事では、バスツアーで行く東洋のマチュピチュこと別子銅山・東平の楽しみ方を紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 東洋のマチュビチュ(別子銅山・東平)に興味がある
  • 別子銅山・東平の雰囲気を知りたい
  • 別子銅山・東平のバスツアーについて知りたい

別子銅山・東平地区とは

東洋のマチュピチュの風景

別子銅山(べっしどうざん)は、愛媛県新居浜市の山麓部にあった銅山であり、日本三大銅山の一つに数えられていました。

1690年に発見されて以降、一貫して住友系列が経営を行ない、1973年の閉山までに70万トンも産出したといわれ、日本の貿易や近代化に多大な貢献を果たした歴史があります。

大正から昭和時代にかけて、全盛期には3,800人の人々が生活を営んでいたため、社宅を始め学校や郵便局、娯楽場などもあったそうです。

別子銅山の跡地は、大きく分けて以下の2つに分かれている。

  • 端出場地区(今のマイントピア別子がある所)
  • 東平地区

特に東平地区は、東洋のマチュピチュと呼ばれるほどミステリアスな観光スポットとして注目されていますね。

緑深い山中を登った先にある東平地区では、花崗岩造りの堅牢な貯鉱庫や索道停留所など、独特の雰囲気をまとったまるで古代遺跡のように見える産業遺産を見物できます。

東洋のマチュピチュ(別子銅山・東平)のバスツアー

観光バス

別子銅山の跡地にあるテーマパーク「マイントピア別子」から東平地区へ向かう観光バスが出発しています。その際、ガイドさんが1名随行しますね。

ガイド付きのバスツアーであるため、全く事前知識がない方でも楽しめる。バスツアーの予約方法や集合場所、所要時間、利用料金などについて説明します。

予約方法

マイントピア別子
マイントピア別子

予約方法は電話のみとなります。マイントピア別子・本館事務所にご連絡して下さい。マイントピア別子の公式ホームページのお問い合わせフォームで予約しないよう気を付けましょう。

尚、電話では以下の内容をお伝えすれば、スムーズに予約が可能です。

  • 受付時間 9:00~17:00
  • 電話番号 0897-43-1801(マイントピア別子・本館事務所)
  • 伝える内容
    • 代表者の氏名
    • 代表者の電話番号
    • 参加人数
    • 参加希望の日程
    • ご希望の出発時間(11時発か13時発のどちらか)

ツアーの参加当日は、マイントピア別子・本館入口のチケット売場にて、名前を伝えると現金でチケットを購入できます。

集合場所・バス時刻表・所要時間

バス乗り場
バス乗り場

マイントピア別子・本館事務所でチケットを購入した後は、駐車場にあるバス乗り場に出発時刻の5分前までには集合しましょう。

バスの出発時刻は以下の通り、1日に2本しか運行していません。

  • 11:00
  • 13:00

平日は、各出発時間に5名以上の申込があれば運行します。つまり、合計人数が5名に満たないと中止になる訳です。

バスツアーの予約時または予約した後に、当日現地へ向かうまでに電話にて、参加人数を確認しておくのが無難ですね。

尚、土日祝であれば、各出発時間に1名でも申込があれば運行します。

所要時間は約2時間です。マイントピア別子から片道30分ほどで東平地区へ到着し、そこから東平地区をガイドさんの案内のもと約1時間ほど見て回る。

その後、再びバスに乗ってマイントピア別子へ戻ります。

利用料金

マイントピア別子・本館入口のチケット売場
マイントピア別子・本館入口のチケット売場

利用料金のお支払いは現金のみです。クレジットカードや電子マネーは対応していないので気を付けるように。

  • 大人(中学生以上)1,500円
  • 3歳以上~小学生 900円
  • 3歳未満 無料

尚、観光バスを貸し切りでツアーができるそうですよ。その際、利用料金は以下になります。

  • バス代(1台27名まで乗車可/21席 + 補助席6席) 27,500円 ×バスの台数
  • ガイド代 3,000円 × ガイド人数(基本的にはバス1台につきガイドが1名つきます)

