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旅の体験談

因島水軍城の観光、尾道・因島にある全国でも珍しい水軍城の見所紹介

因島水軍城

村上水軍をご存じですか。

村上水軍は、平安末期から戦国時代にかけて瀬戸内海を拠点に活動していた日本最大の海賊です。

その村上水軍の関連するたくさんの資料が展示されているのが、因島水軍城ですね。

また、日本全国には、数多くの城や城跡が残されていますが、「水軍城」と名が付くのは、この因島水軍城だけ。

実際、水軍城があるこの場所は、村上水軍に全くゆかりがない場所なのですが、直ぐ近くには、村上水軍の菩提寺である金蓮寺(こんれんじ)がある。合わせて訪れるとよいでしょう。

本記事では、因島水軍城の見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 因島水軍城の見どころをを知りたい
  • 村上水軍に興味がある

因島水軍城とは

因島水軍城(本丸)
因島水軍城(本丸)

因島水軍城は、広島県尾道市の因島に位置し、城の外観をした村上水軍の歴史資料を展示している資料館です。

1983年(昭和58年)に歴史家・奈良本辰也氏の監修の下、金蓮寺(こんれんじ)近くの丘に建てられました。

冒頭でも触れましたが、村上水軍は平安末期から戦国時代にかけて瀬戸内海を拠点に活動した日本最大の海賊です。

海賊といっても海外のパイレーツとは一線を画しており、理不尽に船を襲って金品を奪う悪党ではありません。

瀬戸内海の潮の流れを熟知した水先案内人として、航海の安全を守り、瀬戸内海の交易・流通の秩序を支えてきました。

村上海賊のポスター

戦国時代には、能島村上家・来島村上家・因島村上家の三家に分かれましたが、水軍王国の名をほしいままにしてきた存在ですよ。

時にはライバルとして戦い、時には共同で戦いに挑みながら海を守り、漁業や商業など幅広く活躍した一族の存在は輝かしいものがあります。

因島水軍城では、因島村上家が残した武具や遺品、古文書、因島水軍まつりの写真などが展示しており、村上水軍がこの地に残した足跡をたどることができる。

2016年には、村上水軍が日本遺産に登録されたこともあり、改めて注目されています。

因島水軍城・本丸周辺の散策を楽しむ

駐車場付近から見る因島水軍城

駐車場から、因島水軍城がよく見えますが、丘の上に建てられているため、そこまで歩いていかなければなりません。

駐車場から歩けば約8分ほどで辿り着けますが、その道中では周辺を色々見て回ると面白いですよ。

1分も歩かない内に、因島史料館が見えてくる。私が訪れた日は休館日だったため、立ち寄らないけれど無料で見られる史料館だという。

因島史料館
因島史料館

調べてみると、因島で発掘された石器や土器、島内で使用されていた民俗資料などを展示しているそうだ。

興味がそそられたので、またの機会に立ち寄りたいですね。

史料館前には、大きな石燈籠がよく目立ちます。

石燈籠
石燈籠

この燈籠には、盃状穴(はいじょうけつ)が残されている。盃状穴は、再生・子宝・安全・豊作・病気平癒などを願って掘ったもの。庶民の呪術、信仰を知る民族文化財ですよ。

あとで立ち寄る金蓮寺の山門前を通り過ぎ、辺りの風景に目を向ければ、桜と菜の花のコラボが美しい。

桜と菜の花

視線を上に向ければ、水軍城が見える。緩やかな坂道が続いており、奥には庭園も見えますね。

因島水軍城へ向かう道

その庭園には、船舶用のストックレスアンカーが展示されていました。1万トンクラスのタンカーやコンテナ船で用いられていたものといいます。

ストックレスアンカー
ストックレスアンカー

