
白壁の屋敷や倉敷川沿いの柳並木など、情緒あふれる町並みが魅力的な倉敷美観地区。
その一角には、とても目を引く桃太郎と仲間たちの人形が立っており、何やら面白い予感がする建物があります。それが「桃太郎のからくり博物館」ですね。
館内には、視覚の錯覚を利用したトリックアートや、鬼ヶ島を再現したお化け屋敷など体験型のアトラクションが目白押し。子供から大人まで楽しめるユニークな仕掛けに、笑顔が絶えないぞ。人によっては、絶叫を上げるかも。
また、桃太郎の研究者が注目するほどの歴史資料が豊富なので、桃太郎の世界をより深く楽しみたい人にもピッタリです。
本記事では、エンタメ要素が満載な「桃太郎のからくり博物館」を紹介します。
目次
桃太郎のからくり博物館はどんなところ、所要時間は

桃太郎のからくり博物館は、岡山県を代表する物語として知られる「桃太郎」をテーマにした体験型の博物館です。築200年ほどの元旅館を改装して作られました。
博物館がある場所は、倉敷美観地区のメインの通りから路地へ入り、倉敷アイビースクエア側の一本裏通りを歩いていると、大きな桃太郎の人形が立っているのですぐに分かると思います。
館内はそれほど広くはありませんが、子どもから大人まで楽しめる仕掛けが満載。鏡や目の錯覚、光の残像などを駆使して織りなす不思議な空間をぜひ楽しんで下さいね。
昔から語り継がれている桃太郎の鬼退治の物語を、見て・触れて・体験しよう。所要時間は20~30分ほど。展示中の資料や桃太郎が登場する戦争中の漫画映画をじっくりと見るのであれば、1時間はみておきたい。
倉敷美観地区を観光するのにあたり、ぜひ立ち寄りたい博物館です。
【周辺の見どころ】
桃太郎のからくり博物館周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
桃太郎をテーマにしたカラクリ仕掛けの数々

館内へ入り受付を済ますと、スタッフの指示に従い奥へ入ります。カラクリ仕掛けについては、スタッフが丁寧に遊び方を解説してくれるので安心して下さいね。
お客さんが多いと少し待ち時間があるみたい。スタッフの人数も限られているので、こういう配慮は大事です。
私も1~2分ほど待ちましたが、その間に玄関周りをぐるりと見渡すと、カプセルトイのようなおみくじを発見。

気になったので近づいてみると「大凶ばかりでるので、おみくじ休み中」の張り紙が貼られていたぞ。う~む、一体どのようなおみくじだったのか興味がわきました。
この一件からして、何やら面白そうな予感がプンプンするかな。館内では、1~15までのカラクリ仕掛けを体験できるので、一つ一つチャレンジしていこう。
各カラクリ仕掛けには、番号が振られているので、順番に見て回ると取りこぼしがありません。それでは、主なカラクリ仕掛けを紹介します。
鏡を使ったカラクリ仕掛け

まず最初に紹介するのは、こちらの「桃太郎誕生」と題したカラクリです。
「桃太郎が見えます。桃の中をのぞいてみてください。」の案内の下、中をのぞいても桃しか見えない。桃太郎、どこにいるの?

ケースの左後ろに回ると・・・何と桃太郎の赤ちゃんが、桃の中から現れたではないですか。
正面から見ると誰もいないのに面白いですね。人によっては頭の中が「???」となるかも。どうやら鏡を使ったトリックのようです。

そのため、見る角度によっては、赤ちゃんが半分に見えたりするぞ。こちらの見え方は、ホラーチックかな。
もし私たちが桃太郎の生まれた気分を味わえたりするといったら、どうしますか。それはもう、体験するしかないでしょ。

