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旅の体験談

満濃池の観光、空海が改修した龍神伝説が残る日本最大のため池

満濃池

日本最大のため池を知っていますか。

そのため池は、香川県に存在しており、その名を「満濃池(まんのういけ)」といいます。

日本国内でもっとも小さな県である香川県。香川県では、古くから降水量が少なく大きな河川もないため、数多くのため池が造られました。

満濃池は、ため池として初めて国の名勝に指定されており、弘法大師・空海が改修したことでも知られている。

池の周辺を散策しながら、護摩壇岩や神野神社、神野寺などの見どころへ足を運んでみましょう。

本記事では、四国で初めて「世界かんがい施設遺産」に選出された満濃池の見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 満濃池の見どころを知りたい
  • 満濃池の龍神伝説に興味がある

満濃池とは

満濃池
満濃池

満濃池は、香川県仲多度郡まんのう町に造られた農業用のため池です。

周囲は約20㎞、水深約22m、灌漑面積3000haもある。池の貯水量は、1540万トンもあるそうですよ。

大自然に造られた湖からすれば、満濃池より大きなものはいくらでもありますが、人の手で造られた池として日本国内では最大のもの。

ため池というより、少し大き目の湖といった方がしっくりきますね。尚、稲作文化が発展した古代より、今も昔もため池は重要な施設です。

満濃池の風景
満濃池の風景

満濃池の歴史は古く、奈良時代以前の大宝年間(701~704年頃)に当時の讃岐国の国守「道守朝臣」の事業により造られました。

その後、洪水により何度も決壊を繰り返すのですが、平安時代になると治水や掘削に優れた技術をもつ空海が派遣され、修繕にあたるのは歴史の知るところ。

そもそも空海は讃岐国の出身。彼が派遣されたのは、ある意味必然だったのでしょう。

満濃池取水塔
満濃池取水塔

空海が考案したのは、水の圧力を分散させるアーチ型の堤。さらに水位ゼロが一定以上とならないように、余分な水を放流する仕組みを作り、今も利用されています。

満濃池の堤防下の眺め

毎年6月中旬には、水門を開けて満濃池のゆる抜きを行なう。それは、本格的な田植えシーズンの到来を告げるイベントですよ。

尚、堤防下に整備されたほたる見公園では、5月下旬から6月上旬にかけて、幻想的なホタルの光を楽しめます。

2016年には「世界かんがい施設遺産」に四国で初めて選出されました。

世界かんがい施設遺産の記念碑
世界かんがい施設遺産の記念碑

世界的にみても満濃池は、貴重な施設だと認められたということです。その記念碑が満濃池の畔に建てられていますので、お見逃しなく。

満濃池の龍神伝説

「満濃池の龍」についた書かれた説明板
「満濃池の龍」についた書かれた説明板

「今昔物語」に登場する満濃池。その物語の中には、満濃池に龍神がいるという伝説があります。

今昔物語とは、平安時代末期に作られた日本や世界(今の中国やインド)の説話集ですね。

その伝説についてかいつまんで説明すると、以下の通り。

水底で休んでいた龍神は、豊作で喜ぶ人たちの声が聞こえてきました。その声に誘われて池の外へ出たくなったのですが、そのまま外へ出ると人々が驚くと思ったため、蛇の姿に変えて池の堤に出ました。

暖かな陽気の気持ち良さに、蛇の姿のままで眠ってしまい、気が付くと鷲の姿に変えた天狗に近江の比良山の洞窟までくわえて連れていかれたそうな。

満濃池の眺め
満濃池の眺め

蛇は水がないと元の龍神の姿に戻れず、蛇のままでは洞窟から脱出もままならない。そうこうしている内に、天狗はさらに比叡山の僧侶を連れ去ってきたのです。

蛇は僧侶に事情を話し、僧侶が持っていた水を振りかけてもらうことで、龍の姿に無事戻れました。

龍神は、僧侶を助けて比叡山に戻した後、京の町で法師の姿に変えた天狗を見つけ、懲らしめたそうです。その後、満濃池に戻った龍神は、今も水底で静かに人々を見守っています。

