徳島県の美波町と牟岐町を結ぶコースの一つには、ツーリングスポットとして知られる「南阿波サンライン」があります。
起伏に富んだワインディングコースであるからこそ、自転車では走りごたえがあるという訳だ。
ということで、自転車でチャレンジしました。雄大な太平洋の景観が素晴らしくて気持ちよく走れる。そして、そのような景色を眺めると、疲れが吹き飛びますね。
道中には、4つの展望台があるので足を運んでみよう。また周囲には、モラスコむぎ・薬王寺・日和佐うみがめ博物館・大浜海岸など見どころも目白押し。
本記事では、四国の右下にある風光明媚な「南阿波サンライン」のコースの魅力や特徴、展望台、周辺の見どころなどを紹介します。
南阿波サンラインの魅力と特徴
南阿波サンラインとは、徳島県海部郡美波町から海部郡牟岐町に至る県道147号・日和佐牟岐線の通称です。
リアス式海岸の断崖に沿って約17kmも続くコースとして、1974年(昭和49年)に全線開通しました。1988年までは有料でしたが、今は無料になっています。
起伏に富んだワインディングコースなので、自転車で走るのに向いていないように思えるけど、実際はそうとも言い切れないですね。
というのは、道幅が広い上路面状態も良好、それに何といっても車の交通量が少ないという好条件がそろっているからだ。
美波町と牟岐町を結ぶ道には、南阿波サンラインの他に土佐東街道(国道55号)がありますが、全長690mの日和佐トンネルなどトンネルが複数あるので、走る際には気を付けたい。
往復するならば、往路に南阿波サンラインを走り、復路は国道55号線を走るのもアリですね。(往路と復路のコースは反対でもOK。)
コース上には、シュロの木などを植生している区間が複数あるので、まるで南国の観光道路の雰囲気を醸し出している。
全体的に勾配は緩やかであり、平坦路はほぼなく、上るか下るかのどちらかです。
それに加え、最大で勾配が10%の劇坂区間があるので侮れないぞ。
このようなコースとなっているため、走りごたえが十分にあります。人によっては、思った以上にアドレナリンが湧き出すだろう。なので、焦らずに自分のペースで走り続けて下さいね。
道中には飲食できる場所がないため、補給食を忘れずに持っていくように。
4つの展望台は休憩スポットとしておすすめ。展望台によっては、トイレや自動販売機がなかったりするので注意が必要です。(展望台については、後でくわしく説明します。)
【サイクリングコースの紹介(その1)】
自転車で走りたい様々なサイクリングコースを、下記記事で紹介します。
南阿波サンラインのコースを紹介
こちらがコースの全体マップ。県道147号線はほぼ一本道なので、道中道に迷う心配がないのはありがたいです。
ちなみに20時から翌日5時までの夜間は、総排気量125ccを超える自動二輪車は通行が禁止になります。まぁ、自転車には関係ないですけど。
うろ覚えで申しわけありませんが、たしかほとんど街灯を見かけなかったかな。なので、夜間に走るのは危ないので止めた方がよいです。
コースの起点と終点は、以下の通り。
- 美波町側:JR日和佐駅から約1kmほど西にある国道55号交差点
- 牟岐町側:JR牟岐駅前にある国道55号交差点
どちらも国道55号線との交差点となっているので、事前にGoogleマップなどで確認しておこう。駅から駅へ向かうコース取りとなるため輪行が便利です。
特に日和佐駅は隣接して「道の駅 日和佐」があるので拠点に持ってこい。
売店やお土産物が充実しているだけでなく、観光案内所もあるので周辺の観光情報を調べるのに役立ちます。
【サイクリングコースの紹介(その2)】
海沿いにある様々なサイクリングコースを、下記記事で紹介します。
南阿波サンラインにある4つの展望台
南阿波サンラインのコース上には、4つの展望台があります。4つの内、第1・第4展望台はとても眺望が良いので、ぜひ足を運んでみよう。
また、展望台毎にトレイと自動販売機があったりなかったりするので、以下にまとめました。
展望台 | トイレ | 自動販売機 |
---|---|---|
第1展望台 | 〇 | 〇 |
第2展望台 | × | × |
第3展望台 | × | × |
第4展望台 | 〇 | × |
それぞれの展望台について紹介します。
第1展望台
約200mの高さを誇る千羽海崖を南側から望める絶景スポットです。
展望台には屋根付きの円形ベンチがあるので、ここで休憩しながら眼下の景色を楽しもう。
海に浮かぶ複数の島々の景色が広がっています。
一番大きく見える島が「大島」ですね。無人島ですが、ダイビングスポットとして有名。船で乗り入れするそうですよ。
大島以外には、櫂投(かいなげ)島・津島・小津島・出羽島が大島に左右して見えます。また、遠くには室戸岬が見えるのもGood。
トイレの場所はすぐに分かりますが、自販機はトイレから離れ場所にあるので見逃さないように。
第1展望台は、視界が広く開放感があるので撮影スポットにも適している。
たとえ時間に余裕がなくても、この展望台だけは足を運ぶのをおすすめします。
ちなみに、私は愛車をベンチ前で海をバックに1枚撮り、「室戸阿南海岸国定公園 日和佐浦」と書かれた立札をバッグに1枚撮りました。
なかなか良い感じでしょ。
【展望スポットにあると便利なアイテムを紹介】
展望台のような景色のよい場所へ持っていきたいアイテムを、下記記事で紹介します。
第2展望台
海側の視界は、樹木に遮られており眺望はよくありません。4つの展望台の中で、一番見晴らしかよくなかったですね。
展望台というより、ただの駐車場ですよ。トイレや自販機がないのでスルーする人が多いのではなかろうか。
そんな展望台ですが、第1展望台と第3展望台のほぼ中間地点にあるのがポイントとなる。駐車場の片隅で休憩しながら英気を養おう。
ちなみに、こちらの景色が望めます。
また、昔話「喰わず森」のお話が紹介されているぞ。
何々、どうやら近くには喰わず森と呼ばれるところがあり、その昔、食うものも食わずに働いた人がためた小判が埋められているそうな。これは、ロマンを感じますね。
また、下へ降りる階段をみつけましたが、一体どこへつながっているのだろうか?
