※本サイトはアフィリエイト広告を利用しPRしています。
旅の体験談

古都を巡る自転車旅、宇治市の世界遺産と京奈和自転車道(京都市→奈良市)

宇治橋周辺の景色

とある日の出来事で、何気に10円玉をじっくり見る機会がありました。

10円玉に描かれていた平等院鳳凰堂。そういえば、過去に京都市内は何度も足を運んだけど、平等院鳳凰堂のある宇治市へ訪ねたことがない。

これはいけないなと思ったら吉日。早速旅の計画を練り、京都へ向かった次第です。

旅のきっかけ何て、一言でいえば「好奇心」ですね。

京都伏見の桃山駅まで電車輪行で向い、自転車旅のスタート。宇治市にある世界遺産・平等院と宇治上神社の観光後、偶然にも京奈和(けいなわ)自転車道へ合流し、サイクリングを漫喫しました。

本記事では、京都伏見から奈良市まで自転車で旅した様子をお届けします。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 自転車旅やサイクリングが好き
  • サイクリングの道中で見聞を広めたり、様々な体験をしたい

京都伏見の桃山駅から旅立つ

JR桃山駅
JR桃山駅

青天の下、暖かい日差しが降りそそぐ中、私をのせた電車がJR桃山駅へ到着しました。

旅のスタートとなる舞台は京都伏見。地名から分かるように、水のまちとして栄えてきた歴史があり、酒どころとして有名です。

月桂冠や黄桜などのブランド名を聞いたことがある方は、多いのではないでしょうか。時には城下町として、またある時は宿場町として、歴史上数々の事件が発生しています。

駅舎をくぐり抜け、輪行袋から愛車(自転車)を取り出しセッティング。さて、それでは歴史上、とある有名な事件があった現場へ向かうとしましょう。

京都伏見の景色

自転車のペダルを軽く回して進むと、アーケードの伏見大手筋商店街へ到着。平日の朝が早いためか、人通りは思ったより少ない。

伏見大手筋商店街の入口
伏見大手筋商店街
伏見大手筋商店街

自転車を降りて、そんな商店街をブラリと散策しながら、あの坂本龍馬が襲撃された現場へ向かいました。

「伏見」「坂本良馬」のキーワードでピンとくる方も多いはず。そうです。これから向かうのは「寺田屋」です。その道中で、京橋を通過した際に見つけたのが、伏見口の戦い激戦地跡。京橋の前に石碑が建てられている。

伏見口の戦い激戦地跡
伏見口の戦い激戦地跡

ここが鳥羽・伏見の戦いにおいて、守りを固める幕府軍と新政府軍が激突し、戊辰戦争の幕開けとなった場所。その結果は、歴史が示すように、新政府軍が勝利をおさめました。

京橋から眼下には、伏見みなと公園が見て取れる。この公園には、龍馬とお龍(おりょう)さんの像があり、桜シーズンでは船の乗り場ができるといいます。

伏見みなと公園
伏見みなと公園から京橋を望む
龍馬とお龍、愛の旅路像
龍馬とお龍、愛の旅路像

お龍さんといえば、坂本龍馬の奥さんとして有名ですね。龍馬と日本人初の新婚旅行を行なった人ですよ。

少しの間、この公園を散策して再び京橋へ戻りました。

【旅に役立つサービスの紹介】

旅の移動手段は、車や飛行機、自転車等様々ですね。旅に役立つサービスを、下記記事で紹介します。

寺田屋の見学

寺田屋
寺田屋

京橋から寺田屋までは、約50mとかなり近いです。この京橋は、濠川(ほりかわ)に架かっており、濠川は、江戸時代から戦前まで川上輸送が盛んな場所でした。

そのため、周辺には船宿が多く、寺田屋もその中の1つです。江戸時代初期から営業を始めたそうで、今でも宿泊ができる。

寺田屋が有名な理由が「寺田屋騒動」と「寺田屋事件」ですね。寺田屋では、これらの事件に関する多くの資料が展示されています。

こちらは、坂本龍馬の愛室「梅の間」。

梅の間
梅の間

部屋には、堂々とした龍馬の姿が描かれた、掛け軸がかけられていました。

梅の間は2階にあるので、窓から外の景色が見える。かつて龍馬も同じように眺めていたのだろう。当時と現代では、すっかり周辺の景色が変わっていますが、龍馬が過した梅の間で彼を偲ぶのも感慨深いですね。

