
ロードバイクは、天気により走り方が左右されます。
雨天時のライドでは、視界不良や路面の状態が悪いため、晴天時と同じように走っていると、危ないですよ。
趣味でサイクリングをしているのであれば、雨天時にはあえて出かける判断はしないだろうな。しかし、サイクルイベントの当日では、雨が降っていたとしても参加する人が多いのではないでしょうか。
日程の都合上、どうしても雨の日に走らざる終えないという機会は、それなりに多いですね。なので、雨天時にあう走り方を身につけておきたい。そのためには、ライド前の事前準備が大切です。
本記事では、雨天時に危険リスクを回避するロードバイクの走り方を紹介します。
雨天時のライドは事前準備が大事

雨水に濡れた状態でロードバイクに乗り続けていると、次第に体温が低下していきます。
外気温によっても大きく違いますが、特に気温が低い時というのは、思った以上に体にかかる負担は大きいですね。
一番良いのは雨が降っている最中はライドしないこと。ライド中に雨が降り出したら、速やかに雨宿りできる場所を探してみよう。
あえて雨の中を走るのであれば、防水性能に優れたレインウェアは必須です。さらに防水シューズカバーもご一緒に。特に冬では、フルフィンガーの防水グローブがないと、手がかじむので大変ですよ。
人にもよりますが、ウェアが擦れて股ずれを起こすことも。できれば股や太ももにワセリンや専用のクリームを塗っておくのもおすすめです。
春や夏の小雨ならば、比較的気温が高いので短時間であればそれほど心配する必要はありませんが、気温が低くなる秋や冬では危険すぎる。身体が震えて寒気を覚えるだけでなく、熱が出たり、酷い時には意識が朦朧(もうろう)となるので気を付けて下さいね。
それに体温が下がりやすいということは、いつもよりカロリー消費が激しくなる。なので、いつもより多めに補給食を用意しておくと安心できます。

また、ロードバイクにフェンダー(泥よけ)を装着して、巻き上げる泥水をガードすること。フェンダーがないと、飛び散る泥水などにより、自分だけでなく周囲に迷惑をかける可能性が高いです。
さらに雨天時は晴天時よりもパンクリスクが高まるものだ。普段からライド時にパンク修理セットなどを携帯しているのであれば問題ありませんが、そうでなければ準備しておきたい。
夕立やゲリラ豪雨など突発的な雨は避けれないので、輪行袋を携帯するのもアリですね。サイクリング中に近くの駅へ駆け込み、そのまま輪行にて帰宅できます。
雨天時の危険リスクを回避する走り方
冒頭でも触れた通り、雨天時のライドは、晴天時と比べて事故にあうリスクが高まります。
なので、普段以上に周囲に気を配り、走り方自体も少し変える必要がある。そこで、雨天時の危険リスクを回避する主な走り方を、以下にまとめました。
- スピードを控えめにして早めにブレーキをかける
- 滑りやすい路面は走らない
- 視界確保に努める
- 昼間でもライトを点ける
それぞれについて説明します。
スピードを控えめにして早めにブレーキをかける

ロードバイクは、スピード感が魅力的な自転車ですが、雨天時では普段と同じ感覚でスピードを出して走行していると、狙った場所に停まれず衝突のリスクが高まります。
さらにつけ加えると、スピードを出すほど制動距離が飛躍的に高まるので、普段より車間感覚を開けておかないと危ないですね。
現在、ロードバイクのブレーキはディスクブレーキが主流です。ディスクブレーキはリムブレーキと比べて雨の日でも制動力が高くて安心感がありますが過信しないように。やはり晴天と比べると、ブレーキの効きが少し落ちてしまう。
一方、リムブレーキではブレーキシューが濡れてしまうと、濡れたリムの間では摩擦が起きにくくなり、中々停止しなくて焦ってしまうかも。ブレーキが効きにくいというのは、本当に怖いですよ。
また、雨天時ではタイヤのグリップ力が低下するので、急ブレーキをかけると転倒しやすくなります。なので、普段よりスピードを控えめにして、いつもより早めにブレーキをかけるのを心掛けて下さいね。
滑りやすい路面は走らない

雨に濡れた路面は滑りやすくなっています。特にマンホールや排水溝の金網などの金属面や、路肩・横断歩道などの白線の上を通過する際は、とても滑りやすい。
濡れた金属というのは、アスファルトと違ってツルツルしやすく、普通に歩くだけでも滑りやすいですよ。走行中に見かけたら回避するのが吉。
しかし、周囲の状況によりどうしても金属面の上を通過しなければならない機会というのは意外に多いです。たとえば、車が近くにいると、突然の進路変更は危なすぎるので、そう判断するだろうな。
そんな時は、自転車を傾けず真っ直ぐ走ること。その際、ブレーキをかけずにペダリングも止めよう。そうすれば意外にも簡単に走り抜けます。
視界確保に努める

