2日間にわたる「しまなみ海道」の自転車旅。
前日は、愛媛県今治市の市街地から瀬戸内海に浮かぶ大三島まで旅をしました。(前日の旅の様子はこちら。)
本日の旅のルートは「大三島 → 生口島 → 因島 → 向島 → 尾道市街」ですよ。
旅の道中では、シトラスパーク瀬戸田や因島水軍城、本因坊秀策囲碁記念館、岩屋山・大元神社など様々な観光スポットへ足を運んだ次第です。
シトラスパーク瀬戸田から瀬戸内海を望む景色に興奮したり、因島水軍城や本因坊秀策囲碁記念館では、興味深い歴史に触れました。
そして岩屋山の頂上には、大元神社が鎮座しており、謎の巨石群が待ち構えていたのです。
本記事では、大三島から尾道市街まで自転車で旅した様子をお届けします。
サイクリストの聖地から旅立つ
太陽の光が降り注ぎ、さわやかな潮風を感じる朝。目の前には、きらきら輝く瀬戸内海と美しい多々羅大橋が見て取れます。
私が今いる場所は、大三島にある「道の駅 多々羅しまなみ公園」です。
朝が早いためか、いつもは賑わう公園もほとんど人影が見えません。
この場所には、サイクリストの聖地の記念碑がある。私がいつも立ち寄る場所。ここでの記念撮影は、もはや儀式といっても差し支えないでしょう。(笑)
撮影が滞りなく終わると本日の旅の開始です。自転車のペダルをゆっくり回し、多々羅大橋へ向かいます。
橋を渡るためには、緩やかな坂道を上ることになる。高度が上がるにつれて、瀬戸内海の見える範囲も広がります。
微笑を浮かべながら、横目で海の景色を眺め、多々羅大橋を渡る。
すると、愛媛県と広島県の県境に到着。さようなら愛媛県、こんにちは広島県。いつも思うけど、ここを通過するたびに謎の高揚感を感じるのは、私だけでしょうか。
多々羅大橋の名物「鳴き龍」を楽しみながら橋を渡り、生口島へ入りました。
自転車道を下っていると、目の前にはヤツが現れます。ヤツの名は「レモン怪獣」、瀬戸田のブランドレモンが怪獣として具現化したもの。
私が彼と初めて出会ったのは去年(2022年)ですね。レモン怪獣は、2021年9月に誕生したため、遭遇回数はまだ2回。なのでまだまだ珍しい。
自転車を降りて、色んな角度から彼をカメラで撮影してしまいました。(笑)
それだけ彼が魅力的なのだから、しょうがない。やはり、レモンを握っている手元がチェームポイントかな。
ひとしきり、怪獣の撮影会を楽しんだ後は、生口島を見て回りますよ。
【カメラに関する話】
旅の道中で気になった場所や出来事があれば、つい撮影してしまう。なので出来るだけ性能のよいカメラを使用したいですね。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
シトラスパーク瀬戸田からの眺望
生口島を走るコースは、普段は北側の海岸線コースを走るのだけど、本日は南側のコースを走る。それにはちょっとした理由がある。
生口島には、島ごと美術館と呼ばれる野外のアート作品が点在しており、島の北側に点在しているアート作品はすでにだいたい見学済み。そこで、今回は南側にあるアート作品を見て回ろうと思いました。そのためには、まずはシトラスパーク瀬戸田へ行きますよ。
シトラスパーク瀬戸田は、山の上にあるのは、知っていましたが行くのは初めてですね。
細い路地を通っていると、徐々に勾配がきつくなる。斜度が10%を越えるところもあるので結構大変。海岸線から約1kmほどの上りなので、距離はそれほどでもないのが救いかな。
当然ギアはインナーロー。ゆっくりだけど確実に上り続けていると、海を見下ろす芝生広場が見えてきました。
この芝生広場で見つけたのが、島ごと美術館の作品「CATS DANCE」です。
たくさんの猫が立ちあがり円になって踊る姿は楽しそう。ちなみに、猫が囲んでいるのは八朔の木ですよ。