寺田屋前の通りの風景
寺田屋前の通りの風景

ちなみに、梅の間は宿泊できないので悪しからず。

寺田屋では、柱に刀傷などが残っていたり、お龍さんが事件当時入浴していたお風呂の再現など、見どころが多いですよ。

これは、龍馬ファンには堪らないポイントを抑えているといえるでしょう。

お登勢明神
お登勢明神

各部屋を一通り見て回った後、庭へ移動。そこには、寺田屋の女将であったお登勢さんが、お登勢明神として祀られていました。これにはビックリ。完全に予想の斜め上です。

お登勢さんが龍馬とお龍さんを結んだため、若い男女の守り神になったそうですよ。うん、初めて知りました。

寺田屋は、幕末の京都の動乱を学べる貴重な観光スポットです。くわしくは、下記関連記事で紹介します。

宇治市へ向かう道中にて

伏見の酒店街

寺田屋の周辺には、伏見の酒店街があり、黄桜カッパカントリーや月桂冠大倉記念館のある風情ある町並みですね。

そんな町並みをゆっくり眺めながら、自転車のペダルをゆっくり回します。

伏見の酒店街の風景

町並みを通り抜け、しばらく経つと目の前の道路標識には「宇治9km」と書かれていました。

宇治市へ向かう道

ママチャリであれば、それなりの距離ですが、ロードバイクならば大した距離ではありません。

自転車のギアを上げ、スピードを上げる。すると、あっという間に景色がかわり、町外れとなる。そばには宇治川が流れており、その流れに違和感を覚えました。

宇治川
宇治川

なぜなら、宇治川を見て、思わず声が出てしまった言葉が「いくら何でも急流過ぎないか」ですよ。

初めて宇治川を見たので、これが普通かどうかの判断ができなかったのですが、一目で「川に落ちる=死」が連想できる。

そのような宇治川を横目に眺めながら、南下していると、しばらくして黒いビニールハウスを目撃。一体、中で何を栽培しているのだろうか。気になります。

黒いビニールハウス
黒いビニールハウス

そして、そんなビニールハウスをあちこちで見かける。謎が深まるばかりだ。

この時点では、私の頭の中に「???」がずっと浮かんでおり、ひっとして宇治市は「ミステリースポットではないのか」なんて、おかしな妄想に取り付かれている状態でしたね。(笑)

少しだけモヤモヤした気持ちをかかえ、宇治市のシンボルともいえる宇治橋へ向かっていると、特徴的な石積がされた岸へ辿り着きました。

石積みの護岸
石積みの護岸

どうやら宇治川太閤堤が整備されたところのようで、石積みの護岸と呼ばれているそうです。興味深く見学していましたが、この一角だけカエルの鳴き声が大きいのはなぜだろう。(笑)

石積みの護岸の景色(その1)
石積みの護岸の景色(その2)

護岸の周辺をウロウロしていると、本日何度目かになる黒いビニールハウスを目撃。今までと違って、今度はビニールが開いている。そこには、お茶が栽培されているじゃないですか。

黒いビニールハウスで栽培されているもの

宇治といえば宇治茶の産地。モヤモヤしていたものが1つ解消されたけど、実物を見るまで思い浮かばなかった事実に苦笑い。

宇治橋へ辿り着くと、もう1つのモヤモヤも解決。解決できたのは、こちらのパネルのおかげです。

ダムの放流のお知らせ

どうやら本日は、天ケ瀬ダムが放流中だという。この事実に偶然見られた急流に対し、ラッキーと思うなんて我ながら単純だな。

さて、モヤモヤも完全解消されたので、宇治橋の見学にしゃれこもう。宇治橋は、日本三古橋の1つに数えられていて、その古風な優美さと風情を感じる外観は、とっても魅力的。

宇治橋
宇治橋
流れが速い川
川の流れが速いのがわかる

数多くの美術作品や文学作品に取り上げられるのも納得です。この橋を渡った先にある広場には、源氏物語の著者・紫式部の像がありました。

宇治橋の見学で上がったテンションのまま、宇治上神社へ向かっていると、ハイカラな狛犬が現れた。

ハイカラな狛犬
ハイカラな狛犬

うん、これも予想外。旅をしていると、面白いものを見かける機会が多いので嬉しくなりますね。しばらく道なりに進んで行くと、宇治上神社へ辿り着きました。

世界遺産・宇治上神社の参拝と大吉山の登山

宇治上神社の鳥居

宇治上神社の本殿は、神社建築として日本で最も古いものです。拝殿と共に国宝に指定されています。まずは拝殿にて参拝した後で、裏側にある本殿へお詣りしました。

宇治上神社(拝殿)
宇治上神社(拝殿)

