
「鍾乳洞のイメージとは?」と問われたら、鍾乳石や石筍、地底湖などが織りなす神秘的な洞窟を思い浮かべる人が多いですね。
岡山県北部の山間部には、たくさんの鍾乳洞があり、その中の一つには「満奇洞(まきどう)」があります。
この満奇洞では、悠久の時を過ごした美しいつらら石を始め、竜宮城を想像させる地底湖など見どころが多い。さらに水の造形がカラフルなLED照明により、ライトアップされるので、より幻想的な雰囲気を醸し出しています。
それに加え、恋人の聖地や映画のロケ地にも選ばれた鍾乳洞なんだそうな。そう聞くと、より興味が湧きませんか。
本記事では、幻想的なパワースポット「満奇洞」の魅力をたっぷりと紹介します。
目次
満奇洞の所要時間と案内図

満奇洞は、岡山県新見市の阿哲台(あてつだい)に位置する鍾乳洞です。阿哲台は、日本有数の規模を誇るカルスト台地であり、満奇洞の他にも井倉洞や諏訪洞などがあります。
満奇洞の発見は、江戸時代末期までさかのぼるそうな。猟師が狸を追いかけているときに発見されたそうなので、凄い偶然だったのでしょう。
もともとは槇(まき)という地にあることから「槇の穴」と呼ばれていましたが、1929年に歌人・与謝野晶子と与謝野鉄幹の夫婦が訪れた際に、「奇に満ちた洞」と絶賛したことから満奇洞と呼ばれるようになりました。
洞内は全長約450mほどなので、所要時間は約30分ほど。LED照明で美しくライトアップされた洞内の鍾乳石や石筍、地底湖は実に見応えあり。その幻想的な雰囲気にカメラのシャッターを切る指が止まりません。

こちらの案内図を見て分かるように、洞内には名前が付けられた鍾乳石や石筍がいっぱい。「大黒柱」「千枚田」「ナイアガラの滝」「亀石」など名前を聞いただけで、イメージできるものが多くワクワクしますね。
また、「泉水」「入海」「竜宮」と名付けられた地底湖の景観もGood。一番奥には、恋人の聖地に相応しい「恋人の泉」があるのでお見逃しなく。
満奇洞は、岡山県指定天然記念物に選ばれています。
「千枚田」など独創的な鍾乳石や石筍がいっぱい

洞内へ入り2mほど歩くと、千畳敷と呼ばれる広い空間が見てきます。この場所にはテーブルが並んでおり、今は休憩所となっているので、帰路にて再び通過する際に休憩するのも良いですね。
この休憩所を過ぎた辺りから、本格的な鍾乳洞となってきます。基本的に通路は一本道ですが、途中で分岐するところもあり、所々にある案内板に従って歩いていくと洞内のほぼ全体を歩ける仕組みです。
なので、最奥にある「恋人の泉」を目指して歩きましょう。その道中では、不思議な形をした鍾乳石や石筍がこれでもかと言えるぐらい見物できます。


洞内の気温は年中15度前後なので、夏は涼しく冬は暖かいです。それに洞内のほとんどは、コンクリートで造られたアップダウンがほとんどない平坦路なので歩きやすいですね。
ただし、全体的に天井が低く、中腰で歩く機会が多いため、頭をぶつけないように気を付けよう。
また、洞内ではあちこちでポタポタと水が垂れてくることも。この水にはカルシウムが含まれているので、それが気の遠くなるような年月を経て、つららのように伸びてきて、今の景観を形成しました。
実に1cm伸びるのに100年もかかると言われているのだから、私たち人類の時間感覚とは全く異なります。


まず最初にじっくりと見物したいのは「大黒柱」と「千枚田」ですね。大黒柱と呼ばれる太い石柱の周りには、まるで棚田のように見える風景に目を奪われます。
日本屈指の大きさを誇るこの千枚田の景観は、満奇洞の見どころの一つですよ。棚田の畦のように見えることから、リムストーンとも呼ばれています。
また、この場所は名探偵・金田一耕助が事件を解決する映画「八つ墓村」の撮影で使われたそうな。個人的には、孫の方が好きかも。「じっちゃんの名にかけて!」は名セリフでしょう。

こちらはナイアガラの滝。どうですか、少しばかり名前負けをしている感じはしますが、迫力があるでしょ。その名の通り、連なったつらら石がいい感じ。個人的に気に入りました。
それでは、満奇洞で見物できる鍾乳石や石筍などをダイジェストで紹介。





洞内では時々立ち止まり、天井を見上げてみよう。天井から吊り下がる大きな「つらら石(スタラクタイト)」の光景は、見る者の心を惹きつけてやみません。

このような長いつらら状の鍾乳石が洞内にはたくさんあるので、お見逃しなく。
宝石のようにキラキラと輝く不思議な形をした鍾乳石や石筍の風景を、じっくりと見物して下さいね。
【鍾乳洞の紹介】
旅先で訪れた鍾乳洞を、下記記事で紹介します。
地底湖が織りなす景観は必見、朱塗りの「竜宮橋」が映える

満奇洞の半分くらいの区間には、地底湖が広がっています。風の影響を受けない洞内のため、水面はとても静かで波紋がほとんど立ちません。
観光可能な鍾乳洞では、たいてい照明が導入されているので、湖面や周辺の地形を反射して、神秘的な景観を作り出している。特に満奇洞では、カラフルなLED照明を導入しており、より幻想的な雰囲気を味わえます。
満奇洞には、3つ(泉水・入海・竜宮)の名前の付いた地底湖がありますが、一番最奥にある「竜宮」は必見ですね。