先へ進むと山門がみえてくる。中々よい雰囲気。約150段もある階段を上りきると本丸前へ到着。

山門
山門
本丸前

因島水軍城は、本物の城ではないけれど、山門や本丸、二の丸、櫓などがしっかり造らている。さすが本物の水軍城をイメージして造られたことはある。

以前この地にあった片苅城郭の一部が残っており、雰囲気もよい。また、風になびく「丸に上文字」の村上水軍の旗が、より一層本物らしさを感じさせます。

本丸周辺を散策した様子をダイジェストで紹介。

本丸周辺
村上水軍関連の展示品

イラストを交えて村上水軍について分かりやすい解説をしている案内板もありますね。

村上水軍の解説

眼下には、金蓮寺一帯がよく見える。金蓮寺は村上家の菩提寺。

金蓮寺一帯

視線を遠くの山へ向ける。

山

左から風呂山、青影山、竜王山。青影山には、村上義弘が居城したと伝わっている青陰城跡があるそうな。

因島中央部に位置しているので、ほぼ全域が見渡せる。なるほど、きっと海の異変に気付きやすかったでしょうね。

それでは、本丸、隅櫓、二の丸へ足を運び因島水軍城の見どころを紹介します。

【見所①】「本丸」の村上水軍の展示品

村上水軍関連の展示品

本丸に入ってまず始めに目に留まるのは、水軍船隊の主力艦「大阿武船(おおあたけふね)」でしょう。

実物の1/12のスケールの模型が展示されています。日本で最初の本格的な大型構造船であり、将士20~40名、水主70~130名をのせていたといいます。

艦首の形状がV字型の平板でまとめられているのが特徴的。

大阿武船
大阿武船・・・大安宅船とも書く

こちらは関船(せきふね)。

関船
関船

中型の軍用船ですが、因島周辺を通過する船舶から通行税を徴収する水上の関所としての役割がありました。

展示品の中には、「白紫緋糸段縅腹巻(しろむらさきひいとだんおどしはらまき)」と名の付いた鎧や「村上家古文書3巻」などがある。どちらも広島県重要文化財です。

白紫緋糸段縅腹巻
白紫緋糸段縅腹巻

白紫緋糸段縅腹巻は、室町時代末期に作られ因島村上家6代当主の村上吉充が、小早川隆景より贈られ甲冑です。

大名や武将が身に着ける絢爛豪華な甲冑と違って兜や袖を付けない腹巻形式のもの。

見るからに軽快な印象を受ける。機動力を重視するなら、このような鎧の方がよいかも。

その他にも様々な武具が展示されています。

因島村上家に伝来する太刀「景光」
因島村上家に伝来する太刀「景光」
鉄炮など
鉄炮など
兜
甲冑と兜つけた人形

このような立派な鎧兜や刀剣などを見ると、村上水軍はやはり海を支配する大名のようなものだったことが、ヒシヒシと伝わってきました。

また、皇族や大名からもらった品や書簡などもあり、村上水軍の力や瀬戸内海の重要性がよく理解できます。

個人的に気なったのは、こちらの「水軍戦要領」。

水軍戦要領
水軍戦要領

船戦に挑む船の陣形や、海での活動や戦いなどが記されており興味深々。どんなことが書かれているのか、機会があれば深く読んでみたいですね。

【見所②】因島水軍まつりの様子が分かる「隅櫓」

隅櫓(因島水軍まつり想いの館)
奥に見えるのが隅櫓(因島水軍まつり想いの館)

隅櫓では、因島水軍まつり想いの館として1階に因島水軍まつりの写真が展示されています。

因島水軍まつりは、毎年村上水軍を再現するお祭りですよ。因島地域の住人が総出で盛り上がるそうです。

展示されている写真を見ると、参加者の生き生きとした表情が印象的ですね。

このお祭りは、「島まつり」「火まつり」「海まつり」の3部構成になっており、島まつりは村上水軍の出陣式。水軍の甲冑を着た約50人の武将たちが繰り広げるパレードは、見ていて壮観という。