雨量にもよりますが、激しく降っていると視界がかなり悪くなります。
いつもと比べて明らかに周囲の状態がわかりずらくなるため、路面の砂利や障害物を見落とす可能性が高いですね。
また、ブラインドコーナーのような場所ならば、さらに見通しが悪くなり、抜けた先の路面には石が散乱していたのを見逃すことも。視界が悪くなると、回避が難しく事故を誘因する恐れがあります。
視界を確保するために、レインウェアを着用する際にフードの調整機能を使って、できるだけフードと頭を密着させよう。さらにクリアレンズのアイウェアがあると便利。激しい雨が降っているような状況では、目を開けているのがしんどい時があるので重宝します。
昼間でもライトを点ける

先ほど激しい雨が降っていると、視界が悪くなることに触れましたが、それは自分だけでなく相手にもいえます。
つまり、周囲に自分の存在が認識されずらくなるということ。車や歩行者などに気が付いてもらうには、日中であったとしても、前後のライトを点けるのが賢明です。
そもそも日中にライトを点ける、いわゆる「デイライト」は雨の日以外でも事故に巻き込まれる可能性を抑えてくれるので、普段から習慣化するのもアリですね。
雨宿りしながら雨雲レーダーを積極的に活用しよう

雨天時のライドは危険がいっぱいのため、ライド中に雨が降り出したら急いで雨宿りできる場所を探してみよう。
町中であれば、簡単に見つかるものですね。夕立のような短時間しか降らないのであれば、コンビニで休憩するのもアリかな。
雨に濡れ過ぎてしまうと、急激に体温が奪われてしまうので、急いで雨宿りするのが大事です。雨宿りしている最中に、ウェザーニュースやYahoo!天気などの雨雲レーダーを活用しよう。
地図上に雨雲の動きをリアルタイムで確認できるので、自分が今いる周辺にいつまで雨雲が残るのか予測が立てられます。
実際、私は自転車旅の最中に雨が降り出したら、道中で見つけた東屋や道の駅などへ退避して、雨雲が去るまで数時間も雨宿りしていることが多いです。
必要に応じて雨天時のライドを練習する

サイクルイベントへ参加するのであれば、イベントによっては雨天決行があり得ます。
特に遠方からイベントのために足を運んだならば、雨の降り具合次第では、参加する人が多いのではないだろうか。
普段から雨の中を走っているのであれば、経験的に何が危険なのか分かっているものですが、ぶっつけ本番で走るならば怖い思いをするのかも知れません。特に心の余裕がなくなると、無理をしてしまうかも。そうなると自転車の運転が荒くなり、落車や衝突リスクが高まります。
なので、一度雨天時の練習を取り入れて経験しておくことが大事。だからといって無理はしないように。風邪や発熱などで健康が悪化してしまえば意味がありません。
走り終えた後は早めのメンテナンスを忘れずに

雨の中を走り終えると、車体には様々なダメージが残ります。
泥水などによりフレームやタイヤなどが汚れるだけでなく、ネジやチェーン、スプロケットなど金属製品が使用されているパーツでは、雨に濡れたままほおっておくと確実に錆びてしまう。
ライド後は速やかにメンテナンスを行ないましょう。対処の仕方次第では、その後の車体へのダメージは大きく変わりますので、直ぐにやるべき対処を順番にまとめました。
- 水気を拭き取る
- 水抜きする
- 汚れを落とす
- 注油を行なう
- 乾燥させる
くわしくは、下記関連記事で紹介します。
まとめ

本記事では、雨天時に危険リスクを回避するロードバイクの走り方を紹介しました。
最期にもう一度、その走り方を以下にまとめます。
- スピードを控えめにして早めにブレーキをかける
- 滑りやすい路面は走らない
- 視界確保に努める
- 昼間でもライトを点ける
特に長時間ライドを行なうならば、ライド前に防水性能の高いレインウェアや防水シューズカバー、防水グローブなどをしっかりと身につけること。何も対策せず雨水に濡れていると、体温を奪われていくので、低体温症のリスクが高まります。
また、雨雲レーダーを積極的に活用して、雨雲の動きを確認すれば、雨の降らない時間帯が予想できる。雨の日は走らないのが最適ですが、出先で降り出してしまうと、そうもいかないですね。
好むと好まざるとに拘わらず、雨天時ライドを決行しなければならない機会があったりするので、雨天時の走り方を身につけておきましょう。