風光明媚な景色とノスタルジーを感じる広島県尾道市。
この尾道市と海峡を隔てた先にある向島(むかいしま)には、岩屋山がそびえ立ちます。
この標高約100mの岩屋山の山頂には、大元神社が鎮座しており、絶景の展望スポットがある。それが、尾道水道を一望できる「尾道三山パノラマビュー」ですよ。
また、古代の巨石信仰の聖地とも呼ばれており、謎の多い巨石群がたくさんありますね。
帰路には、昔ながらの瓶入りラムネやジュースを楽しめる後藤飲料水工業所へ足を運んでみませんか。幻のサイダーがおすすめです。
本記事では、大元神社の見どころについて紹介します。
第二の高千穂と呼ばれる「大元神社」とは
大元神社は、広島県尾道市の向島に位置し、岩屋山の山頂に鎮座しています。
創建は1969年(昭和44年)と比較的新しく、日本を司る神々が降臨した神仏両部信仰の神社です。
創建のきっかけは、開祖・普明光(岸本和一郎氏)が四国八十八ヶ所の巡礼中に不治の病が完治したことから始まります。
その後、厳しい修行を行なっていましたが1964年5月3日の朝、突如として轟音と共に山が揺れ動き、五色の光体が出現する。そして山上の大きな岩へ吸い込まれるように消えたそうです。
その時「大元大御神今ここに降臨。ここに宮を建てよ。」と御神命が下されました。
この降臨が、天孫降臨に次ぐ重大事ということで、「第二の高千穂」と称されています。
ご祭神は大元大御神(おおもとおおみかみ)です。この神様は、天照大御神・伊邪那岐命・伊邪那美命・天常立尊・国常立尊の5柱の神様が合体して1体におなりになった大神様ですね。
岩屋山には、謎の多い巨石群や尾道水道を一望できる尾道三山パノラマビューがある。大元神社へ参拝後に、足を運んでみましょう。
【周辺の見所】
大元神社の周辺の見所を、下記記事で紹介します。
大元神社の行き方(徒歩または自転車で向かう場合)
大元神社の周辺には、駐車場がないので車では向かえません。そのため、JR尾道駅周辺でレンタサイクルを借りるのがおすすめです。
尾道駅前にある渡し船に乗って、向島へ移動すれば、そこから約2kmほど東へ進むと大元神社の入口へ辿り着ける。
徒歩でも行けない距離ではありませんが、往復約4kmを歩くのは人によっては、しんどいでしょう。
こちらの地図は、向島の渡し船乗り場から大元神社の入口までのルートです。
渡し船乗り場から南下すると、国道317号へ合流します。右手側(西側)へ進めば向島大橋や因島方面へ向かう。
しまなみ海道のサイクリングの定番では、そのまま右手側へ進むのですが、大元神社へ行くには反対側の左手側(東側)へ進んで下さい。
しばらく進んでいると、「クリの木パーキング」が見えてくる。この駐車場の横にある路地へ入り、そのまま道なりに真っ直ぐ進みます。
その道中では、右側に高速道路見えますね。また、途中から左側に見える山の上には、ドーンと巨石が現れるじゃないですか。
これが岩屋山の巨石群の一角ですよ。急坂を上り終えると、大元神社の入口へ到着。
私はこの手前で通行の邪魔にならないところに自転車を駐車しました。車が1台止まっていましたが、恐らく大元神社関係の車かな。
階段を上り、岩屋山の山頂へ向かいます。すると、鳥居が見えてきました。
ここまで来ればあと少しです。参道を歩いて行けば、大元神社へ辿り着きます。
【神社の参拝に役立つ話】
神社を参拝する際に、役立つ話を下記記事で紹介します。
【見所①】謎の多い岩屋山の巨石群
岩屋山にある巨石群は、古代の巨石信仰の聖地ともいわれており、謎の多いミステリースポットになっています。
その巨石群への行き方ですが、先ほど大元神社の行き方で説明した初めの鳥居を通過して少し歩くと登山道が見てくる。何も案内は出ていませんので、気付かないかも知れません。
道は一本道。その道を歩いていると、周囲には竹林が見て取れます。また、その所々では大きな石が度々目につきますね。
しばらく歩いていると「立入禁止」の看板が立てられていました。昔、この場所で土砂崩れが起きたため閉鎖されたようです。
しかし、私は事前に大元神社の宮司さんの許可をもらっていたので、慎重に先へ進みました。
巨石群へ訪れる場合は、大元神社の宮司さんに状況を確認するのが無難ですよ。あくまでも自己責任になりますので気を付けるように。
道が開けると、周囲には多くの巨石が見て取れます。眼下には、向島が一望できる。崖になっているので足元に注意しながら歩きましょう。
しばらく周囲を歩くと、大小様々な巨石が転がっており、この場所がなぜミステリーゾーンといわれるのか納得しました。
薬師如来のお堂の隣りには、一際大きな奇岩がある。うん、迫力がすごい。まるで龍の頭のように見える。
その奇岩は、このお堂を護っていると思うのは、恐らく私だけではないでしょう。