火まつりの展示

火まつりは夜に行なわれ、飛び跳ねながら踊るエネルギッシュな跳楽舞は見物だそうだ。それに、はねくらべコンテストなどを開催するといいます。

そして、最期には参加者や観客総出で跳楽舞で踊る。うん、すごく盛り上がりそう。

海まつりは、瀬戸内海で村上水軍の木造船を再現した小早のレースが行われます。これらの祭の様子を写真でみていると、観戦したい・参加してみたいと思えますよ。

2階はパネル展示と展望台になっていますので、ぜひ足を運んでみてはいかがですか。

因島水軍まつり想いの館の2階

【見所③】村上氏の作戦会議を再現した「二の丸」

村上水軍の作戦会議

二の丸の中を覗くと、武者人形による村上水軍の作戦会議の様子が再現されています。

臨場感あふれる様子がうかがえ、いったいどんな話がされているのか。そんな海に生きる男たちの姿は趣がありますね。

この二の丸ですが、貸出も行っています。

貸出料金
  • 4時間以内:2,200円
  • 4時間を超え8時間以内:4,400円

村上水軍の人形に囲まれた場所で、密談?をしたり、将棋や囲碁などを遊んでみてはいかがですか。

【リアルな人形やはく製に会える観光スポット>】

旅を続けていると、村上水軍の作戦会議で使用された武者人形のように、リアルな人形やはく製を目にする機会がありますね。下記記事では、そんな機会が訪れる観光スポットを紹介します。

水軍関係の雑貨品のお土産

水軍関連の雑貨品

本丸へ入り、受付の反対側の棚には、様々な雑貨品が並んでいます。どれもがお土産として購入できますよ。

因島水軍城の御城印を始め、村上海賊ストラップ、因島水軍まつりマフラータオル、村上水軍の徳利セットなどがある。

村上水軍の旗印を描いたクリアファイルは、リーズナブルなお値段なので、たくさんの人に渡すお土産に使えるかな。

新村上海賊タペストリーは、手ぬぐいとして使えるので実用的。また、大山神社のお祓いを受けた開運グッズ「開運村上海賊ミニ提灯」もありました。

個人的には、村上水軍のミニ卓上旗かはっさくゼリーで悩むところ。(笑)

ミニ卓上旗
ミニ卓上旗
はっさくゼリー
はっさくゼリー

因島水軍城へ訪れた記念に、お土産を購入してみてはいかがですか。

合わせて訪れたい、村上家の菩提寺「金蓮寺」

金蓮寺の山門
金蓮寺の山門

因島水軍城と合わせて訪れたいのが、金蓮寺(こんれんじ)です。

先ほども触れましたが、金蓮寺は村上水軍の菩提寺なので、村上家代々のお墓である五輪塔があります。

実は、因島水軍城はこのお寺の敷地内にある。もともとこのお城は、金蓮寺の住職が観光誘致に一役買おうと活動した結果、誕生しました。

金蓮寺は、因島村上氏となる青陰城主・村上吉資(むらかみ よしすけ)が1450年に創建されたと伝えられています。

村上家が因島を離れると、金蓮寺は廃れてしまい、最期は廃寺になりました。けれど、江戸時代の1790年に再興されたそうです。

金蓮寺(本堂)
金蓮寺(本堂)

本堂で参拝した後で、村上家の一族が眠る墓所へ足を運びましょう。

村上水軍歴代の宝筐印塔18基や五輪塔などがたくさん見て取れる。

村上水軍の墓地
村上水軍の墓地
村上水軍の墓地の説明

各地に点在していた石塔などを金蓮寺に集約したため、どれが誰の墓なのか分からなくなっているそうです。

金蓮寺では、村上水軍の栄華と共に歩んだ歴史を今に伝えています。

因島水軍城の基本情報とアクセス

住所広島県尾道市因島中庄町3228-2
電話番号0845-24-0936
営業時間9:30~17:00(入城は16:30まで)
※1/2、1/3は10:00~15:00
定休日木曜日(祝日の場合は営業)
年末年始(12/29~1/1)
料金大人330円(220円)
小人(中・小学生)160円(110円)
※( )内の金額は、30名以上の団体割引き後の料金

【アクセス】

  • 土生港から因の島バス因島大橋・久保田橋行に乗って「水軍城入口」で下車後、徒歩約12分(バスの乗車時間約20分)
  • 西瀬戸自動車道「因島北IC」から車で約5分
  • 西瀬戸自動車道「因島南IC」から車で約10分

因島水軍城の駐車場

因島水軍城には、無料駐車場があります。(普通車50台)

まとめ

村上水軍城へ向かう道の入口

因島水軍城を見学することで、因島と村上水軍の関係がよく分かります。

因島村上家が残した武具や遺品、古文書の数々。ここでしか見られない貴重なものばかりです。

また、因島水軍まつりの様子が分かる写真が展示しており、因島ではどれだけ村上水軍が愛されているのか分かりますね。

水軍城を訪れて、村上水軍に感銘を受けた後は、今度は村上水軍の鎧兜を身につけたお祭りへ参加してみてはいかがですか。

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