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旅の体験談

松山市のレトロな港町「三津浜」を巡る、三津の渡しや町並み散歩で旅情を味わう

「三津浜」の紹介サムネ

愛媛県松山市の観光スポットといえば、道後温泉や松山城を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。西側へ目を向けると、古くから松山の海の玄関口として栄えた「三津浜」があります。

古民家や擬洋風建築などのレトロな町並みが今も残り、1400年以上の歴史を誇る「三津厳島神社」が鎮座する雰囲気の良いエリアです。そのような場所のため、散策しているとノスタルジーを感じてやみません。

特に三津浜を象徴する渡し船「三津の渡し」を体験しよう。室町時代から続く歴史ある乗り物ですよ。無料で楽しめるプチ船旅にて、港町の風情を楽しんで下さいね。

本記事では、思わずカメラのシャッターを切りたくなる魅力的な港町「三津浜」を紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 愛媛県松山市へ観光する予定がある
  • 古い町並みが好き
  • 三津浜の町並みや三津の渡しについて知りたい

三津浜とはどんなところ

三津浜の町並み
三津浜の町並み

三津浜は、愛媛県松山市の三津・古三津・住吉・神田・高浜など複数の町からなるエリアです。古くは「三津(みつ)」と呼ばれていました。

明治から昭和初期まで海運の要衝として大きな発展を遂げ、最盛期には、映画館・芝居小屋・競馬場・遊郭など様々な施設が建ち、たいそう賑わっていたそうですね。

現在の三津浜は、穏やかな潮風が香る静かな港町。当時の繁栄を感じさせる町並みが残り、古い建物を改装した古民家カフェやレストラン、雑貨屋など魅力的なお店が集まっています。

アートがあふれるレトロな港町を巡る

三津駅
三津駅

三津浜を巡る旅の起点となるのは、伊予鉄道高浜線の三津駅です。

四国で最も早く開業した歴史ある鉄道駅の一つ。鉄道ファンであれば、おさえておきたい。三津浜地区の交通の要所ですね。

駅舎の外観を見てみると、どことなく可愛さを感じるレトロな洋風建築がいい感じ。思わずパチリと一枚撮ってしまいました。エントランスには、三津浜花火大会をモチーフにした美しいステンドグラスがあります。

私が訪れた時間帯は、まだ朝が早いこともあり、人影がまばらでした。だがしかし、それはカメラ撮影がしやすいとも言えるかも。それでは、早速三津浜巡りの開始です♪

三津浜商店街を歩く

三津駅前にある住吉橋を渡る
三津駅前にある住吉橋を渡る

駅前のロータリーの直ぐ西側には川が流れていて、目の前の交差点前には住吉橋が架かっています。まずはこの橋を渡ろう。すると、目の前には既に三津浜商店街が見えるのが分かるでしょう。

この商店街周辺には、趣きのある古い建物が軒を並べ、壁画アートが描かれているのでカメラを片手に町歩きを楽しんで下さいね。

三津浜商店街
三津浜商店街

特徴的な石畳の通りには、美味しいかき氷で評判の喫茶店を始め、食事処や金物屋、パン屋などが軒を並べています。

個人的には、伝統的な郷土料理・じゃこてんが大好き。じゃこてん屋もありましたが、まだ営業前でした。(トホホ)

じゃこてんとは、愛媛県のソウルフードの一つ。魚のすり身を平たくして油で揚げたもので、少しジャリッとした独特の食感がクセになるかも。愛媛へ訪れると良く食しています。

普段からシャッターが閉まった店舗もそれなりにあるみたい。近年、アートやリノベーションによるお洒落な店舗が増えているそうですね。

シャッターアート(三津の魚市場)
シャッターアート(三津の魚市場)
シャッターアート(三津の渡し)
シャッターアート(三津の渡し)

商店街の楽しみ方の一つは、シャッターアートではないだろうか。描かれていたのは、三津の魚市場や三津の渡しなど地元の情景です。このような風景が描かれるのは、何だか良いよね。

