
富山県射水市(いみずし)の新湊内川地区に流れる運河「内川(うちかわ)」。
古い町並みと漁船が織りなす美しい景観が魅力的です。その美しさは、まるでイタリアのベニスを彷彿させることから「日本のベニス」と言われています。
そこで、観光船へ乗り込み、内川と富山湾を巡る「内川遊覧&12の橋巡り」を体験してみよう。船上では、地上とは違った目線となるため、散策中とはまた違う風景を味わえたり、新たな発見に気づかされるかも。
また、内川に架かる橋下くぐりはスリリングなので、面白い体験ができます。さらに海王丸パークや新湊大橋によるダイナミックな景観は見事ですね。
本記事では、運河・内川や富山湾を「新湊観光船」でクルージングする魅力を紹介します。
目次
新湊観光船による「内川遊覧&12の橋巡り」とは

「内川遊覧&12の橋巡り」のコースは、富山新港から西へ向けて約3.4kmを結ぶ内川と富山湾を経由して、ぐるりと一周します。
かつて内川は、北前船の中継地として栄えました。そのため、今も古い町並みが残り、内川に架かるたくさんの個性的な橋と共に見応えがありますね。
水面から見上げる橋の中には、大理石の巨大な手の彫刻を始め、陽光で輝く美しいステンドグラスの欄干を持つ橋や、異国情緒たっぷりの歩道橋など驚くものばかり。
また、日本で最も深い湾の一つに数えらえる富山湾ならではの風景を、水上から楽しんで下さいね。天気が良く霞んでいなければ、遠くに標高3,000m級の雄大な立山連峰が現れます。
所要時間は約50分ほど。「内川遊覧&12の橋巡り」は、新湊観光船による人気のクルーズです。
川の駅新湊前または海王丸パークから出港

新湊観光船の乗船口は、川の駅新湊前と海王丸パークの2ヶ所があります。私は内川散策もしたかったので、川の駅新湊前から観光船へ乗船しました。
観光船の「万葉丸」は、旅客定員は48名とのこと。船内にトイレがあるのはありがたいですね。富山湾は穏やかな内海に見えますが、結構揺れやすい環境なので、乗船前に済ませておくのをおすすめします。
川の駅新湊内で乗船券を買って、船がやってくるまでしばし駅内で休憩をとりましょう。

乗船口に掲げたこちらの黄色い旗、いったい何だと思いますか。実はこれ、観光船のスタッフが川の駅新湊前から乗り込むお客さんがいるのかを判断をする物なんですって。
なるほど~、この旗が無い場合は、船から降りるお客さんがいないとスルーされてしまうのだろうな。

こちらは、海王丸パークの乗船口です。パーク内の事務所には、名物副船長・猫のみーちゃんがいるそうですよ。
みーちゃんは船に弱いそうで、めったに乗船しないみたい。なので、こちらから出港する際には、挨拶に足を運んでみてはいかがですか。
季節によって営業時間は異なり、3月1日から10月31日の期間では9:00~16:00まで。11月1日から12月13日と、2月20から2月末日の期間では、10:00~15:00までです。12月14日から2月19日の期間は冬季休業に入ります。
毎時0分に海王丸パークから出航し、川の駅新湊前からは毎時30分から出港するので、乗り遅れがないよう時間に余裕を持って行動しましょう。
運河・内川に架かる橋下くぐりはスリル感満載

川の駅新湊前から出港すると、内川を西に向けて約600mほど進み富山湾を目指します。
観光船の後部デッキは視界が開けているので、船内ではなくここのベンチに座る人が多いかも。見た感じですと3~4名程度しか座れないので、早い者勝ちになるかな。ベンチに座れなくても、立ち見できます。(私は立ち見でした)


船上からの景色と共に楽しみなのが、神楽橋や中新橋、中の橋、新西橋など様々な橋下をくぐる瞬間です。
船が橋下へ入ると、視界の大部分が橋の裏側となり、さらに陽光も遮られる。そして、くぐり抜けた瞬間に、パッと再び目の前が明るくなる。これから始まる冒険に胸が膨らみます。
橋にもよりますが、橋下と観光船の天井との隙間が短いので、ぶつかるのではないかとヒヤヒヤするかも。

