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旅の体験談

京都・経ヶ岬の見どころ紹介、丹後半島の最北端に立つ経ヶ岬灯台の楽しみ方

経ヶ岬灯台

京都府の日本海側に位置する丹後半島。山陰ジオパークを構成する景勝地として知られており、丹後半島の最北端には経ヶ岬があります。

この岬にそびえ立つ白亜の灯台が「経ヶ岬灯台(きょうがみさきとうだい)」ですね。

周囲を海に囲まれた日本には、約3,200基の灯台がありますが、経ヶ岬灯台は国内にわずか5基しかない第1灯台。その存在自体が貴重そのものだ。

経ヶ岬の駐車場から遊歩道を歩き、灯台や山頂にある展望台、海岸線で見られる柱状節理(ちゅうじょうせつり)へ向かえばプチハイキングを楽しめる。

本記事では、経ヶ岬灯台の楽しむポイントを中心に、経ヶ岬の見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 丹後半島へドライブやサイクリングへ行く予定がある
  • 経ヶ岬灯台の楽しむポイントを知りたい
  • 経ヶ岬の見どころを知りたい

経ヶ岬灯台とは

経ヶ岬灯台
経ヶ岬灯台

経ヶ岬灯台は、明治時代に建設され今もなお現役で稼働している灯台です。

初点灯から経ヶ岬沖を行き交う船舶を見守り続けており、日本海側に設置された灯台の代表格といわれるほど凄い灯台だ。

現在の多くの灯台はコンクリート製なのですが、経ヶ岬灯台は白亜の石造りで、見た目からしてとても重厚な雰囲気が漂っているのが分かるでしょう。

かつて灯台の下には石切り場があり、そこで切り出された石材で造られ今に至ります。

経ヶ岬灯台の外観(その1)
経ヶ岬灯台の外観(その2)

経ヶ岬灯台の経歴は、以下の通り。

  • 1896年:起工
  • 1898年:初点灯
  • 1973年:京の百景に選ばれる
  • 1991年:最重要のAランク保存灯台に選ばれる
  • 1998年:日本の灯台50選に選ばれる
  • 2008年:近代化産業遺産に指定される
  • 2018年:「恋する灯台」に選ばれる
  • 2022年:国の重要文化財に指定される

うん、素晴らしい評価ですね。簡単なスペックを述べると、地上から頭部までは約12m。水面から灯火までは143~144mもある。

今でこそ機械化となり無人で稼働していますが、かつては人の手で守られていました。

歴史的にみても文化財的にも価値が高く、日本を代表する灯台の1つです。

経ヶ岬のマップ・所要時間・注意事項

経ヶ岬のマップ
経ヶ岬のマップ

こちらの経ヶ岬のマップを見て分かるように、3つの散策コースが整備されています。それぞれのコースの所要時間は、以下の通りですよ。

  • 初級コース(青色):片道約15分)
  • 中級コース(黄色):片道約25分)
  • 上級コース(赤色):片道約70分)
  • ※黒色のルートは通行困難のため避けましょう。

初級コースを説明すると、駐車場から灯台までは徒歩約15分ほど。往復で約30分かかり、灯台で過ごす時間を10~20分と考えると、合計で40~50分ほど見ておきたい。

中級・上級コースでは、灯台以外にも山頂展望台や柱状節理といった見どころを見て回れます。時間に余裕があれば訪れてみて下さいね。

遊歩道を歩く際は、動きやすい服装と靴はスニーカーや運動靴がおすすめ。ハイヒールのようにかかとの高い靴で歩くのは危ないので、絶対にやめたほうがよい。

また、駐車場にしかトイレがないため、遊歩道を歩く前にあらかじめ用を足しておきましょう。

ちなみに私は、往路は中級コースで復路は初級コースを歩きました。

経ヶ岬灯台を楽しむポイント

経ヶ岬灯台の周囲
右側の白亜の建築物が灯台

経ヶ岬灯台へ足を運ぶ前に、あらかじめ知っておきたい楽しむためのポイントを、以下にまとめました。

  • 経ヶ岬灯台へ向かう遊歩道
  • 最高級の第1等3面フレネルレンズ
  • レーマークビーコンとレーダー式沿岸波浪計
  • 経ヶ岬灯台からの景色
  • 経ヶ岬灯台の一般公開