辻井戸
辻井戸

しばらく歩いていると、「辻井戸」と呼ばれる井戸を発見。こちらの井戸は、松山藩主が御船手を配備した際に、彼らの専用水として掘られたものなんだそうな。

明治時代以降、庶民の飲み水として昭和4年頃まで使われていたそうですよ。今は水くみ場や生活用水として使われておらず、小さな公園になっています。

商店街の出口までは歩いて約20分ほど。商店街と交わる細い路地も生活感があって、温もりを感じました。

趣きのある洋館「旧濱田医院」

旧濱田医院
旧濱田医院

商店街の通りから一本南側は、木壁や土壁が残る旧医者町通りです。そこには、三角屋根が特徴的な「旧濱田医院」が建っています。

こちらの病院は、大正時代に建てられた旧産婦人科を、1年半かけてリノベーションしました。今では町の観光名所として、三津浜の歴史を紹介する展示室やアーティストなどのアトリエとして利用されています。

また、館内見学もできるとのこと。10時から17時に営業されていて、定休日は水・木曜日。興味がある方はぜひ中へ入って見学して下さいね。

聞いた話ですが、十数年の間、空き家になっていた時期があり、その朽ち果てた姿は近隣ではお化け屋敷と呼ばれるほどでした。そういう話を知っていると、見事に復活を遂げたレトロ洋館の姿は誇らしく感じます。

歴史を感じさせる町並み

河野家住宅
河野家住宅

商店街の通りを西へ向けて歩いていると、見えてくるのが河野家住宅です。江戸時代後期の建物だそうで、三津浜で最も古い船具屋とのこと。

「つし二階」と呼ばれる二階建ての建物で、思わず足をとめてしまうほど、歴史を感じさせますね。「つし」とは屋根裏の物置場所なんですって。

案内板によると、岡山や九州などから漁具を買いに来た漁師たちは、この店で茶を飲みながら1~2時間も風を待っていたと言われています。

山谷家住宅
山谷家住宅

河野家住宅の隣に建つのは、山谷家住宅です。この建物も江戸時代後期の建物で、こちらでは運送業を営んでいました。河野家住宅同様に、見た感じは十分に今でも住めそう。

白壁が残る路地の雰囲気良し
白壁が残る路地の雰囲気良し
森家住宅
森家住宅

こちらの森家住宅を見て下さい。2階の緑青の壁面が目を引くでしょ。思わず二度見してしまいました。

1階正面の柱間下部は御影石で固めており、2階の壁面や軒裏の全面は美しい銅板で覆われているのが特徴的。国の登録有形文化財に選ばれています。昭和4年に建てられた萬問屋なんだそうで、精米・精麦業を営んでいました。

今では、鯛めし専門店「鯛や」として営業されていて、2階の「三津濱資料館」では当家に残る三津浜に関するたくさんの品々を展示しているとのこと。う~む、これは見たかったですね。

旧鈴木邸
旧鈴木邸

歴史ある建物が建ち並ぶ中、三津浜港へ向けて歩いていると旧鈴木邸を発見。2階の軒までしっかりと塗込められており、3つの大きな格子窓が目を引きます。

明治末期から大正期に建てられた築110年以上の趣きのある元米穀商の建物ですよ。登録有形文化財に選ばれており、一般に開放されたのは2022年頃と比較的新しい。今はカフェを営業しています。

手作りのおはぎやぜんざい、あんみつ、日本茶などの和スイーツを堪能しよう。町並み散策中にふらっと立ち寄り、休憩するのに丁度良いですね。

また、宿泊施設を兼ねているとのこと。古民家暮らしが体験できるので、興味がある方はチャンスですよ。

石崎汽船旧本社ビル
石崎汽船旧本社ビル

旧鈴木邸から西側の2本目の通りでは、石崎汽船旧本社ビルを見つけました。歴史と重厚さを感じさせる佇まいがいい感じ。バルコニーやレリーフなど洋風の意匠が見て取れます。