拝殿は鎌倉時代、本殿は平安時代後期に建立されたもの。古くより学問の神として信仰されている。これも才能に優れた御祭神・菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)の御神徳によるものだろう。

宇治上神社(本殿)
宇治上神社(本殿)

実は、この神社は、うさぎをモチーフにした授与品が多い。

こちらの置物を見て下さい。可愛いですね。実はうさぎの置物の中には、おみくじが入っている。豊富なカラーバリエーションも嬉しいかな。

うさぎのおみくじ
うさぎのおみくじ

このようなおみくじは、他の神社では、あまり見かけないので珍しい。御朱印は、年間を通じて28種類もあるので、コンプリートにチャレンジするのも面白いかも知れません。

一通り境内を見て回った後、次に向かうのは、宇治上神社の裏山・大吉山です。

大吉山は、正式名称を仏徳山(ぶっとくさん)という、標高131mの低山。遊歩道が整備されているので、歩きやすですね。

宇治上神社へ訪れた際、大吉山は登ってみたいと思っていました。この山には、京アニの「響け!ユーフォニアム」で登場する展望台がある。

大吉山展望台
大吉山展望台

なので、聖地巡礼としゃれ込みますよ。登山口から約20分ほど歩き、展望台へ到着。そこから、平等院や宇治川を含め、宇治市内を一望できます。実に良い景色なのでおすすめです。

大吉山展望台の景色(その1)

さぁて、聖地巡礼を終えた後は、再び宇治橋へ戻りますよ。

尚、宇治上神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。

世界遺産・平等院の観光

平等院の表門
平等院の表門

宇治橋を渡り、平等院の参道を進みます。さすがはお茶どころとあって、参道の両脇には、飲食店の他にもたくさんのお茶屋がみえる。

しばらく進むと、平等院の表門に辿り着きました。

受付で拝観料を支払い庭園へ入る。すごい人込みだ。修学旅行なのか、大勢の学生グループも見て取れます。

少し歩くと、目の前には、10円玉に描かれていた平等院鳳凰堂があらわれました。今回の旅のきっかけとなった、鳳凰堂を直に見ることができて満足満足。

平等院鳳凰堂
平等院鳳凰堂

この鳳凰堂と阿字池(あじがいけ)が織りなす風景が、実に素晴らしい。さすがは、平安時代に当時の権力者であった関白・藤原頼道が、財力を尽くし造った極楽浄土の世界ですね。

平等院鳳凰堂の景色

平等院鳳凰堂は、藤原氏の栄華を今に伝えるほぼ唯一の遺構であり、日本の代表的な文化財。いつまでも後世に残していきたいですね。

鳳凰堂の堂内を見学したり、平等院に伝わる数多くの国宝や重要文化財を展示している「ミュージアム鳳翔館」を見学したりして、深い歴史ロマンを感じました。

尚、平等院については、下記関連記事でくわしく紹介します。

日本最長級の木造の沈下橋を渡る

あじろぎの道
あじろぎの道

平等院を後にして、宇治川の畔にある「あじろぎの道」を散策していると、再び「響け!ユーフォニアム」の聖地を発見。

それがこちらのベンチ。通称・久美子ベンチと呼ばれている。

久美子ベンチ
久美子ベンチ

主人公・黄前久美子が、学校帰りによく立ち寄り座っているベンチですね。

実在するベンチを見れてホクホク顔。遠くには、宇治川に浮かぶ塔の島へ渡る朱塗りの橋が見えます。せっかくなので、塔の島へ行ってみよう。

宇治川の風景
宇治川の風景

橋に近づくと、何と増水のため立入禁止に。これは仕方がないかな。

立入禁止の橋

朱塗りの橋の欄干にサギがとまっている。いつもサギは近づくと、気配を察知して、どこかへ飛んで逃げるのですが、微動だにしませんね。ひょっとして、近づけないことが分かっているのかな。

そのおかげで、「朱塗りの橋 + 欄干にとまるサギ + 石の塔」という奇跡のような場面を撮影できました。(嬉)

欄干に鳥がとまる

再び自転車に乗って、南下します。今回の旅の計画を作成する段階で、八幡市を流れる木津川に、上津屋橋 (流れ橋)という沈下橋がかかっていることを知って、これはいかねばと思いました。

自転車のペダルを快調に回してスピードを上げる。のどかな風景と肌に吹き付ける風の中、疾走感を感じるのは心地よい。

のどかな風景
のどかな景色

しばらくすると、木津川が見えてきた。そして、そこに架かる沈下橋。白砂の河原の上に、風情ある木製の橋が架かっています。

上津屋橋 (流れ橋)
上津屋橋 (流れ橋)

