
愛媛の中予・東予地域を巡る自転車旅の最終日(3日目)は、東温市から始まります。
2日目は、三津浜・梅津寺地区を観光したり、日本有数のB級スポットとして知られる「石手寺」へ訪れました。また、重信川サイクリングロードをのんびり走りながら松山市から東温市へ入った次第です。(2日目はこちらの記事で紹介)
本日訪れる西条市は、水の都として知られています。石鎚山系を源流とする清らかな水に恵まれた地域であり、地下水が自噴する「うちぬき」スポットが市内に点在しているとのこと。その場で飲めるそうなので、日本一に輝いた名水を飲み歩く予定です。
また、石鎚山を御神体とし、その山麓に鎮座する石鎚神社の口之宮本社へ参拝するぞ。さて、どのような旅路になるのか楽しみ♪
本記事では、東温市から桜三里と呼ばれる峠を越えて、西条市へ赴く自転車旅の様子をお届けします。
目次
横河原駅から旅立つ

愛媛県のほぼ中央に位置し、県都・松山に隣接する東温市。北東南の三方向を皿ヶ嶺連峰などの壮大な山々に囲まれ、市の中央を南西に流れる重信川や美しい田園風景など自然が美しい町です。
今私がいる場所は、東温市の陸の玄関口・横河原駅です。本日の旅路はここから始まります。
これから西条市へ向かう主なコースには、国道11号線を通過して桜三里という峠を越えなければなりません。以前この峠道を走破した記憶が鮮明にあり、結構苦労したのを良く覚えています。なので、若干苦手意識があるかも。
そんな感じですが、自転車で東温市から西条市へ向かうのには、国道11号線以外に選択肢がないので仕方がありません。個人的には、このルートに鉄道があると便利だと思うのですが・・・この気持ち、逃げじゃないですよ(笑)
さて、それでは西条市を目指してレッツゴー♪


まずは松山川内線(県道334号)を東へ向けて自転車を走られます。しばらくすると、東温市斉院ノ木交差点へ到着。主要な幹線道路である国道11号線と交差するので、交通量が多く混雑しやすいですね。
最終的には国道11号線へ入りますが、できるだけ合流するのは先延ばしにしたいので、そのまま松山川内線を道なりに東へ向けて走りました。
しばらくして、表川に架かる橋を渡ると、約300mほど先にある東温市則之内交差点へ到着。よいよここから国道を走ります。
峠・桜三里をヒルクライムし西条市へ

サイコンを確認すると、勾配が徐々に大きくになっているかな。距離は約4.5kmほどみたい。思った以上に激坂区間が短いことに「本当にこれ合っているの?」と感じました。
とりあえず、上れば分かることなので、先へ進んだ次第です。




始めは勾配2~4%ほどの上り坂なので楽勝ですが、しばらくして7%に激増。その後は上り坂がずっと峠まで続きます。国道ということもあり、車の交通量が多いこと。特に大型トラックが次々に私の横を通り過ぎるのは、少し怖かったですね。
大型トラックは道幅を占める割合が高いので、心理的に恐怖を感じやすい。それに、風圧が発生するので運転はより慎重にする必要が生じます。


より安全に気を配りながら国道を走っていると、目の前に河之内隧道(トンネル)が現れました。確かこのトンネルの抜けた先に峠の茶屋があったはず。
見覚えのあるトンネルの登場により、ここまでの道中は意外と楽だったことに気が付きましたね。まっ、楽といってもそれなりの劇坂がありましたので楽勝とまでは言えませんが・・・
あくまで前回の記憶と比べて楽だったという意味ですよ。

あっという間にトンネルを抜けると、記憶通りに茶屋がありました。これには拍子抜けです。あまりにも早い峠への到着に、前回の苦い記憶はなんだったのだろうか。
こちらの茶屋は、惜しまれつつも2022年2月に閉店しているので、現在は営業をしていません。本日訪れるまで、そのことを知らなかったので驚きましたね。
旅をしていると、そのような場面に出くわす機会がそれなりに多い。知っている店がなくなるのは、寂しさを感じます。

とりあえず、自販機でジュースを買ってしばし休憩を取ると、なぜ今回は前回より楽に上れたのか考えます。このような時間を取るのは大事ですね。
「単なる記憶違いか」「私の実力が当時より向上したのか」などと色々考えましたが、答えはシンプルでした。
そういえば、前回この峠道へチャレンジしたの真夏だったかな。坂道を上りながら「そうめん食べたい、そうめん食べたい!!」と念じていたのを思い出すと、答えは一つ「気温の違い」でしょ。
春や秋は走りやすい季節ですが、真夏ともなると暑すぎて外へ出るだけでも体力がみるみる消耗されます。そんな状態でヒルクライムをするとなれば、その厳しさは段違いです。
なるほど、前回の苦労の原因がハッキリしたので、苦手意識が完全になくなりました。
石鎚神社へ向かう道中にて

