日本最大級の砂丘がある鳥取県鳥取市。そのため、鳥取市は砂丘のイメージが強いですね。
そんな鳥取市へ訪れ、市内を見て回るのが本日の旅の目的です。鳥取駅から旅立ち、鳥取城跡を中心に周辺にある仁風閣(じんぷうかく)や鳥取県立博物館へ訪ねます。
その後、旅のクライマックスとなる鳥取砂丘へ。最後は、由緒名高い鳥取市指定保存樹木「一理松」を見物しますよ。2泊3日の鳥取旅の1日目は、どんな旅になるのか実に楽しみだ。
本記事では、鳥取市内をサイクリングしながら、様々な観光スポットへ訪れた旅の様子をお届けします。
鳥取駅のモニュメント
旅のスタートは鳥取駅。いつものように電車輪行でやってまいりました。
大抵の駅前には、様々なモニュメントが設置されており、見ているだけでも楽しいものです。鳥取駅にもそのような面白いモニュメントがたくさんありますね。
まずは、私がいつも訪れる場所がこちらの「TOTTORIモニュメント」前。
このようなモニュメントを見てしまうと、愛車と撮影してしまうのは、サイクリストの性(さが)でしょう。
また、風紋広場には、目へ引く色々なモニュメントがあり面白い。
たとえば、こちらのモニュメントは「夢時計21」といいます。
台座下部から作品の頂点まで約15mの高さがあり、未来へ飛び立つ子どもたちの像が20体ほど見て取れる。
実は、このモニュメントとは、日本・ロンドン・ニューヨークの時刻を表す三面時計を備えています。凄くないですか。
こちらは「因幡の麒麟獅子舞(きりんじしまい)」の石像です。
麒麟獅子舞は、因幡地域(今の鳥取県東部)と但馬地域(今の兵庫県北部)に伝わる人々に幸福をもたらす民俗芸能ですよ。獅子舞の一種ですが、霊獣・麒麟がモチーフになっているところが違いますね。
麒麟獅子舞は、鳥取県東部を旅していると、よく見かけるので覚えておこう。
こちらは「おしどりアーチ」。
鳥取県の鳥である「おしどり」をモチーフにしたアーチです。よく見ると、二羽が仲良くつながっていますね。
昔は上部に取り付けられたたくさんの鐘が、時間ごとに鳴り響く面白い趣向だったのですが、今は鐘が撤去されており残念。鐘が頭上に落ちる危険性があったため、撤去されたのでしょうね。
駅前探索は終えたら、まず目指すのは鳥取城跡や仁風閣などが集まる観光スポット地帯へ向かいます。
それでは、自転車のペダルをゆっくり回し、旅の開始です。
【カメラに関する話】
旅の思い出にカメラ撮影を楽しみましょう。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
白亜の洋館「仁風閣」
鳥取駅から約2kmほど進むと、久松公園へ辿り着きました。
久松山の麓にあるこの公園は、鳥取城跡を中心にして、仁風閣(じんぷうかく)や鳥取県立博物館など見どころが集まっています。
鳥取市内の観光をするには、打って付けの場所ですよ。まずは、仁風閣へ足を運びました。
仁風閣は、中国地方屈指の明治洋風建築として知られている。フレンチ・ルネッサンス様式を基調とした洋館であり、直ぐ近くにある日本庭園と見事に調和がとれた景観は、拍手喝采を送りたい。
仁風閣の見事な外観や日本庭園の素晴らしさは高く評価されており、1973年に国の重要文化財に指定されていますね。
そもそも仁風閣は、当時皇太子であった大正天皇の宿泊施設として建てられたのが始まりです。そんな由緒がある建築物ですが、大ヒット映画「るろうに剣心」のロケ地となった場所としても知られている。
仁風閣は、武田観柳(かんりゅう)のアジトとして登場しています。そもそもアニメ版「るろうに剣心」の武田観柳邸のモデルになったのが仁風閣なので、ここが選ばれたのも納得ですね。
なので、るろうに剣心ファンならば、一度は足を運んでおこう。