岩屋山の巨石群をダイジェストで紹介。
尾道を代表する寺院(千光寺、西國寺、浄土寺)は、この岩屋山に向かって建てられました。それだけでも、この山の重要性を物語っていますね。
私は後から知ったのですが、山頂の真下には「岩屋巨石割れ目」と呼ばれるポイントがあるという。
スパっと輪切りにされたような巨石の割れ目があり、夏至の太陽はこの割れ目の東側からのぼり、冬至の太陽は割れ目の西側へ沈むそうですよ。
く~見たかったな。今度訪れる時に見に行きますよ。リベンジする理由ができました。
【巨石・奇岩の紹介】
旅を続けていると、巨石・奇岩などを見かける機会が多いので、下記記事で紹介します。
【見所②】尾道三山パノラマビュー
大元神社のもう1つの見どころが尾道水道を望む「尾道三山パノラマビュー」です。
本殿の裏側にはある道を歩いていると、境内社が点在しておりますので、参拝していきましょう。
そのままその道を歩いて行けば途中から道が分岐します。足元には、「行き・帰り」と書かれた立札が立てられている。
「行き」と書かれた方向へ歩いていけば、展望スポットへ辿り着く。ちなみに「帰り」と書かれた方向へ歩けば、拝殿前へつながります。
「行く」と書かれた方向へ歩くと、道端には小さなお社が見えてくる。
そのまま道なりに進むと、展望スポットへ到着。到着までに拝殿前から徒歩約5分はかかりました。
「尾道三山パノラマビュー」と呼ばれるこの展望スポットからは、眼下に尾道水道と尾道の町並みが広がります。
尾道三山である千光寺山、西國寺山、浄土寺山もここから目視できる。これら尾道三山の古寺と岩屋山には、一体どのような関係性があるのか。それは謎に包まれています。
カメラの望遠機能で確認すれば、それぞれの寺院がこちらを向いているのが分かるでしょう。
この展望スポットの周辺にも巨石が転がってますよ。お見逃しなく。
【カメラに関する話】
絶景スポットの景色は、最高の形で写真に残したいと思いますね。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
帰路に訪れたい向島の「後藤飲料水工業所」
大元神社へお詣りし、尾道水道の景色と巨石群を楽しんだ後は、後藤飲料水工業所(後藤鉱泉所)へ足を運んでみませんか。
この工業所は、1930年(昭和5年)に創業してから昔ながらの瓶入りラムネやジュースを製造販売しているお店です。
実は使っている瓶は、現在製造されていない貴重なものなので再利用されているとか。そのため持ち帰りはできず、お店で飲んで瓶を返却しないといけないので「幻のサイダー」と呼ばれてますね。
こちらが店内の様子。まるで倉庫がそのままお店になった感じ。壁際にはケースが積み上げられている。うん、この感じ懐かしい。
店舗の奥が、サイダー製造工場になっている。建物も内装も昭和の雰囲気を感じます。
飲み物の種類は、マルゴサイダーやラムネ、ミルクセーキ、コーヒー、オレンジジュース、クリームソーダなどがあり、どれもがリーズナブル。
マルゴサイダーのネーミングは、昭和5年創業の5と、後藤鉱泉所の「ご」をかけ合わせたという。一番人気の商品ですよ。
早速、私も飲んでみました。スーッと体の中に染み渡る炭酸が実に気持ちいい。昔ながらの爽やかな甘さのサイダーですね。
もちろん持ち帰りができるサイダーもあるし、怪獣サイダーと呼ばれるものもある。怪獣サイダーは、瀬戸田産レモンとコラボしたものですよ。
そういえば、しまなみ海道をサイクリングしていると、レモン怪獣に出くわしますね。(笑)
しまなみ海道のサイクリング中に後藤飲料水工業所へ立ち寄り、現地でしか味わえないマルゴサイダーを楽しみましょう。
後藤飲料水工業所
- 住所 広島県尾道市向島町755-2
- 電話番号 0848-44-1768
- 営業時間 8:30~17:30
- 定休日 水曜日
大元神社の基本情報とアクセス
住所 | 広島県尾道市向東町80-1 岩屋山山頂 |
電話番号 | 0848-44-0695 |
【アクセス】
- JR尾道駅前バスのりば7番より因島土生港行バスに乗って尾道大橋で下車後、徒歩約10分(バスの乗車時間は約10分)
- タクシーで行く場合は、JR尾道駅・東尾道駅・新尾道駅で「向島(むかいしま)の大元神社へ」とお伝え下さい
まとめ
向島の大元神社は、標高約100mの岩屋山の山頂に鎮座しています。
そこには、尾道水道を一望できる「尾道三山パノラマビュー」や古代の巨石信仰の聖地ともいわれる謎の多い巨石群という見どころがある。
特に巨石群のある場所へ向かうならば、動きやすい服装で靴は運動靴やスニーカーなどが良いでしょう。
足元に気を付けて、慎重に歩きながら巨石に触れて下さい。古代から息づく何かを感じ取れるかも知れません。