
「〇〇国一宮」というのは、基本的に一国に一つありますが、備前国(現:岡山県南東部)には二つあるのをご存じですか。
それが「吉備津彦神社(きびつひこじんじゃ)」と「石上布都魂神社(いそのかみふつみたまじんじゃ)」ですね。
なぜ二つあるのかは、色々と歴史的に理由があるのでしょうが、それは置いときましょう。本日のサイクリングは、神社仏閣の参拝ライドです。久しぶりに赤磐市にある石上布都魂神社へお詣りに出かけます。
また、赤磐市へ向かうのならば、せっかくなので足関係のご利益で知られる足王神社にも参拝するぞ。サイクリストにとって、足関係はとても大事ですから。(サイクリスト以外でもそれは同じか)
本記事では、岡山市の百間川緑地公園から出発して、赤磐市の山奥にある石上布都魂神社へ向けてサイクリングをする様子をお届けします。
百間川緑地公園から出発する

私は今、百間川緑地公園でボーと空を眺めながら過ごしています。(笑)
青空が広がる気持ちの良い天気に、それだけでもテンションが上がるものだ。こう天気が良いと、サイングリングがしたいという思いがフツフツと沸き上がるものです。
そう、それこそがサイクリストというものではないでしょうか。ちなみに、私もこの天気に誘われた口ですよ。
時にはボーと過ごす時間も大事ですが、そもそも本日の目的はそんなことをしたい訳ではありません。
なのでボーとするのを切り上げ、赤磐市へ向かおうとしたのですが、まさにそのタイミングで、たまたま注意喚起用のパネルに目が留まりました。

そのパネルに書かれていたのは、メリケントキンソウという外来植物に注意しろということ。
何でも果実(種子)に2mmぐらいの硬いトゲを持ち、公園の芝生や花壇などで子供たちの肌に刺さっては怪我をさせる恐れがあるという。
なるほど・・・(ここで少し考える)
「早く出発しないの?」と思った方。ちょっと待って下さい。このように注意喚起されたら気になります。
ということで、辺りを少し探してみると・・・・う~む、見つからないぞ。探した場所が悪いのか、そう簡単には見つからないものですね。
あまり時間をかけてもしょうがないので、自転車にまたがりいざサイクリングへ出かけました。
川沿いを走り赤磐市へ向かう

百間川沿いの土手を北上して、百間川源流の碑が立つせせらぎ広場へ向かいます。
まずは赤磐市へ入るのが先決なので、せせらぎ広場から旭川沿いを走って大原橋を渡り、岡山吉井線(県道27号)へ合流するいつものコースを走る予定。
他にもコースは色々あるのですが、なぜかこのコースを走ってしまうかな。それだけお気に入りということですよ。


マイペースに自転車のペダルを回しながら北上していると、河川敷に整備されたグランドの上空を駆け抜けるラジコン(飛行機)を発見。
その様子に思わず自転車を停めて、少し見学することに。ラジコンは子供のおもちゃという人がいますが、侮ることなかれ。大人が趣味として楽しめる世界が広がっています。
サイクリング中に時々このような光景を目撃しますが、個人的にいつも面白そうだ思いながら眺めていますね。
おっと、まだスタートしたばかりです。ずっと見物している訳にもいかないで、先へ進みましょう。

せせらぎ広場へ到着すると、百間川源流の碑の前で愛車を記念撮影。これは今や私にとっては恒例行事になっているかな。
いつもはこの広場でくつろぐ人がそれなりに多いのに、誰もいないなんて珍しいですね。

いつも通りに旭川沿いの細いを通過する。この道をゆっくり走るのが気持ちがいい。
旭川の川面には、たくさんのカモが泳いでいます。もうそんな季節になるのですね。
優しく流れる旭川の景色を横目で眺めながら、道なりに進んでいると朱塗りの中原橋が見えてきたので渡ります。

その後、旭川沿いを東へ突き進むと、個人的に気に入っている大原橋に到着。この橋を渡ると、ここでも記念撮影するのも恒例行事のような気がするな。
それにしても、いつ見ても大原橋の外観は面白いですね。
9つのアーチ型の連なる鉄筋コンクリート橋に鉄橋がつながっているなんて、このような橋は日本広しといえど、とても珍しいのではないだろうか。

