
岡山県岡山市に隣接する海と緑豊かな瀬戸内市。
「日本のエーゲ海」と称される牛窓の景色で知られていますが、カキの養殖や名刀の故郷としても有名です。
そんな瀬戸内市は、自動車専用道路「岡山ブルーライン」が横断し、併設された道の駅「一本松展望園」にはレストランや本格的なミニ鉄道公園が整備されています。
また、一本松展望園は小高い丘陵地に建っているため、ヒルクライムと瀬戸内海の多島美を楽しめる絶景スポットなんだとか。そう聞くと、これは行くしかないでしょ。ということで、瀬戸内市巡りを行なうことにしました。
瀬戸内市巡りを行なうに当たり、備前の龍穴があると噂される貴船神社にも足を運ぶ予定です。(備前の龍穴の候補は、複数ありますね。)
本記事では、岡山県瀬戸内市を巡るサイクリングの様子をお届けします。
目次
百間川緑地公園から出発

私は今、百間川緑地公園へ来ています。サイコンで時刻を確認すると9時30分前。秋が深まる時期は、朝早くから出かけると、しんどく感じてしまう。
これは急激な気温の低下に原因があるのだろう。それに人によっては、この時期まで夏バテが残り、いわゆる秋バテになるのかも。そのため生活リズムが狂うのは嫌ですね。
さて、気を取り直して本日の最初の目的地である貴船神社へ向かいました。

貴船神社には、日本三大龍穴の一つに数えられる「備前の龍穴」があります。
実はこの龍穴は、色々と謎が多くて伝承が途絶えているため、はっきりとした場所は解明されていません。そのためか、その候補はいくつもあるという。
有力な候補は、瀬戸内市にある貴船神社と湯次神社ですよ。湯次神社は以前お詣りに訪れたので、くわしくはこちらの記事で紹介します。
貴船神社の本殿下には、コンクリートで塞がれた龍穴があるとのこと。これには興味津々。そこから地上へエネルギーをあふれているので、そのパワーに是非ともあやかりたい。
龍穴について思いを馳せていると、自転車のペダルを漕ぐ足取りも、より軽やかに感じました。


しばらくの間、東へ向けて土手を道なり進んでいると、庄内川水門を発見。そこから土手を離れて、一般道へ入ると庄内川沿いに整備された道を北上した次第です。
そして法華寺近くある橋を渡ると、道なりに東へ向かいます。その後、飯井宿線(県道83号)へ合流して東へ進むと長船町へ入りました。

長船町は、かつて全国一の刀剣生産量を誇った日本刀の聖地として有名ですね。町内にある備前長船刀剣博物館は、刀剣ファンが足を運ぶ観光地として知られています。
私も訪れたことがありますが、鎌倉時代から続く「備前刀」を中心にして見どころが多かったかな。また、敷地内にある鍛刀場では、決まった日に職人による古式鍛錬を見学(有料で事前予約要)できるのも面白い。
古式鍛錬は、人気アニメ「鬼滅の刃」のシーンで見たことがある人も多いだろう。日本刀の素材となる「玉鋼(たまはがね)」を1200~1300度の高熱で溶かして大槌で叩き、不純物を取り除きながら強度や刃の質を高める伝統的な技法ですよ。
まさしく「ザ・職人」と思わせる光景ではないだろうか。

刀剣について考えていると、いつしか風景は切り替わりのどかな景色に。のんびりと自転車を走らせながら、このような景色を眺めていると癒されます。
貴船神社は、長船町の南側に位置する邑久(おく)町にあるので、箕輪尾張線(県道223号)を疾走し南下しました。

そして、ファミリーマート邑久山田庄店前を左折して、約500mほど東へ進むと貴船神社の入口が見えてきた。さて、ここからが第1の試練です。
というのは、貴船神社は高台にあるので、少し厳しめのヒルクライムが待ち構えています。
貴船山をヒルクライムして、龍穴のある貴船神社へ

