
先日、山口県に自転車旅へ出かけ、日本最大のカルスト台地に潜む地底王国のような鍾乳洞「秋芳洞」を観光しました。(その時の自転車旅の様子は、こちらの記事で紹介。)
それ以降、機会があれば違う鍾乳洞へ冒険したいと考えていたため、本日の目的地は岡山県北西部にある新見市に決定。新見市には、日本有数のカルスト台地「阿哲台(あてつだい)」があり、代表的な鍾乳洞には井倉洞や満奇洞(まきどう)があります。
両方をじっくりと見て回るのは、時間的に見て厳しそうなので、本日は満奇洞へ訪れることにしました。そういえば、満奇洞へ行くのは初めてかも。決してアクセスが良い場所にある訳ではなく、新見市の山中を自転車で突き進んで行きますよ。
さらに隣接する真庭市へ入り、御神木に「龍」や「白蛇」が現れたとして話題になったパワースポット「高岡神社」も訪ねる予定です。
本記事では、岡山県北西部の山中を駆け抜けた自転車旅の様子をお届けします。
目次
石蟹駅から旅立ち新見市の山中へ

いつものように電車輪行にて、やってきたのは石蟹(いしが)駅です。初見では絶対に「イシガニ」と呼んでしまいそう。(私がそうでした。)
JR岡山駅から伯備線を利用して、約1時間30分ほどかけてやって来ました。本日のコースは、この石蟹駅からスタートします。
石蟹駅の隣にはコンビニがあるので、旅の準備を整えるのに便利ですね。それでは、さっそく満奇洞を目指して目の前の国道180号線を南下するぞ!


岡山西部を流れる自然豊かな一級河川・高梁川沿いの風景を横目で眺めながら突き進む。爽やかな朝の陽光に照らされた、川面がいい感じ。青空と相まってテンションが上がります。
約2kmほど道なりに進んだところで、高梁川に架かる橋を渡り、唐松地区へ入る。この唐松地区の奥からヒルクライムの開始となるため、そこまでは適当に流しますよ。


どこにでも良く見かけるような風景が続きますが、のどかな田舎の景色というのは落ち着きますね。しばらくして、石灯籠の隣に玉串が配置された石碑を発見。偉い人のお墓だろうか。
意図せず気になるものが見つかるのも、旅の楽しみの一つです。そういうことが積み重なって、遅々として先へ進まなくなり、旅に要する時間が予想を上回ったりするかな。
旅というのは、自由気ままに行うものだと思っているので、改める気は全くないですよ。そういうことを想定して、計画時にたっぷりと余裕時間を確保しておけば大丈夫だと思っています。

しばらくすると、沿岸に満奇洞の案内標識を発見。どうやら満奇洞までの距離は11kmみたい。平坦路ならば余裕の距離ですが、急坂ともなれば話が変わってくる。
人によっては、回れ右するでしょうね。満奇洞は決してアクセスの良い場所にある訳ではないので、自転車で行くとなる結構大変です。

先ほどの標識が立つ場所から少し前へ進むと岩山神社があり、その近くには小坂部川が流れています。この川に架かる橋を渡り、しばらくすると徐々に勾配が上がってきました。
それでは、ヒルクライムの開始だ!!!
まだ走り始めたばかりで体力はほぼ満タンに近く、まったく脚をつかっていないため、余裕とはいいませんが、それなりに快調に登れるだろうな。


そんな風に考えていた時期がありました。しかし、現実は過酷です。勾配8%前後が約6kmほど続き、かなりしんどい。なので、長屋駕陽線(県道78号)を黙々と上り続けることに。
道幅はそれなりに広く、アスファルトに整備されているため、走りやすいのが救いです。

そして、ついに下りのターンに突入。ここからは、ちょっとしたジェットコースターですよ。いつも思うのですが、この瞬間が大好き。上り終えた達成感と共に思わず笑顔になってしまいます。
周囲を見渡すと、すでに土橋地区へ入っており、ちらほらと至るどころで民家が見えますね。自転車を加速させ、満奇洞までのカウントダウンが始まりました。


道の沿岸には、満奇洞までの距離を表す標識が何度も現れる。「残り4km」「残り2km」「残り1.5km」と距離が短くなってくるにつれ、胸の中は期待感にワクワクしっぱなしです。

そして、見えてきたのが、満奇洞へ訪れたことを歓迎するモニュメント。こういうの見かけると、つい記念撮影したくなる。そういう人は、私だけではないだろうな。
ここまでくれば、満奇洞の入口まであと少し。最後まで油断しませんよ。
満奇洞を探検する

県道320号を北上していると、佐伏川沿いには満奇洞の第ニ、第三駐車場が並びますが、私が向かうのは第一駐車場ですね。
しかし、私の第六感が第三駐車場へ行けとささやきます。立ち寄ると、その一角は公園になっていてブランコなどの遊具がありました。
そして、遊具の中には恐竜の形をした物も。見るからに背中へ登って遊ぶようだ。私の恐竜センサー?が反応したのか、最近は何かと恐竜に縁があるな~。