大正13年に建てられた本ビルは、当時としてはハイカラな建物だったみたい。愛媛県庁や重要文化財の萬翠荘を手掛けた建築家・木子七郎氏が設計しました。

三津浜は、江戸時代初期に加藤嘉明(かとう よしあき)が港を整備して以降、栄え続けてきた町。しかし、1970年代から1980年代にかけて交通網の変化により、本格的に衰退していきました。近年では戦災や近代の大きな開発を免れた町並みが再評価されています。

街角を彩る大きな壁画アートにご注目

渡し船から見た風景
渡し船から見た風景

町中を歩いていると、突然目の前に現れる壁面アートに驚きます。多くのアーティストたちの手によって描かれた壁面アートは、どれもこれも三津浜の美しい風景ですね。

たとえば、旧問屋街のとある建物の壁には、渡し船(三津の渡し)に乗って、そこから眺めた風景を描いています。こちらは、画家でありダンサーでもある上村菜々子さんが描いた作品。どうですか、リアルな描写で迫力満点でしょ。

花火の音が聞こえてきそう
花火の音が聞こえてきそう

こちらは、三津浜の夏の風物詩である花火大会の様子を表したもの。古民家をリノベーションした三津浜DOONの建物の壁に大きく描かれています。

鮮やかな色使いとダイナミックな表現がGood。眺めていると、大輪の花火がはじける音が今にも聞こえてきそうですね。こちらの作品は、松山を拠点に活動するアーティスト・海野貴彦さんが手掛けました。

このような壁画アートが、三津浜地区に全部で5カ所あります。港山方面から三津に向かう渡し船やノスタルジックな港山の風景などが描かれているので、ぜひ見て回って下さいね。

地元の人たちが、アートで町を盛り上げようとしている様子が伝わるので、応援したくなりました。

かつて運行していた「松電」の証

松山電気軌道記念碑
松山電気軌道記念碑

鉄道好きであれば、こちらの「松山電気軌道記念碑」が気になるだろう。

松山電気軌道とは、明治末期から大正時代に愛媛県松山市で路面電車や電気事業を営んでいた会社です。通称で「松電(まつでん)」と呼ばれていました。

三津浜から松山市中心部・道後を結ぶ約10kmの路線を運行していたのですが、既存の伊予鉄道とはほぼ同じルートだったみたい。そうなると必然的にライバル関係になるのは自明の理ですね。

松山電気軌道の路線図
松山電気軌道の路線図

地域において圧倒的な基盤を持つ巨人・伊予鉄道と激しい競争を繰り広げた結果、軍配は伊予鉄道の手に。約10年間運行を続けましたが、1921年に伊予鉄道に吸収合併され幕を閉じました。

かつて三津浜の財界人や住民たちが、衰退していく地域を発展させるために自ら資金を出し合い、町の未来を託した事業だったという。この記念碑は、かつて実在していた路線の歴史を今に伝える貴重なシンボルです。

海の道路「三津の渡し」でプチ船旅

三津の渡しの乗船場所(港山側)
三津の渡しの乗船場所(港山側)

三津浜を訪れたら、ぜひ体験して欲しいのが「三津の渡し」と呼ばれる渡し船です。三津浜地区と港山地区を結ぶ約80mのプチ船旅を楽しめます。

この渡し船は、500年以上も運行されていてその歴史はかなり古い。それに勘違いされやすいですが、ここは航路ではなく「道路」なんですって。正式には「松山市道高浜2号線」と呼ばれる非常に珍しい海上を走る市道ですよ。

今でも市民の足として地域住民に活用されています。せっかく観光に訪れて、このような珍しい渡し船を体験しないのはもったいない。それに無料というのも魅力的です。

スイッチを押すと渡し船がやってくる
スイッチを押すと渡し船がやってくる

三津の渡しは、年中無休で7時から19時まで運行されていて、特に時刻表はありません。時間内であれば、こちらのスイッチを押すと操舵室へ連絡が届き、渡し船がやってくる仕組みとなっています。