館内へ入れば、1階には常設展示室があり、仁風閣のあゆみや鳥取藩のあゆみなど歴史を学べます。2階へ上がれば、当時皇太子が実際に利用していた「御座所」や「謁見所」など各部屋を見学できる。
ここで鳥取藩について学んだ後で、鳥取城跡へ立ち寄れば、より感慨深く感じるでしょう。
尚、仁風閣については、下記関連記事でくわしく紹介します。
不思議な巻石垣が見られる「鳥取城跡」
仁風閣の見学を終えると、目の前に見える鳥取城跡へ向かいました。
鳥取城跡は、戦国時代から江戸時代にかけて築かれた鳥取城の跡地であり、様々な石垣の遺構が残されている。
その範囲は広く、山麓にある「山下ノ丸(さんげのまる)」と山頂にある「山上ノ丸(さんじょうのまる)」に分かれており、山城跡が山上ノ丸で、江戸時代に整備された平山城が山下ノ丸ですね。
時間的な都合などで今回見て回ったのは、山下ノ丸のみなので、また訪れる機会があれば、今度は山上ノ丸へ訪れたい。
山下ノ丸には、二ノ丸がきれいに整備されており、解放感たっぷりの広場は気持ちいい♪♪
それに鳥取市街を一望できるビュースポットですよ。
この景色をみるだけでも訪れる価値がある。また、複数の櫓台跡が見て取れます。
特に目玉となるのは、国内唯一となる亀の甲羅のように見える不思議な石垣です。その名は「巻石垣(まきいしがき)」や「天球丸」と呼ばれています。
その美しく仕上げられた球面は実に不思議。こんな石垣が実在するなんて驚きを隠せませんね。
じっと眺めていると、まるで現代アートに通じるものを感じてしまう。この石垣は、1807年頃に崩れそうな石垣を補強するために作られました。ちなみに、現存のものは復元されたものですよ。
尚、鳥取城跡については、下記関連記事でくわしく紹介します。
鳥取県立博物館の見学
鳥取県立博物館では、3,000点以上の資料が常設されており、鳥取県の自然や歴史について分かりやすく説明しています。
鳥取県を代表する自然といえば「鳥取砂丘」の名前が真っ先にあがるでしょう。この砂丘の成り立ちや生息している動植物などについてくわしく学べます。また、鳥取県内で見つかった化石や大山の生物などについても展示されており、見ているだけでも面白い。
さらに旧石器時代から江戸時代まで鳥取県の郷土の歴史や民俗について学ぶことができる。鳥取県内の遺跡から出土した石器や土器などを始め、麒麟獅子舞や藁馬(わらうま)を見学しよう。
約150年前の鳥取県の一般的な農家の民家が復元されていた。昔の人々の暮らしぶりが分かるというものだ。
それに、世界最大の両生類として知られる「オオサンショウウオ」の標本がありますが、それだけでなく実際に飼育展示している。これにはテンションが上がります。
個人的にもっとも驚いたのは、全長7mもあるダイオウイカの標本ですよ。このような生物が、海中を自由に泳いでいるとは・・・・
地球の約7割は海が占めており、私たちにとって身近な存在です。けれど、人類が航海を始めて数百年が経過しているにも関わらず、把握しているのは5%ほどという。う~む、本当に分かっているのは、氷山の一角ですね。
そうすると、未知の生物が存在している可能性は極めて高いのではないでしょうか。そんなことを考えるとワクワクしますね。
【自転車のアイテム紹介】
自転車に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
鳥取砂丘と砂の美術館
鳥取県立博物館を後にし、よいよ鳥取砂丘へ向かいます。
鳥取砂丘までの距離は約5kmほど。湯山鳥取線(県道265号)の上り坂を越えて鳥取砂丘入口の交差点を左折し、砂丘道路(県道319号)を走れば砂丘の入口へ辿り着く。
上り坂の途中からは、眼下に鳥取市街が見渡せる。こういうご褒美があるからしんどい坂道も悪くはない。
