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旅の体験談

近江八景を巡る、瀬田の唐橋・満月寺浮御堂・唐崎神社の歴史と風景

満月寺浮御堂の景色

江戸時代の初めに、琵琶湖の湖南から選んだ8つの景勝地が「近江八景」です。

時代の移り変わりにより失ってしまった景色もあれば、今も変わることなく美しい景色を楽しめる場所もあります。

江戸時代では、どの場所も名勝として多くの人々に親しまれてきました。

そんな近江八景の中でも、ぜひ足を運んで欲しい場所が「瀬田の唐橋・浮御堂(満月寺浮御堂)・唐崎神社」の3つですね。それぞれ違った魅力のある景勝地であり、建築物の景観も見事ですよ。

本記事では、これら3つの景勝地の歴史や風景について紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 瀬田の唐橋や浮御堂、唐崎神社に興味がある
  • 近江八景の今の景色を知りたい

近江八景とは

近江八景の1つ「唐崎夜雨」
近江八景の1つ「唐崎夜雨」

昔から琵琶湖周辺は、多くの人々に風光明媚な景勝地として親しまれてきました。その中でも広く知られているのが「近江八景」ですね。

近江八景が設立された由来は色々ありますが、有力なのは室町後期に近江国に滞在した元・関白の近衛政家(このえ まさいえ)が、当地にちなんでの詠んだ八首の和歌が元になっているそうです。

江戸時代後期になると、歌川広重(うたがわ ひろしげ)が描いた近江八景の浮世絵が広く普及しました。そのため、多くの人が今も尚、近江八景について知っている訳ですね。

月見亭
石山寺の月見亭 近江八景の1つ「石山秋月」で知られる

そこで、近江八景と呼ばれている8つの名勝を以下にまとめます。

近江八景現在地
石山秋月(いしやまのしゅうげつ)石山寺(大津市)
勢多(瀬田)夕照(せたのせきしょう)瀬田の唐橋(大津市)
粟津晴嵐(あわづのせいらん)粟津原(大津市)
矢橋帰帆(やばせのきはん)矢橋(草津市)
三井晩鐘(みいのばんしょう)三井寺(大津市)
唐崎夜雨(からさきのやう)唐崎神社(大津市)
堅田落雁(かたたのらくがん)浮御堂(大津市)
比良暮雪(ひらのぼせつ)比良山系(大津市)

冒頭でも触れましたが、時代の移り変わりにより「粟津晴嵐」や「矢橋帰帆」のように、既に失われた風景もあれば、「石山秋月」や「三井晩鐘」など変わらないものもある。

現代に残された景色を次の世代にも受け続けてもらいたいですね。

琵琶湖観光の際には、ぜひ足を運んで欲しい「瀬田の唐橋・浮御堂・唐崎神社」の景勝地について説明します。

琵琶湖周辺には数多くの観光スポットが点在しており、短期間ですべて見て回るのは困難です。そのため、2週間以上も滞在するならば、ホテルのサブスクがお勧め。ホテルを拠点にして、色々観光を楽しみましょう。

古来より軍事・交通の要衝「瀬田の唐橋」

瀬田の唐橋
瀬田の唐橋

瀬田の唐橋の歴史はとても古く、667年の大津宮遷都の際に架けられたそうです。また、京都の宇治橋・山崎橋(今は架かっていない)と並んで日本三古橋・日本三名橋の1つに数えられています。

更に古くから「唐橋を制するものは天下を制す」といわれていた交通の要所。そのような場所なので、幾度となく戦乱の舞台となりました。

そこで、この橋を舞台にした主な戦いを以下にまとめます。

  • 672年:壬申の乱
  • 1183年:倶利伽羅峠の戦い
  • 1184年:寿永の乱
  • 1121年:承久の乱
  • 1336年:建武の乱
  • 1351年:観応の騒乱
  • 1582年:本能寺の変、山崎の戦い

学校の歴史の授業で習う有名な戦いばかりなので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

あの武田信玄も臨終の床の中で「瀬田の橋に風林火山の旗を立てよ」と命じたという。天下を取るためには、瀬田の唐橋を制するのがいかに重要であったのかが分かるエピソードですね。

瀬田の唐橋

1795年(寛永7年)から1894年(明治27)の100年間に18回も架け換えが行われている。明治時代までは木製の橋でしたが、1924年(大正13年)にコンクリート橋に架け換えられました。

今の橋は、1979年(昭和54年)に架け換えられたもの。擬宝珠のみは代々受け継がれており、その一部には江戸時代の「文政」の銘が残されているものもありますよ。探してみるのも面白いですね。

