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旅の体験談

徳島県で感じる歴史ある江戸情緒、脇町のうだつの町並みを観光

「うだつが上らない」て言う諺を一度は聞いた事があるでしょう。

その諺の元となった「うだつ」が残っている古い町並みが徳島県の脇町にあります。

江戸・明治期に阿波藍や繭の集散地として大いに栄えた脇町を散策して、「うだつの町並み」を堪能してみましょう。

今回の旅は、うだつの町並みを歩くことで、うだつが上ることを期待したいですね。

本記事では、脇町の「うだつの町並み」について見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 古い町並みに興味がある
  • 徳島県のうだつの町並みについて知りたい

「うだつ」とはいったい何?

そもそも「うだつ」とは、いったい何を表すのかご存じでしょうか。

その昔、家と家の間に設けた防火用の袖壁を「うだつ」と言います。

真ん中に見える袖壁 が「うだつ」です。

尚、袖壁だけでなく屋根の小柱や装飾も含めて「うだつ」と呼ばれていますね。

「うだつ」を造るのはとても高額であり、裕福な家でないと設置できなかったことから、富の象徴として扱われていました。

いつしか「うだつ」は防火壁だけでなく、芸術性の高さを求める物となっていき、各家では個性的な「うだつ」が誕生していった経緯があります。

徳島県美馬市脇町では、うだつを掲げた商家の屋敷がたくさん連なり、江戸時代から続く見事な景観が今も色濃く残っていますね。

うだつが残る町並みは、脇町の他に岐阜県美濃市も有名だね。

徳島県美馬市脇町で「うだつの町並み」を観光

脇町へ行こう

電車に揺られてやって来ました徳島県。

「うだつの町並み」を漫喫できるスポットとして有名な脇町の最寄り駅へ到着しました。

穴吹駅から自転車(ロードバイク)で脇町を目指します。(自転車は輪行で持ってきました)

道中で見つけた脇町橋を通過していると、「これは沈下橋だね」と驚きテンションが上がります。

沈下橋と言ったら、高知県の四万十川や仁淀川に架かる橋が有名ですね。

洪水時には、橋面が水面下に沈む事で知られています。

雄大な青流 吉野川に架かる沈下橋(脇町橋)は、春に訪れた仁淀川に架かる沈下橋とはまた違った趣を感じました。

こちらの写真が仁淀川に架かっていた名越屋沈下橋です。

名越屋沈下橋です

比べて見ると、橋幅は同じくらいですが、脇町橋の両端には段差がありますね。

脇町橋の上から眺める吉野川の光景は、とても美しいのですが、いつまでも橋の上に留まっていると通行の邪魔になるため、早々と退散しました。

脇町橋を渡り終えた後で約500mほど進むと「うだつの町並み」の直ぐ近くにある道の駅「藍ランドうだつ」へ到着です。

この道の駅には、サイクルスタンドがありましたので、自転車を駐輪して徒歩で「うだつの町並み」へ訪れました。

尚、車を駐車できるスペースも十分あるため、車で訪れた場合は、この道の駅の駐車場を利用すると良いでしょう。

【輪行のすすめ】

本記事の旅のように電車に自転車を持ち込んで移動することを「輪行」と言いますね。下記記事では、輪行についてお話します。

美しき「うだつの町並み」を散策

「うだつの町並み」へ向かうためには、案内板に従い歩いていけば良いです。

徳島県美馬市脇町の「うだつの町並み」は、国指定重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、江戸時代から残る美しい町並みを堪能することができるスポットですね。

町並みの案内図を見てみると、一つの通りに住宅が集中していることが分かります。

全ての住宅をゆっくりと見て周れば、優に2~3時間はかかりそうです。

昔さながらの住宅が建ち並ぶ、美しい光景に思わず「江戸時代へタイムスリップしたのでは?」と錯覚するのも仕方がありません。

多くの住宅には、あって当たり前と言わんばかりに「うだつ」が見て取れます。

脇町は当時、阿波藍や繭の集散地として大いに栄えたため、多くの商家に「うだつ」が造られました。

おそらく、商人の間で競い合うように「うだつ」を造り合っていたのでしょう。

うだつの町並みを眺めていると、そんな光景がありありと浮かんできました。

ふと、視線を上にあげて見ると、屋根の上には立派な鬼瓦を発見します。

この鬼瓦が魔除けとなり、長きにわたり家を護ってきたに違いありません。

散策を続けていると、レトロな公衆電話を目撃しました。

「へぇ、このタイプは初めて見たな」と呟きながら扉を開けて見ると、そこには古いタイプの電話が設置されていましたが、まだ使えるのでしょうか。

うだつの町並みを見学する時は、車は駐車場へ駐車して下さいね。(マナーは守りましょう)