芝生広場の奥には、シトラスパーク瀬戸田の建屋があります。
シトラスパーク瀬戸田は、グランピング施設を中心とした公園です。昔は、日本初の柑橘類のテーマパークとして開園しましたが、2015年に一時休園し、2022年8月にリニューアルされました。
春になると約800本の桜が咲き誇り、目の前に広がる瀬戸内の多島美と桜のコラボを楽しめます。
ここで飲み物とドルチェのアイスを購入。ゲートを通過して園内へ入る。
その通路には、大きなミカンのオブジェがあったりして面白い。
そして、ベンチに座り、多島美を眺めながらまったりと休憩していた次第です。
多島美の風景と色鮮鮮やかなチューリップを見ていれば、先ほどまで激坂を上っていた疲れなんて吹き飛びますね。
展望スポットからの景色がこちら。思わず「うぉー!」と声を上げる。実に絵になる景色ですね。
今回は島ごと美術館の作品を見るために、シトラスパーク瀬戸田へ立ち寄りました。
なので、この後の予定を考えて園内の散策は、グッと我慢。またの機会に訪れたいと思います。
アイスを食べ終えて、しばらくしてからシトラスパーク瀬戸田を後にしました。
【自転車旅の様子】
本記事のような自転車旅の様子を、下記記事で紹介します。
生口島で現代アート作品を見学
「上りがあれば、下りもある」当たり前のことですが、ヒルクライムをする上では大事な言葉です。
シトラスパーク瀬戸田までは、激坂が続くヒルクライムでしたが、帰路はダウンヒルになる。来た道とは違う道を使いましたが、道幅が広くきれいに整備されているので、こちらがメインの道でしょう。
そういえば、シトラスパーク瀬戸田のスタッフに聞いたのですが、「足を着かずにシトラスパーク瀬戸田へ辿り着いたら勇者と呼ばれる」そうですよ。
なるほど。恐らくこの道のことをいっているのに違いありませんね。さっきからサイクルコンピュータの斜度がずっと-10%前後を表示しています。
あっという間にダウンヒルを終えて、国道317号へ合流しました。
そのまま東へ進み、旧南小学校の跡地近くへ行きます。そこで目にしたのが、島ごと美術館の作品「ベルベデールせとだ」です。
何もない砂浜に展示された黄色い鉄のオブジェ。子供たちのよい遊び場になっているのかも知れませんね。
ちなみに、干潮であれば作品の近くまで行けて、階段から上へ登れます。横からみれば、円は2重になっており、スロープを歩いて円の中央部へ行ける。
実は、この作品は、自転車と一緒に円の中央に立てば、自撮りができるという。サイクリストのSNS映えスポットとして知られています。
次に訪れたのは、グランピング施設「グランドーム瀬戸内しまなみ」の近くにある龍明神。
この神社の鳥居のとなりには、島ごと美術館の作品「塩池」がありました。
私はこの作品をみて、鉄の牢獄を連想したのですが、実際はどういう意味があるのだろうか。
古墳のように見える大木は、よく見れば、たくさんの木々が密林のように植えられていて、1つにまとまっている感じ。
その根元には、龍明神の社がありました。お詣りをすませた後で、ロケーションが非常によい海岸でしばし休憩をとります。
えっ、さっき休憩したばかりだろうとお叱りを受けるかもしれませんが、見て下さいこちらの風景を。
こんな素敵な風景をスルーするのは、実にもったいない。
瀬戸内海の景色を眺めながら、近くにグランピング施設がある理由がよく分かりました。
再び国道317号を東へ進むと、目の前の青看板には「因島 10km」の文字を見つけ、少しだけスピードアップ。
そうこうしている内に、道端に珍しいものを見つけました。それがこちらの「ガングロ飛び出し坊や」です。
ありそうでなかったものだったので、思わず記念撮影しました。(笑)
