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旅の体験談

兵庫・丹波の地で白毫寺へ参る、九尺藤や太鼓橋など見どころを紹介

白毫寺の入口前

GWの期間中に入ると、国内の至るどころで藤の花が見ごろを迎える機会が多いですね。

兵庫県丹波市に位置する「白毫寺(びゃくごうじ)」では、九尺藤が咲き乱れる名所として知られています。そよ風に揺れる花房は美しく、見とれてしまうほど。甘い香りに包まれた紫のベール一帯をゆっくり歩きませんか。

また九尺藤だけでなく、境内には、仏様の世界と俗世を分かつ「太鼓橋」や水の透明度に感嘆の絶えない「一心池」、石庭・石仏などの見どころも目白押し。

本記事では、1,300年以上の歴史を誇る丹波市の古刹「白毫寺」の見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 神社仏閣に興味がある
  • 藤の名所へ出かけたい
  • 白毫寺の見どころを知りたい

白毫寺とは

白毫寺(回向本堂)
白毫寺(回向本堂)

白毫寺(びゃくごうじ)は、兵庫県丹波市市島町に位置する天台宗の寺院で、山号は五大山です。

705年(慶雲2年)に法道仙人によって開基されました。鎌倉時代には、七堂伽藍が建ち並び、南北朝時代には赤松貞範(あかまつ さだのり)など地元領主の庇護の下、名刹として隆盛を極めた歴史があります。

しかし、戦国時代に入ると、織田信長の家臣・明智光秀による丹波攻略の際に焼失してしまいました。その後、多くの人々の篤い信仰心により再興し今に至ります。

このような歴史を経て再興した白毫寺は、丹波屈指の古刹であり、桜や藤、シャクナゲ、睡蓮、ハス、紅葉など四季折々の風景の美しさを楽しめる。特に九尺藤の名所として知られ、藤シーズンになると、県内外から多くの参拝者が訪れます。

また、丹波古刹十五カ寺霊場や新丹波七福神霊場として訪れる参拝者も多いです。

【周辺の見どころ】

白毫寺周辺の見どころを、下記記事で紹介します。

白毫寺といえば九尺藤!1m越えの藤は迫力満点

白毫寺の藤棚
白毫寺の藤棚

毎年、藤シーズンを迎えると、九尺ふじまつりが開催されます。境内の山側の方には、L字型に組まれた約120mの藤棚があり、さらに山側の少し高い場所にも藤棚が並列しています。

それぞれの木には、たくさんの花房を見物できる。その多さは外から見ると、境目が分からないないほどですよ。

遠くからでも思わず目を向けてしまうほど、山の緑に沿うように紫のベールが並ぶ景観は、美しいですね。

風に揺れる藤の花房
風に揺れる藤の花房
藤棚
藤の花

一尺は約30cmなので、九尺だとその9倍になる訳ですから約270cmとなりますが、実際はそこまで長くはありません。しかし、名前のイメージからして物凄く長いことが期待できる。

白毫寺の藤の長さは100cm前後もあり、長いものだと160cmほどに成長するという。うん、これは凄いですね。

山でよく見られる藤の長さは約20~50cmほどなので、それと比べると、いかに九尺藤の長さが凄いのか分かるだろう。

私が訪れたタイミングは、見頃から少し遅かったこともあり、満開とはいきませんでしたが、それでも圧巻の藤の景色を楽しめました。

長さだけでなく、花房自体をじっくり見物してみよう。たくさんの小さな花々が陽光に照らされて、それぞれ輝きを放つのを感じられる。

それに藤棚一帯は、甘い香りに包まれています。なので、きっとヤツがいるはずなんですが・・・

花の蜜をすうクマバチ
花の蜜をすうクマバチ

おっ、いましたヤツです。藤の花の蜜を吸っているクマバチを発見しました。

藤にクマバチはつきものですね。クマバチはスズメバチと違って、おとなしいので、騒がなければ滅多に刺されないため安心感があります。(スズメバチを見かけたら脱兎のごとく逃げるぞ)