それにしても白壁の美しい住宅が目を引きますが、2階の窓にも注目です。

虫カゴのように見えることから「虫籠窓」(むしこまど)と呼ばれ、格子の部分には木や竹に芯を巻いて柱状にした後で、土を塗り漆喰で仕上げています。

虫籠窓は、窓から室内へ火が燃え移るの防ぐ役割があり、見事な職人技に惚れ惚れしますね。

また、こちらの格子は、窓や出入口に細い角材を使って、僅かな隙間を空けながら組み上げる江戸末期の技法が見て取れます。

散策を続けて、うだつが連なる見事な建屋を見てまわりましょう。

すると「日本の道100選」に選ばれた証を発見しました。

また、2005年(平成17年)には手作り郷土大賞を受賞しており、歴史遺産に掛ける郷土の誇りを感じずにいられません。

散策を続けるといろいろな物を発見しますが、この建物もその一つです。

この建物は脇町立図書館であり、周りの町並みに溶け込んでいるレトロな外観が良く似合っていますね。

町中には、ランチを召し上がることができるお店もありますので、時間をかけてゆっくりと見てまわりましょう。

また、観光の記念に知人・友人へのお土産を買うために、うだつの酒店へ立ち寄ってみませんか。

この酒店の入口前には、とても珍しいポストがありました。

この黒い箱型のポストは、1871年(明治4年)4月20日に新式郵便制度が始まった時に使用された物と同じ物だそうで、今でも現役で使えています。

うだつの町並みを散策して、江戸情緒を楽しみ古き良き時代を偲ぶのは、楽しい経験になりました。

【古い町並みあれこれ】

本記事で紹介しているような古い町並みは、日本全国に点在していますね。下記記事では、旅の道中に訪れた古い町並みを紹介します。

藍屋敷「吉田家住宅」を見学しよう

脇町で並ぶ商家の中でも一際大きな商家が、吉田家住宅です。

吉田家住宅は、1792年(寛政4年)に創業した藍商で、「佐直」(さなお)の屋号で知られた吉田直兵衛の屋敷でした。

藍商は、藍染めの原料を販売する商人であり、幕末から明治にかけて大いに繁盛したそうです。

直ぐ近くに流れている吉野川の流域は、藍草の一大産地であり、中流域以西では脇町が集散地の中心的役割を果たしていたと言われています。

この写真を見て分かるように、吉田家住宅はとても広く、その敷地面積は何と600坪もありますね。

吉田家住宅は現在、美馬市の指定文化財になっており、往時の大商人の暮らしぶりを今に伝えている貴重な建物です。

吉田家住宅に入って直ぐに目に付くのが番頭のおじいちゃんでしょう。

このおじいちゃんの人形は、実にリアルに作られていますね。

各部屋を見てまわり、当時の吉田家の暮らしぶりを見学しました。

子供(人形)が小窓から何かを覗いています。いったい何が見えるのでしょうか。

そっと小窓に近づき、覗いて見ると当家にやってきたお客が丸見えです。

きっとこの小窓を覗いて、訪ねて来たお客の品定めをしていたのではないでしょうか。

また、主座敷では将棋盤の上に駒が並べられていました。

実はこの吉田家住宅では、かつて棋士の佐藤康光氏と羽生善治氏が対局した様子が再現されています。

それは、第46期王位戦第5局の対戦であり、この時は佐藤康光氏が133手で勝利を納めたそうです。

この写真を見て下さい。意匠を凝らした欄間は見応えがありますね。

また、他の部屋では、時代を感じさせる服や家具が点在されており、それらを眺めながら、かつての豪商の暮らしぶりに思いを馳せていました。

こちらは、かつての脇町を再現したジオラマです。町人の人形が外を闊歩した様子も表しており、芸が細かいですね。(嬉)