満濃池の水面
満濃池の水面

満濃池の龍神は、蛇の姿で眠っていたら天狗にさらわれてしまったなんて、少し間抜けなところがありますね。

けれど、人々が驚かないように気を使ったり、助けた人にお礼をする礼儀正しいところがあったりして、親しみやすい神様だと思います。

満濃池は人の手によって造られたものなのですが、その古さと大きさから龍神の寝床としても申し分ない。

八大龍王の祠
八大龍王の祠

「満濃池の龍」についた書かれた説明板の奥には、八大龍王の祠がある。ぜひ足を運んでみましょう。

この祠の前には、撫宝珠(なでほうじゅ)が置かれていますね。撫宝珠に願い事を念じながら撫でると、願い事が叶うのでしょう。

祠と撫宝珠
祠と撫宝珠

満濃池へ訪れた際には、豊作をもたらす龍神へ感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

満濃池の形は、Googleマップで見ると龍に見える?

Googleマップで満濃池を上から見てみると、面白いことに気が付いた。それは、龍の形をしているように見える。

これは偶然なのかは分からないけれど、水底に龍神が眠るといわれているため必然だと思いたい。

きっと人の手で造られた満濃池の形が気に入り、龍神が住み着いたのではないでしょうかね。もし、それを狙って造ったのでしたら、先人の先見の明には驚かされます。

【見所①】空海にゆかりある「護摩壇岩」

護摩壇岩
護摩壇岩

空海が満濃池の改修工事の際、東の堤防が見渡せる高台岩上に護摩壇を作りました。

その護摩壇で工事の完成を祈ったと伝わっている岩山が「護摩壇岩」ですね。

陸続きとなった護摩壇岩
陸続きとなった護摩壇岩

池の水が多い時には、島のようになりますが、水が少なければ陸続きになる。なので上陸できますよ。

興味がある方は、ぜひ上陸してみてはいかがですか。

【見所②】満濃池の守護神「神野神社」

神野神社の入口

満濃池の畔に鎮座している「神野神社(かんのじんじゃ)」。創建年代は不明ですが、一説によると推古天皇の時代までさかのぼるそうです。

ご祭神は、水波能売命(みつはのめのみこと)や天穂日命(あめのほひのみこと)など四柱をお祀りしています。

水波能売命は、満濃池ができる前にこの地にあった井戸「天真名井」の神様でしたが、満濃池が完成した際には、堤の上に遷移して守護神となりました。

神野神社
神野神社

延喜式内讃岐二十四社の一つに数えられる古社であり、鳥居は室町時代に造られたという。まんのう町内では、最古の歴史がある。

鳥居の奥に広がる満濃池の景色
鳥居の奥に広がる満濃池の景色

個人的なおすすめスポットは、鳥居を振りかえってから見る満濃池の景色。鳥居の奥に広がる満濃池の景色がきれいですね。

【見所③】満濃池を見守る空海ゆかりの「神野寺」

神野寺の入口

満濃池の畔には、弘法大使・空海が満濃池を改修したのをきっかけに建立された「神野寺(かんのじ)」があります。

戦国時代の戦火で失われ、長い間廃寺となっていましたが、空海入定1100年祭の事業として、1934年(昭和9年)に伽藍が完成し再興されました。

神野寺は、四国別格二十霊場第十七番札所なので、お遍路さんが巡る八十八霊場とは別ですよ。

けれど満濃池ミニ八十八ヶ所巡りができる。興味がある方はお試しあれ。

神野寺(本堂)
神野寺(本堂)

ご本尊は薬師如来。境内には守り本尊が祀られており、十二支によって守るご本尊が決まっている。

守り本尊
守り本尊
こけし
こけし

こちらでは、こけしを奉納するようです。奉納されていた可愛らしいこけしの姿にほっこりしました。

境内にある階段をのぼった先には、大きな弘法大使(満濃大使)の像が見て取れます。弘法大使の視線の先に注目して下さい。その先には、満濃池が広がっていますね。

弘法大使の像
弘法大使の像
満濃池の眺め

こちらも神野神社同様、良い景色が眺められるのでおすすめです。

空海の様々な伝説に触れながら、神野寺を参拝してみてはいかがですか。

【見所④】四季折々の草花が楽しめる「満濃池森林公園」

満濃池森林公園の案内図
満濃池森林公園の案内図

満濃池森林公園は、満濃池の南側に位置している香川県立の森林公園です。

春には、約3,700本の桜が咲き誇る花見の名所ですよ。ソメイヨシノを始め、シダレザクラやヤマザクラ、八重桜を楽しめます。

満濃池森林公園の様子(その1)
満濃池森林公園の様子(その1)

