徳島県がかつて阿波国と呼ばれていたことを知っていますか。
全国各地域で、最も社格が高い神社を一宮と言っていますが、阿波国一宮に選ばれているのは「大麻比古神社」(おおあさひこじんじゃ)です。
地元住民から「おおあささん」と親しみを込めて呼ばれており、徳島県きってのパワースポットとして知られています。
四国巡礼で有名なお遍路さんも道中の安全祈願のために立ち寄るという神社ですね。
そんな「おおあささん」の元へ訪れて、願いを込めて神様へお祈りしてみましょう。
本記事では、徳島県を代表する神社である「大麻比古神社」の見どころを9つに絞り紹介します。
阿波国一宮「大麻比古神社」とは
実は大麻比古神社の正確な創建年は分かっていません。
平安時代中期に編纂された律令の施行細則では、「阿波の国の大社」と記載されているので少なくとも創建は1,100年以上も前からであったことは確かです。
そのころから徳島県を代表する神社であり続け、今に至っています。
平安時代中期に編纂された律令の施行細則の中で、ほぼ完全な形で残っているのは「延喜式 (えんぎしき)」だけだよ。
尚、阿波国一宮を称する神社は、大麻比古神社だけではなく、八倉比売神社、一宮神社、上一宮大粟神社があります。
阿波国の長い歴史の中で、少しずつご祭神を変えながら一宮も変わってきたのではないでしょうか。
大麻比古神社のご祭神は「大麻比古大神」と「猿田彦大神」の二柱です。
大麻比古大神は、はるか昔の阿波国を開拓した阿波の忌部氏(いんべし)の祖先にあたる神様になります。
猿田彦大神は、天孫降臨の時に道案内をしたと言われている導きの神様であり、聞いた事がある人も多いでしょう。
大麻比古大神と猿田彦大神の二柱を祀る大麻比古神社のご利益は、厄除や方除(ほうよけ)、交通安全の加護になります。
特に方除は、全国に10万以上あると言われる神社の中でもレアなご利益であり、地相や家相、建築などの方角にまつわるあらゆる災難を取り除いてくれますね。
新しいことへチャレンジする時や、人生の岐路で難しい選択が迫られ時など「道を切り開く力」を授けてくれる大麻比古神社へ参拝して人生前向きに生きていきましょう。
【周辺の見どころ】
大麻比古神社周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
【見所①】拝殿へ続く長い参道
大麻比古神社を訪ねてみると、始めに見えてくるのが大きくそびえ立つ朱色の鳥居です。
この大鳥居が一の鳥居であり、高さが14.6mもあります。
本当に大きいですね。尚、この一の鳥居は2002年(平成14年)に再建されました。
鳥居の前で拝礼した後でくぐり抜け、拝殿へ向かって進みましょう。
しばらく進んでいると赤い橋が見えてきました。
この橋は「祓川橋」(はらいがわばし)と呼ばれ、昔はこの橋の下に流れる川で禊をしてから参拝へ向かったと言われています。
祓川橋を渡り終えると、よいよ大麻比古神社の神域へ入るため、心を落ち着けて渡りましょう。
橋を渡り終えて、少し進むと大きな鳥居(二の鳥居)がありますので、この鳥居をくぐり抜けたら拝殿までもう少しです。
ここまでくるのには、一の鳥居から約800mほど歩きますね。
尚、二の鳥居前までは、自転車でも通行できますよ。
こちらは、大麻比古神社の案内図。うん、敷地がかなり広いことが分かります。
二の鳥居をくぐり抜け、その先にある階段を上りましょう。
すると奥の方には拝殿が見えてきます。
拝殿まで続く参道は、凛とした空気が流れており、神社仏閣好きには堪らない雰囲気に大満足です。
【神社仏閣の紹介(その1)】
旅の道中では様々な神社仏閣へ訪れたりしますので、下記記事で紹介します。