その後、旧倉敷往来を東へ向けて疾走し、岡山吉井線(県道27号)に合流。
そのまま道なりに走ると、赤磐市へ入りました。
両宮山古墳を目撃する

岡山吉井線を北東方向へ道なりに進んでいくと、高架道路と交差します。
そのまま道なりに進んでしまうと、今向かっている足王神社から離れてしまうので、高架下をくぐり抜けて、両宮山古墳(りょうぐうざんこふん)がある方向へ進みました。
しばらくすると、両宮山古墳の碑を発見。こんなところに碑があったとは、何気に初めて見つけたぞ。
両宮山古墳は、岡山県内で3番目に大きな古墳であり、全長206mの前方後円墳なんだとか。水をたたえた濠を持ち、大阪や奈良にある巨大な古墳に準じた造りになっています。

そういえば、この古墳へは立ち入ったことがなかったな。そんなことを思いながら進んでいると、古墳へ向かう入口近くへ辿り着く。

そして、古墳らしい存在が現れたぞ。これは大きいですね。近くまで行こうか散々悩みましたが、結局行かないことに。
今後の楽しみのためにとっておきます。
後から調べて分かったのですが、近くには両宮山古墳以外にも和田茶臼山古墳があるようだ。
また今度赤磐市へ行く機会があれば、こちらの古墳にも足を運んでみたいですね。
【自転車旅に役立つアイテムの紹介】
自転車旅に役立つ様々なアイテムを、下記記事で紹介します。
足王神社へお詣りに赴く

青空の下、のどかな風景を眺めながらゆっくり自転車を走らすのは、本当に気持ちが良いものです。
このような景色を眺めていると、自然に鼻歌が出てくるのは仕方がないでしょう。
気分良くペダルを回しながら、道なりに進んでいると、足王神社へ辿り着きました。


鳥居の前には、特徴的な狛犬ならぬ狛足?は、いつ見ても面白い。
この狛足に触った手で、自分自身の患部を撫でると病気が治るそうですよ。毎回この神社へ訪れるたびに撫でてしまいます。

その後、拝殿へ向かいお詣り。そして最後に向かうのは釜殿です。
個人的に毎回鎌殿へ立ち寄ってしまう。というのは、鎌殿の中にはたくさんの鎌が奉納されており、これが見物なんだよな。

鎌殿の正面には大きな鎌が飾られていて、中央に小さな鎌がクロスに配置されている。

中を覗くと数百本の鎌が奉納されているので、インパクトが抜群だ!
足王神社へ訪れてこれを見ないのは、本当にもったいないですね。
足王神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
シーズンオフの桃園へ

足王神社を後にして、北へ向かうとちょっとした坂道が続きます。
自転車のギアを軽くしてペダルをクルクル回しながら、ゆっくり駆け上る。まだ比較的町中に近い場所ですが、ここからだんだんと山奥へ近づいていく。
そうなるとずっと坂道となってきますが、勾配がそれほどでもないのは経験上知っているので、精神的には楽ですね。

そんなことを考えていると、目の前に高倉山山頂まで3.4kmと書かれた標識を目撃。
またしてもどうしようか悩んでしまいました。実は高倉山へ行ったことがなく、山頂からの絶景を眺めてみたいと思ったからですね。
となると、両宮山古墳と高倉山を巡るサイクリングを一緒に行ないたいと思うのは自明の理。今回はパスしますが、楽しみがまた一つ増えたぞ。

引き続き道なりに進んでいると、桃園のエリアに入りました。当然シーズンではないので緑一色です。
そもそも赤磐市は、岡山県有数の桃の産地として有名。シーズン中は、桃の花が辺り一面をピンク色に染め上げます。
心の目を通してその風景を思い浮かべると、先ほど考えていた両宮山古墳と高倉山を巡るサイクリングの時期は、桃のシーズンがよいのではないかな。中々良い案に頬が緩んでしまいます。
その後、県道250号線へ合流して途中から東へ進路を変更。砂川に架かる井尻橋を渡ると岡山吉井線(県道27号)へ入りました。

岡山吉井線を道なりに進んでいると、中華そば専門店・仙助が見えてきた。
丁度お腹が減っていることだし、ここで昼食を食べることにしましょう。

食したのは中華そばとイカ天むす、餃子です。中華そばは豚骨ベースのスープであり、コクと深みがあって実に旨い!
スープによく絡む中細ストレート麺との組み合わせもGood。ということで、一気に完食してしまいました。
さて腹も満たしたことだし、石上布都魂神社(いそのかみふつみたまじんじゃ)を目指します。
石上布都魂神社へ向かう道中にて