園内には、芝生広場やアスレチックコース、遊具などの施設があり、思いっきり走り回れる広場があるのは嬉しいですね。また、親子でキャッチボールなどをして自由に遊んでみませんか。

満濃池森林公園の様子(その2)
満濃池森林公園の様子(その2)

都道府県の森では、全47都道府県指定の30種類の県木が植えられている。遊歩道を歩けば、野鳥のさえずりが聞こえたり、木々の隙間から池が見えたりして気持ちがいい。

4月下旬には、園内の至るどころでツツジの花が咲くので、色彩豊かな風景を楽しめる。

ツツジの花
ツツジの花

さらに秋になると、メタセコイアも色づきますよ。優しい自然に身をゆだねながら、ゆったり過ごせば心身ともにリフレッシュを図れます。

本格的な讃岐手打ちうどんを食べられる「かりん亭」

かりん亭
かりん亭

満濃池の堤防のすぐ隣りには、地元の農家の奥さんたちが運営するうどん屋「かりん亭」があります。

満濃池の美しい景色を眺めながら、本格的な讃岐手打ちうどんを楽しめる。このお店の名物は、健康野菜「ヤーコン」を使ったヤーコンうどんですよ。

また、店内では、特産品のかりん飴などが販売されているのでお土産によいでしょう。

さらに日曜日になると「かりん市」という地元農産物の市が開かれます。

  • 住所 香川県仲多度郡まんのう町神野168-7
  • 電話番号 0877-75-3335
  • 営業時間 11:00~14:00
  • 定休日 水曜日、年末年始

周遊道を使って満濃池1周にチャレンジ

展望スペース
展望スペース

満濃池の駐車場の隣りには、屋根のついた大きな展望スペース(東屋)が建てられています。

ベンチに座って、満濃池を眺めてみましょう。また、東屋の前には先ほど紹介した世界かんがい施設遺産の記念碑がありました。

東屋から少し奥へ歩くと、周遊道の入口がある。

周遊道の入口
周遊道の入口

2022年4月には、満濃池森林公園を含み満濃池を1周できる周遊道が開通しています。

全長約9kmの中には、平坦路の湖畔区間や自然の中を散策する未舗装路区間、アップダウンのある山間区間がある。そのため、様々な景色を堪能できますね。

満濃池周遊道(その1)
満濃池周遊道(その1) 綺麗な路面
満濃池周遊道(その2)
満濃池周遊道(その2) 必ずしも路面が綺麗なわけではない

1周するのに徒歩で約3時間30分から4時間ほどかかりますので、時間に余裕をもってチャレンジして下さい。

こちらは、周遊道から見た満濃池の景色。

満濃池の景色
満濃池の景色

青空の下、池に映る白い雲や奥に見える緑の森がよいアクセントになり、満濃池の美しさを引き立てます。

残念ながら全コースが自転車で通行可能なわけではないので、サイクリングする場合は気をつけましょう。(満濃池南側の区間は歩行者のみ)

満濃池の基本情報とアクセス

住所香川県仲多度郡まんのう町神野
電話番号0877-73-0122(まんのう町 地域振興課)

【アクセス】

  • JR琴平駅からタクシーで約15分
  • 高松自動車道「善通寺IC」から車で約20分

満濃池の駐車場

満濃池の畔に並べて駐車できます。池側に駐車するときは、車止めなどのストッパーがありませんので、気を付けて駐車しましょう。

まとめ

満濃池の案内

日本最大のため池であり、国の名勝に指定されている満濃池。

長い歴史をもつ日本の文化財であり、すぐれた国土美として欠かすことができません。

水不足に悩まされてきた香川の人々の生活を助け、龍神伝説など今に語り継がれる歴史的逸話が残っています。

満濃池の役割りと歴史を後世に語り継ぎ、いつまでも大切にしたいですね。

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