【見所②】お洒落な狛犬を見逃すな
大麻比古神社にはお洒落な狛犬がお出迎えしてくれます。
一目で分かりますが、狛犬には特徴的な前掛けが掛けられていますね。
前掛けの柄をよく見てみると見覚えがありませんか。
2020年にアニメや映画で大ヒットした「鬼滅の刃」の主人公である竈門炭治郎 (かまどたんじろう)の隊服の柄ですよ。
そんな前掛けを狛犬は、お洒落に着こなしています。また、世相を反映してコロナ対策用にマスクもきちんとしていますね。
この前掛けは、定期的に変わるようで「ピカチュ」の前掛けをしていた時もありました。
この狛犬たちの足元を良く見てみると、絵が描かれているようです。
よく見てみると、煙を吹きかけている人(神様?)のように見えませんか。
こちらは動物でしょうか。何の動物かは分かりませんが、背中に大きな花のような物が咲いているのが特徴的です。
じっくり狛犬を見ていると、このような面白い発見がありますので、神社で狛犬を見かけたらよく観察して見ると楽しいですよ。
【見所③】樹齢1,000年の御神木(パワースポット)
大麻比古神社の御神木は、樹齢1,000年余りの大楠です。
幹回りは8.3m、高さ22mのビッグサイズであり、その霊気溢れる雰囲気にはスゴイ迫力を感じました。
この御神木は、大麻比古神社でNo.1のパワースポットと言われているのも納得です。
御神木の幹に空いた大きな穴を見ていると「才能の扉が開かれる」と言われているので探してみましょう。
また、大きく枝を伸ばしたその姿は生命力に溢れており、きっと大きなパワーを授かるに違いありません。
この御神木を眺めていて気が付いたのですが、まるで象の顔に見えるのは私だけでしょうか。
【見事な樹木の紹介】
旅の道中では、巨大な樹木や景観の良い樹木などを目撃したりしますね。下記記事では、そんな樹木を紹介します。
【見所④】神の使い「フクロウ」
境内を散策していると面白い物を見つけました。それがこちら。なんと親子のフクロウです。
実は大麻比古神社では、フクロウは神の使いとされています。
直ぐ近くにある大麻山には、野生のフクロウが住んでいますので、フクロウが飛んできて御神木の枝にとまり羽を休めている姿を目撃できるとか。
そんな姿を目撃できれば、きっと大きなご利益がありそうです。
フクロウは360度首が回ると言われていますね。
実際は270度なのですが、270度でも視界自体は360度もあることから、360度首が回るとされているのです。
このことから「借金で首が回らない」状態に陥ることがない縁起物とされています。
更にフクロウの名前から「不苦労」・「福朗」の語呂合わせにより、何の苦労もなく、たくさん福がやってきて喜びいっぱいの人生を送れることが期待できますね。
【見所⑤】手水舎(御家紋が入った大きな鉢)
手水舎へ立ち寄ってみましょう。
どこの神社でもあるような手水舎に見えますが、良く見てみると御家紋が入った大きな鉢が備え付けられていました。
この鉢から考えられることは、花手水(はなちょうず)の可能性が高いです。
後日調べてみると、2021年の1月から2月にかけて豪華な花手水が見られたようでした。
鉢を埋めつくす色とりどりの花を見てみたかったですね。
【見所⑥】拝殿と本殿
大麻比古神社の拝殿は大きく立派です。
初詣では30万人が訪れると言われているので、参拝に時間がかかることが容易に予想できます。
私が訪れた日は、普段の平日であり、時間も夕方に近かったため参拝客はまばらでしたね。
そのため、とても空いており、ゆっくりと参拝することができました。
参拝が終わった後で、裏へ周って見ると本殿が見て取れます。
こちらの本殿は1880年(明治13年)に国費で再建されたそうです。