クマバチのように力がなければ藤の蜜を吸えないので、ライバルのいない独占状態となっている。

それに、藤にとってもクマバチは、花粉を運んでくれる上客です。そのため、お互いWin-Winの関係を築きあげているといえるだろう。

白毫寺の代名詞ともいえる九尺藤の正式名称は「野田長ふじ」なんだそうな。ちなみに、九尺藤は園芸品種名ですよ。

九尺藤が織りなす景色は、兵庫県観光局が選定する「私の好きな兵庫の風景100選」にも選ばれました。

夜になると、ライトアップがされるそうで、より幻想的な風景が展開されます。そのような景観の中で気になる人と一緒に過ごせば、お互いの距離も縮まりそうですね。

【藤の名所を紹介】

旅先で訪れた藤の名所を、下記記事で紹介します。

山門をくぐり抜け「回向本堂」へお参り

白毫寺(山門)
白毫寺(山門)

白毫寺へ訪れたら、まず始めに回向本堂へお参りしましょう。

石門を通過して道なりに真っ直ぐ西へ歩いていくと、山門が見えてきます。

小ぶりな山門ですが、中々味わいを感じる。山門の奥には、すでに回向本堂が見えており、距離にして約10mといったところかな。

白毫寺(回向本堂)
白毫寺(回向本堂)

薬師堂が総本堂になるので、こちらは回向本堂という扱いですね。

鶴の彫刻
鶴の彫刻
木鼻の鷹の彫刻
木鼻の鷹の彫刻

神社仏閣の楽しみ方の一つには、社殿や本堂などに彫られた彫刻見物がある。白毫寺もご多分にもれず、見事な彫刻を見物できる。後で説明しますが、境内には石の彫刻物が多く、そちらも見応えがあります。

楽寿観音
楽寿観音
ぼけ除け地蔵尊

また、回向本堂の両脇には、安らかな老後を守護する「ぼけ除け地蔵尊」と「楽寿観音」が参拝者を見守っているので、気になる方も少なくないだろう。

私が訪れた日は、藤シーズンということもあり、多くの参拝者が回向本堂と共にぼけ除け地蔵尊前に並んでいました。うん、やはり安らかな老後は、誰しもが望んでいるのがよく分かるというものだ。

というわけ、私も「一生ボケませんように」と願掛けを行なった次第です。

仏様の世界と俗世との境界に建つ「太鼓橋」

太鼓橋
太鼓橋

境内を歩いていると、こじんまりと大きく弧を描いた木橋をみかけるでしょう。

この橋が「太鼓橋」ですね。実は、この橋は仏様の世界と私たち人間の世界(俗世)を結んでいるということ。興味深くないですか。

太鼓橋の高さは1.75m、幅2.05mで全長は5.2mあり、銅板葺の素屋根が覆う外観は、周囲の景観と相まって風情があります。

造られた時期は不明ですが、橋の作風からして江戸時代に造られたそうですよ。

太鼓橋を正面から見る

正面から見るとその急勾配がよく分かるというものだ。それに見るからに登りやすくないかな。危ないので渡らない方がよいだろう。

私は、他の神社仏閣でもこのような太鼓橋を見かけたことがあり、チャレンジした経験からいえば、たとえ登れたとしても降りる方が数倍怖いです。

「一心池」の透明度が凄い

一心池
一心池

駐車場から本堂へ向かう道中に見かける「一心池」には、驚くと思います。

というのは、あまりにも透明度が高く、池の中を泳いでいる鯉が浮いているように見えるからですね。あまりにもインパクトがあるので、思わず「うぉ~」と声を出してしまった私。これは仕方がないでしょう。

青空の下、陽光に照らされた綺麗な模様の錦鯉が優美に泳ぐ姿を眺めていると、心が落ち着くものだ。

これほど清く澄んだ水が湧出す場所には多くの人が集まるものです。私以外にも多くの参拝者が足を停めて、一心池の透明度に驚いている様子でした。

ちなみに、鯉のエサは寺務所にあるので、そちらで手にいれましょう。

白毫寺の一心池は、草書の「心」の字形に造られた日本庭園で見かける心字池(しんじいけ)です。有名な心字池には、京都の西芳寺や桂離宮、東京の後楽園などがあります。

水路で泳ぐ鯉
池の風景

樹林の中に佇む総本堂の「薬師堂」と「熊野権現社」

薬師堂
薬師堂

藤棚の東側には樹林が広がっていて、回向本堂がある場所とは打って変わり、雰囲気がより厳かになるのを感じます。

そんな中にひっそりと佇んでいるのが総本堂の「薬師堂」。本尊の薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)を安置しており、人々の様々な悩みや苦しみを救って下さるありがたい仏様です。

