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旅の体験談

引田の町並みを歩く、讃州井筒屋敷など多彩な建築物が織りなす景観

引田の町並み

香川県の東端に位置する東かがわ市。

この東かがわ市には、短いながらもかつて讃岐国の中心だった城下町が整備されていました。

それが「引田地区」です。

その後、城下町から港町へ性格を変え、醤油の醸造などで栄えます。

由緒ある神社仏閣や古い日本家屋の「町家」が作られおり、今なおその面影が色濃く残っていますね。

そんな引田の町並みを散策しながら、讃州井筒屋敷(さんしゅういづつやしき)や手袋ギャラリーなどの見どころへ足を運んでみましょう。

本記事では、引田の町並みの景観と見どころを紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 古い町並みが好き
  • 引田の町並みや見どころが知りたい

古い建築物が残る引田の町並みを歩く

引田の町並みは、規模自体は決して大きくはありませんが、昔ながらの景観を今に伝える貴重な建築物が見て取れます。

最寄り駅は、JR引田駅。

JR引田駅
JR引田駅

引田駅から約400mほど歩くと、引田の町並みへ辿り着きますね。

引田は古くから天然の良港として栄えており、中世には引田城が築かれました。

しかし、江戸時代の一国一城令を受けて廃城となりましたが、その後も清酒や醤油の醸造、手袋の生産など多様な産業により反映した次第です。

今でも引田地区を含む東かがわ市では、手袋の生産量が国内シェア90%を占めており、他の追随を許しません。

引田の氏神である誉田八幡神社から本町通り沿いにかけて歩いていると、大きな商家などが連なっており見応えがあります。

引田の町並みの風景
引田の町並み

江戸期から昭和期にかけて様々な年代の建物が並んでいるため、統一感は薄く感じますが、建物一つ一つに趣深さを感じますよ。

特に旧庄屋の「日下家」、醤油業の「岡田家(かめびし屋)」、酒・醤油業の「佐野家(讃州井筒屋敷)」へは足を運びましょう。

日下家
日下家

これらは、いわゆる「引田御三家」。

個人的に御三家と言う響きが好きですね。(笑)

この御三家の中でも、かめびし屋の外観は特徴的でベンガラ色の石蔵がとても目を引きます。

かめびし屋は、1753年(宝暦3年)の創業以来、「むしろ麹製法」と言う古来の伝統製法を今でも守り続けている醤油屋です。

かめびし屋
かめびし屋

自慢の醤油を使った「しょうゆうどん」や「もろみソフトクリーム」などを楽しめるという。

残念ながら、私が訪れた日は定休日だったので、ガッカリしました。(旅人あるあるですね。)

御三家の他にも泉家、松村家など歴史を感じる住宅が沢山ありますよ。

泉家
泉家

古い建築物ばかりが連なると思うと、近代建築物を発見。

かつては、引田郵便局として使用されていたそうです。

旧引田郵便局
旧引田郵便局

今では、この旧引田郵便局はリニューアルされ、風の港館「カフェ・ヌーベル・ポスト」という名前でカフェが営業されています。

八角形の窓のあるデザインが特徴的な羊館であり、2010年(平成22年)1月15日に国の登録有形文化財に登録されました。

「カフェ・ヌーベル・ポストとは、フランス語で新しい郵便局という意味があるよ。

また、町中には古い建築物だけでなく、湾岸アートの作品もありました。

その作品がこちら。

湾岸アートの作品

シャッターにスプレーで描かれたクオリティーの高いアート作品にビックリ!

引田港の防波堤へ行けば、このような作品が沢山見られますよ。(詳しくは後述します。)

