日本には様々な迷信があり、私たちの日常に深く浸透しています。
科学的根拠が全くないものが多く、それらの迷信は親から子へ受け継がれ、信じている人は決して少なくありません。
そんな迷信の中には、縁起が悪い・不幸が訪れると信じられているものもある。有名なのが「黒猫が前を横切ると縁起が悪い」ですね。黒猫の立場からすると迷惑な話だ。
旅を続けていると、意図せずそんな迷信に触れる機会があります。
迷信を全く信じていない人にとっては何も感じませんが、そうでない人にとっては、程度の違いはあれど不愉快な気分になるものです。
本記事では、旅の際中に出会う様々な縁起の悪い迷信を紹介します。
旅と縁起の悪い迷信
迷信は日常生活の中に浸透しているものが多く、ほとんど合理的な根拠がないのだけど、人々に広く信じられている。
迷信の内容は様々で、中には荒唐無稽なものまであります。信じる信じないかは人それぞれなので、それ自体に問題はありません。
迷信の中には、子供のしつけとして行儀や社会のルールを教えるための戒めが多かったりします。そんな迷信は、たいてい恐ろしい結末を迎えたりする縁起の悪いもの。
その迷信を初めて知ったときの恐怖が、いつまでも心の中に残り、大人になっても迷信に逆らう行動はためらうようですね。
旅を続けていると、意図せず迷信に触れる機会はわりと多い。縁起の良いものに出会うと、気分が良くなるし、反対に縁起の悪いものに出会えば不愉快になる。
信じる度合いによって、その後の旅路に影響が出る恐れがあります。
不愉快な気持ちを引きずったままであれば、何をしても楽しくない。なので、気にしないの一番よいかな。
子供のときに覚えてしまった迷信は、始めの内は中々割り切れなかったりしますが、人間とは不思議なもので、何度も同じ場面に出くわせば、自然に慣れてきて気にならなくなることが多いです。
けれど忘れないで欲しいのは、なぜそんな迷信が生まれたのかですね。先ほども話ましたが、迷信には行儀や社会のルールを教える側面があるので、その部分に関しては理解しておきましょう。
【迷信1】黒猫が前を横切ると縁起が悪い
「黒猫が前を横切ると縁起が悪い」は、誰もが知っている有名な迷信ですね。
かつて日本では黒猫は福猫として幸運の象徴であり、魔除け厄除けの意味を持った存在として大切に扱われていました。
なので、幸運を運ぶ黒猫が自分の前を横切り、幸運に素通りされてしまったため縁起が悪いと捉えられたのでしょう。
また、明治時代に日本へ入ってきた西洋文化の影響で、黒猫は魔女を連想させる縁起が悪いものとして広まったともいわれています。
実は、この迷信を回避する面白い迷信がある。それは、黒猫が目の前を横切ったら、一度立ち止まって、3歩後退りしてから前に進めば不幸を回避できるというもの。
う~む、なんか都合がよすぎると感じるのは、私だけでしょうか。
【猫スポット】
旅の道中では、たくさんの猫を見かける機会が多い。そんな猫スポットを下記記事で紹介します。
【迷信2】霊柩車の前では親指を隠す
霊柩車を見た時に、手を握りしめて親指を隠さなければ親が死んでしまうという迷信。
子供にとってはインパクト抜群であり、霊柩車を見かけるたびに思わず親指を隠してしまいます。
亡くなってさほど時間が経っていない故人には、まだ霊が宿っており、死者の魂は親指の爪と皮膚の間から侵入するという。
親指を手のひらの中に隠せば、死者の魂の進入を防げるのです。これは子供心に深く刺さりますよ。
日常生活や旅の道中で、霊柩車を見かけるたびに、大人になった今でも親指を隠す人が少なくないのかも知れません。
【迷信3】鏡が割れると不吉なことが起こる
現代でも私たちは、いきなり鏡が割れてしまえば、身近な人の死や不吉なことが起こる前兆として捉えてしまいます。
鏡には魔を跳ね返す力があり、不思議な力によって自分を映し出す神聖な道具として信じられていたからですね。
鏡が割れる原因には、落として割ってしまう、ぶつけて割ってしまうなど色々ありますが、鏡が割れるたびに不吉だと思うのは精神衛生上よろしくない。
誰だって好きこのんで鏡を割る人はいないからこそ、鏡が割れたときの衝撃が大きく、思わず「不吉だ!」と信じてしまう。
そこで気持ちを落ち着かせるために、風水の話を少しします。
鏡は悪いものを遠ざけるものであり、割れた鏡は持ち主の身代わりになって割れたと解釈する。そう考えれば不吉ではなく感謝すべきだと思いませんか。
【迷信4】夜口笛を吹くと蛇がやってくる
この迷信には、子供たちへの教えが潜んでいます。
人身売買が横行していた時代では、その売人たちは口笛を使って暗闇の中で合図を送っていました。
そのため、夜に口笛を吹いてしまうと、仲間と勘違いした売人が近づいてきてしまうため、子供たちに夜に口笛を吹くことを禁止させるためだったそうです。
