
兵庫県を巡る自転車旅の2日(最終日)は、加西市から出発して加古川市を通過し、高砂市へ向かいます。
1日目は生野銀山の観光がメインでしたが、本日の観光は少なめ(1日目はこちらの記事で紹介)。かといって、100kmを越える長距離を走る訳でもありません。
豊かな自然の中に整備された「加古川右岸自転車道」というサイクリングロードを走りたいと思います。本日の走行距離は、約50kmの予定かな。なので、あまり時間を気にせず、のんびりと走る予定ですよ。
また、「soraかさい」へ立ち寄り紫電改(レプリカ)を見物したり、生石神社へ訪れて日本三奇の一つに数えられる「石の宝殿」を参拝するぞ。さて、どのような出会いがあるのか楽しみ。
本記事では、加西市から高砂市へ赴く自転車旅の様子をお届けします。
目次
北条町駅から旅立つ

私は今、加西市の玄関口となる「北条町駅」に来ています。時計をみると時刻は8時30分頃です。最近は8時から9時の間で旅立つことが多く、朝はベットでゆっくりと過ごしている時間が多いですね。
北条町駅は、商業施設が集まる中心街にあり、1日の利用人数は約400人ほど。北条鉄道の全駅の中でもっとも乗降客数が多いそうです。
通勤の時間帯は7時から8時ということもあり、駅前ではほとんど人を見かけませんでした。そのような中、ふと駅構内へ目を向けると爽やかなグリーン色が目を引く列車を発見。俄然興味が湧くことに。


こちらがその列車です。ご当地キャラクター「ねっぴー」がラッピングされた可愛らしいデザインがGood。旅立つ前から良いものを見られました。
ちなみに、奥には国鉄時代の名車「キハ40形」が見えています。
少し調べたところ、北条鉄道には「おでん列車」「かぶと虫列車」「イルミネーション見学列車」「サンタ列車」など名物イベント列車が目白押し。特に鉄道ファンでなくても、気になるのではないでしょうかね。
鉄道見学を終えると、よいよ旅の開始です。三木中央線(県道23号)を南下しながら、歴史博物館「soraかさい」を目指します。


しばらく道なりに進んでいると、空の上をゆっくりと浮かびながら移動している熱気球を発見。思わず「気球だ!!!」と声が出ました。
こういうのを見かけると、自然にテンションが上がります。


実は加西市は、全国でも珍しい「気球が飛ぶ町」なんだとか。毎年11月から5月の農閑期を中心にして、多くの熱気球を見られるそうですよ。
ということは、加西市では日常の光景なんだろうな。私は一度も熱気球に乗った経験がないので興味津々です。しばらくの間、自転車を停めて熱気球の生末を眺めていました。

熱気球に乗って飛んでいる様子を思い描き南下を続けていると、芝生広場にて航空機が突然現れてビックリ。
先ほどの鉄道や熱気球と言い、本日は朝から予想外の発見が重なりますね。

案内板によると、こちら航空機は海上自衛隊の練習機「SNJ-5」のようです。どうやら、この辺り一帯には、鶉野(うずらの)飛行場の掩体壕(えんたいごう)があったそうですね。
掩体壕は、昭和20年に入り本土決戦に備えて55箇所も造られたといいます。連合軍の激しい攻撃の中、海軍585設営隊が完璧な作業を行なった結果、掩体壕の中に隠された航空機は、1機も破壊されることなく無傷で残されました。
では、その後の航空機の足取りが気になるところですが、特に案内板には説明されていなかったので不明です。



この掩体壕には、当時の貴重な機体を隠すため、木の枝や葉で覆い保存したそうですよ。確かにそうすれば、高空からでは航空機とは見分けが付かないでしょう。
戦争はするべきものではありませんが、日本のために戦いお亡くなりになられた人たちに対して、感謝の気持ちを忘れてはならないと思います。
たまたまこの場所にて、お会いした地元の人と20~30分ほど談笑しつつ、戦争遺跡や地元のお祭りなどの話を色々と教えてもらいました。(ありがとうございます。)
soraかさいで紫電改を見学して鶉野飛行場の跡地を眺める