それぞれについて説明します。

経ヶ岬灯台へ向かう遊歩道

経ヶ岬の遊歩道の入口
経ヶ岬の遊歩道の入口

駐車場の奥には、遊歩道の入口があります。

この入口前にある建物前では、経ヶ岬のマップがあるので入手しておこう。また、杖を無料で貸し出している。

入口からいきなり登り道がしばらく続き、約5分ほど歩くと、灯台へ向かう道(初級コース)と展望台へ向かう道(中級コース)の分岐点に到着しました。

灯台へ向かう道(初級コース)
灯台へ向かう道(初級コース)

分岐点は開けた場所なので、開放感たっぷり。日本海の景色を楽しもう。

遊歩道から見る景色
遊歩道から見る景色

一方、分岐点から展望台へ向かう道は、90段の階段から始まり、急傾斜のため結構しんどいですよ。

その後も坂道を上ることになりますが、最初の急傾斜以外は思ったよりも楽に登れるので、展望台へ立ち寄ってから灯台へ向かうのがおすすめ。

山道を歩いている最中に経ヶ岬灯台を目撃
山道を歩いている最中に経ヶ岬灯台を目撃

というのは、展望台からの景色を楽しめるのもそうですが、苦労して歩いた分、遠くに灯台が見えた時にはテンションが上がるからですよ。

見張所跡
見張所跡
見張所跡の中の様子
見張所跡の中の様子

また、展望台から灯台へ向かう道中では、こちらの見張所の跡地に辿り着きます。

この見張所はしっかりした造りですが、中を覗いて見ると葉っぱだらけ。まっ、自然相手なので仕方がないでしょうね。

展望台や灯台へ辿り着いても自販機はないので、飲み物を持参しておきたい。アップダウンの多い山道は、結構いい運動になるので、プチハイキングを楽しめます。

最高級の第1等3面フレネルレンズ

第1等3面フレネルレンズ
第1等3面フレネルレンズ

経ヶ岬灯台で一番の注目ポイントは、頭頂部に据え付けられた大きなレンズですね。このレンズは、第1等3面フレネルレンズを導入しています。

レンズの高さは2.8m、重量は5トンもあるという。このような1等レンズを導入しているのは、国内では5ヶ所しかありません。

このレンズは、水銀槽に浮かべて回転させる水銀槽式回転機械を採用しており、1893年にフランス灯台局の技師ブールデーユが考案しました。当時は、画期的な発明として世界中から大注目。パリ万博に出品されたそうですよ。

経ヶ岬灯台のレンズの説明

経ヶ岬灯台のレンズは、1回転するのに20秒の時間を要します。また、レンズが3面あることで、1回転する間に3つのレンズがランプの前を通過する仕組みとなる。

このことから、船舶から見れば20秒間に3回も灯台が光っているように見えますね。さらに光度は28万カンデラもあり、22海里(約41km)まで届きます。

夜間で光っていると遠くからでもよく目立つもの。それが41km先から発見できるというのは、暗闇の中を突き進む船舶の乗員からすれば実に心強いですね。

それに、それなりの頻度で定期的に光っていれば、「あれは灯台だな」とその位置を簡単にわかるというのも納得です。

レーマークビーコンとレーダー式沿岸波浪計

レーマークビーコン
レーマークビーコン

灯台の敷地内には、普段見かけることがない装置が2つあるので見物していこう。

1つ目の装置は「レーマークビーコン」です。レーマークビーコンとは、レーダーを搭載した船舶に信号を送る無線方位信号所ですよ。今ではGPS測定機器の普及が進んだため、2008年4月に廃止されましたが、その遺構が残されている。

その外観は見るからに「ザ・レーダー」ですね。間近でレーダー装置が見られるのは、メカ好きな方であればワクワクするだろう。

レーダー式沿岸波浪計
レーダー式沿岸波浪計

2つ目は気象庁が設置した「レーダー式沿岸波浪計」です。

レーダー式沿岸波浪計とは、海岸から電波(マイクロ波)を海面に向けて発射することで、波浪に伴う海面の動きに応じてドップラー効果により変調された反射波を測定するものだ。