また、江戸時代では多くの人が長屋で暮らしており、薄い壁一枚隔てた向こうは他人の家でした。近所迷惑をかけないためにも、この迷信を教えたとされています。
そうすると、なぜ「蛇」なのか疑問に思う。そもそも日本では、蛇は金運アップなど運勢をあげるものとして考えられている。
しかし、この迷信は蛇は怖いものとして戒めに使わています。違和感を感じませんか。
実は、はじめは「夜口笛を吹くと邪(じゃ)がやってくる」といわれていたのですが、いつ頃から「邪」が「蛇(じゃ)」に置き換わったそうな。
いったい誰が考えたのでしょうかね。何にせよ、近所迷惑をかけないためという教えは、現代においても大切ですね。
【迷信5】屋根の上に複数のカラスが止まるとその家で死人が出る
旅を道中では、カラスを見かける機会が結構あります。都会であろうが田舎であろうが関係ありません。
特に都市部では、食べ物となる生ゴミが豊富なため、カラスが増える原因になっているとか。
そんなカラスが、家の屋根の上に、たくさん止まっているのを見かけると、この不吉な迷信が頭によぎることがある。
そうすると、何となく嫌な気分になったりしますね。
動物には、不思議な力が備わっていると考えられていた時代では、カラスは亡くなる人を予知して、その人の家の屋根に止まって鳴くと信じられていました。
実際、カラスが山から降りてきて町中で昼間を過ごすことも多いです。建物の屋根の上に止まるのは何も不思議なことではありません。
現代ではさすがに信じている人はいないと思いますが、あまり気持ちのよいものではないですね。
【迷信6】カラスが鳴くと人が死ぬ
その昔、日本では人が亡くなると土葬してお供え物をする風習がありました。
お供え物をねらってよくカラスが墓地に現れるので、カラスが鳴いていると死者が近くにいるといわれるようになった訳ですね。
想像しただけでも分かりますが、夜の墓場に真っ黒な外見のカラスがたくさん集まっているのは、不気味すぎる。
なにも夜だけでなく、昼前にたくさんのカラスが一箇所に集まっているのを見かけたら、少し怖く感じますね。
また、日本神話に登場する「八咫烏」の影響で、カラスの鳴き声は病死や事故死、大地震などを起こす不幸の前触れであるとして、恐れられていました。
さすがに現代では、この迷信を信じている人はいないと思います。
けれど、旅の道中にたくさんのカラスが一同に鳴いている光景を目の当たりにすると、頭では分かっていても、不安な気持ちになるのは少なくありません。
【迷信7】熊に出会ったら死んだふりをすると助かる
この迷信も有名すぎて、漫画やアニメではよく話のネタとして使われています。
近年、テレビのニュースなどで日本各地に熊の出没が増えている話をよく聞きますね。また、旅で山中へ向かっていると「熊出没、注意!」の立札を見かける機会は多いですよ。
この迷信の由来は、昔熊に襲われた一家で寝ていた赤ちゃんだけが助かった逸話から生まれたそうですが、絶対に信じないように。
もし熊に遭遇して死んだふりをしていると、襲われる危険性は十分にあります。
また、一番やってはいけないのは、大きな声を上げて慌てて背中を見せて逃げだすこと。すると、熊は敵とみなして攻撃してきます。
万が一熊に遭遇したら、焦らず熊の方向を向きながら後ずさりして逃げて下さい。
熊は基本的に憶病な動物で、人間を恐れている。熊が先に人間の存在に気が付けば、たいていは熊の方から逃げてくれるでしょう。
【迷信8】食事直後に横になると牛になる
この迷信もよく耳にしますね。もともと食事をした後で、すぐ横になるのは行儀が悪いとされていました。そのため、その行為を注意するために伝わっています。
実際、牛は食べた後、すぐに横になる習性がある。なので、たとえに使われたとみて間違いないでしょう。
では本当に食後にすぐ横になるのはダメなんでしょうか。
聞いた話では、食べた後に横になるのは、健康的に良いことなんだとか。食べ物を消化している間は、筋肉は血液が足りないため、万全に動けないといいます。
食後は30~60分程度、ゆっくり休んで体内の消化活動に集中させたほうがよいそうですよ。
まとめ
日本には様々な迷信がありますが、その中でも旅の道中に出会う縁起の悪い迷信を紹介しました。
多くの迷信は科学的根拠のないものが多く、信じるに足りないものが多いのです。
けれど、私たちの生活に昔から根付いてきた迷信を、全て否定するのは感情的に難しい。
そこで幸運が訪れる迷信は信じて、不幸が訪れる迷信は信じないというのはありかも。縁起が悪い迷信を信じて不幸に見舞われるのをビクビクするのは、精神的にもよくありません。
旅は楽しく行うものです。考え方をポジティブにしていれば、ちょっとした幸運が舞い込みやすくなるでしょう。