掩体壕の跡地から約800mほど進むと「soraかさい」へ到着しました。普段は館内にて紫電改(レプリカ)を展示していますが、定期的に建物の入口前でお披露目しています。
以前訪れた時は、丁度室外に展示されていて、機体とは別にコクピットブースもあり、搭乗体験できたのを良く覚えているぞ。(以前、soraかさいへ訪れた自転車旅はこちらの記事で紹介)
早速館内へ入ると、目の前には紫電改と97式艦上攻撃機のレプリカがありました。


紫電改を知らない人もいると思うので簡単に紹介すると、あの有名な零戦に変わる旧日本海軍の次期主力制空戦闘機です。
大平洋戦争の末期、旧日本海軍の切り札として配備されました。その活躍を目覚ましく、「紫電改最強伝説」があるほどですよ。
この戦闘機が2~3年ほど早く配備されていれば、戦況の変化も期待できたでしょう。
当時の日本とアメリカでは国力が桁違いなので、最終的には史実と同じように敗戦した可能性が高いですが、今とは違った結末になっていたのかも知れません。
一方、97式艦攻(97式艦上攻撃機の略名)は胴体に魚雷をぶら下げて、空母や戦艦などの艦船に対して雷撃を駆ける航空機です。

実物大の九一式航空魚雷(レプリカ)も展示されており、旧日本軍に配備されたほぼ唯一の航空魚雷だったのこと。炸薬量は235kgもあるという。
これほどの威力があれば、発電所の重要設備や空港の滑走路などを修復困難なレベルで破壊できるので、船舶ならば一撃で致命傷や航行不能になりかねません。

しばらくの間、館内を見学すると、鶉野(うずらの)飛行場の跡地へ訪れました。第二次世界大戦当時のコンクリート滑走路跡は、全国的にみても貴重な戦争遺跡です。
昭和19年に長さ800m、幅40mが完成して、翌年に長さ1,200m、幅60mに拡張されました。かつて、この滑走路から川西航空機姫路製作所鶉野工場で組み立てられた戦闘機「紫電」や「紫電改」が飛び立っていたのかと思うと胸アツです。

鶉野飛行場の跡地に沿って南下していると、飛行場内に熱気球を発見。先ほど空に見かけたのとは違うもののようです。こういうのを見かけると、いつか絶対に乗りたいという思いがフツフツと沸き起こりますね。
私が在住する岡山県内でも牛窓オリーブ園にて熱気球体験ができるのですが、年間の回数は少なく早朝に限定して開催されています。朝6時頃から9時頃まで搭乗可能で、予約できず先着100名程度なのが個人的にネックかな。なので、参加するのが厳しいです。
県内に拘ってはいないので、どうすればベストなのか、一度真剣に検討してみたいと思います。
加古川右岸自転車道を征く

自転車のペダルをゆっくりと回して、田園風景の中を駆け抜けます。しばらくすると、小野香寺線(県道81号)へ合流し道なりに南下。
そして、北条鉄道の田原駅前を通過して、下里川に架かる橋を渡り玉野倉谷線(県道716号)へ入りました。
その後、倉西西交差点を左折して高砂北条線(県道43号)を南下すると、細工所北交差点を左折後に道なりに進めば、志方東公園へ辿り着きます。
周囲の豊かな自然を横目にしながら、鼻歌交じりに県道を突き進む足取りの軽いこと。まぁ、本日はのんびりとサイクリングする予定なので、いつもよりスピードは遅めです。




今年(2026年)は桜の開花が全国的に平年よりかなり早いようで、3月下旬ともなれば、ほぼ満開に咲き誇る地域もありました。
個人的に今年は、例年より長い間、花見を楽しめたのが嬉しかったですね。

志方東公園へ到着すると、管理棟で少し休憩。ここまで来る途中にトイレに行きたかったのですが、道中にはコンビニや商店などがなく、突然もよおす尿意との闘いとなりました。
そのため、志方東公園で管理棟を目撃した時の嬉しさは格別です。(笑)
さて、加古川右岸自転車道はこの志方東公園から始まります。本来の起点は高砂海浜公園(高砂市)であり、志方東公園(加古川市)へ向けて加古川の右岸沿いを走るサイクリンロードですね。
けれど志方東公園を起点にすると、下り基調から始まり平坦路に入るので、より楽に走れます。なので、志方東公園から始めるのは十分にアリですよ。
ということで、いざ加古川右岸自転車道の攻略開始に向けてレッツゴー♪



