
旅をしていると、主に山頂や海岸、展望台などから眺める絶景に息をのむ機会が多いのではないだろうか。
日本国内には様々な絶景スポットが点在しており、苦労してもその場所へ訪れたいと思う人は、それなりに多いはず。もちろん私もその中の一人ですね。
本日足を運ぶのは、香川県高松市と坂出市にまたがる複数の峰が連なる大地「五色台(ごしきだい)」です。
五色台は標高200~400mの卓状台地であり、海岸から延びる五色台スカイライン(県道281号)は激坂区間が続くヒルクライムスポットとしても有名。また、道中にはたくさんの展望台や博物館があり、見どころが目白押しですよ。
そういう話を聞くと、これはもう行くしかないでしょ。ということで、最寄駅となるJR坂出駅まで電車輪行でやってきました。
本記事では、坂出駅から旅立ち五色台を巡りながら再び坂出駅まで戻ってくる、自転車旅の様子をお届けします。ちなみに、五色台の見どころについては、こちらの記事にまとめました。
目次
坂出駅から旅立つ

私は今、香川県坂出市にある坂出駅へ来ています。空を見上げると、澄んだ青空が広がる良い天気。こういう日にサイクリングすると、それだけでテンションが上がりますね。
これから向かう五色台は、香川県を代表する景勝地の一つとして有名です。そういえば、香川県を旅する機会はそれなりに多いのですが、五色台へは一度もヒルクライムしたことがなかったかも。
そのためか、今回の旅を計画した時から楽しみにしていました。五色台の山頂を目指すルートは複数ありますが、本日は五色台北端となる大崎の鼻から五色台スカイラインを駆け上る予定ですよ。
走りごたえのある劇坂コースとして知られており、どれほどのものなのか楽しみ。それでは、大崎の鼻を目指してレッツゴー♪



本街道を東へ向けて疾走していると、横津川が見えてきました。この川の奥に見える交差点を左折して、川沿いに進みます。その後、横津川沿いを離れると進路を北東へ。
いつの間にか、坂出市江尻町から林田町へ入ります。そして、大屋富築港宇多津線(県道186号)へ合流して東へ進んでいると、坂出市塩業資料館が見えてきました。
坂出市は、かつて全国の約3分の1の塩を生産した歴史を持つ地域です。塩業は、今の坂出の発展の基礎を作ったといっても過言ではありません。
そのような背景を知っていると、坂出市塩業資料館に興味津々。ということで、こうなるともう訪ねるしかないでしょ。旅をしていると、こういうことは良くあります。

坂出市塩業資料館では、塩づくりの歴史を学べます。ここで注目したいのが、久米栄左衛門(くめ えいざえもん)という人物。彼は江戸時代に高松藩八代藩主頼儀に仕え、藩政改革にも携わった科学者です。
「讃岐のエジソン」とも称さており、彼が開発した「入浜式塩田(久米式塩田)」は当時画期的でした。
当時は古来より人力で海水を汲み上げる「揚浜式」を用いる重労働だったのですが、彼が考案した「入浜式」によって、潮の満ち引きを利用することで、海水を自動的に塩田へ引き入れて砂に塩分を付けることに成功。
あまりにも効率的なため、その後全国に広まりました。館内では、かつて使われていた道具類などを展示しています。
館内は撮影禁止なので、中の様子をお伝え出来ないのが残念。興味がある方は、ぜひ足を運んでみて下さいね。

そうそうお土産に頂いたのが、日本海水が販売するポケットソルトです。夏場の熱中症対策として、手軽に塩分補給ができる優れもの。自転車旅をする者にとっては、携帯できるのが嬉しいぞ。
成分が100%塩ということで、消費期限がないのも素晴らしい。全く良いものを手に入れました。
五色台の北端「大崎の鼻」へ向かう道中にて

坂出市塩業資料館を後にして、再び大屋富築港宇多津線を道なりに東へ向かいます。しばらくして、青海川に架かる橋を渡ると、直ぐに高松王越坂出線(県道16号)へ合流しました。
後は高松王越坂出線を道なりに進むだけ。そうすれば、五色台スカイラインの入口がある大崎の鼻へ辿り着きます。
道中では、潮風が気持ち良い大屋冨海岸沿いを疾走。この海岸では、いくつもの石波止が突き出ていて、投げ釣りで入釣する人が多いみたい。また、潮通しが良いのでイカ釣りのポイントなんだそうですね。