それにより、広範囲の海象(流れ、波浪)を、陸上から連続してリアルタイムに実測できるなんて凄くないですか。

敷地内には日時計がありましたが、それと比べると科学技術の進歩の凄まじさに改めて驚かされます。

経ヶ岬灯台からの景色

日本海の景色
日本海の景色

経ヶ岬灯台に限った話ではありませんが、灯台へ訪れたならば眼下に広がる海の景色を見るのは必見ですね。

経ヶ岬灯台では、雄大な日本海の風景を望めます。日本海を航行する船舶を眺めがら、のんびり過ごしましょう。

眼下にある岩礁には、柱状節理(ちゅうじょうせつり)が見られるので、カメラのズーム機能を使って撮影してみてはいかがですか。

経ヶ岬灯台から見える景色
日本海を航行する船舶

経ヶ岬灯台の一般公開

経ヶ岬灯台の一般公開のお知らせ

経ヶ岬灯台では、定期的に内部の一般公開を行なっています。

毎年5月6日に経ヶ岬灯台保存会が主催して「経ヶ岬灯台まつり」を開催。灯台の一般公開だけでなく、ボランティアガイドによる経ヶ岬のトレッキングツアーや地元の食材を使った加工品を販売しています。

また、灯台記念日にあたる11月1日の前後の休日のいずこかには、舞鶴海上保安部が主催し、灯台の一般公開が行われる。

普段は中へ入れない経ヶ岬灯台へ足を踏み入れるチャンスです。興味がある方は、ぜひその日を狙って訪れてみよう。

経ヶ岬灯台以外で経ヶ岬の見どころを紹介

ここまで経ヶ岬灯台について紹介してきましたが、灯台以外で経ヶ岬の見どころを2つ紹介します。

それが「山頂展望台」と「柱状節理」ですね。それぞれについて紹介します。

山頂展望台

山頂展望台
山頂展望台の外観

標高約200mの山頂には、木々に囲まれた雰囲気の良い展望台があります。

先ほども触れましたが、周囲には自販機がないので飲み物を持参しておきたい。それなりの山道を歩いてくるので、展望台で休憩をとりたいですね。

経ヶ岬山頂展望台の景色(カメラのズーム機能を使って撮影)
経ヶ岬山頂展望台の景色(カメラのズーム機能を使って撮影)

残念ながら360度のパノラマ絶景とはいかず、西側の方向しか見渡せませんが、遠くにはジオパークの景観がしっかり見えます。(双眼鏡やズーム機能付きのカメラが必要)

経ヶ岬の中では、一番の景観スポットといえるで、ぜひ足を運んでみて下さい。

経ヶ岬山頂展望台からの眺め
経ヶ岬山頂展望台からの眺め
経ヶ岬山頂展望台
経ヶ岬山頂展望台

【双眼鏡やカメラに関する話】

展望台から景色をハッキリ見るには、双眼鏡やズーム機能付きのカメラがあると便利ですね。下記記事では、双眼鏡やカメラに関する話を紹介します。

柱状節理

経ヶ岬の柱状節理(案内板)
経ヶ岬の柱状節理(案内板)

経ヶ岬は海食崖なので、至るどころに火山から流れ出た溶岩が、ゆっくり冷え固まり規則正しい柱のような割れ目を見られます。

これがいわゆる柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれるものですね。

上級コースを歩いて経ヶ岬の海岸線へ行くと、柱状節理の岩場へ辿り着くという。

この経ヶ岬では、何千万年もの悠久の時を経て、造られた巨大な柱状節理があるということなので、興味がある方は足を運んでみよう。

私は時間の都合上、海岸線へ行けませんでしたが、またの機会に見に行きたいですね。

経ヶ岬の基本情報とアクセス

住所京都府京丹後市丹後町袖志
電話番号0772-72-6070 (京丹後市観光公社)

【アクセス】

  • 京都丹後鉄道・網野駅から丹海バスに乗って「経ヶ岬」のバス停で下車(バスの乗車時間は約1時間)
  • 山陰近畿道「京丹後大宮IC」から車で約1時間

経ヶ岬の駐車場

東屋
東屋

経ヶ岬灯台には、無料駐車場があります。(普通車 40台)

尚、駐車場には芝生広場や東屋、トイレがありますね。

まとめ

経ヶ岬灯台の敷地内
経ヶ岬灯台の敷地内

経ヶ岬の駐車場から灯台へ続く遊歩道は、アップダウンがそれなりに大きいので、マイペースに歩かないと疲れてしまいます。

そして何より灯台へ到着した時には、ちょっとした達成感を味わえる。青空に下、白亜の灯台と碧い海のグラデーションは素晴らしく、頑張って訪れる価値は十分にアリです。

灯台だけでも満足度は高いのですが、時間に余裕があれば山頂にある展望台や、柱状節理の見える海岸まで歩いてみて下さいね。

プチハイキングしながら経ヶ岬を楽しみましょう。



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この記事を書いた人

年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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