鳥取砂丘への入口はたくさんありますが、利便性を考えると、鳥取砂丘ビジターセンターの直ぐ近くにある入口から入るのがおすすめです。まわりには、広い駐車場や食事処、土産屋などがそろっており立地がよいですね。
鳥取砂丘は、日本海海岸に広がる海岸砂丘であり、その広さはなんと、東京ドーム約820個分もある。見渡す景色は、ほとんど砂一面です。高い建物は何もなく、そのため解放感が堪りません。
国内には多くの砂丘がありますが、観光できる砂丘としては日本一ですよ。ちなみに日本最大の砂丘は、青森にある「猿ヶ森砂丘」ですね。その広さは鳥取砂丘の3倍もあるとか。防衛省の下北試験場(弾道試験場)の敷地になっているので一般公開されていません。
そういう意味では、安全に観光できる鳥取砂丘は、人が集まるのは自然の理かな。
特に「馬の背」という愛称で呼ばれている第二砂丘列からの景色は感動ものですよ。なので、砂丘を歩いて高さ47mもある馬の背の頂上を目指そう。
馬の背から望む日本海は、澄み切った海が広がっています。
ここで見る日の入りは、格別なのだそうだ。5月から8月にかけては、太陽が日本海に沈むので、オレンジ色に染まる美しい日本海を砂丘とともに眺めてみたいですね。
馬の背の頂上を少し歩くと、風によって波のような描かれた模様が一面に広がっていました。これが「風紋」です。早朝や夕方、日が傾く時間帯ならば、より美しい風紋を楽しめる。
その他にもオアシスや火山灰露出地、ハマヒルガオの群生地など見どころが多いです。また、砂丘周辺にある「砂の美術館」はぜひ足を運んでもらいたい。
砂の美術館は、鳥取砂丘の砂と水を使い、世界各国のトップクラスの彫刻家たちが造り上げた砂像を展示しています。このような美術館は、世界広しとはいえ、ここだけですね。
毎年テーマが指定され、それに合わせたクオリティの高い様々な砂像が、テーマに沿った国の歴史や文化を物語っています。
ちなみに、2022年と2023年は2年連続で、第14期展示となる「砂で世界旅行・エジプト編」でした。世界遺産のルクソール神殿やピラミッド、スフィンクスなどエジプトに相応しい全22作品の砂像に大興奮しました。
尚、鳥取砂丘と砂の美術館については、下記関連記事でくわしく紹介します。
鳥取砂丘の西側のシンボル「一理松」の景観
鳥取砂丘の西側へ向かえば、その昔、因幡(鳥取)と但馬(浜坂)を結ぶ浜街道の一里塚となっていた「一理松」があります。
江戸時代に植栽されたもので、由緒ある名木として知られていますね。この松の木は、2本の夫婦松のように見えますが、実は1本の松の木であり、枝分かれした状態で砂に埋まっている。
なので、初見ではビックリするかも。松の木陰から鳥取砂丘と日本海が織りなす遠景を楽しもう。
松の近くには、小説家・有島武郎(ありしま たけお)氏が鳥取砂丘へ訪れた際、詠んだ歌が刻まれた歌碑が建てられていました。
「浜坂の遠き砂丘の中にして さびしさ我を見出でけるかも」と刻まれている。鳥取砂丘は、この歌によって一躍有名になったそうです。
また、この辺りは、かつて何軒も茶屋があった旅人たちの休憩スポットでした。そのため、柳茶屋という呼び名で親しまれていたそうです。
今は直ぐ近くに柳茶屋キャンプ場や親子で遊べるテーマパーク「鳥取砂丘こどもの国」があります。
【自転車旅の様子】
自転車で旅した様子を、下記記事で紹介します。
まとめ
鳥取市は砂丘のイメージが強いですが、それだけでなく数多くの見どころが多いです。本日の旅では、鳥取市をサイクリングしながら、鳥取城跡や仁風閣、鳥取県立博物館、鳥取砂丘などへ訪れました。
大自然に触れてこころ躍る時間を過ごせたり、歴史ある建築物・建造物、博物館を見学すれば、その土地の文化を学べます。
旅のスタイルは人それぞれですが、好奇心の赴くまま時間を過ごすのは、旅の醍醐味ともいえるでしょう。