道中には、権現ダム周辺の壮大なパノラマや、のどかで素朴な田舎の田園風景など豊かな自然がいっぱい。

特に権現ダムの堤体にソーラーパネルを固定した発想には驚きました。これって、世界的にみても珍しいですよ。
せっかくサイクリンロードを走るのだから、のんびり走らないのはもったいない。本日は最初からのんびり走ろうと考えていたので、遅めに走るママチャリと同等のスピードで進みます。


また、気になった場所に足をとめて見物するのはいつものこと。そのためか、思った以上に高砂海浜公園へ辿り着くのに時間がかかりました。
けれど、このような時間の使い方というのは、ある意味贅沢ともいえるだろうな。それに満足感が半端ないですね。
加古川右岸自転車道については、下記関連記事でくわしく紹介します。
謎多きパワースポット・生石神社へ赴く

高砂海浜公園を後にして、本町通りを北上していると、本町商店街のアーチ看板を目撃。こういうのは、地域ごとに個性があって面白いですね。私と同じように、気になる人も少なくないのではないでしょうかね。
高砂町南本町や北本町を通過して、最期の目的地である「生石神社(おうしこじんじゃ)」を目指します。生石神社には、日本三奇の一つに数えられる「石の宝殿」があり、巨石でできたこの神社の御神体ですよ。
この巨石は、水面に浮かんでいるように見えることで知られるパワースポットということで、前々から興味がありました。なので、実物を見るのが楽しみですね。

明石高砂線(県道718号)を道なりに北上し、法華山谷川に架かる千鳥大橋を渡り終え、その先にある伊保交差点を右折します。それなりに交通量が多いので、初心者には注意が必要かな。
しかし私はベテランの端くれ。多少の交通量ではぜんぜん気にもしません。だからといって油断することなく、マイペースで安全運転に努めます。
その後、伊保宝殿停車場線(県道391号)を北上していると、突然それが目の前に現れました。

それがこちらの竜山の山肌です。どうですか、凄いでしょ。岩肌が垂直に切り立った独特の景観は、遠目からでも迫力を感じます。
竜山地区は、古代から今も続く現役の採石場なんだそうな。ここで産する竜山石(たつやまいし)は、加工が簡単で美しい発色を持つ希少な凝灰岩とのこと。
大王や豪族の石棺を始め、現代の建築や造園資材などに使われていますね。
竜山交差点を渡り、伊保阿弥陀線(県道392号)の緩やかな坂道を上り続けていると、生石神社へ辿り着きました。


生石神社は宝殿山山腹に鎮座しているため、境内から高砂市街を一望できます。また、裏山となる山上公園(山頂)へ登ると、より遠くまで見渡せるのがGood。
天気がよければ遠くには、淡路島へ向けて架かる明石海峡大橋が見えることも。パワースポットだけでなく、絶景スポットにもなっています。
まずは拝殿へお詣りして、その奥にある「石の宝殿」へ向かいました。3方は岩壁に囲まれてた中に、佇む巨石の存在感は圧倒的。思わず最敬礼をとりたくなりましたね。


日本最古の地誌「播磨国風土記」によれば、「大石」の名で記されていて、全国で類をみない特異な構造物なんだとか。人知の及ばないものとして、信仰の対象となりました。
明かに人工物と分かりますが、誰がいつ何の目的でこのような物を造ったのか、未だ解明されてないそうです。いつの日か、その正体が判明するのを期待しています。
生石神社を後にすると、宝殿駅へ向かい帰路に付きました。
えっ、結局「御神体は水面に浮かんでいるように見えたのか?」ですって。それも含めて生石神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ

2日間に渡る兵庫県を巡る旅でしたが、まだ県内にはたくさんの見どころがあるので、今後も色々と見て回りたいですね。
私のベースとなる岡山県の隣にある県ですが、兵庫県は北部は日本海に面し、南部は瀬戸内海に面するほど広々とした面積を誇ります。そのため、「日本の縮図」と呼ばれるほど南北では、気候や地形が全然違いますよ。それに加え、文化が全く異なるのも面白いですね。
本日は、自然豊かな加古川右岸自転車道をゆっくりと自転車で巡りました。風光明媚な海辺の公園「高砂海浜公園」や大規模なソーラーパネルの景観、奥新田西古墳など魅力的なスポットへ足を運びながら堪能していた次第です。
兵庫県内には、地域の特性に合わせた多彩なルートが多くあるようなので、また機会を作っては訪れたいと思います。


