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旅の体験談

博多の総鎮守「櫛田神社」を巡る、福岡博多の中心地に鎮座するパワースポット

「櫛田神社」の紹介サムネ

福岡博多の中心地に鎮座する「櫛田神社(くしだじんじゃ)」。地元では、「お櫛田さん」の愛称で親しまれている博多の総鎮守です。

福岡の定番観光地としても有名。博多駅からのアクセスも良く、国内だけでなく海外からの観光客も足を運ぶ人気スポットになっています。

境内には、優美で迫力ある「飾り山笠」を見物できたり、歴代力士が奉納した「力石」もある。また、不老長寿の水「霊泉鶴」や樹齢1000年を超える御神木「櫛田の銀杏」など見どころが目白押し。ゆっくりと散策を楽しもう。

本記事では、1,200年以上の歴史を誇るパワースポット「櫛田神社」を紹介します。

本記事は、以下に該当する人向けです。

  • 福岡県へ観光する予定がある
  • 神社仏閣やパワースポットに興味がある
  • 櫛田神社の見どころを知りたい

櫛田神社のご祭神・ご利益・所要時間

櫛田神社の境内
櫛田神社の境内

櫛田神社は、福岡県福岡市博多区上川端町に位置する神社です。

創建は757年(天平宝字元年)と古く、孝謙天皇の御代にて伊勢松坂の櫛田神社を勧進したのが始まりと伝わっています。現在の社殿は、1587年(天正15年)の豊臣秀吉による博多復興により建立されました。

ご祭神は、以下の通りです。

  • 大幡主大神(おおはたぬしのおおかみ)
  • 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
  • 須佐之男命(すさのおのみこと)

当社以外にも「櫛田神社」はいくつも全国に点在していますが、主祭神は須佐之男命の妻である櫛名田姫(くしなだひめ)ですね。

私はこちらの櫛田神社もてっきりそうだと思っていたのですが、実際は櫛名田姫は祀られていませんでした。(もともとは祀られていたという説もあり)

櫛田神社(拝殿)の様子

正殿(櫛田宮)に大幡主大神、左殿に天照大御神、右殿に須佐之男命をお祀りしています。

それぞれの神様のご神徳によって、多岐にわたるご利益が得られますが、主に知られるのは「商売繁盛・不老長寿・縁結び」ですね。特に商売人からの信仰が篤く、事業の成功や繁栄を願う参拝者が多いそうですよ。

境内はそれほど広くはないので、所要時間は20~40分ほどあれば一通り見て回れます。

また、博多の夏の風物詩として全国的に知られる「博多祇園山笠」が奉納されることでも有名。さらに10月下旬に開催される「博多おくんち」も櫛田神社が中心となり、牛車にひかれる神輿行列やブラスバンド、稚児行列などが町を練り歩く姿を見られます。

博多祇園山笠で奉納される迫力ある「飾り山笠」

飾り山笠
飾り山笠

毎年7月に行われる「博多祇園山笠」は、櫛田神社のご祭神・須佐之男命のお祭りであり、「曳き山(ひきやま)」と呼ばれる神輿をかついで、博多の町中を駆け巡ります。

装飾を施した大型の祭具には、曳き山以外にも豪華な装飾をつけて飾る「飾り山笠」がある。この飾り山笠は、博多市内の決まったエリアに7月1日から7月10日の期間内に設置されるので見物できますが、年中展示(6月除く)されているのは、櫛田神社だけですね。

ぜひ間近で、博多人形師たちの精密な技術で作られた迫力満点な人形を眺めてみよう。

豊かな表現力がGood!
豊かな表現力がGood!

おっ、これは地震を起こす大なまず(巨大なミミズ)を、神様が要石(かなめいし)で鎮める場面を再現しているぞ。思わずアニメ映画「すずめの戸締まり」を思い出しました。

細かく作られた装飾は、今にも動きそうだ。これぞ職人の匠の技といえるだろうな。この山笠は、毎年7月1日に造り替えられ、その後1年間は櫛田神社で見物できます。

飾り付けの内容は、主に博多に関係する武士や日本の昔話、アニメをテーマにするみたい。毎年変わるデザインをチェックするのも面白そう。

そうそう忘れてならないのは、飾り山笠の表面と裏面の両方を見ること。それぞれ違うテーマで表現されています。

左側にある木箱が解説機
左側にある木箱が解説機

また、博多祇園山笠や飾り山笠について説明してくれる解説機が近くにあるので、必要に応じて利用(100円)してみよう。

私は利用しませんでしたが、聞くところによるとライトが点いて飾りを照らしてくれるそうなので、夜間撮影する時にありがたいかな。

飾り山笠の文化は、2017年にユネスコ無形文化遺産に登録済み。飾り山笠を眺めながら、その迫力に触れてみて下さいね。

歴代力士が奉納した「力石」で力試し

力石
力石

本殿の南側には、ズラリとたくさんの石が並んでいます。この石は「力石(ちからいし)」と呼ばれていて、昔はこの石を持ち上げて、天候や武運、作物のできを占っていました。