道なりに先へ進んでいると、岩城島行きのフェリーが見えてくる。フェリーを見ていたら、ゆめしま海道を走りたくなりますね。
しばらくすると、頭上には生口橋が見えてきた。この橋を渡れば因島です。
いつも通り、橋の上からの景色を楽しみながら生口橋を渡り因島へ入りました。
【いろいろな海道の紹介】
しまなみ海道以外にも「とびしま海道」や「ゆめしま海道」など多くの海道がありますね。そんな海道を下記記事で紹介します。
因島を巡る
いつもは、時計回りで海岸線を走り因島大橋へ向かうのですが、本日は因島の内陸部を横断して、東海岸へ向かいます。
因島大橋へ向かうには、ショートカットなのですが、内陸部を走ると標高が高くなる。つまり、山道を走らなければなりません。
しばらくすると、新青影トンネルが見えてきました。このトンネルを抜けて、約1kmほど走れば次の目的地である因島水軍城へ辿り着きます。
前日、大島で村上水軍関連の博物館(村上海賊ミュージアム)などへ足を運びましたが、因島もまた村上水軍と関わりが深いですよ。
村上水軍へ思いを馳せながら、自転車のペダルを回していると、因島水軍城の入口付近へ到着。
そこからは、距離こそ短いけど急坂となっていて、そんな坂道を乗り越えれば、因島水軍城が見えてきました。
駐車場に自転車を置いて、徒歩で水軍城へ向かいます。
因島水軍城では、因島村上家が残した武具や遺品、古文書、因島水軍まつりの写真などが展示されている。これは楽しみですね。
実は、この水軍城がある場所は、村上水軍に全くゆかりがないのですが、直ぐ近くには、村上水軍の菩提寺である金蓮寺(こんれんじ)があります。
駐車場から約8分ほど歩き、階段を上った先には本丸・隅櫓・二の丸がある。それぞれの場所で展示品を見学しましょう。
本丸に入ってまず始めに目に留まるのは、こちらの「大阿武船(おおあたけふね)」です。
水軍船隊の主力艦の模型ですよ。日本で最初の本格的な大型構造船なんだとか。
その他にも様々な展示品が並べており、歴史ロマンを感じました。
因島水軍城を後にして、次に訪れたのは本因坊秀策(ほんいんぼう しゅうさく)囲碁記念館です。
本因坊秀策は、江戸時代の囲碁棋士ですね。私は彼のことを昔読んでいた漫画「ヒカルの碁」で知りました。
秀策は、囲碁の歴史上最強と呼ばれていて、現在でも「本因坊」の名を冠したタイトル戦があります。
本因坊秀策囲碁記念館では、碁聖と称された秀策の碁の技だけでなく、彼の生き方や碁に対する心構えなどを学べますね。
館内は撮影禁止なので、訪れる機会があれば、ぜひ自分の目で確かめてみて下さい。
本因坊秀策碑の前で、愛車と記念撮影をした後で、因島の大浜海岸へ向かいます。
そこで目にしたのが、こちらの八重子島。この島は、因島八景の1つですよ。
少し大きな島と小さな島が二つ並んでいる。干潮では、大小2つの島は砂洲が現れつながるそうです。更に大潮の干潮になると、八重子島まで砂洲が現れるので、因島側から歩いていける。
遠くから見ても分かりますが、松が枯れ山肌が白くなっているの印象的。う~む、気になるな。
大浜海岸を北上すると、因島大橋の入口が見えてきました。
次に渡るのは向島(むかいしま)。本日向かう最期の島です。
【村上水軍の観光スポット】
村上水軍について学べたり、体験できる観光スポットを、下記記事で紹介します。
向島の岩屋山と幻のサイダー
向島には、古代の巨石信仰の聖地とも呼ばれる謎の多い巨石群がある。そこは、岩屋山の山頂にあり、そこには「第2の高千穂」と呼ばれる大元神社が鎮座しています。
なので大元神社を目指して進みました。尾道大橋がある方角へ進み、とある路地裏を通過していると、右手側には高速道路がみえ、左手側に見える山頂には、巨石が見て取れる。