こちらのカカシは、美馬市観光協会から藍染の宣伝をしているのでしょうか。

この屋敷の1階と2階にある部屋を見てまわった後は、中庭へ出てみましょう。

中庭から眺める屋敷も乙な物です。縁側で日向ぼっこをするのも楽しそうですね。

奥へ進むと蔵の中へ入る事ができます。

蔵の中には、鎧兜や昔の鉄砲、籠などが展示されており、奥へ進むと藤島博文画伯の名画の展示室がありました。

部屋の中には四神(四獣)の絵画があり、個人的には朱雀の絵画がお気に入りです。

朱雀です

四神とは、聞いたことがある人も多いと思いますが、古代中国で信じられいた4種の空想的動物を表し、朱雀、青竜、白虎、玄武がいますね。

蔵の中を一通り見てまわった後で、再び吉田家住宅へ戻りました。

先ほど紹介したおじいちゃん番頭の人形のまわりには、藍染で作られた服やバッグ、タオルマフラー、マスクなど様々な日用品が所狭しと並んでおり、脇町へ訪れた記念に買って帰るのも良いですね。

脇町のうだつの町並みを訪れた際、是非この藍屋敷こと吉田家住宅へ立ち寄ることをお勧めします。

吉田家住宅

住所 徳島県美馬市脇町大字脇町53

電話番号 0883-53-0960

営業時間 9:00~17:00(最終受付は16:30まで)

休館日 年末年始(12/27~1/1)

料金 大人510円、小中学生250円(15名以上で団体割引が適用)

  • 団体割引された1人当たりの料金は大人410円、小中学生200円です。

うだつ稲荷へ参拝

脇町立図書館の近くにある路地裏を抜けると「うだつ稲荷」がありました。

この稲荷への奉納方法は独特であり、阿波藍で染めた短冊に願いを書いて奉納するそうです。

うだつが上らない人は、短冊を購入して、うだつ稲荷へ奉納してみませんか。

きっとご利益を授かれると思います。

ちなみに「うだつが上らない」と言う諺は、地位や生活がさっぱり向上しない状態を表しているね。特に仕事などで出世することができず、ぱっとしない状況や、人物に対して使われることが多いよ。

道の駅「藍ランドうだつ」の紹介

道の駅「藍ランドうだつ」は、うだつの町並み地区と隣接しています。

この道の駅では、観光で訪れた人たちが交流できる交流室や土蔵を改修して造った藍染めと和傘の体験施設があるので足を運んでみませんか。

また、カフェスペースやランチを頂くことができるため休憩場所としても役に立ちます。

隣接する公園では、面白いSNS風のパネルで記念撮影ができますね。(笑)

駐車場もそれなりに広いので、車で訪れた場合は道の駅の駐車場を利用すると良いでしょう。

道の駅「藍ランドうだつ」

住所 徳島県美馬市脇町大字脇町55

電話番号 0883-53-2333

営業時間 9:00~17:30

休館日 年末年始(12/27~1/1)

駐車場 大型5台、普通車39台、障害者用1台

脇町の「うだつの町並み」の基本情報とアクセス

住所徳島県美馬市脇町大字脇町2

【アクセス】

  • JR穴吹駅からタクシーで約10分
  • 脇町ICから車で約10分

脇町の「うだつの町並み」の駐車場

道の駅「藍ランドうだつ」の無料駐車場を利用しましょう。(大型5台、普通車39台、障害者用1台)

まとめ

徳島県美馬市脇町では、うだつの町並みを楽しめます。

古い建物が連なって建ち並ぶその光景に、今も残る江戸時代の情緒を感じながら、当時を思い偲んで散策をしてみませんか。

かつて商人たちでにぎわった喧騒が感じ取れるかも知れません。

歴史と伝統が今も色濃く残る脇町を見学して、大商人たちが歩んだ貴重な歴史に触れてみましょう。

【周辺の見所】

うだつの町並みから少し離れたところに、世界で3箇所しか存在しない、珍しい景観の「阿波の土柱」がありますので下記記事で紹介します。

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