それがいつの間にか意味合いが変わっていき、力自慢する道具になったそうな。それに昔は櫛田神社にて卯日相撲(うのひすもう)が盛んに行われており、相撲の力士が力を自慢して持ち上げた石を、神様に奉納していました。

実際、白鵬関や朝青龍関、若乃花と貴乃花の兄弟も奉納しているぞ。力に自信がある人もそうでない人も、旅の記念に持ち上げてみよう。

力石

ただし持ち上げていいのは、表面に「試石」と刻まれた石だけなので気を付けるように。(他の石にも触れられるけど、持ち上げはNG)

ということで、レッツチャレンジ。「くっ~~~、ビクともしない!」これ、本当に持ち上げることが可能なのか。

調べてみると、歴代の力石の重さは80~120kgというのだから、普通は無理ゲーじゃない。いやはや力士の凄さを改めて知りました。

不老長寿の効果あり!? 「霊泉鶴の井戸」の水

霊泉鶴の井戸
霊泉鶴の井戸

拝殿を正面にして右手側には、鶴のモニュメントが目を引く「霊泉鶴の井戸」があります。櫛田神社で最も古い井戸なんだそうな。

この井戸の水は、本殿地下から湧き出る霊泉として、不老長寿の効果が期待できるという。そう聞くと、目の色が変わる人もいるのではないだろうか。

案内板によれば、不老長寿の水として一口目は自分に対して祈り、二口目は家族に対して祈り、三口目は親族に対して祈るとよいみたい。3回に分けて飲みながら病気や災いにかからず、いつまでも健康で元気でいることを願っていたそうですよ。

また、時期は分かりませんが、いつの間にか塩分濃度が高い水質に変わりました。

どんな味なのか気になる
どんな味なのか気になる

塩分濃度が高いということは、さぞかし苦味やエグさがあったり、しょっぱいのだろうな。だからといって、意を決して飲まないように。

実は水質検査成分の分析などにて行政上の指導により、現在は飲むのが禁止されています。

拝殿とユニークな木彫りの風神雷神

櫛田神社(拝殿)
櫛田神社(拝殿)

櫛田神社の拝殿は、屋根の両端が剃り上がり、屋根の中央にある弓のような曲線で頭部に丸味を帯びた唐破風が印象的です。それに全体的に力強さを感じます。

龍や兎など様々な彫刻が見られますが、その中でも唐破風の下側へ左右に配置された木彫りの風神雷神がとても面白いですね。

雷神:待ってよ~~
雷神:待ってよ~~
風神:ここまでおいで♪
風神:ここまでおいで♪

というのは、お互いが追いかけっこしている様子がありありと見て取れるからだ。特に「あっかんべー」をして逃げる風神には、思わずクスリと笑ってしまいました。

神社でこのような彫刻があるのは珍しいかも。「博多っ子は、祭り好きで開けっぴろげで人がいい」と聞きますが、そんな博多っ子のユーモアあふれる気質が現れています。

ブロンズや御影石などで作られたユーモラスな狛犬たち

楼門前の狛犬
楼門前の狛犬

神社といえば「狛犬」の造形に興味を持つ人も多いと思います。櫛田神社の狛犬を見ていると、色々な石材を使っているのに気が付きました。

たとえば、楼門前の狛犬はブロンズ製です。その堂々とした姿は、「悪しきものを一歩たりとも境内へは入らせない!」といった意思の強さを表しているように感じるぞ。

中神門の狛犬
中神門の狛犬
北門前の狛犬(黒御影石)
北門前の狛犬(黒御影石)
北門前の狛犬(赤御影石)
北門前の狛犬(赤御影石)

中神門の狛犬の石材は御影石ですね。御影石は、地下のマグマがゆっくりと冷え固まってできた岩石のこと。石材の色によっては、白御影・赤御影・青御影・黒御影などに分類されている。

特に北門前に配置された二対の狛犬は、色違いなのが珍しい。どうやら黒御影石と赤御影石で作られているようです。

狛犬は一般的に石工や彫刻家によって一体ずつ手作業で制作されるので、同じものはふたつとなく、表情一つとっても違っています。

こんなところにも狛犬が・・・
こんなところにも狛犬が・・・

おっ、なんと拝殿の柱にも木製の狛犬がいるではないですか。先ほど紹介した風神雷神に注目しがちなので、うっかりすると見落としてしまうかも。

私は後から知ったのですが、南神門には大理石製の狛犬がいるそうですね。見逃してしまいました。(シクシク)

楼門のカラフルな「干支恵方盤」で恵方をチェック

楼門
楼門

風格を感じさせる楼門の正面には、「威稜(いつりょう)」と書かれた大きな扁額を掲げていて目を引きます。

威稜とは、天皇の威厳を表す言葉なんだそうな。さらに扁額の両側には、三叉槍が配置されていて、狛犬同様に悪しきものから神社を護っているのを感じました。

拝殿へ向かうに当たり、さっさと楼門を通り抜けないように。天井に注目して下さいね。

干支恵方盤
干支恵方盤

天井を見上げると、そこにある「干支恵方盤」に驚くだろう。

内側に方位、外側に十二支が配置されたカラフルなデザインが印象的。今年の恵方(ラッキーな方角のこと)が矢印で示されている。毎年大晦日(12/31)になると、矢印を回転させて、新年の恵方を示します。