鼻歌交じりで自転車のペダルをクルクルと回し続けていると、次第に海岸線を離れ内陸部へ入っていきます。その頃には、すでに王越町へ入っていました。
王越町は、古くからみかんやレモンの栽培が盛んな里山です。坂出と高松の中間地点に位置するので、車で約20分ほどで市街地へ辿り着けるほど近いですね。そう考えると、都会の便利さと豊かな自然を楽しめると思います。
海と山に囲まれた静かで穏やかな地域の印象ですが、高松王越坂出線を疾走していると、前方にカラフルな壁面が印象的な建物を発見。

思わず「え、何この建物!?」となりましたね。一度見かけたら中々忘れなさそうな外観ですが、このような建物あったかしら。
気になったので調べて見ると、どうやら王越町役場の建物をリノベーションした醸造所のようです。2024年春に醸造免許を取得して、ビール造りを始めたみたい。
外壁は、香川県の7人のアーティストにより、ライブペイントイベントにて描かれた作品とのこと。う~む、なるほど。最近この辺りに来ていないので、知らなかったかな。その分、新たな発見にビックリです。

このような建物を見かけると、私同様に興味を持つ人は多いだろうな。
かつて役場として町の中心を担っていた建物が、ビールとアートの発信地として生まれ変わり、今後の王越町を盛り上げて欲しいですね。

王越麦酒醸造所の前を通り抜け、しばらくすると左手側にはオリーブ園が見えてきました。確かこの辺りには、王越とんぼランドがあったはず。
地元住民やボランティアの人たちよって、耕作放棄地を整備して水路や池が作られていて、多様なトンボや生き物と触れ合える場所になっています。

しばらくすると、再び海岸線に入りました。ここまでくると、大崎の鼻までは約1kmほど。緩やかな坂道が続きますが、あえてペダルを漕ぐのに力は入れません。
というのは、もう少しで本格的なヒルクライムが始まるからですね。本番に備えて、軽く流すように走ります。

そして遂に大崎の鼻へ到着。眼前にピラミッド型の小槌島や大槌島を始めとする多島美がいい感じ。これは見応えがあります。
それに加え、これらの島の周囲には、漁船の数の多いことよ。蒼(空)・藍(海)・緑(山)・白(船)の豊かな色彩が調和しており、陽光に照らされた瀬戸内海の光景に、思わず「おっ~!!」と声が漏れました。
五色台スカイラインのヒルクライムに挑戦

さて、よいよヒルクライムの開始のお時間です。五色台スカイラインの入口付近を見ると、明らかに激坂の予感させる匂いをプンプン感じ取れます。
それに加え、路面には「オプションルート 五色台」のペイントがされているではないですか。なるほど、どうやら香川県が認定したサイクリングコースの一部のようですね。
東讃・高松・小豆・中讃・西讃の5つのエリアごとにサイクリングコースがあり、サイクリストのスキルや目的に応じて選択できる「オプションルート」も存在しているようです。
それでは、本格的なヒルクライムにレッツチャレンジ♪

そもそも五色台は、周囲を急峻な崖に囲まれた標高200~400mの卓状台地です。五色台の山頂へ向かうルートは複数ありますが、大崎の鼻から南に向けて延びる五色台スカイラインは、全長約9kmもある元有料道路ですね。
五色台スカイライン(五色台線 県道281号)を抜けた先にて、鴨川停五色台線(県道180号)と合流を果たすことで、東の高松市と西の坂出市へ抜けることができます。
本日は、最終的に鴨川停五色台線から下山して、坂出駅へ戻る予定ですよ。

序盤から自転車のギアは、インナーローに固定。体感的に勾配が10%を越えているのをヒシヒシと感じました。時々サイコンで勾配を確認すると、11%だった区間もあり、確かにこれは走りごたえがありますね。
約1.5kmほど激坂を上ったでしょうか、道が左右に分かれているのを目撃。五色台スカイラインでは、所々に脇道が延びていて、その先には展望台が設置されていたりします。


全体的に中盤以降で勾配が落ち着く感じ。平均勾配は6%前後でしょう。しかし、アップダウンが大きいので油断はできません。
たとえば、瀬戸内海歴史民俗資料館から少し上がると勾配が12%の区間があったり、休暇村へ向かう脇道前から鴨川停五色台線の合流地点までには、勾配が10%の区間あったりするので、かなりのハードモードですよ。