峠へ到着した後は、お楽しみの時間の到来です。なぜなら、ここから一気に下り坂が続くから。ただでさえ風を切って駆け抜ける爽快感やスピード感は、何物にも代えがたいものですが、ヒルクライム後ともなると、その実感は何倍にも膨れ上がります。
しかし、あまりにもスピードを出し過ぎると怖さが勝るし、何よりも危ないので、自分で制御できないスピードは出さない方が絶対に良いですね。
それでは、ダウンヒルタイムを楽しむとしますか。



ジェットコースターのような感覚で下っていると、道路脇に「滝見橋」のバス停を発見。この風流な名前に興味を覚えました。
バス停の名前は、地域の歴史・地形・文化などを表す案内板のようなものです。なので、その名にはそれなりの意味を持ちますね。
滝見橋というのだから、近くに滝が見える橋があるのだろう。周辺を探しましたが、眼下に見えるのは鬱蒼と茂る森のみ。う~む、残念。昔は見えていたのかも知れませんね。
そうそうバス停の名前で思い出しましたが、全国には「目玉入口」「女体入口」「終点」のような面白い名前も多い。そのようなバス停を見かけると、思わずツッコミたくなります。


しばらくの間、下り坂が続きましたがしだいに勾配が緩やかになってきました。どうやら渓谷周辺を抜けたようです。サイコンで確認すると、峠から麓まで約9kmほど下ってきたみたい。
明かに上った距離の倍以上の下りにビックリですよ。つまり、西条市から東温市へ峠越で自転車で向かうのは厳しいということか。走りがいはありそうですが、旅路には向かないだろうな。

西条市丹原町の志川地区へ入り、国道11号線を突き進んでいると、水田の中にポツンと佇む大きな楠を発見。このような巨木を突然見かけると、不思議な感情が湧き起こったり、いきなりインスピレーションが湧いたりしませんか。
そもそも周囲に木がない環境で、堂々とそびえたつ1本の巨木には力強さを感じます。きっと、名のある楠に違いありません。

気になっていたので後日調べてみると、どうやら「椀貸しの楠」というそうです。
この楠には伝説が残っており、詳しい話は省きますが「借りた物は、きちんと返さないと二度と借りられなくなる」といった教訓が述べられているという。興味がある方は、ぜひ調べて下さいね。
しばらくの間、国道11号線を駆け抜けていましたが、途中で国道11号線と並走するように東西へ延びる予讃線の1本北側にある道へ入りました。



国道とは打って変わって、車がほとんど通りません。そんな道を鼻歌交じりでのんびりと走っていると、前方に口之宮本社の朱塗りの大鳥居が見えてきました。
実は国道11号線をそのまま真っ直ぐ走った方が、近道だったのですが、あえて遠回りしましたね。信号や渋滞が少ないし、何よりも自然豊かな景観がより楽しめるのが良いです。
石鎚神社(口之宮本社)へお詣り

石鎚神社は、西日本の最高峰・石鎚山を御神体とする神社です。石鎚神社は四社の総称であり、山頂の頂上社、中腹の成就社と土小屋遥拝殿、そして山麓に鎮座する本社(口之宮本社)があります。
口之宮本社は、これらの中でも中心的役割を持ち、国道11号線沿いに建つためアクセスのしやすさも魅力的ですね。


庭園のように美しく木々に囲まれた境内は、きれいに手入れされており、荘厳な空気感と共に心が洗わるような心地よさを感じます。
口之宮本社には、祓戸(はらえど)があるので、まずはそちらへお詣りして心身の穢れを落とし、本殿へ向かいました。

本殿は、美しい朱塗りの建物です。その華やかで重厚な建築美に驚かされる人は多いだろうな。(私もそうでした)
また、本殿が建つ場所は高台にあるので、解放感が半端ないですよ。それに加え、端の方は展望スペースになっています。

展望スペースから眺めた景色がこちら。どうですか、素晴らしいでしょ。しばらくの間、西条市郊外や瀬戸内海が織りなす風景を楽しみました。
石鎚神社(口之宮本社)については、下記関連記事でくわしく紹介します。
西城市内を巡り、うちぬき水を飲み歩く