その後、県道320号線へ戻り北上していると、左手側に食事処を目撃。満奇洞を見物した後に立ち寄るつもりです。
しばらくすると、大きな「満奇洞」の案内板があるので、その指示に従い住宅地へ。道幅は狭いので、車幅が大きな車は通過するのが困難ですが、自転車だと関係ありません。


駐車場に自転車を停めて、いざ満奇洞入口へ。すると、入口まだは約150mほど急坂を上る必要があるとは・・・
150mぐらいなら問題ありませんが、もしこれが1kmと言われていたら考えてたぞ。

ゆっくりと坂道を歩いていると、心拍数を計測を促す標識を発見。
気になったので調べてみると、どうやら満奇洞周辺は、新見市が推進する健康ウォーキングのコースとなっており、心拍数を計測するポイントがあちこちにあるようです。これは面白い試みだな~。


満奇洞の入口へ向かう途中には、こちらの販売所があるので、中に設置された販売機であらかじめ入洞券を購入する仕組みのようです。ということで、入洞券をゲット。

販売所から少し歩くと、金田一耕助のパネルが設置されていて、遊歩道と満奇洞入口へ向かう道に分かれています。
「なぜ、金田一耕助が?」と疑問に思ったあなた。実は、満奇洞は金田一耕助が登場する映画「八つ墓村」のロケ地になったことで有名。この映画、過去に何度もリメイクされており、満奇洞は何度もロケ地に選ばれました。なので、彼のパネルがあっても不思議ではないですね。

こうしてやっと満奇洞の入口へ到着。さて、洞内ではどのような鍾乳洞や石筍が見られるのか楽しみ。はやる気持ちを抑えながら、ゆっくりと洞内へ入ります。

満奇洞は、もともと「槇の穴」と呼ばれていたのですが、1929年に歌人・与謝野晶子と与謝野鉄幹の夫婦が訪れた際に、「奇に満ちた洞」と絶賛したことから今の呼ばれ方になりました。
洞内の全長は約450mほどなので、往復しても1kmも歩かないですね。なので、約30分あれば一通りは見て回れます。





LED照明で美しくライトアップされた洞内は美しい。特に奥にある地底湖(龍宮)に架かる朱塗りの竜宮橋の景観には、拍手喝采を贈りたい。
「大黒柱」「千枚田」「ナイアガラの滝」「鬼の手水鉢」「白糸の滝」「唐獅子」「乙姫の寝殿」など名前がついた石筍や石柱、鍾乳石がいっぱいです。最奥には恋人の聖地に相応しい「恋人の泉」があり、実に見応えがありました。
満奇洞については、下記関連記事でくわしく紹介します。
いざ、北房コスモス広場へ

満奇洞の観光を満喫した後は、先ほど見つけた食事処(ふれあいセンター 満奇)へ移動しました。周囲には他に食事処が見当たらなかったので、とても貴重な存在ですね。
こちらのお店は、うどん屋さんですよ。店内は食堂だけでなく、お土産コーナーや展示品などがあります。

私が注文したのは、うどん定食。お腹が減っていたこともあり、あっという間に完食。うむ、美味しかったぞ。
さて、今後の予定ですが、真庭市の上中津井地区にある「高岡神社」へ向かう前に立ち寄りたいところがあります。それが、北房コスモス広場ですね。
というのは、今の時期だと丁度コスモスが見頃だと思うから。高岡神社へ向かうルートを考えると、少し遠回りになりますが、十分自転車でも行ける距離なのだから、立ち寄らないのももったいない。
時間的に大丈夫かと言われると、おそらく大丈夫。まっ、何とかなるでしょう。それでは、北房コスモス広場へ向けてレッツゴー♪



北房井倉哲西線(県道50号)を道なりに東へ向けて進みます。道中では、アップダウンが多い。また、勾配が10%の激坂があったりしますが、それほど距離は長くないので、自転車のペダルをリズミカルに回し駆け抜けました。
実際、朝に石蟹駅から満奇洞へ向けてヒルクライムしたよりも楽に感じましたね。ということは、ひょっとして真庭市側から満奇洞へ向かった方が楽だったのかも。
そんな考えがよぎりましたが、私の記憶では岡山駅から真庭市側の駅へ向かうと、路線数が少なかったはず。それに津山駅または新見駅経由で向かうことになるので、電車の待ち時間を考慮しないと、電車だけで普通に3~4時間以上かかるのを思い出しました。
なので、石蟹駅から出発したのは正解だと思います。


そんなことを考えていると、真庭市へ突入。その頃には、すでに下り天国となっており、自転車の加速が気持ちいい♪♪♪
遠くには、下呰部地区の街並みが見えてきた。確かこの辺りにも鍾乳洞があったはず。後日調べてみると、諏訪洞があることが分かったので、機会があれば見物に訪れたいと思います。



そして麓へ降りると、県道313号を東へ向けて疾走すること約3km。ついに北房コスモス広場へ到着しました。
この広場に隣接して、「JA晴れの国岡山」があるので休憩するのにもピッタリ。このお店には、地元の農家などから集まる新鮮野菜や果物を始め、昔なつかしいフルーツケーキやパンなどがあります。