標高約50mほどの貴船山山頂にて、貴船神社が鎮座しており、そこまでの距離は約500mほどです。距離自体は短いのですが、容赦のない激坂が襲ってきます。
そのため自転車のギアは、早々にインナーローにしっぱなし。サイコンへ目を向けると勾配が15%と表示されることも。体感的に10%を越えていることは分かっていましたが、このような数字を目の当たりにすると、心が折れる人も出てくるだろう。
適度な道幅で路面はきれいなので走りやすいですね。車やバイクならば快調に走れると思います。サイクリストであれば、このような劇坂が現れると主な反応は2通り。ゲンナリするか心が燃えくるものだ。
どちらにしても諦めるという選択肢はないでしょう。ということで、「やってやるぜ!!」と心の中で叫び、黙々と上り続けました。最期はダンシングで上り切り、駐車場へ到着。ふっ~、疲れたぞ。


山頂は邑久ふれあい広場となっていて、芝生広場の中にベンチが設置されています。ここでお弁当を食べると気持ちよさそう。桜の木がたくさんあったので、桜シーズンにくるのがベストだろうな。
後日調べてみると、桜以外にも沈丁花や山茶花、ロウバイ、こぶし、ハナミズキ、モッコウバラなど多種類の花木が植えられていて、四季を通して楽しめるそうです。まさに知る人ぞ知る花の名所といったところか。
駐車場から広場の脇道を約150mほど歩くと、貴船神社の社殿が見えてきました。


貴船神社は、水の供給を司る高龗神(たかおかみのかみ)をお祀りしています。京都の貴船神社から分霊をお迎えした水神様なんだそうな。ご利益には、「交通安全・商売繁盛・家内安全・祈雨」などが期待できるという。
農業や生活に欠かせない水神様ということで、古くから篤い信仰を集めているそうです。


本殿へ向かうと、床下はコンクリートで塞がれています。このコンクリートの下に龍穴があるかと思うと、ドキドキですね。
コンクリートの前には立札が掛けられており、そこには「直接手で触れず手をかざして下さい」と書かれていたので、その通りに行ないました。
すると、何だか手のひらにパワーが集まってくるような感じがするかな。聞くところによると、親指と人差指で円を作って龍穴前に立つのも良いみたい。いわゆるチャクラのポーズですね。
そもそも備前の龍穴といえば、日本三大龍穴の一つに数えられる存在です。龍穴からあふ出るパワーを授かるため、参拝する人が多いというのも頷けました。

また、本殿の奥へ歩くと磐座があるではないですか。このことから、かつてこの場所が古代の祭祀跡地だったことが分かります。磐座前には、小さな祠もあるぞ。

さらに境内にはたくさんの境内社があり、その中の一つには稲荷神社があります。小さな神狐がたくさん奉納されていて、きれいに並んでいるのが印象的ですよ。
普段、貴船神社は無人みたい。しかし、私が訪れた時は神社の関係者に偶然お会いできたので、色々とお話を伺えました。その中で「龍の道」の話が出てきて「あっ」と思うことに。

というのは、風水において龍の道といえば、大地の気が流れるルートのこと。龍穴に密接に関わるパワースポットです。龍穴があれば龍の道があるのも至極当たり前なので、これはうっかりとしていたかな。
本日は車道から来たのですが、これとは別に旧鳥居から本殿に向けて伸びる道があるという。それが龍の道のようだ。境内を一通り見て回った後で龍の道を見に行きましたが、道幅が狭いので車が通るのは無理そうです。
もちろん興味があったので、駐車場へ戻ると貴船山を下山して龍の道入口を探します。


すると、それらしき場所を住宅地にて発見。位置関係からみて、龍の道入口に間違いなさそうです。(100%の確証がある訳ではないですよ。)特に周囲には案内板がないので、これは気付かない人が多いだろうな。
それに住宅地なので、周囲には駐車場がありません。なので、ここから登る人は近所の人以外では、いないのではないかと思いました。