机の上にあるこちらの桃に注目。この桃の中に入れます。机の中へ入ると、桃の真ん中にある穴から頭を出せる仕組みとなっているので、ニッコリ笑顔でこたえて下さいね。
そんな状態を外から眺めると、なんと体が消えているから不思議だ。そのような光景を、手品で見た人も多いのではないだろうか。
これも鏡を使ったトリックであり、仕掛けと分かっていても面白い。自分だけでなく、スタッフも実演してくれるので、お一人様でも面白い光景を楽しめます。

こちらは「だまし絵」です。デコボコした表面には、ブドウや桃が描かれていますが、これだけでは何をだましているのか分かりません。
そこで、ブドウに触れた状態で、そのまま下の鏡を見てみよう。すると、鏡では触れているのはブドウではなく、バナナに変わっているではないですか。どういう仕組みなのか興味津々。
実は、デコボコした下部に違う絵が描かれているという。それが鏡に映ることで、このような模様に変化するそうですよ。なるほど~これは面白い!
このカラクリは、名探偵コナンにも登場(No.641「8枚のスケッチ」に登場)しました。「見た目は子供、頭脳は大人」の子供たち、スタッフに教えてもらう前に、ぜひ謎を解き明かして下さいね。

こちらの桃の中心に向けて手を入れてみると・・・鏡に映ったもう一人の自分の手と、つなごうとしてきます。残念ながら握手はできないので悪しからず。
それよりも桃の中に引き込まれそうな不思議な体験ができるので、お見逃しなく。

おっ、これはなんだ。左半身を鏡に映して足を上げると、浮かんでみるぞ。何も知らないままで、浮かんでいる人を見かけたら爆笑するかも。それほど、インパクトが抜群です。
遊び要素満載なカラクリ仕掛けに、拍手喝采を贈りたい。
見ているだけでも楽しくなるカラクリ仕掛けですが、実際に体験するとテンションが急上昇すると思うのでお楽しみに。
目の錯覚を利用したカラクリ仕掛け

スタッフの案内の下、「魔法の渦巻き」のパネルの前へ訪れよう。そして、ボタンを押すと渦巻きが回り出しました。約20秒ほど回り続けるので、その間は渦巻きをジッと見続けること。
その後、渦巻きの上に飾られた花を見てみると、なんと飛び出しているように見えるのでビックリ。実に不思議な体験だったので、あとで調べてみると、どうやら渦巻きのような図形は、見る人の目が動くことで、網膜上でわずかな動きが生じるそうな。
この動きというのは、脳が実際の動きとして判断してしまい、回転しているような錯覚を起こしてしまう。そのため、飛び出して見えるそうですよ。
そうそう「魔法の逆渦巻き」もあるぞ。魔法の渦巻きと同じ手順で花をみると、どうなるかはもうお判りでしょう。そうです、今度は引き込まれるように見えました。このような目の錯覚を利用したカラクリは面白いですね。

「魔法の渦巻き」と同じような理屈で、こちらのたくさんの渦巻きの絵をジッと見続けていると、次第に渦巻きが回転しているように見えます。
面白いのは写真でも効果があること。なので、ぜひ読者の皆さんも試してみよう。(「魔法の渦巻き」も回転しているように見えるぞ。)

特に「ふたつの錯覚」の絵の片割れとなる格子の絵が、より目の錯覚が顕著かな。
見続けていると、格子の交点が白色や黒色にチラチラ切り替わり、目がチカチカするので落ち着かなくなる。なので、長時間見続けるのはやめるように。

こちらの「鬼の石垣」も面白いです。白線より下がって、片目を隠して横歩きしながら見てみよう。
すると、動いているように見えるではないですか。これらのような目の錯覚を利用したトリックアートを体験して、人体の不思議をぜひ味わって下さいね。
絶叫するかも!鬼ヶ島(お化け屋敷)の探検

桃太郎の敵役として思い浮かぶのが「鬼」の存在です。その鬼が暮らしていたのが鬼ヶ島。
館内では、鬼ヶ島を再現したお化け屋敷のような洞窟を探検できます。入る前から周囲は薄暗く、不気味な雰囲気を醸し出している。小さなお子さんであれば、二の足を踏むだろうな。
中へ入る前に心の準備をして下さいね。そのために、ちょうど良いものを発見。