口之宮本社を後にして、再び国道11号線へ合流すると、そのまま東へ向けて道なりに西条市街へ向かいます。
西条市は、全国に点在する「水の都」と呼ばれる町の一つ。市内の背後にそびえる石鎚山の雪解け水により、年間を通して豊富な水が湧き出ている土地柄ですね。
その湧き出る地下水は「うちぬき」と呼ばれていて、1995年と1996年に岐阜県で開催された「全国利き水大会」で、2年連続日本一に輝きました。
市内の至るどころには、湧水の飲み場が設置されているので、これからその水飲み場や景観の良い水辺の場所を訪れる予定です。

しばらくすると加茂川橋が見えてきました。橋の上から眼下の水面を見てみると、川底までクッキリと見える透明度にビックリ。山深い場所ならばともかく、町中でこれだけの透明度を誇るのは凄いですね。
この橋を渡ると、伊予西条駅を中心とした市街地や住宅地・商業地域が広がっています。

常心交差点で左折して、西条港線(県道141号)を道なりに北上すると、4つ角の交差点が見てきました。
その交差点を右折して、駅西通りを東へ向かうと右手側に伊予西条駅が見えてきます。この駅のすぐ近くには、西条市観光交流センターがあり、まずはそこへ訪れた次第です。

こちらでは、その名の通り西条市の観光情報を発信しています。事前にある程度は調べてはいるのですが、地元のことは地元の人に聞くのが一番ですね。
ということで、早速中へ入りスタッフからお話を聞くと、うちぬき水は現場でそのまますぐに飲むのであれば、特に煮沸はいらないみたい。ペットボトルなどに入れて持ち帰るのであれば、煮沸が必要ということでした。
うちぬきスポットと市内の見どころが記載された「サイクリングまっぷ」を入手すると、よいよ市内巡りの開始です。




市街地中心部から西条藩陣屋跡の堀までの全長約2.4kmには、うちぬきの湧水や清流を生かして整備された「アクアトピア水系」と呼ばれる散策路が整備されています。
そこには清らかな水が流れ、底までくっきりと見える透明度が凄すぎる。そんな水路には、優雅に泳ぐコイをたくさん見かけました。
ちなみに、アクアトピアとは水を意味する「アクア」と理想郷を意味する「ユートピア」を組合わせた造語なんだとか。その名に恥じない散策路は、実に満足度高し。テンションが上がるというものです。


また、西条市総合文化会館や西条市総合福祉センター、嘉母神社、加茂川左岸うちぬき公園、西条港口周辺など様々な場所へ訪れては、名水「うちぬき」の味を楽しました。
実際に飲んでみた感想ですが、ひんやりとして口当たりが柔らかくて、とても飲みやすかったですね。それに少し甘みを感じて、スッキリとした味わいもGood。日本一に輝いたのも頷けます。

飲み比べてみると、どれも甲乙がつけがたい。どこで飲んでも美味しい軟水ですよ。「えっ、主観でかまわないので、どこで飲んだ名水が一番美味しいのか」ですって?
私は山岡史郎ではないので、残念ながら細かな水の味の違いは良く分かりません。強いて言うならば、嘉母神社の御神水が一番美味しいと感じました。(人によって好みは分かれるので、あくまでご参考までに)
さて、うちぬき水を巡り西城市内をあちこちに移動していると、いつの間にか17時ごろに。そろそろ帰路に着かなくては。最後に伊予西条駅へ向かうと電車輪行にて、帰路へ着いた次第です。こうして本日の旅は終わりを告げました。
うちぬき名水巡りについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ

本日は午後から少し雲が増えてきましたが、1日を通して良いお天気で、自転車旅をするのに持って来いの1日でした。
久しぶりに桜三里の峠道を走破しましたが、思った以上に呆気なかったです。峠を上り終えた時の感想を一言でまとめると、「気温の影響は絶大だ!!」ですよ。以前はけっこう苦労したので、良く覚えています。
西条市へ到着すると、石鎚神社の中心的役割を持つ「口之宮本社」へ参拝しました。緑豊かで綺麗に整えられた境内を歩き、荘厳な空気感の中で心地よい時間を過ごせたのが良かったです。
その後、市内に点在する「うちぬき」名水スポットを巡り、その美味しさに感嘆。そんな名水を毎日飲むことができる、地域の皆さんが羨ましいかも。それに水辺の景観も素晴らしい。今後も水の都と呼ばれる地域へ進んで旅をしたいと思います。