せっかくなので、少しだけ龍の道へ入って見ると、路面の状態が悪すぎる。自転車でも不可能ではないみたいですが、結構厳しいと思います。
本日はすでにお詣りを終えていますので、次回訪れる時は龍の道からチャレンジしたいですね。
牛鬼のオブジェと錦海湾の風景

貴船神社を後にして、瀬西大寺線(県道224号)へ合流すると、しばらくして南下して牛窓町へ入ります。
道の駅「一本松展望園」へ向かうには、少し遠回りとなりますが、錦海湾へ少しだけ寄り道。そこでは、瀬戸内海の多島美と共にカキ筏が浮かぶ、瀬戸内海らしい穏やかな風景を楽しめます。
ということで、錦海湾を目指して軽やかに自転車のペダルを漕ぎ続けました。


道中にビックリマークの警戒標識を発見。これは珍しい、国内でも設置数が少ないレア物ですよ。
この標識は、「その他の危険」を表しており、良くあるのは、補助標識にて「この先行き止まり」や「落木注意」などで車の運転に注意を促しています。
そのような標識ですが、ふと面白い話を思い出しました。実は心霊スポットにも設置されていたりするとか。本当かどうかは分かりませんが、オカルトに興味がある人にとっては食いつく話でしょうね。
補助標識が付いていなかったので、特に注意して運転した方が良い場所のようです。ということで、慎重に自転車を走らせました。

備前牛窓線(県道39号)を疾走していると、右手側に見えてくるのが「牛鬼」のオブジェです。いろんな部材をかき集めて作られたその姿は、インパクトが抜群すぎる。
その姿に思わず自転車のスピードを減速させてしまいます。なるほど、スピードを出しやすい場所にあるので、そういう意味では効果があるのかも。(狙っているのかは分かりませんが・・・)
牛鬼とは、鬼の顔と牛の胴体を持つ西日本に伝わる妖怪です。このオブジェは、鬼というより牛の頭ですが、細かいことは気にしないように。(笑)
牛窓町には古くから牛鬼伝説が伝わっているので、このようなオブジェがあっても不思議ではないですよ。牛鬼のオブジェに別れを告げ、道なりに備前牛窓線を東進します。



しばらくして牛窓邑久西大寺線(県道226号)へ入ると、そのまま道なりに東へ進み錦海湾へ辿り着きました。そして、向かった先が締切堤防の堤頂部です。堤頂部は歩行者と自転車のみが通行可能なので、車は入れません。
海から陸へ向けて吹く潮風が気持ち良い。そもそも潮風には、ミネラル成分が肺を浄化する効果があるという。それに瀬戸内海らしい景色が広がっていて、見ているだけで癒されます。

錦海湾の湾口部は、昭和30年代に全長1.8kmの締切堤防が築かれており、東西に2.8km、南北に1.8kmのエリアにはかつて塩田がありました。
この錦海塩田は、昭和46年の法改正により伝統的な塩田が全て廃止されるまで約10年ほど運営されたそうです。今では、塩田跡地に国内最大級の太陽光発電所が稼働しています。
これだけ長い堤防があっても地盤が周辺の海水面より低いため、地中から少しづつ海水(1日約3万トン)が流入しているそうな。そのため常にポンプで排水を続けていないと、干拓地は水に浸かってしまうのだから大変ですね。
錦海湾の堤防から道の駅「一本松展望園」までは約2.5kmほど。特に急いでいる訳でもないので、堤頂部の終わりまでゆっくりと散策して、瀬戸内海の景色を楽しみました。
道の駅「一本松展望園」から望む多島美

錦海湾を後にして、西側へ少し向かうと虫明長浜線(県道225号)へ合流。合流ポイントは四叉路となっており、その一つが小高い丘陵地に整備された道の駅「一本松展望園」へ続いています。
この四叉路の近くには、錦海化学株式会社の工場があるので目印に丁度良いかも。それに、工場群を見かけるとワクワクしませんか。規模にもよりますが、近未来的な美しさを感じてやみません。
特に夜間に見るコンビナート群が建ち並ぶ姿は幻想的ですね。