瀬田の唐橋と桜の風情ある景色

桜と瀬田の唐橋

瀬田の唐橋が架かる瀬田川沿いは、桜シーズンになると美しいピンク色の景色が広がります。

東詰め北側に足を運び、花見を楽しんで見ては如何でしょうか。瀬田の唐橋と瀬田川、桜が織りなす風情ある景色が見られますね。

瀬田の唐橋は、黄色の欄干と擬宝珠が目を引く橋です。幅は12mで全長223.7mもあります。交通量が多いので歩いて渡る際には、必ず歩道を歩かないと危険ですよ。

瀬田の唐橋の歩道

瀬田川の畔から、瀬田の唐橋を眺めるに当たり、この橋の歴史を知っていると、感慨深く感じます。

こちらは、瀬田の唐橋の歩道から撮った瀬田川の風景。午前中の景色ですが中々のものでしょう。(逆光なのが少し残念)

瀬田川の風景
瀬田川の風景

聞くところによると、特に夕暮れ時の景色が素晴らしいという。さすがは「勢多(瀬田)夕照」といったところですね。機会があれば、今度は夕暮れ時に訪れたいと思います。

記念碑とサイクリストのモニュメント
記念碑とサイクリストのモニュメント

特にビワイチにチャレンジしている人には、是非立ち寄って欲しいです。

実は、瀬田の唐橋が架かる瀬田川の中島は、自転車で琵琶湖を1周する「ビワイチ」のスタート地点の1つですよ。東詰め北側には、記念碑とサイクリストのモニュメントがありました。

サイクリストの撮影スポットとしてもGoodでしょう。

瀬田の唐橋は「急がば回れ」の語源の地

近江八景の1つ(瀬田の唐橋)
近江八景の1つ(勢多夕照)

瀬田の唐橋は、古くから交通の要衝であったため、できたことわざがあります。

それが「急がば回れ」ですね。よく耳にすることわざなので、知らない人は少ないでしょう。知らない人のために簡単に説明すると「急ぐときほど安全で確実な道を行く方がいい」という意味ですよ。

室町時代に歌われた句には「もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」があります。この句の中にしっかり「急がば回れ」が含まれているではないですか。

この句は、短い距離の危険な水路を船で進むより、瀬田の長橋を通過して安全な陸路を使うほうが確実に行けることを表しています。

現代の戦いは、ビジネスやスポーツ、受験勉強など多岐にわたりますが、どの場面でも焦らず回り道ができる心の余裕は持ちたいものです。

この瀬田の唐橋を渡る際には、「急がば回れ」の意味を思い浮かべながら渡ってみては如何でしょうか。

瀬田の唐橋の基本情報とアクセス

住所滋賀県大津市瀬田一丁目・唐橋町2-3
電話番号077-528-2772(びわ湖大津観光協会)

【アクセス】

  • 京阪石山坂本線「唐橋前駅」から徒歩約2分
  • 名神高速道路「瀬田西IC」から車で約10分

琵琶湖に浮かぶ印象的な「浮御堂」

浮御堂
浮御堂

浮御堂(うきみどう)は、滋賀県大津市堅田に位置し、琵琶湖の湖畔にある寺院です。

正式には「海門山満月寺」といいます。創建は、古く平安時代に恵心僧都(えしんそうず)によって建立されました。

恵心僧都は、ある日琵琶湖の湖面に光り輝いている場所を網ですくってみると、黄金に輝く阿弥陀仏像が出てきたため、その後魚類の殺生を供養するためにお堂を立てたそうです。

また、当時は琵琶湖を船で行き交うことが多く、比叡山から吹き降ろす強風により船の転覆や事故が相次いでいました。このお堂では、湖上の安全も祈願しています。

浮御堂

すでに1,000年以上の歴史を持ちますが、現在のお堂は1937年(昭和12年)に再建したものです。

最大の特徴は、お堂が琵琶湖に突き出ているところでしょう。尚、近江八景の「堅田落雁」は、浮御堂の上を飛ぶ雁の様子を描いたものですよ。

お堂の中には「千体仏」と呼ばれる阿弥陀仏が安置されている。その一部が見られるので、見逃すのは実にもったいない。橋を渡って是非お堂へ足を運んでみて下さい。中々見応えがありますよ。

多くの文化人が愛した「浮御堂」の風景

浮御堂へ足を運ぶ

浮御堂には、多くの文化人が訪れており、俳聖・松尾芭蕉を始め高浜虚子や小林一茶、高桑蘭更などが句を残しています。浮御堂の眺めは、古くから俳人の心を捉えていたのでしょう。