たとえ一人でも乗せてもらえるのでご安心を(定員は13名)。それに加え、自転車も運んでもらえるのは便利です。

三津浜側から出発して、港山地区へ到着後に直ぐに戻るのは、申し訳なく思う人はそれなりに多いと思います。そこで、三津駅の隣駅となる港山駅で下車して、この渡し船に乗って三津浜へ向かうと良いでしょう。

ちなみに、港山駅から港山側の乗船場所までは、歩いて約1分ほどですね。一方、三津駅から三津浜側の乗船場所までは徒歩約15分ほどかかります。

生活感と情緒が調和した景色よ
生活感と情緒が調和した景色よ
乗船場所(三津浜側)
乗船場所(三津浜側)

わずか約3分ほどの船旅ですが、潮風に吹かれながら船上から眺める360度の港町の景観には、哀愁を感じてやみませんでした。ぜひ穏やかな海とレトロな港町が織りなす景色を堪能して下さいね。

とても趣きのある風景を眺められる「三津の渡し」は、四国八十八景に選ばれています。

1400年以上の歴史を誇る古社「三津厳島神社」

三津厳島神社(拝殿)
三津厳島神社

三津駅から約5分ほど歩いた場所に鎮座するのが「三津厳島神社(みついつくしまじんじゃ)」です。

室町幕府の初代将軍・足利尊氏や伊予水軍の河野氏、江戸時代の松山藩主など数多くの時の権力者が参拝しました。今では、金運や事業の成功を祈願する経営者やビジネスマンが多く参拝しており、人生の転機を迎える人々から篤い信仰を集めています。

特に御朱印集めをしている人に朗報です。実は、地域のアーティストと連携したアート御朱印を月替わりで授与できるとのこと。また、境内には注連石や表忠碑など歴史的な石碑や、写真映えする花手水など見どころが多いですね。

三津厳島神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。

共に立ち寄りたい梅津寺地区

梅津寺駅
梅津寺駅

三津駅から電車で約4分で到着する2つ先の駅が「梅津寺駅(ばいしんじえき)」です。

瀬戸内海に最も近い駅として知られています。さらに1990年代に大ヒットしたテレビドラマ「東京ラブストーリー」のロケ地としても有名ですね。

梅津寺駅周辺は、夕焼けが美しく見られる絶景スポット。梅津寺海岸や梅津寺公園を散歩したり、愛媛県の公式イメージキャラクター「みきゃん」の情報を発信する「みきゃんパーク」へ足を運んでみよう。

また、「坂の上の雲」ゆかりの地として、標高約14mとかなり低い見晴山の山頂には、秋山好古・真之兄弟の銅像が建ちます。

梅津寺駅とその周辺については、下記関連記事でくわしく紹介します。

三津浜地区の基本情報とアクセス

住所愛媛県松山市の三津・古三津・住吉・神田・高浜など複数の町からなるエリア
電話番号080-1305-3128(三津浜地区まちづくり協議会)
089-948-6942(松山市役所のまちづくり推進課)

【アクセス(三津駅まで)】

  • 伊予鉄道高浜線・松山市駅から電車で約15分
  • 松山自動車道「松山IC」から車で約25分

まとめ

三津浜港の風景

愛媛県松山市の西側に位置する「三津浜」。木の格子戸が残る古民家を始め、明治・大正時代の企業や銀行、医院などの擬洋風建築が残るレトロな町並みが魅力的ですね。

特に三津浜を象徴する渡し船「三津の渡し」は、500年以上の歴史を誇り旅情感がたっぷり。その一方で、今でも市民の足として活躍しています。

古い町並みだけでなく、お洒落なカフェや雑貨屋などもあり、ソウルフードの「三津浜焼き」などグルメも充実。松山市街からアクセスも良好なので、ぜひ足を運んでみよう。

静かに佇むレトロな町中を歩き、ノスタルジーに浸って下さいね。普段の忙しさを忘れ、心が癒されると思います。



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この記事を書いた人

年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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