それに恵方の方角には、その年の歳神様がいらっしゃるので、そちらへ向けて日頃の感謝やお願い事を願ってみてはいかがですか。

長寿延命のシンボル「櫛田の銀杏」と恋愛成就の「夫婦銀杏」

櫛田の銀杏
櫛田の銀杏

境内には、樹齢1000年を超える「櫛田の銀杏」と呼ばれる御神木があります。

樹高は約25m、根周りは約7m、幹の周囲が約8mもあり、間近で見るとその大きさに驚く人が多いだろううな。それに風格のある佇まいがいい感じです。

古くから不老長寿の御神木として、信仰されているのも納得ですよ。また、博多の祝い歌「祝いめでた」の三番にて、「さても見事な櫛田の銀杏、枝も栄ゆりゃ葉も繁る」という歌詞にも登場しているぞ。

博多っ子の皆さんにとっては、昔から敬いながらも親しみのある存在だったのでしょう。1954年(昭和29年)に県の天然記念物に指定されました。

夫婦銀杏
夫婦銀杏

不老長寿の御神木だけでなく、恋愛成就・夫婦円満・縁結びの霊樹として知られる御神木「夫婦銀杏」も見逃せません。

こちらも県の天然記念物であり、樹齢300年以上、高さ約25m、幹の周囲は雄株が約10m、雌株が約9mもあるといる立派なイチョウの木です。

3本の木が合わさって生えていて、手前側の1本が雌木で秋になると実をつけるという。ご利益を求めて、願掛けに訪れる参拝者も多いそうな。

毎年10月初旬には、神職が竹竿で枝を揺らし、落ちたギンナンを巫女が拾い集めて神前に供える「ぎなん落とし」の神事を開催。夫婦円満などを祈願します。(博多では銀杏のことを「ぎなん」と呼ぶ)

どちらの御神木もありがたいご利益があるので、足を運んで願掛けして、そのパワーを授かって下さいね。

380余年の風雪に耐えた最後の「博多べい」

博多べい
博多べい

境内を見て回っていると、一風変わった土塀に遭遇します。こちらの土塀は「博多べい」と呼ばれていて、博多三傑の一人である嶋井宗室(しまい そうしつ)の屋敷で、380余年の風雪に耐えたものを移築再建しました。

この土塀は、当時の一般的な築地塀とは違っており、戦火で焼け残った石や瓦などを厚く塗り込めているのが特徴だ。

豊臣秀吉による博多復興にて誕生した土塀ですよ。いわば廃材を活用したリサイクル土塀といえるかも。そんな土塀を眺めていると、郷土再興に奮起する博多の人々の根性と心意気を感じられます。

冬限定、巨大な「お多福面」が登場

1月下旬~2月11日頃まで楼門の入口には、日本一大きい「お多福面」が配置されます。

その大きさは、高さ約5.3m、幅約5mもあり、大きな口を開けていて、その中をくぐって参拝すると、商売繁盛や家内安全などのご利益があるそうですよ。

なるほど、たしかに笑顔で災いを笑いとばしながら通過すれば、福がやってきそうですね。

櫛田神社の基本情報とアクセス

住所福岡県福岡市博多区上川端町1-41
電話番号092-291-2951
営業時間【開門時間】4:00~22:00
【社務所】9:00~17:00

【アクセス】

  • JR博多駅から徒歩約15分
  • 福岡市地下鉄七隈線「櫛田神社前駅」から徒歩約2分
  • 福岡市地下鉄空港線「中洲川端駅」「祇園駅」から徒歩約6分
  • 福岡都市高速2号線「呉服町ランプ」から車で約6分

櫛田神社の駐車場

櫛田神社には、有料の参拝客駐車場があります。(普通車 100台)

  • 8:00~24:00 100円/20分 
  • 24:00~8:00 100円/1時間

参拝者は30分間無料。祈祷者は60分の無料サービスあり。駐車場を利用する際には、神社の授与所にて駐車券を提示して下さいね。

まとめ

櫛田神社の境内の風景

福岡博多の町は、博多ラーメンを始めとする美味しいグルメを味わえたり、ショッピングを楽しめる観光客にとても人気の町ですね。

また、夏になると国内外から約300万人の観光客が訪れる博多っ子の一大イベント「博多祇園山笠」が開催されます。

櫛田神社の境内には、ほぼ1年を通してそのイベントに登場する優美な「飾り山笠」を見物できたり、歴代力士が奉納した「力石」や不老長寿の水「霊泉鶴」など見どころが満載です。

川端商店街の一角にある櫛田神社へお詣りして、博多の町へ繰り出してみましょう。



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年齢:40代。
職業:旅人兼ブロガー。

私にとって自転車旅が一番の楽しみであり、知らない土地、景色、一期一会の出会いなど様々な体験をしました。当ブログでは、自転車旅などを通じて体験した事や訪れた絶景・観光スポットについて紹介します。また、自転車全般に役立つ情報を発信しています。

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