また、俳人たちだけでなく葛飾北斎、歌川広重なども足を運んでおり、数々の名作をうみだしました。昔と変わりない絶景は、今も訪れる人たちの心を打ちますね。

こちらは、浮御堂から琵琶湖を見た景色です。

浮御堂からの眺め
琵琶湖大橋
琵琶湖大橋

眼前に広がる雄大な琵琶湖を、遮るものなく一望できる。まさに琵琶湖との一体感が味わえますよ。

また、東には伊吹山や近江富士が見え、西には比良山系や比叡山が見える。そして、遠くに見える優美な琵琶湖大橋に目を奪われますね。

きっとこれからも変わることのない絶景を、私たちに見せてくれるのではないでしょうか。

【湖や池の景色】

琵琶湖の湖や広大な広さを持つ池の景色は、とても魅力的ですね。下記記事では、旅先で訪れたそんな湖などの風景を紹介します。

浮御堂の基本情報とアクセス

住所滋賀県大津市本堅田1-16-18
電話番号077-572-0455
拝観時間8:00~17:00
拝観料300円

【アクセス】

  • JR堅田駅から徒歩約25分
  • JR堅田駅からタクシーで約6分

浮御堂の駐車場

浮御堂には、無料駐車場が整備されています。(普通車約5台)

この駐車場から約1分ほど歩けば、満月寺の山門へ辿り着けますね。

女性のご利益が高いパワースポット「唐崎神社」

唐崎神社
唐崎神社

唐崎神社は、古くから美しい景色が残る神社として多くの人々に親しまれています。

「唐崎夜雨」として近江八景に数えられており、近江屈指の景勝地ですよ。また、日吉・日枝・山王神社の総本宮である日吉大社の摂社です。

創建は、持統天皇の時代までさかのぼり、女別当命(わけすきひめのみこと)という女神をご祭神として祀っています。

唐崎神社の境内の様子
境内の様子

古くから女性の信仰を集めており、清少納言の枕草紙にもその名が登場するという。

ご利益には「婦人病の平癒」と「縁結び・恋愛成就」が挙げられます。女性には嬉しいご利益ばかりなので、日本全国から女性の参拝者が後を絶ちません。

「唐崎神社でお願して病気が治りました」「彼氏にプロポーズしてもらえました」といったような嬉しい体験をした方もいるようです。

SNSなどで拡散された影響で、若い女性の参拝者も増えてきています。恋の願いを叶えたい場合は、お詣りに足を運んでみては如何でしょうか。

青空と琵琶湖に映える「唐崎の松」の風景

唐崎の松
唐崎の松

琵琶湖の湖畔に面した境内の景色は、実に見応えがありますね。滋賀県指定の名勝でもあり、プロ・アマ問わず多くのカメラマンが撮影に訪れます。

そういう場所なので、私もカメラのシャッターを押す指が離れませんでした。(笑)

ちなみに私が愛用しているカメラは、SONYのRX100M7。コンパクトな高級コンデジで、性能は折り紙付きですね。

琵琶湖の眺め
琵琶湖の眺め

特に一際大きな「唐崎の松」は、強く印象に残りました。

聞くところによれば、降雪時や積雪時の時がとても美麗なんだとか。1度は目にしたいものです。

琵琶湖をバックに広がりを見せる唐崎の松は、根元から2つの幹が分かれた「双幹立ち」が特徴で、四方に枝を伸ばしたその豪壮な姿は実に素晴らしい。

唐崎の松
唐崎の松

けれど、松に近づきよく見てみると、樹皮の半分以上が灰色になっていることが見て取れます。

樹皮の半分以上が灰色になっている

現在は枝の半分を除去するなどして、保全を続けているそうですが、そんな状態なので、残念ですが見納めが近づいているのでしょう。

現在の松は3代目。1887年(明治20年)頃に植えられました。次の4代目も豪壮な姿に成長することを祈っています。

【カメラに関する話】

唐崎神社のような景勝地では、より綺麗な風景を写真で残したいと思いますね。すると高性能なカメラが欲しいと思うかも。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。

唐崎神社の基本情報とアクセス

住所滋賀県大津市唐崎1-7-1
電話番号077-578-0009(日吉大社)
拝観時間10:00~16:00

【アクセス】

  • JR唐崎駅から徒歩約12分
  • 名神高速「京都東IC」から車で約20分

唐崎神社の駐車場

唐崎神社から徒歩約1分ほど離れたところには、県営都市公園・湖岸緑地「唐崎苑」がありますので、そこの無料駐車場を利用するのが良いでしょう。

ただし午後5時までには退出しなけらばならないので、時間に気を付けて下さい。

まとめ

満月寺の山門
満月寺の山門

近江八景と呼ばれる景勝地の内、今もなお美しい景観が保たれている「瀬田の唐橋・浮御堂・唐崎神社」について紹介しました。

琵琶湖周辺には、数多くの観光スポットが点在していますが、今回紹介した3つの景勝地へ是非足を運んでみて下さい。

朝や夕、昼間など時間帯によっても刻々と風景が変わりゆくので、見比べてみるのも面白いでしょう。

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