少し気になりましたが、実際に降りてはいないので分かりません。
第3展望台
第3展望台は、第2展望台と同じようにただの駐車場といえます。
海側には樹木が生い茂り視界が遮られているので、見晴らしがよくないですね。それでも第2展望台と比べると、まだましなレベルかな。
こちらの景色が望めます。
この眺望が望めるあたりのフェンスには、地元アーティストの作品が並べられている。
トイレや自販機がないため、スルーする人が多いと思いますが、こちらのような作品は他の展望台では見られないのでお見逃しなく。
第4展望台
4つある展望台の中で最も開放感を感じるのが第4展望台です。
第1展望台と同じくとても写真映えするので、できるだけ立ち寄ろう。ベンチに座りながら、雄大な太平洋の眺めを堪能して下さいね。
第1展望台と同じような景色が見られますが、位置的に大島を含む各島々がより近くに見える。
また、左手側には和歌山の紀伊半島、右手側には高知の室戸岬が見渡せます。
朝日の名所ということで、「初日の出」を拝むスポットなんだとか。確かに、想像するだけでも感動的な光景が目に浮かびそうですよ。
静かで心落ちつく「明丸海岸」へ寄り道しよう
せっかくリアス式海岸の断崖に沿って走るのだから、より海岸へ近づきたいですね。
南阿波サンラインのコースを少し離れ、明丸海岸へ足を運んでみよう。
まるでプライベートビーチのようなに入り江のため、とても心が落ち着く静かな場所ですよ。
砂利浜が広がっており、海には浸食された岩礁が浮かんでいるのがいい感じ。釣りやデイキャンプを楽しめそうです。
周囲には駐車場がありませんが、車で来たならば、交通量が少ないため短時間であれば道路脇に停めても大丈夫だと思いました。
道なりに奥へ進むと、南阿波サンラインモビレージへ辿り着く。
そこは緑豊かな丘の中腹に建つコテージが並んでおり、1泊して静かな太平洋を望みながらひと時を過ごすのも良いですね。
明丸海岸の行き方は、第2展望台から東へ約600mほど進んだところに海岸へ向けて降りる道が分岐しています。
この分岐点には「南阿波サンラインモビレージ」の看板があるのがよい目印。その下り坂を道なりに進めば辿り着きます。
周辺の観光スポットを紹介
南阿波サンライン周辺にある主な観光スポットを以下に示します。
- モラスコむぎ
- 薬王寺
- 大浜海岸と日和佐うみがめ博物館
それぞれについて紹介します。
モラスコむぎ
モラスコむぎは、世界中から集めた貝殻や化石の標本が約2,000種、6,000点を所蔵・展示している博物館です。
貝殻をイメージして造られた木造の展示棟では、古生代から今も生き続ける「オウムガイ」、世界一長い「エントツガイ」、世界一高価な「リュウグウオキナエビス」など珍しい貝殻が展示されている。
また、博物館としてだけでなく、コワーキングスペースやコミュニティスペースとして活用できるコミュニティ複合施設です。
さらに四国八十八景に認定された「松ヶ磯」の風景を楽しめます。
モラスコむぎについては、下記関連記事でくわしく紹介します。
薬王寺
薬王寺は、四国88ヶ所第23番札所として多くの参拝者が足を運ぶ古刹です。
弘法大師が、42歳の厄除け祈願のために薬師如来像を安置したとして、厄除け寺として知られています。
仁王門をくぐった先には、女厄坂・男厄坂・還暦厄坂と呼ばれる階段があり、各段ごとに薬師本願経の経文が書かれた小石が埋められている。そのため、お賽銭を階段に一段ずつ供えて厄流しをするという。
また、寺のシンボルとして「瑜祇塔(ゆぎとう)」があり、真言宗の経典(瑜祇経)を形に表したものなんだとか。高さ29mの朱塗りの塔なので、麓からでもよく目立ちます。
高台に築かれた境内は、日和佐の古い町並みを一望できるビュースポット。その眺めは、爽快な気分になりますね。
薬王寺については、下記関連記事でくわしく紹介します。
大浜海岸と日和佐うみがめ博物館
ウミガメの産卵地として有名な大浜海岸。日本の渚百選にも選ばれている景勝地です。
毎年、アカウミガメが5月中旬~8月中旬にかけて産卵のためにやってくるぞ。南北に約500mの美しい砂浜は、南国の詩情をただよせます。
直ぐ近くには、全国でも珍しいウミガメ専門の「日和佐うみがめ博物館」がある。残念ながら私が訪れた時は、リニューアルのため工事中でした。
またの機会に訪れたいですね。
まとめ
南阿波サンラインは、アップダウンの多いワインディングコースであり、自転車では走りごたえがあります。
雄大な太平洋の景観が素晴らしく、チャレンジする価値は十分にあり。一気に走り抜けてもいいですが、コース上にある第1・第4展望台は、休憩場所兼撮影スポットにおすすめです。
そのような展望台で、眼下の太平洋を眺めながらまったりと過ごしていると、時が過ぎるのを早く感じるだろう。
道中には食事ができる場所はないので、補給食を事前に用意しておきたい。
決してアクセスのよい場所ではありませんが、四国の右下へ訪れる機会があれば、ぜひサイクリングを楽しんで下さいね。