もちろん展望台へ立ち寄るのも本日の目的の一つなので、道中では五色台展望台や大崎山園地展望台、黒峰展望台、休暇村讃岐五色台展望台などへ足を運びました。
展望台からの光景は、サイクリストにとって最高のご褒美。苦労して劇坂を上ってきた疲れが一気に吹き飛びます。うん、このような景色を見たいため、ヒルクライムを頑張る人も多いだろうな。


基本的に五色台スカイラインは、木々に囲まれた道となっているので、道中では中々眼下の景色を楽しめませんでした。けれど場所によっては、高松市街を一望できたぞ。不意にこのような場面に出くわすと、テンションが上がります。
そもそも彩られた自然の中を自転車で走るだけでも気持ちが良い。それだけでも満足度が高いでしょう。

その他にも瀬戸内海歴史民俗資料館や五色台ビジターセンターへ立ち寄り、瀬戸内地方の歴史や文化を楽しく学べました。
五色台の見どころ(展望台含む)については、下記関連記事でくわしく紹介します。
鴨川停五色台線をゆき夕景を眺める

サイコンで時刻を確認すると16時前。ついに五色台スカイラインを抜けて、鴨川停五色台線へ合流した次第です。そこで、数人のお遍路さんが、歩いているのを目撃しましたね。
当初はもっと早くに五色台を下山する予定でしたが、展望台や博物館などで過ごす時間が楽しくて、滞在時間が結構長くなってしまったのだから仕方がありません。
ここから西側へ向けて降下して坂出駅へ向かうのですが、麓までは約10kmほど、駅までは残り20kmほどあります。
その道中には、夕景や夜景スポットとして知られる白峰展望台があるので、タイミングを合わせて訪れることにしました。そう考えると、予定通りにいかなくてもOKと思えるのだから、現金なものです。(笑)

鴨川停五色台線との合流地点にて、定食屋「みち草」を発見。時間が時間ですし、開店していないだろうと思いましたが、お遍路さんがお店の中へ入るではないですか。
その様子からどうやらまだ開いているみたい。ということで、私も立ち寄ります。

カレーを注文して、しばし休憩を取りました。いや~、それにしても助かった。実はまだ昼食を食べていませんでした。というのは、休暇村讃岐五色台でランチを食べれるのですが、日曜・祝日限定です。
それにどちらにせよ、時間的に無理だったかな。瀬戸内海歴史民俗資料館のスタッフに話を聞いたところ、ランチが出るお店は、休暇村讃岐五色台の他にもあると言っていたので、おそらくこの店がそうだったのでしょうね。
さて、一息着けたところで、早速白峰展望台に向けてレッツゴー♪


鴨川停五色台線を西に向けて少し上った後は、一気に下ることに。すでに辺り一帯はオレンジ色に包まれており、時間的にも丁度良し。白峰展望台の夕景に期待で胸が膨らみます。
多少アップダウンがありましたが、下り基調なので、あっという間に白峰展望台へ辿り着きました。



白峰展望台は、讃岐平野と瀬戸大橋の景観を一望できるロケーションとなっています。沈みゆく夕日に照らされた景色には、郷愁や哀愁を感じてやみません。
この時、ふと頭の中に「暮れなずむ町の 光と影の中 去りゆくあなたへ 贈る言葉~」から始まる海援隊の「贈る言葉」のメロディーが流れ出しました。うん、泣けるぜ!!

山道は街灯が少ないところが多いので、夜になるとかなり暗くなります。なので、ここからは時間との勝負です。白峰展望台から麓までは下り坂で約5kmほど。ということで、一気に坂道を下りました。
麓へ到着した時には、辺りは暗くなりかけていたかな。ふっ~、危なかったぜ。やはり晩秋の夕暮れ時は侮れません。その後、坂出駅まで夜道を駆け抜け、帰路へつきました。
まとめ

本日は1日を通して青空が広がり、実に良い旅日和となりました。
五色台スカイラインは話に聞いていた通り、本当に走りごたえのある劇坂コースでしたね。勾配が10%前後の区間が長く、ヒルクライム中に心折られるサイクリストがいても、何も不思議ではありません。
けれど、道中には五色台展望台や大崎山園地展望台など数多くの展望台が点在しており、絶景スポットがいっぱい。その景観は疲れが吹き飛ぶほどですよ。
また、瀬戸内海歴史民俗資料館は、無料とは思えないほどボリューミーな展示品の多さに驚きました。
本日は四国八十八ヶ所霊場の根香寺と白峯寺へ訪れませんでしたが、紅葉スポットとしても有名なので、機会を作って足を運びたいと思います。