間違いなく、あそこに巨石群があるのでしょう。路地裏を道なりに進むと、急坂となりその先には、大元神社と書かれた看板がありました。
ここから先は、階段を上って山頂へ向かいます。参道を歩き、拝殿へ到着。
まずは大元神社へ参拝をすませましょう。
この大元神社には、2つの見どころがあります。1つは巨石群。もう1つは尾道三山パノラマビューですね。
こちらは、巨石群の風景。
大小様々な巨石が転がっています。この場所は、昔崖崩れがあったそうなので、見学する際は十分足元に気を付けるように。
巨石群へ向かう道には、立入禁止の立札が立てられていましたが、私は事前に大元神社の宮司さんの許可を取って踏み入れてます。
当たり前ですが当然、自己責任ですね。慎重に歩きながら謎の巨石が織りなすミステリゾーンを漫喫しました。
また、本殿の奥を歩けば、拝殿から約5分ほどで展望スポットへ辿り着ける。そこが尾道三山パノラマビューと呼ばれる場所です。
尾道水道を始め、尾道市街が一望できる。尾道三山である千光寺山、西國寺山、浄土寺山もここから目視できますね。
うん、それにしても良い景色。訪れたかいがありました。
大元神社を後にすると、後藤飲料水工業所(後藤鉱泉所)へ向かいます。
ここでは、幻のサイダーが頂ける。昔ながらの瓶入りラムネやジュースを製造販売しているお店で、今では製造されていない貴重な瓶を使っているため、再利用してますよ。
そのため持ち帰りはできず、お店で飲んで瓶を返却しないといけないため、幻のサイダーと呼ばれています。
つまり、足を運ばなければ飲むことができない訳ですね。
一番人気は、こちらのマルゴサイダー。
私も飲んでみましたが、昔ながらの爽やかな甘さが残るサイダーです。疲れた体に、スーッと体中に染み渡る炭酸が実に気持ちいい。
向島へ訪れたサイクリストは、ぜひ足を運んでみて下さい。
尚、大元神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
渡し船に乗って本州へ
後藤飲料水工業所を後にして、いつもの尾道駅前行き渡し船のりばへ向かいます。
すると、そこは学生たちで埋め尽くされていました。どうやら丁度下校のタイミングだったみたい。
あまりにも人が多すぎて、次の便には乗れそうにない。どうしようかと考えていた時、渡し船のスタッフから別の渡し船(福本渡船)を教えてくれました。
この時は失念していましたが、向島から尾道市街へ向かう渡し船はここだけではありません。
この場所から約400mほど離れたところに福本渡船があります。こちらは空いてましたね。
渡し船に乗って本州へ渡る。渡し船では、短い時間ですが愛車を撮影して過ごします。
桟橋が見えてくると、旅もよいよ終わりが近づいてくるのを実感しますね。
渡し船を降りて、尾道水道の景色を眺めながら尾道駅へ向かう。
ハトに近づき撮影したりしていましたが、それにしてもこのハト、人に慣れすぎ。全然逃げるそぶりすらしない。(笑)
そうこうしている内に、尾道駅へ到着。本日の旅はこれにて終了です。
まとめ
しまなみ海道をサイクリングして、大三島から尾道市街へ向かいました。
その道中で訪れた生口島・因島・向島の観光スポットを巡りながら、その土地の歴史に触れたり、初めて訪れる絶景スポットに満足した次第です。
生口島では島ごと美術館のアート作品を探し、因島では因島水軍城と本因坊秀策囲碁記念館へ訪れました。
そして、向島では大元神社のある岩屋山へ足を運び、謎の巨石群と尾道水道が一望できる展望スポットからの景色を漫喫した次第です。
2日分けてしまなみ海道をサイクリングしたおかげで、今まで知らなかったことを学んだり体験できたので、人生の経験値は確実に上がったでしょう。
機会があれば、また数日間に分けて、しまなみ海道の旅を行ないたいですね。