くわしくは、予約時に電話にてご確認ください。

東洋のマチュピチュ「東平地区」の楽しみ方

東平地区の案内図
東平地区の案内図

バスツアーでは、東平地区を代表する産業遺産を中心に見て回ります。1時間の案内なので、全ての産業遺産の見物は困難ですね。

実際、ツアーで向かうのは、駐車場周辺に集中している産業遺産や資料館のみです。

ツアーで見て回る産業遺産
ツアーで見て回る産業遺産

これだけでも十分な満足感がありますので、特に不満は感じませんでした。

ちなみに、案内されない場所には、第三通洞や火薬庫跡、大マンプ、変電所跡があります。

尚、現地で自由行動も可能ですよ。その際には、一言ガイドさんに声をかけておくと良いでしょう。

【楽しみ方①】東平貯鉱庫跡など産業遺産の見物

貯鉱庫跡と索道停車場跡
駐車場から眺めた眼下に見える貯鉱庫跡と索道停車場跡

駐車場からメインの産業遺産といえる貯鉱庫跡と索道停車場跡へ向かうに当たり、まずはインクラインがあった場所へ移動します。

インクラインとは、傾斜面にレールを敷いてトロッコを走らせるケーブルカーの一種。インクラインを使って資材や生活用品の引き揚げや引き降ろしを行っていました。

インクライン跡
インクライン跡

今は遊歩道の一部となり、220段の階段に整備されていますね。

ちなみにこちらは当時の写真です。なるほど、確かに面影が残っています。

当時のインクライン

一番下まで階段を降りると、索道停車場跡へ辿り着きました。

ここは、かつて東平と端出場(黒石)を結ぶ主要輸送機関だった訳です。

つまり、鉱石運搬や日用生活品の輸送が行われており、ここが止まれば大変な自体になるのは目に見えますね。

今では、レトロなレンガ造りの遺跡が周りの風景に溶け込みながら残っており、往時の繁栄が嘘だったように思える。それにしても凄い存在感だ!

索道停車場跡
索道停車場跡

索道停車場跡に隣接して、貯鉱庫跡が見て取れます。重厚な花崗岩造りの貯鉱庫の雰囲気は、一際目を引きますね。

貯鉱庫跡
貯鉱庫跡

高さが十分にあるため、見上げてみるとこちらも圧倒的な存在感を感じます。

すでに風化して茶色や黒色に染まった色合いは、時代が過ぎ去ったことを強く意識させられる。東洋のマチュピチュと呼ばれるのも納得です。

この貯鉱庫跡は、かつて第三通洞経由で運ばれてきた鉱石を、一時的に貯蔵していたそうですよ。すでにその役目を終え、今は朽ち果てるまで静かな眠りについているのでしょう。

ガイドさんの説明に耳を傾けながら、索道停車場跡と貯鉱庫跡を見て回りました。そこで、撮影した写真をダイジェストで紹介します。

東洋のマチュピチュの景色(その2)
東洋のマチュピチュの景色(その1)
東洋のマチュピチュの景色(その3)
東洋のマチュピチュの景色(その4)
東洋のマチュピチュの景色(その5)

まさに「栄枯盛衰」を体現した場所であり、崩れているレンガの遺跡を見物していると、一抹の寂しさを感じました。

聞くところによると、別子銅山を閉山するに当たり、山火事を防止するために木造の建物はわざわざ壊したという。

そのため、木造建築は残っておらず、レンガの建物だけが残された次第です。

私が参加したツアーでは、特に案内されませんでしたが、索道停車場跡がある場所の眼下には、集落の復元現場が確認できました。

集落の復元現場
集落の復元現場

興味がある方は、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

【楽しみ方②】東平歴史資料館の見学

東平歴史資料館
東平歴史資料館

東平歴史資料館では、別子銅山の歴史を学べます。

具体的には、東平地区のジオラマや生活用具などを展示しており、当時の別子銅山の姿や生活文化を紹介していますね。

東平歴史資料館の館内(その1)
東平歴史資料館の館内(その1)
東平歴史資料館の館内(その2)
東平歴史資料館の館内(その2)

また、当時の写真や映像も流れていますので、鉱山の町として賑わった様子を垣間見ることができました。

一部の展示品には、実際て触れることができますよ。

たとえば、こちらの「おいこ(物を入れて背負うカゴ)」は実際に背負うことができます。

おいこ
おいこ

その重さは30kgもあるので、背負い続けるのは結構しんどいかな。

実は東平から口屋跡記念公民館まで約13.5kmを「おいこ(男性は45kg、女性は30kg)」を背負って歩くイベント(あかがね仲持ちチャレンジ)があるという。これは体力自慢の方でもつらくないですかね。