たとえば、川の駅新湊から出発すると、観光コースの終盤にこちらの「放生津橋(ほうじょうづはし)」が登場しますが、船の天井と橋下の隙間はギリギリですよ。

こちらの写真からでもその臨場感が伝わると思います。後部デッキで立っていると、頭部を橋にぶつける危険があるので、通過時には必ず頭を引っ込めて下さい。
また、5月から8月にかけて紫外線が強くなる時期なので、ずっとデッキにいるならば、日焼け対策をしっかりとるように。ちなみに、船内には扇風機があります。
【観光船の紹介(その1)】
旅先で体験した様々な観光船を、下記記事で紹介します。
富山湾にて写真映えする優美な「新湊大橋」や「灯台」

奈呉の浦大橋を通過すると、よいよ富山湾へ入ります。レトロな港町の風景から一転して、開放感あふれる日本海の景色に切り替わり、波しぶきを上げて突き進む観光船に、とても爽快感を味わいました。
富山湾といえば、日本海に生息する約800種の内、約500種の魚介類が確認さているとのこと。暖流と海洋深層水が入り交じる天然の生簀(いけす)です。
また、春や冬に見られる「蜃気楼」が超有名。残念ながら観光船から蜃気楼を見られる可能性は低いですが、蜃気楼の被写体として良く知られる新湊大橋を間近で見物できます。


新湊大橋は、アプローチ部分も含めて総延長3.6kmもあり、上層が車道で下層が歩行者・自転車用通路「あいの風プロムナード」の2層構造です。ちなみに、自転車は手押しのみですよ。
海上からこの橋のアプローチ部分を見ていると、江島大橋(島根県)を思い出しました。江島大橋は、ベタ踏み坂としてテレビのCMに登場し、一躍有名になった橋。
私は自転車でチャレンジしたことがありますが、見た目と違って意外とすんなりと上れたのを覚えています。新湊大橋のアプローチ部分は、自動車専用なので、歩行者や自転車はNG。興味があっただけに残念ですね。


海面からの高さが約47mもあるのだから、真下を通過するタイミングの迫力は圧倒的です。それに青空の下、真っ白な優美な新湊大橋とのコントラストが素晴らしいでしょ。そのため、カメラのシャッターを切る指が止まりませんでした。
もし運がよければクッキリとその姿を現した立山連峰をバックに、記憶に残る1枚が撮れるかも。海・山・橋が織りなす壮大な景色を堪能して下さいね。


また、写真映えといえば灯台の存在は欠かせません。縦に伸びる灯台のシルエットと、赤色と白色のカラーリングが周囲に良いアクセントとなっていて、被写体にピッタリ♪
灯台は原則白色ですが、雪国のように周囲が雪景色で真っ白になってしまう地域では、視認性を高めるため黒と白のしま模様の灯台もあるそうですよ。
さらに地域によっては、白色や赤色よりも目立つ黒色を採用していることも。そのような灯台を一度は見てみたいですね。

観光船は富山湾を通過して、海王丸パークへ立ち寄ります。海王丸パークから出港した方はゴールとなりますが、川の駅新湊から出発した方は、新湊大橋をくぐり抜け、内川へ入ります。
海王丸パークから再び出航するのまでは、到着したタイミング次第で数分ほど待ち時間があるので、乗船口付近で記念撮影を楽しんで下さいね。
純白の帆船・海王丸が佇む光景はフォトジェニックスポット

海王丸パークには、大型練習帆船「海王丸」が停泊しています。
1930年2月に進水して59年間の長きに渡り、多くの実習生を育ててきました。現役時代では、地球約50周分(106万海里)を航海したそうですよ。今でも当時の姿で一般公開されています。
新湊大橋と比べるとさすがに大きさは負けますが、優美さに関しては負けず劣らず素晴らしいですね。純白の船体と気品あるマストの佇まいに拍手喝采を贈りたい。まさに見る者の心を掴みとる美しさです。


その美しさから「海の貴婦人」と呼ばれているとのこと。普段は帆を畳んでいますが、ボランティアの協力で、年に約10回ほど29枚ある全ての帆を広げます。気になる方は、帆を広げる日をチェックして訪れよう。
また、有料(大人500円)ですが、歴史ある船長室や設備、船員の居住スペースなどを見学できます。

話は変わりますが、観光船の乗船口付近や新湊大橋周辺では、船を追いかけるカモメやウミネコが集まりやすいという。私の訪れたタイミングが悪かったみたいで、空を駆けるカモメを全く見かけませんでしたね。(トホホ)
観光船内でカモメのエサ(150円)が売られているので、エサをあげてみては。聞くところによると、とても人懐っこいみたい。手から直接あげている時に、くちばしで指をつつかられることがあるそうなので気を付けましょう。
【観光船の紹介(その2)】
旅先で体験した様々な観光船を、下記記事で紹介します。
富山新港周辺の巨大なクレーンの光景