コスモス広場では、約1ヘクタールの敷地に約40万本のコスモスが咲き乱れます。
平日だったためか、思ったほど観光客はいませんでしたが、コスモスを見に来た皆さんの表情が嬉しそうだったのは印象的でしたね。
【花畑の紹介】
旅先で訪れた花畑を、下記記事で紹介します。
御神木に「龍」が現れた高岡神社へレッツゴー

さて、サイコンの時計を確認すると、すでに14時を回っており、思った以上に時間の経過が早いことに驚きます。
高岡神社までは約8kmほどの距離なので、参拝時間は十分とれますが、問題なのは再び山中を越えて、高梁市街へ向かう道中に暗くならないだろうか。
当然、山中なので街灯など数えるくらいしかないでしょう。時間的にみて、ギリギリのせめぎ合いになりそうだ。ここで悩んでいても仕方がないので、高岡神社へ向かいます。


ロマンチック街道と呼ばれる県道313号の南側には、住宅地が点在していますが、県道を走るより車通りが少なそう。ということで、そちらの道を疾走し、南下していた次第です。
その道中では、趣きのある古い家屋があったりして、テンションが上がる上がる。

そんな感じで中津川沿いを疾走していると、前の前に気になる物が現れました。それは「塩川の泉」というではないですか。
これは、少しだけ見物していこうかな。「時間がないのでは?」とか言わないで。旅先で見つけた気になる物に触れるのは、旅人の性(さが)ですよ。(笑)


塩川の水は、岩の元から流れ出た湧水であり、そのまま近くを通る中津井川へ流れていくみたい。古くから地元の水田の灌漑用水として使用されていました。
手押しポンプがあるので、ポリタンクを持参すると大量の湧水をゲットできるだろうな。
こちらの湧水は「生水注意!」のお知らせがあったので、沸騰させた方が安心だろう。なので、見物だけに留めましたが、後日調べてみると、まろやかですっきりとした味わいが特徴なんだそうです。
自然の湧水の中には、そのまま飲んでも良いものもあるので、そういう場合は良く水筒に入れて旅の道中で飲んでいます。

ロマンチック街道へ合流し、道なりに南下していると、左手側に高さ約10mほどもある大鳥居が見えてきました。
この鳥居は、岡山県内で2番目の大きさを誇る高岡神社の一の鳥居です。鳥居の奥へ視線を向けると、社号標の隣にひと際大きな木がそびえ立っていますね。

近付いてみると、御神木だということが分かると同時に、その一角が「龍」のように見えました。インターネットの画像であらかじめ知ってはいましたが、本当に龍に見えるのだから凄くないですか。

折れ曲がった枝が龍の顔を型作っており、立派な角もあるぞ。それに見る角度によって、印象が違ってくるのも面白いですね。
この御神木の裏側には、「白蛇」に見える枝もあり、このような御神木を見るなんて初めてですよ。
その後、参道の石段を歩き境内へ到着すると、拝殿へ参拝しました。境内には、願いを叶えるため知恵を授けて下さる「虚空蔵菩薩」や、備前焼の乃木将軍像など見どころが多く、楽しく参拝できました。
高岡神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
高梁市街へ向かう道中にて

高岡神社を後にした頃には、だいぶ日が傾いてきましたが、あと30分ほどは明るいと思います。ということで、急いでロマンチック街道を南下して高梁市街へ向かうことに。
そのため、ほとんど写真を撮るのをやめて、一心不乱に自転車のペダルを回し加速させていた次第です。アップダウンが続きますが、多和山トンネルを抜けた頃から急坂がずっと続き、そこから先は早かったですね。


高岡神社から高梁市街までは約17kmほどありましたが、暗くなる前に高梁市街へ到着。周囲を見物しながら、備中高梁駅へ向かう余裕さえできました。
といっても、それほど時間に余裕がある訳ではないので、ざっくりと見物しただけ。城下町として発展した高梁市街には、古い町並みや武家屋敷など見どころが多いです。
それに、高梁市街へ来たら紺屋川美観地区の風景は外せないですね。備中松山城の外堀の役割を果たしていたエリアであり、岡山県下最古の教会「高梁基督教会堂」や藩校であった有終館跡などがあります。
そして、備中高梁駅へ到着すると帰路へつき、本日の旅は終わりを告げました。
まとめ

本日は、ほとんど山中を走っていたような気がします。予想はしていましたが、勾配の大きな坂道が多く結構疲れましたね。
晩秋ともなると日が暮れるのがとても早く、街灯のない山中で日が暮れてしまうと、自転車のスピードを出すのに危険が伴います。なので、何とか暗くなる前に高梁市街へ到着できたのは良かったです。
あと30分遅くなれば、一体どうなっていたことやら。春夏であれば、まだ全然明るい時間帯でも暗くなるので、時間調整が中々難しいのは仕方がないでしょう。
さて、初めての満奇洞、期待以上に面白かったぞ。カラフルなLED照明に照らされた洞内は、幻想的で素晴らしかったです。また、高岡神社の御神木もGood。見る角度により、龍のリアルさが変わってくるのが面白い。
新見市へはあまり訪れたことがないので、また機会を作って旅をしたいと思います。