今と昔が入り混じり、統一感がない多彩な建築物が織りなす引田の町並みですが、多様な産業を背景に広い年代に渡って発展してきた証ではないでしょうか。

【古い町並みの紹介】

古い町並みを歩いていると、ノスタルジックな雰囲気を感じますね。下記記事では、そんな雰囲気を感じ取れる町並みを紹介します。

引田の町並みで足を運びたい見所

引田の町並み散策だけでなく、実際に建屋の中を見学できるところもあるので、足を運びましょう。

町並み自体はそれほど広くないので、所要時間は30~40分もあれば見て回れます。

しかし、これから紹介する見所をゆっくり見て回るのならば、3~5時間程度は必要ですね。

讃州井筒屋敷

讃州井筒屋敷
讃州井筒屋敷

讃州井筒屋敷(さんしゅういづつやしき)は、引田の町並み観光の拠点に持ってこいの場所です。

観光案内はもとより、食事処や各種ショップ、和三盆作りの体験施設やギャラリーなどの施設が併設されています。

江戸時代初期から醤油醸造業を営んでいた「井筒屋(佐野家)」として、江戸時代から近代にかけては東讃随一の豪商だったという。

また、同屋敷ゆかりの佐野新平氏は、学校創設や道路・耕地整理など、引田の発展に貢献したそうです。

讃州井筒屋の母屋の様子

当時の母屋を見学(有料)できるので、是非足を運んでみて下さい。

母屋内には居間や奥座敷、茶室、屋根裏などがあり、広さと格式の高さに驚かずにいられません。

讃州井筒屋の母屋

また、随所に贅沢な仕様が見て取れました。

例えば、厚さ3cmのケヤキ製濡れ縁やビンロウジュという珍しい木の柱があります。

特に私が目を引いたのは、当時かなりの高級品であった黒壇と神代杉を使用した雪見障子と栗型の窓の内部に寒竹を使用しているという左官窓。

左官窓
左官窓
左官窓(障子を閉める)

障子を閉めて浮かび絵がる寒竹のシルエットが素晴らしい。風流を感じますね。

また、吹きガラスを通して庭園を眺めると、歪んで見えて更に赴きのある眺めになるそうです。

個人的な感想として、商家とは思えないほど贅を尽くしているかな。

けれど、調和が取れており、全く嫌みを感じさせず、成金趣味とは一線を画していますね。

屋敷を取り囲むように回遊式の日本庭園がありますので、散策しましょう。

讃州井筒屋の庭園
庭園

特にお勧めするのは、こちらの樹齢200年のホルトノキ。

ホルトノキ
ホルトノキ

「エレキテル」や「土用の丑の日にウナギを食べるとよい」と言ったことで知られている平賀源内氏が、「ポルトガルの木」と呼んだ呼び名がなまって「ホルトノキ」になったそうです。

なぜ、「ポルトガルの木」と呼んだかと言うと、ポルトガルによくあるオリーブの木と間違ってしまったことが原因だという。

まるで神様が宿っているような見事な大木なのでお見逃しなく。

尚、ホルトノキは、香川県指定保存木になっています。

その他にも流政之氏の作品「まちこまた」があったり、井筒屋文政樽の中にベンチが設置されていました。

まちこまた
まちこまた
井筒屋文政樽
井筒屋文政樽

醤油醸造業に相応しい独特なベンチに座りながら、一息つくのも乙なものです。

  • 住所 香川県東かがわ市引田2163
  • 電話番号 0879-23-8550
  • 営業時間 10:00~16:00(母屋) ※営業時間・定休日は店舗ごとに異なる。
  • 定休日 水曜日(祝日の場合は営業)
  • 料金 300円(母屋の見学)

【古い住宅の紹介】

古い町並みを保存している観光スポットへ訪れると、昔ながらの住宅を見学できる所がありますね。下記記事では、そんな町並みスポットを紹介します。

東かがわ手袋ギャラリー

東かがわ手袋ギャラリー
東かがわ手袋ギャラリー

東かがわ手袋ギャラリーは、2000年まで実際に手袋工場として使われていました。

今ではリニューアルされ、レトロな古道具、ミシンが展示されており、昭和時代の手袋工場の雰囲気を体験できます。

また、手袋を使ったアート作品の数々が非常に面白い。

例えばこちらの結婚式の光景。

手袋アート(結婚式)
手袋アート(結婚式)

新郎新婦が手袋というのが上手な演出ですね。

このような面白い演出が沢山ありますので、是非見学へ訪れてみて下さい。

手袋アート

また、販売スペースもあるため、お気に入りの手袋を探してみませんか。

オリジナルブランド「jimo・mani」などの購入もできますよ。

  • 住所 香川県東かがわ市引田2161-2
  • 電話番号 0879-33-5055
  • 営業時間 10:00~16:00
  • 定休日 水曜日(祝日の場合は営業)
  • 料金 無料

かめびし屋

かめびし屋
かめびし屋

かめびし屋は、江戸時代から続く醤油醸造元です。

その店舗や醤油蔵など18棟は、国の登録有形文化財に登録されています。

ベンガラ色の建屋の外観は、とても目に付き、独得の世界観を感じました。

歴代の当主は、創業以来「むしろ麹製法」と言う古来の伝統製法を踏襲しており、今日に至るまで独自の香りと風味を持った醤油作りを続けています。

かめびし屋で作った醤油はもちろんのこと、お菓子なども直売しており、醤油の色、香り、味をその場でテイスティングできるという。

これは嬉しい配慮ですね。

かめびし屋の外観

また、かめびし醤油を使ったお茶漬けや自家製うどんなど飲食もできます。

私もこのうどんを目当てに訪れたのですが、定休日だったためあえなく撃沈されました。(泣)