本殿の後ろへ向かうと賽銭箱を発見。
つまり、本殿へ直接参拝できる訳ですね。これは少し嬉しいかも。(嬉)
【神社仏閣の紹介(その2)】
神社仏閣の中には、珍しい参拝方法があったりしますね。下記記事では、そんな神社仏閣を紹介します。
【見所⑦】恋愛スポット、青い心願の鏡池
境内の奥の方へ歩いて行きましょう。すると、鮮やかな青色の池を目撃します。
この池は「心願の鏡池」と呼ばれていて、かつて板東俘虜収容所のドイツ兵捕虜たちが掘った池を整備したものです。
第一次大戦の最中、中国の青島半島の戦いで捕虜となったドイツ兵たちは、1日も早く故郷へ帰れることを願いながら神社を散策し、記念のために境内に池を掘って橋を造りました。
いつしかこの「心願の鏡池」は、池の真ん中にある石の上にお金を乗せると恋愛が叶うと言われ、恋愛スポットになっています。
【恋愛スポットの紹介】
日本全国には、至るどころで恋愛スポットが点在していますね。下記記事では、そんな恋愛スポットを紹介します。
【見所⑧】捕虜となったドイツ兵が造っためがね橋とドイツ橋
心願の鏡池の直ぐ近くにある小さなアーチ橋が「めがね橋」です。
先ほどお話した板東俘虜収容所で暮らしていたドイツ兵は約1,000人ほどになります。
この収容所では人道的な扱いを受けており、地元住民との交流を深めていきました。
地元住民との自由な交流の中で芽生えた感謝の気持ちを込めて造られたのが、めがね橋とドイツ橋です。
めがね橋の奥にドイツ橋があります。
残念ながらドイツ橋は、文化財として保存しているため出入り口に柵を設け、現在は渡れません。
日独の友好の証として、何百年も残るようドイツの優れた土木技術をいかして造られためがね橋とドイツ橋。
その友情は今でも続いています。
めがね橋の全長は4.3m、全幅1.2mあるよ。ドイツ橋は全長9m、全幅2.1mだね。
【見所⑨】境内にある沢山の境内社
境内には、多くの社があります。
主祭神と関係の深い神様がお祀りされている場合がありますので、できるだけお参りをしましょう。
こちらは山神社(やまじんじゃ)。
ご祭神は大山祇神(おおやまずみのかみ)であり、日本神話に登場する山の神の代表的な存在ですね。
こちらは中宮社(ちゅうぐうしゃ)です。
ご祭神は不明ですが、お宮は伊勢神宮の式年遷宮での古材を使用して1974年(昭和49年)に社を造り替えました。
山の上にある奥宮の方角へ向いて立つ遥拝所もありますよ。
大麻比古神社の奥宮は「峯神社」(みねじんじゃ)と言って、標高538mもある大麻山の山頂に鎮座しています。
奥宮へ直接向かう時間が取れない方は、こちらの遥拝所でお参りを行ないましょう。
その他にも豊受社、丸山八大龍王神社、水神社、西宮神社などたくさんありますね。
大麻比古神社の基本情報とアクセス
住所 | 徳島県鳴門市大麻町板東広塚13 |
電話番号 | 088-689-1212 |
拝観時間 | 9:00~16:30又は17:00(月により異なる) |
開門時間は月により異なります。
- 3月~11月は6:00~17:00
- 12月~2月は6:30~16:30
【アクセス】
- JR板東駅からタクシーで約6分、徒歩約25分
- 板野ICから車で約10分
大麻比古神社の駐車場
大麻比古神社には無料駐車場が利用できます。(普通車1,000台)
まとめ
大麻比古神社は、徳島県を代表するパワースポットの一つであり、徳島県の神社巡りをする時に必ず訪れて欲しい神社です。
大きな朱色の一の鳥居からゆっくりと歩いて、神域へ向かいましょう。
広々とした境内を時間を掛けて巡り、神様へお祈りを捧げていると、いつの間にか安心して心が落ち着きます。