流れ橋の特徴は、台風などで川が増水して橋が流されても構わないというもの。増水時に橋桁が水面に浮くことで、いかだのように流れるという。

これにより、水の圧力を受け流して橋全体の崩壊を防ぎ、いかに安価で洪水の被害を最小にできるか考えている。まさに発想の転換ですね。

ちなみに1953年(昭和28年)に架けられて以来、20回以上も流されており、その都度復旧しています。

上津屋橋を渡る際のルール

そんな木製の橋を自転車を押して渡る。これは、橋を渡るルールなので気を付けるように。

八幡市と久御山町を結ぶこの橋は、全長356.5m、幅3.3mの日本最長級の木造の橋ですよ。昔から数えられないほどの時代劇などで、よく利用されてきました。

流れ橋とロードバイク

うん、どうりで見覚えがあるはずだ。ゆっくり橋を渡りながら、対岸へ到着後に愛車と記念撮影。

すると、そこで京奈和自転車道というサイクリングルートを見つけたのです。

京奈和自転車道を快走し、奈良市へ向かう

京奈和自転車道の標識

京奈和(けいなわ)自転車道の存在自体は、昔から知っていました。京都市西京区嵐山から奈良県内を経由して、和歌山県の和歌山港までを結ぶサイクリングルート。全長約180kmに及ぶため、走りごたえがありますね。

もともとこのルートを走る予定はなかったのですが、サイクルコンピュータの地図で調べてみると、走る予定だったルートと向かう方向がほぼ同じなので、急遽ルートを変更しますよ。

京奈和自転車道へ合流したのは、全くの偶然ですが、こんな機会を逃すわけがない。何気に初めて走ります。

京奈和自転車道
京奈和自転車道

今まで以上に自転車のスピードを上げる。サイクリングロードのため、車は通行しないので走りやすい。解放感を感じながら、のどかな風景を満喫して自転車道を突き進む。

京奈和自転車を走りながら、眺めた景色を少しばかり紹介しよう。

京奈和自転車道から見る風景(その1)
京奈和自転車道から見る風景(その2)
京奈和自転車道から見る風景(その3)
京奈和自転車道から見る風景(その4)

個人的には、都会より田舎の景色が好きなので、いつまでも走っていられます。

途中から自転車を離れて、もともと計画していたコースに戻る。目の前に見える道路標識には「奈良4km」の文字が見えてきたので、自転車のスピードを少し落とし、少し早いですがクールダウンしました。

道路標識

奈良市へ入り、しばらくすると旧奈良監獄(旧奈良少年刑務所)へ到着。見た目からとても監獄とは思えない。中世ヨーロッパの建築物に見える。

旧奈良監獄
旧奈良監獄

少し調べてみると、2024年には、日本初の「監獄ホテル」としてリニューアルするそうだ。受刑者の収容棟のうち1棟は、手を加えずに保存して史料館にするそうですね。

旧奈良監獄を後にして、国道754号へ合流。沿岸には、動物注意の標識が見て取れる。

動物注意の標識

標識には「鹿の飛び出し注意」と書かれていました。奈良の動物のイメージは、やはり「鹿」ですね。

「本日の旅のハイライトとして、鹿に出会えたらいいな」なんて考えていると、道路の真ん中に鹿がいるではないですか。

通行人が鹿を追い出そうと近づけば、鹿は全力ダッシュで離脱。あまりの素早さに、カメラのシャッターを切る時間を与えてくれません。

それにしても、「やはり鹿が道路にでることがあるのだな」なんて思っていたら、奈良公園の近くまできていたので納得です。

鹿

その後、奈良公園にいた鹿を撮影し、今回の旅は終わりとしました。

明日は、奈良公園へ足を運び、東大寺と春日大社へ参拝しながら、鹿をじっくり愛でますよ。

まとめ

春日大社の鳥居
春日大社 一之鳥居

10円玉に描かれた平等院鳳凰堂を見て思いついた旅ですが、満足度は高目です。

坂本龍馬襲撃事件で有名な寺田屋を見学したり、世界遺産の宇治上神社や平等院を見て回りました。

また、機会があれば、京奈和自転車を京都から和歌山まで完全制覇したいですね。

そこでは、どんな風景がみられるのかワクワクします。1日に180km走るならば、あまり観光に力を入れられなくなるので、何日かに分散したいと思う。

そんなことを考えながら、旅の計画を立てるのは楽しいものですね。

タイトルとURLをコピーしました