その他に醤油づくりの体験やナポリの本格ピザ窯で焼く、醤油ピザづくり体験もできるそうです。

彫刻家の流政之(ながれまさゆき)さんによってデザインされたゲストルームがあったり、現代アーティストの川島猛さんに1860年頃に出来た蔵を彼の作品のひとつとして取り組んでもらったそうですよ。

どんな作品なのか興味があったのですが、またの機会に訪れたいと思います。

かめびし屋の宿泊
かめびし屋の宿泊案内

尚、かめびし屋では宿泊ができるようで、一棟貸し切りで最大6名まで宿泊できるそうです。

詳しくは、お店に電話などで確認してみましょう。

  • 住所 香川県東かがわ市引田2174
  • 電話番号 0879-33-2555
  • 営業時間(平日) 10:00~17:00
  • 営業時間(日・祝日) 10:00~16:00
  • 定休日 水曜日、仕込みシーズン(10月~6月)は土曜日も定休
  • 料金 無料
  • もろみ蔵・流ワールド・川島ワールドの見学は、1名で1,000円、2名で 1,600円、3名以上で 1人500円

湾岸アート

引田港では、防波堤をキャンパスにしたアート作品が展示されています。

地元有志で作る東かがわ市湾岸アートプロジェクト実行委員会の企画だという。

県内外のスプレーアーティストや書、ペイント作家などに、魚や海などを題材にした作品を描いてもらいました。

どの作品もクオリティーが高く、見ていて楽しい。

例えば、東かがわ市がハマチの養殖発祥の地であることから、ハマチにスポットを当てたのがこちらの作品。

ハマチのアート作品
ハマチのアート作品

出世魚のハマチをゲットすれば、運気が上るのも間違いないでしょう。

月夜に照らされた幻想的な作品や綺麗な海で自由に泳ぐウミガメの作品など見ていて飽きないですね。

月夜に照らされた幻想的な作品
月夜に照らされた幻想的な作品
綺麗な海で自由に泳ぐウミガメ
綺麗な海で自由に泳ぐウミガメ

先ほど紹介した讃州井筒屋敷から約5分ほど歩くと、防波堤へ辿り着きますのでお見逃しなく。

【堤防アートの紹介】

旅を続けていると、堤防に描かれたアート作品を目撃することは良くありますので、下記記事で紹介します。

誉田八幡神社

石屏
石屏

誉田八幡神社(ほんだはちまんじんじゃ)は、引田の町並みの外れにあります。神社へ参拝する前に見ておきたいのがこちらの石屏。

鳥居から少し離れた場所には、真中をくり抜かれた珍しい円柱の石が沢山並んでおり、見応えがありました。

この石屏について、後から調べたのですが、残念ながらどのような謂れがあるのか分かりません。

う~ん、明らかに人工物と思えるので、絶対に何かしら謂れがありそうですね。

鳥居をくぐり抜け、階段を上った先には立派な拝殿が見て取れます。

鳥居
誉田八幡神社(拝殿)
誉田八幡神社(拝殿)

ご祭神は応神天皇。

心を鎮めて参拝しましょう。

誉田八幡神社は、引田の氏神であり、全国でも珍しい「投げ奴(やっこ)」や獅子舞の奉納行事が行われます。

聞くところによると、5mほどの奴(毛やり)を投げる勇壮な姿は、一見の価値が有るという。

境内を散策していると、幸せを呼ぶ「福の石」を発見。

福の石
福の石

触ると幸せが訪れるかも。

また、大漁を招く「魚の石」もありました。

魚の石
魚の石

こちらは漁師に喜ばれますね。

引田の町並みから歩いていける場所にありますので、是非足を延ばして参拝へ訪れてみませんか。

引田の町並みの基本情報とアクセス

住所香川県東かがわ市引田
電話番号0879-26-1276(東かがわ市地域創生課)

【アクセス】

  • JR引田駅から徒歩約10分
  • 高松自動車道・引田ICから車で約5分

引田の町並みの駐車場

引田地区には、引田の町並みや引田城跡などの観光へ訪れる際に利用できる駐車場があります。(普通車約100台)

また、讃州井筒屋敷の入口前にも駐車場がありました。(普通車約15台)

まとめ

引田の町並みでは、江戸時代から昭和時代の多彩な建築物が見られます。

特にかめびし屋のベンガラ色の建屋は、一際目を引きました。

讃州井筒屋敷や東かがわ手袋ギャラリー、湾岸アート、誉田八幡神社など見所も沢山あるので是非足を運んでみて下さい。

本記事で紹介した以外にも町並みから少し離れたところには、引田城跡がありますので、興味がある方は訪れてみると良いでしょう。

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