観光船が富山新港周辺へ辿り着くと、主に工場や大型施設、コンテナヤードが織りなす港湾一帯の景観が見て取れます。
特に複数の巨大クレーンが整然と建ち並ぶ姿は印象的。重厚な鉄骨が、天に向けて伸びる様は、惹きつけてなりません。


港湾で貨物の積み卸しを行うガントリークレーンは、まるで鉄のキリンのようです。
赤と白のしましまボディはとても写真映えがするので、私のように思わず激写する人も多いだろうな。個人的には、湾口に佇む姿に「俺たちが、この町を〇〇〇から守っている!」といった不思議なドラマ性を感じました。

こちらの「旧伏木港右岸三号岸壁水平引込式クレーン」にもご注目。
陸揚げ作業の効率化のために昭和43年に富山県が建設した、国内最古級のダブルリンク式の水平引込式クレーンなんだとか。風格を感じさせる佇まいがいい感じです。
建設当時は日本海側で最大規模ということで、「マンモスクレーン」の異名を馳せたという。私はその異名や経緯を後から知りましたが、一目見て「ただ物ではない」と思いましたね。(笑)
今はもう使用されていませんが、伏木富山港の高度経済成長期における隆盛を今に伝える象徴的な存在なんですって。2019年に国の登録有形文化財に選ばれています。
内川に架かる個性的な橋巡り

観光船が内川へ入ると、昔ながらの生活の息づかいを感じらる町並みが両岸に並びます。また、岸に並ぶ漁船との距離感が近く、歩きとは違ったアングルが面白いですね。
特に一つ一つデザインが異なる個性的な橋は魅力的。川面に映るレトロな家屋と共に、ノストラジーを感じてやみません。


特にベンガラ色の異国情緒あふれる「東橋(あずまはし)」の外観は、とってもお洒落♪
不思議と周囲の景色に調和しており、気付いた時にはパシリと1枚撮っていました。
このような歩道橋は、全国的に見ても珍しいので、ぜひ橋を渡ってみよう。風が吹き抜けた瞬間、とても心地よい涼しさを感じます。

こちらは「山王橋(さんのうはし)」です。橋の四隅には巨大な手のモニュメントが置かれていて、初めてみかけると「なんだあれ?」と驚く人が多いだろうな。
その他にも欄干に美しいステンドグラスがはめ込まれた「神楽橋」や、室町幕府第10代将軍「足利義材(あしかが よしき)」の史実を今に伝える「放生津橋(ほうじょうづはし)」などがあるので、お見逃しなく。
船上からだけでなく、ぜひ内川周辺を散策して、一つ一つの橋をじっくりと見物して下さいね。橋巡りについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
新湊観光船の基本情報とアクセス
| 住所(新湊観光船の乗船口) | 富山県射水市立町1-26(川の駅新湊) 富山県射水市海王町8(海王丸パーク) |
| 電話番号 | 0766-30-2552(川の駅新湊) 0766-82-5181(海王丸パーク) |
| 営業時間 | 3/1~10/31 9:00~16:00 11/1~12/13 10:00~15:00 2/20~2月末日 10:00~15:00 冬期休業 12/14~2/19 運行休止 海王丸パークは毎時0分に出航 川の駅新湊からは毎時30分に出航 |
| 定休日 | 毎週水曜(水曜が祝日の場合は翌日) |
| 料金 | 大人(中学生以上)2,200円(2,000円) 小人(小学生):1,100円(1,000円) ※10名以上で団体割引きあり、( )内の金額は割引き後の料金 ※大人同伴で未就学児は無料 |
【アクセス】
- 万葉線・新町口駅から徒歩約8分(川の駅新湊)
- 万葉線・海王丸駅から徒歩約10分(海王丸パーク)
- 北陸自動車道「小杉IC」から車で約20分(川の駅新湊・海王丸パーク)
まとめ

富山県射水市は、海と山の豊かな自然に囲まれた町です。特に新湊内川地区は、古い町並みや川岸に並ぶ漁船のノスタルジックな景観が人気を集めており、「日本のベニス」と呼ばれるほど魅力的ですね。
新湊観光船によるクルージングにて、地上とはまた違った目線で港町の景観を楽しんでみませんか。
のんびりと内川や富山湾を巡っていると、いつの間にか日常の慌ただしさから解放され、心も体もリフレッシュされているのに気が付くと思います。
富山県射水市へ観光に訪れた際には、内川周辺の散策とクルージングをお楽しみに。