岡山吉井線を北上し、約3kmほど進むと県道364号線との分岐が見えてきました。
目の前の青看板を確認すると、どうやら美作まで27kmで矢知までは3kmのようです。
岡山市の御津矢知地域を抜けて北上すると、石上布都魂神社のある赤磐市石上地域ですよ。なので、県道364号線へ入ります。

周囲には畑が広がるのどかな道が続き、次第に緩やかな坂道となってくる。近くには、岡山御津カントリークラブというゴルフ場がありますね。
一気に県道364号線を駆け抜けて御津矢知地域へ辿り着くと、住宅地が見えてきた。

住宅地を横目に自転車を走らしていると、T字路の交差点へ辿り着く。その交差点には、石上布都魂神社の案内板を見つけました。
案内板には神社までは残り3kmと書かれているぞ。自転車なので3kmなんて感覚的に庭同然です。

案内板の指示に従い、T字路の交差点を右折して、平岡小鎌線(県道468号)を北上し続けます。

しばらくして石上地域へ入ると、民家の前には、のぼり旗が見えてきた。神社のぼりというのは、縦に物凄く長いのが特徴的ですね。
それに、のぼり旗が立っていると華やかに彩るのだから、いつも不思議な感じがする。

そんな風景も次第になくなり、いつしか閑静な風景が広がっていく。

空を見上げると、青空を一閃する細長い雲が龍の頭のような雲と交わり、山の頂上から昇っているように見えるぞ。
こういう龍雲を見かけると、何か良いことが起こりそうな予感がします。
それから少して、ついに石上布都魂神社の鳥居へ辿り着きました。
【神社参拝に役立つ話】
神社を参拝するにあたり、役立つ様々な話を下記記事で紹介します。
石上布都魂神社をお詣りする

石上布都魂神社は、出雲でヤマタノオロチを倒したスサノオの伝説と深いつながりのある神社です。
この神社の本宮(奥の院)は、大松山の山頂にあり、古代信仰として祀られていた巨大な磐座(いわくら)と共にあります。
この磐座にヤマタノオロチの退治に使った剣を奉納したのが、石上布都魂神社の始まりですね。

鳥居をくぐり抜けて、緩やかな坂道を上り、まずは大松山の中腹にある拝殿へ向かう。
約350mほど進むと第1駐車場が見えてきた。この駐車場に自転車を停めて表参道を歩きます。

表参道は、急勾配の階段が続くのでそれなりにしんどいかな。階段を上りきると大松山の中腹へ到着。
そこには拝殿・本殿、社務所、休憩所などがあります。

拝殿でお詣りを終えると、よいよ本宮へ向けてプチ登山の開始だ。
拝殿の左奥には、本宮につながる参道が整備されており、距離は約500mほど。

ただし、この参道は一筋縄ではいかないですね。というのは、始めはコンクリートの道が続くのですが、途中から粗削りな岩肌となる。
また、崖のようなところを登ったりするので、動きやすい服装で足元に注意して歩かないと危ないです。
道中には、「意志の坂道」「天女の腰掛」「迫龍の段段(はくりゅうのだんだん)」などカッコイイネーミングの付いた場所もあるぞ。
ということで、凛とした空気感が漂う参道を慎重に歩いていきました。

苦労の末、山頂へ到着すると、まるでピラミッドのような台座の上に建てられた本宮が現れる。
その本宮のバッグには、1枚の写真には納まりきらないほどの大きな磐座がそびえ立ち、存在感を示しています。
本宮と磐座が一緒になった姿が神々しく、さすがはパワースポットですね。

磐座をよく見ると、縄で結界が張り巡らされているではないですか。実はこの磐座は「禁足地」となっており、立ち入ることはできません。
本宮へしっかりとお詣りしてパワーをジャージすると、来た道を引き返し駐車場へ戻りました。

その後、帰路についた次第です。もうこの頃には空はだいぶ雲に覆われていたかな。
帰路では一時的にパラパラと雨が降ったりしましたが、再び晴れ間が広がり、ゴールの百間川せせらぎ広場へ到着。
本日のサイクリングはここまで。
尚、石上布都魂神社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
まとめ

石上布都魂神社は山奥にあるので、アクセスは決して良い訳ではありません。けれど、凛とした雰囲気の参道を歩いた先にある本宮には、見事な磐座があるのには驚きますね。
個人的に二つの備前国一宮に対して、吉備津彦神社は毎年参拝していますが、石上布都魂神社はアクセスに難があるので、比較的足を運ぶ機会が少ないです。
でも今年(2024年)は、両方の一宮へ参拝できました。来年以降も継続できるかは分かりませんが、また機会を作って参拝したいと思います。