竜宮は、洞内で最も大きな地底湖。この湖には、朱塗りの竜宮橋が架かかっており、その景観には拍手喝采を贈りたい。
「この場所が竜宮城の入口だ!」と言われても、それほど違和感はないでしょう。


色違いにライトアップされた状態を見比べてみよう。光色は数秒で次々に変わるぞ。一般的な照明で使われるホワイトライトは、目に優しく感じられるかな。一方、ブルーライトは落ち着く感じがするかも。
写真でも分かるように同じ風景でも受ける印象が全く違ってきます。色鮮やかで不思議な造形に満ちた洞内は、より異世界感を味わえるので、ぜひその場で立ち止まり、変わりゆく景観を楽しんで下さいね。


こちらの「入海」では、天井から吊り下がる大きて長いツララ石が印象的。湖に架かる夢の掛橋周辺には、鏡石や釣鐘と呼ばれる名は体を表す石筍が見られます。

地底湖は、ろ過された水なので、透明度が高いのも注目。よく水面を見ていると、波紋があったりするぞ。
どうやら天井などからしたたり落ちる水により、不規則なタイミングで産まれているようです。タイミング次第では、連続的に大小様々な輪が広がっていくので、見ていると面白いですね。
恋人の聖地に相応しい「恋人の泉」

満奇洞の最奥にある「恋人の泉」へ辿り着くとビックリするだろう。タイミング次第では、こちらのようにピンク色のLED照明に照らされた、ハート型のシルエットが現れます。
私はジャストタイミングで到着したため、思わず「うぉ~」と声が漏れたかな。この場所にはハート形の鍾乳石がもともとあり、そのことから「恋人の聖地」と呼ばれていますね。
もしタイミングが合わなくても大丈夫。LED照明は数秒で色が変わるので、入口付近で立ち止まり、ピンク色に変わるまで少しだけお待ち下さい。


満奇洞は全体的に静かな場所ですが、特に最奥ともなると、ひと際静寂に感じます。
それに恋人の泉は、願いが叶う恋愛や縁結びのパワースポットですよ。なので、カップルや気になる友人と一緒に訪れてみてはいかがですか。
見逃しやすい「臥牛」へ出会う道

先ほど紹介した「大黒柱」の手前に道が分岐していますが、パッと見た目では分かりづらかったです。
そのため、私は一度満奇洞を出た後に、満奇洞の案内図を見て行っていない場所があることに気が付きました。私が気が付かなっただけかも知れませんが、分岐点で支洞へ向かう道順を示す案内板はなかった思います。

スタッフに話をして再度入洞すると、支洞へ向かう道を探しました。最終的には見つけましたが、意識して探さないと、見つけるのは難しいと思います。

支洞の奥へ歩いていくと、「仁王の脚」「あみだ石」「臥牛」と名前が付いた石筍などを発見。特に「臥牛」は、牛が寝そべっているように見えるのが面白いですね。
満奇洞は「八つ墓村」のロケ地に選ばれている

満奇洞は、「鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい」のキャチコピーで知られる映画「八つ墓村」のロケ地としても知られています。1977年に最初に公開されており、過去に何度も映画化されました。
八つ墓村は、横溝正史先生による長編推理小説に登場する架空の村です。この村で発生した連続殺人事件を名探偵・金田一耕助が解決していく物語ですね。
もともと横溝先生の疎開先が岡山の真備町なので、岡山県とは何かと縁があるのだろうな。そもそも八つ墓村は実際に起きた岡山県の「津山30人殺し」がモチーフになっているみたい。
ちなみに疎開生活中に「本陣殺人事件」にて金田一耕助がデビュー。真備町は、金田一耕助の誕生の地としても知られています。
カップルで記念撮影したいベンチ

満奇洞の入口前にある小さな広場には、恋人の聖地の碑を掲げたベンチがあります。
さらにそのベンチ前には、大きなハートマークがあるのが目を引くだろう。満奇洞へ訪れた記念にぜひ一枚撮って下さいね。
【恋人の聖地の紹介】
旅先で訪れた恋人の聖地を、下記記事で紹介します。
満奇洞の基本情報とアクセス
| 住所 | 岡山県新見市豊永赤馬2276-2 |
| 電話番号 | 0867-74-3100(満奇洞管理事務所) |
| 営業時間 | 8:30~17:00(入洞は16:30まで) |
| 定休日 | 年中無休 |
| 入洞料 | 大人(高校生以上)1,000円 中学生 800円 小人 500円 小学生未満無料 |
【アクセス】
- JR井倉駅から満奇洞行きバス(約40分)に乗り、満奇洞(終点)で下車後、徒歩約5分
- 中国自動車道「新見IC」「北房IC」から車で約30分
満奇洞の駐車場
満奇洞には、複数の無料駐車場があります。
- 第一駐車場(普通車 約20台、満奇洞入口まで徒歩約5分)
- 第二駐車場(普通車 約30台、満奇洞入口まで徒歩約10分)
- 第三駐車場(普通車 約50台、大型バス駐車可能、満奇洞入口まで徒歩約15分)
第一駐車場へ向かう道は非常に狭いので、車幅が広い車は通過しない方が賢明です。
まとめ

満奇洞の洞内を歩いていると、カラフルなLED照明が生み出す幻想的な雰囲気が実に良いですね。さらに映画「八つ墓村」のロケ地であったり、恋人の聖地としても写真映えします。
また、満奇洞上部にある遊歩道は、紅葉シーズンに訪れたい。悠久の年月で造られた満奇洞と共に自然の豊かさをより堪能できるでしょう。
岡山県新見市へ観光に訪れた際には、歌人・与謝野晶子が「奇に満ちた洞」と詠んだ満奇洞の魅力にぜひ触れてみて下さいね。