また、縁結びのご利益がありますね。回向本堂と共にぜひ参拝しましょう。

熊野権現社
熊野権現社

さらに薬師堂の裏手側を歩いていると、白毫寺の守護神として祀られている「熊野権現社」を発見。

案内板によれば、どうやら江戸時代に和歌山・熊野地方からやってきた橋爪一族が、白毫寺背山で銅鉱採掘に当たっていたそうな。その作業の安全祈願のため、郷里の熊野三山から祭神を勧奨して祀ったのが始まりだそうです。

ちなみに、境内には橋爪一族を供養するための墓碑があります。

鹿柵
鹿柵

熊野権現社の裏手側に目を向けると、一面に金網が張られているではないですか。どうやら鹿柵のようなので、野生の鹿が下山してくるのでしょう。

柵の出入り口前には、感電注意の張り紙があり、電線に触れるなと書かれていましたので注意して下さいね。

石庭や石仏など石の芸術品を楽しもう

石庭
石庭

回向本堂前には、枯山水式の日本庭園があります。規模は小さ目ですが、趣があるのでじっくり見物していきたい。

また、境内の至るどころでは、優しい眼差しを向けるお地蔵様など多くの石仏が、お出迎えしてくれます。

石仏
七福神の石仏
七福神

藤棚のある広場には、阿弥陀如来(あみだにょらい)や勢至菩薩(せいしぼさつ)、七福神などがズラリと並んでいるので、一つ一つ見ていきたいですね。

個人的には、名前を唱えるだけで心安らぐ阿弥陀如来が気に入りました。

摩尼車
摩尼車

こちらは摩尼車(まにぐるま)です。一回転させることでお経を1回唱えたことになるという。とてもお手軽なのが素晴らしいではないですか。

本尊の薬師瑠璃光如来に向かって静かに回しましょう。

その他にも様々な石碑や石塔、石彫刻などがあるので、探してみてはいかがですか。

一隅碑
一隅碑
宝船に乗る七福神
宝船に乗る七福神

孔雀さんにご挨拶

孔雀
孔雀

山門の近くには、孔雀舎があります。孔雀は猛毒をもった蛇を食べてくれるので、私たちを守ってくれるありがたい鳥ですね。

孔雀といえば、孔雀明王を思い浮かべる人も多いでしょう。仏教において、すべての災厄を取り除いてくれる仏様。インドの国鳥である孔雀が神格化されて、仏教に取り入れられました。

そのため、孔雀舎をスルーせずに孔雀さんに挨拶しておきたい。時折、広げた見事な羽が見られるので、その瞬間を目撃できたらラッキーですよ。

白毫寺の基本情報とアクセス

住所兵庫県丹波市市島町白毫寺709
電話番号0795-85-0259
拝観料300円

【アクセス】

  • JR市島駅からタクシーで約8分
  • 舞鶴自動車道「春日IC」から福知山方面へ車で約10分

白毫寺の駐車場

白毫寺には、以下の無料駐車場があります。特に藤シーズンになると、臨時に第7駐車場まで設けて約250台以上の駐車が可能になるのはありがたいですね。

  • 第1駐車場(普通車 70台)
  • 第2駐車場(普通車 25台)

第3以降の駐車場は、少し離れているので藤シーズンオフでは、第1・第2駐車場を利用するのが便利です。

まとめ

白毫寺御詠歌の石碑
白毫寺御詠歌の石碑

1,300年以上の歴史を誇る丹波市の古刹「白毫寺」では、本尊に薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)をお祀りしています。

山門をくぐり抜けで、回向本堂や薬師堂へお参りしよう。本尊の薬師瑠璃光如来は、縁結びのご利益があるので素敵な出会いに巡り合えるよう、願掛けしてみてはいかがですか。

また、白毫寺は藤の名所として有名であり、毎年多くの参拝者がみごとな九尺藤を見物に足を運びます。

藤以外にも桜やシャクナゲなどの花が咲き、秋には紅葉を楽しめる。四季折々の自然が織りなす風景を眺めながら、ゆっくりと境内を巡りましょう。



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年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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