それでは、丘陵地へ向けてヒルクライムの開始だ。これが第2の試練ですね。上り始めからいきなり勾配11%が続く激坂区間となっており、かなり厳しい。中間区間へ入ると、次第に勾配が収まってきて6%前後になりました。
いきなり勾配が小さくなるのだから、6%といえども精神的にかなり楽に感じます。もう、鼻歌交じりですよ。(笑)

そして、頂上付近になると8%前後の勾配が襲ってきましたが、距離は短いのでダンシングで一気に駆け上ります。
四叉路から頂上までは約1.2kmほど。本日2度目のヒルクライムとなりましたが、中々の強敵だったかも。どちらも距離こそは短めでしたが、10%を越える勾配が続くのはしんどいですね。その分、上り終えた後の達成感や充実感がありました。

道の駅へ到着すると、レストランで少し遅めの昼食を取りながらしばし休憩します。このレストランでは、カツ丼やカレー、ラーメン、パスタなど豊富なメニューが素晴らしい。
特にオムライスが人気のようです。残念ながら私が訪れた時は、オムライス関連のメニューが全て売り切れでしたので、ここは私が良く食べる定番のから揚げ定食を選びました。

うん、この安定した美味しさが良いですね。それに安価で満足感のある食べ物なのも人気の秘密だろうな。
特に自転車で走った後は、走った分のカロリーを確実に補給できる高タンパク・高エネルギー食なのも素晴らしい。まぁ、食べすぎには気を付けなければなりませんが・・・
お腹を満たし終えると、展望台へ向かいました。



お~、遠くに見える瀬戸内海の風景がいい感じ。海面にはカキ筏が浮かんでいるのが分かります。
一本松展望園は、岡山県内の日の出スポットの一つとして有名なんだそうな。確かに海に浮かぶ島々と水面を輝かせる朝日のコラボは、見応えがあるだろう。
また、ミニ鉄道公園の奥にも展望台があるということで、そちらにも足を運びました。


眼下には玉津港が見え、周囲には邑久町や牛窓町などの風景が広がります。そして、前島や小豆島、家島諸島の島々が浮かぶ瀬戸内海の多島美に拍手喝采を贈りたい。
まさに絶景スポットですね。岡山ブルーラインの沿道に併設された道の駅なので、ドライブ中に訪れる人が多いだろうな。
私のように自転車で訪れるのは、まちがいなく少数派に違いありません。しかし、サイクリストであればちょっとしたヒルクライムを楽しんだ後で、絶景というご褒美が待っているため、足を運ぶ理由としては十分だと思います。


ちなみにミニ鉄道公園は、土日祝日のみの営業です。小さな遊園地ですが、子供さんが楽しめる乗り物もいっぱい。一本松展望園は、レストランや土産物、地元の新鮮な野菜を販売しているので、家族で訪れるのにも良い場所ですね。
しばらくの間、一本松展望園内で景色を眺めながら過ごすと、帰路へつきました。
まとめ

本日は、爽やかな秋空が広がるサイクリング日和の1日でした。
貴船神社では、本殿の真下にコンクリートで塞がれた龍穴があり、そこから地上へエネルギーが湧き出ているといいます。そのエネルギーを全身で受け止めると、なんだか良いことが起こりそうな予感がしましたね。
また、道の駅「一本松展望園」へ向かう道中では、錦海湾の風景や小高い丘陵地のヒルクライムを楽しめて満足度が高かったです。
道の駅へ到着すると、展望台から望む瀬戸内海の景観に癒されました。穏やかな瀬戸内海には、たくさんのカキ筏が浮かび、多島美と共に里海の情景をいつまでも見ていたかったです。
さて、次回は香川県坂出市から旅を始め、高松市にある五色台スカイラインへチャレンジするぞ。標高約400mの高台へ向かう山岳道路であり、勾配が10%を超える本格的なヒルクライムを楽しめます。
さらに瀬戸内海の絶景スポットとしても有名なので、どのような景色が見られるのか楽しみですね。