また、電磁石の実験もできます。ボタンを押してコイルに電気を流した後で、鉄のチップを近づけると見事にくっつきます。うん、面白い。

電磁石の実験
電磁石の実験
電気でくっついたクリップ

様々な展示品がありましたので、その一部を紹介します。

生活用品
東平歴史資料館の展示品
銅製品

個人的には、こちらの銅滴が気に入りました。なんでも銅精錬所で溶かした銅が同じ場所でしたたり、やがて円錐状に積み固まることがあるとか。

銅滴
銅滴

溶鉱炉で精錬した粗銅を使って観賞用に作られたものだそうですよ。銅の美しさが際立っているように見える。できれば金・銀・同の銅滴を一同に並べて見てみたいですね。

東平歴史資料館

  • 営業時間 10:00~17:00
  • 電話番号 0897-36-1300
  • 入館料 無料
  • 休館日 
    • 月曜日(月曜日が休日の場合は、その翌日)
    • 12/1~翌年の2月末日まで

【博物館・資料館の紹介】

東平歴史資料館のような施設では、その土地の歴史に触れることができますね。下記記事では、そのような博物館・資料館を紹介します。

【楽しみ方③】小マンプで鉱山運搬機器の見物

鉱山運搬機器の展示
鉱山運搬機器の展示

東平歴史資料館の裏手に向かえば、小マンプと呼ばれるトンネルがあります。マンプとは坑道を意味する間符から転じたものなんだとか。

小マンプ
小マンプ

この小マンプでは、東平にゆかりのある鉱山運搬機器が展示されているので、その一部を紹介します。

こちらは「かご電車」です。

かご電車
かご電車

1938年(昭和13年)から1973年(昭和48年)の35年間、東平坑口と日浦坑口の間、約4kmの坑内を往き来するのに利用されていました。

銅山で働く人以外にも無料で乗車できたそうです。

こちらは、2t蓄電車です。

2t蓄電車
2t蓄電車

主に小さな坑道で、鉱車やかご電車のけん引や坑木などの運搬に使用されました。

人力運搬に代わって、その威力をまざまざと見せつけた様子がありありと思い浮かびます。

こちらは「三角鉱車」です。

三角鉱車
三角鉱車

坑内から運び出される鉱石などを運搬しました。人の手で簡単に傾転させることができるので、積み荷を容易に下ろせます。

小マンプを抜けると、第三通洞や変電所跡などにつづく道がありますが、ツアーではそこまで案内はしませんので悪しからず。

マイン工房で「銅板のしおり」の作成体験

マイン工房
奥に見える建物が「マイン工房」

マイン工房は、赤レンガ造りの外観をしており、明治期は配電所、大正期は林業課事務所でした。その後、保安本部として活用された歴史があります。

駐車場へと続くコンクリート造りのL字型階段は、今も残されていますね。かつてこの下には、第三通洞、日浦通洞を走っていた電車のホームがあったそうです。

現在、マイン工房では「銅板のしおり」の作成を体験できますが、残念ながらバスツアーでは、時間の都合上、建物の見物しかできないかな。

体験したい人は、バスツアーではなく自力で訪れましょう。

マイン工房

  • 開館時間 10:00~17:00(最終入場は16:00まで)
  • 体験料金 500円
  • 必要時間 約1時間
  • 休館日
    • 月曜日(月曜日が休日の場合は、その翌日)
    • 12/1~翌年の2月末日まで

バスツアーに参加せず自家用車で行く場合の注意事項

県道47号から左折して、東平地区へ向かう約5.5kmの山道は、道幅が大変狭くなっており、対向車とのすれ違いが困難な場所が多いです。

ガードレールとの接触事故も多発しているという。自家用車で訪れる場合は、十分気をつけて運転しましょう。

特に混雑が予想される土日祝日やGWなど長期休暇のシーズンでは、バスツアーを利用した方が安全です。

バスツアーでは、先導車を付けたりして可能な限り混雑を回避するようにしています。

マイントピア別子の基本情報とアクセス

住所新居浜市立川町707-3
電話番号0897-43-1801
営業時間9:00~22:00
鉱山観光や別子温泉、あかがねキッズパークなど施設により、営業時間は異なる
入館料入館自体は無料、観光施設は有料

【アクセス】

  • JR新居浜駅からバスに乗って「マイントピア」で下車して直ぐ(バスの乗車時間は約20分)
  • 松山自動車道「新居浜IC」から車で約15分

まとめ

東洋のマチュピチュの景色

別子銅山・東平地区には、東洋のマチュピチュと呼ばれる産業遺産が残されています。

バスツアーでは、時間の都合上、索道停車場跡や貯鉱庫跡、インクライン、東平歴史資料館、小マンプのみ見て回れますね。

別子銅山は、すでに閉山して長い年月が経過していますが、今の日本の発展に貢献した歴史的に大変意義のあるものです。

その産業遺産は、今後も後世の人々に語り継いでいきたいですね。

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