それがこちらの「鬼退治練習鏡」です。鏡を指でそっとタッチすると、緑色の鬼が浮かび上がる。案内によれば、洞窟の中のスリルもこの程度なんだそうな。
そして、意を決して洞内へ入ってみると・・・人によっては大人でも絶叫するかも知れないですよ。



道中では鬼たち動いたり、風が出たりするので、思わず体がビクッと震えることも。
出口までわずか約25mほどの距離ですが、鬼たちが私たちの行動を常に監視しているので油断しないように。息をひそめながら、そっと歩いて下さいね。
ちなみに、桃太郎の物語に登場する鬼のモデルが温羅(うら)であり、温羅が暮らしていたお城が、倉敷市のお隣の総社市にあるぞ。また、香川県高松市の沖合に浮かぶ女木島には、鬼ヶ島大洞窟が残っています。
桃太郎にまつわる資料がいっぱい

館内には、桃太郎や鬼にまつわる貴重な資料がたくさん展示されています。
たとえば、1930年に発表された「桃太郎の史実」や、桃太郎伝説最古の古文書、桃太郎の浮世絵などがあり、どれもこれも興味深いですね。
「桃太郎の史実」の著者は、岡山出身の吉備真備(きびのまきび)です。この資料は、彼が遣唐使として中国に渡り、当時最新の学問であった陰陽五行の影響を受けて、吉備津彦命の鬼退治伝説を原話に創作した論文なんだそうな。
この論文の発表以降、岡山では桃太郎の物語が特に盛り上がりをみせたといわれています。


また、桃太郎の絵本や昔のおもちゃなどの展示コーナーもあり。それに紙芝居風の動画では、桃太郎の話が流れているので、耳を傾けてみよう。
さらに、戦争中の漫画映画「桃太郎海の神兵」を上映中。桃太郎が日本海軍の総司令官となっているお話で、戦意高揚のために作られました。
私たちは子供の時に桃太郎の物語に触れる機会が多く、大人になってもどのような物語なのかよく覚えています。桃太郎には色々と逸話があるので、調べてみるのも面白いですね。
【博物館の紹介】
旅先で訪れた博物館を、下記記事で紹介します。
桃太郎のからくり博物館の基本情報とアクセス
| 住所 | 岡山県倉敷市本町5-11 |
| 電話番号 | 086-423-2008 |
| 営業時間 | 10:00~17:00 |
| 休館日 | 年中無休 |
| 入館料 | 大人 600円 小中高校生 400円 幼児(5歳以上)100円 ※小中学生や幼児の入館には、保護者同伴要(校外学習の場合を除く) |
【アクセス】
- JR倉敷駅から徒歩約15分
- 山陽自動車道「倉敷IC」から車で約20分
- 瀬戸中央自動車道「早島IC」から車で約20分
桃太郎のからくり博物館の駐車場
桃太郎のからくり博物館の専用駐車場はありませんので、美観地区周辺の有料駐車場を利用して下さい。
まとめ

桃太郎のからくり博物館は、エンタメ要素満載な博物館なので、子供から大人まで時間を忘れるほど楽しく過ごせます。
鏡や視覚の錯覚を利用した仕掛けは面白く、頭の中が「なんで???」となるかも。また、鬼ヶ島を再現したお化け屋敷にビックリして、思わず叫んでしまうかも知れませんね。
桃太郎に関する資料が豊富なので、桃太郎についてより深く学びたい人にとってもありがたい博物館ですよ。見て・触れて・体験して、より身近に桃太郎の伝説を感じよう。
岡山県を代表する観光スポットの一つである倉敷美観地区へ訪れたならば、桃太郎のからくり博物館へ足を運んでみてはいかがですか。



