日本にいながら、世界の名所を巡れる観光スポットが、兵庫県姫路市にあることをご存じですか。
その観光スポットは「太陽公園」という名前のテーマパークですよ。
今回の旅の舞台は、兵庫県南西部です。
たつの市から旅立ち、龍野の町並みを見学後、姫路市にある「太陽公園」へ訪れました。
太陽公園では、ドイツの「ノイシュバンシュタイン城」を模した白鳥城を始め、兵馬俑(へいばよう)博物館や万里の長城のレプリカなど石の文化遺跡をこれでもかと漫喫した次第です。
その後南下して、はりまシーサイドロードをサイクリングしながら、日本遺産「室津の町並み」をめざします。さてさて、今回の旅は、一体どのようになることか。
本記事では、兵庫県の南西部を自転車で旅した道中の様子をお届けします。
龍野の町並みを見学
現在の時刻は、9:00前でしょうか。兵庫県たつの市街を自転車で軽やかに走っていました。
向かう先は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている「龍野の町並み」です。
龍野の町並みでは、江戸時代から昭和初期にかけて建てられた伝統的建造物が良好に残っているそうで、これは楽しみですね。
日本全国には、多くの場所に伝統的な古い建物が残っていたりするので、見て回るのが面白いですよ。
そうこうしている内に、龍野の町並みへ入ります。
すると、こちらの看板に目が留まりました。
その看板には「井の中の蛙大海を知らず されど、竜野の深さを学びたい」という言葉が書かれています。うん、いきなり深い含蓄のある言葉をいただきました。それでは、町並み見学としゃれ込みましょう。
龍野の町並みは、脇坂氏により約200年にわたる長い藩政が敷かれていた城下町ですよ。
白壁や町家造りの建物が多く残っていますね。その情緒豊かな町並みから「播磨の小京都」とも呼ばれているとか。
昭和時代の看板が、令和時代には眩しく映ります。
町並み見学に勤しんでいると、面白い自動販売機を発見。
缶コーヒー以外にも醤油・もろみを売っていますよ。たつの市では、近代の醤油醸造関連施設も多く見られるのであっても不思議ではないかな。
そんな町並みを見学していると、「家老門」と呼ばれる門を見つけました。
説明板によれば、龍野城主の家老屋敷の門だそうです。この門があった通りには、龍野城跡の隅櫓が見て取れます。
これは、立ち寄るしかないですね。
龍野城は、脇坂安政の居城として知られており、現在では本丸に城壁が復元されています。更に本丸御殿や多聞櫓、埋門、隅櫓などが復元済みです。
広々とした本丸を散策しながら、思い思いの時間を過ごしました。
その後、せっかくなので観光スポットへ向かったのですが、どこもかしこも「定休日」なんですよ。
なるほど、これはうっかりしていました。観光スポットは、特定の曜日が定休日なんて、よくあることです。まあいいでしょう。これも旅人の宿命のようなもの。運命にはあらがえません。
町並み自体は見学できたので、当初の目的は果たしています。(強がりじゃないよ)
こうして、龍野の町並みを後にして、姫路市にある「太陽公園」へ向けて出発した次第です。
【古い町並みの紹介(その1)】
旅を続けていると、様々な古い町並みを見かけますので、下記記事で紹介します。
太陽公園で世界の有名建造物のレプリカを楽しむ
太陽公園がある姫路市は、たつの市の東側に隣接しています。姫路市街は都会ですが、これから向かうのは峰相山(みねあいさん)の麓ですよ。なので、道中では、のどかな景色が広がります。
そんな中、たくさんのソーラーパネルが並べられていた現代風の景観がありました。
個人的には、これはこれで「あり」と思っていますが、人によっては景観が損ねるなどといった意見があるかも知れないですね。
しばらくすると、山頂に白亜の城が見えてきました。
その瞬間、テンンションが急上昇!全く単純な物です。姫路のシンボル「姫路城」も白亜ですが、実は白亜の城は姫路城だけではありません。
それが、目の前に見えている「白鳥城」ですよ。白鳥城がある場所が、太陽公園ですね。
テンションが上がっている私は、自然に自転車のスピードを上げて、白鳥城めがけて突進しだしたのは言うまでもありません。
そして、あっという間に太陽公園へ辿り着きました。
太陽公園は、大きく分けてヨーロピアンテイストの「城のエリア」とアジアンの雰囲気満載な「石のエリア」に分かれているテーマパークですね。
「石のエリア」では、約40,000坪の広大な敷地内に、世界中の石の文化遺跡が点在しています。
もうお判りでしょうが、結構歩くことになる。普段運動をしない人にとっては、いい運動になるでしょう。
園内には、白鳥城を始め、世界中の石像が立ち並んでいたり、兵馬俑(へいばよう)博物館や万里の長城、凱旋門、ピラミッド、石貨神殿、天安門広場など数多くのクオリティーの高いレプリカが目白押しです。
本物と比べればミニサイズですが、十分すぎるほど雰囲気は伝わりますね。
特に間近で見た白鳥城は、美しいだけでなく迫力満点です。
城内には、沢山のトリックアートがありますよ。
兵馬俑(へいばよう)博物館では、1,000体の兵馬俑が立ちならぶ姿は「壮観」の一言。
こちらは、誰もが知っているモアイ像です。
けれど、私が知っているモアイ像と少し違っていました。
なんと、目がパッチリ開いているではないですか。正直いって怖い!
絶対、夜に出会いたくないですね。実は、本物のモアイ像も製作当時は、目が入っていたそうなので、原点といえるかも。
見所が多いため、私は3~4時間かけて太陽公園を遊びつくしました。
尚、太陽公園については、下記関連記事でくわしく紹介します。
はりまシーサイドロードを征く、室津へ向かう道中にて
太陽公園を後して、次に向かうのは、日本遺産「室津の町並み」です。
室津は播磨灘に面し、室津半島先端部に位置する小さな港町であり、牡蠣が有名ですね。
室津へ向かうには、瀬戸内海沿いの絶景を楽しめる「はりまシーサイドロード(国道250号)」を走らなければ辿り着けません。
はりまシーサイドロードへ合流する前に、足を運んだのがこちらの「馬場のコスモス畑」です。
馬場のコスモス畑は、約5ヘクタールの休耕田を毎年利用して栽培されています。
畑一面に紅色・白色・桃色などのコスモスが見られるということなので、足を運んでみました。
残念ながら、私が訪れた日は、すでに大部分のコスモスは枯れており、少しショックでしたね。
けれど、まだ咲いているコスモスが、少し残っていたのが救いです。
しばらくの間、コスモス鑑賞を続けるのは、いつものこと。
その後、県道442号の坂道を上りきり、瀬戸内海に向けてダイブすれば、はりまシーサイドロード(国道250号)へ合流します。
合流後に見えてきた瀬戸内海の景色が素晴らしく、自転車を走らせながら横目で何度も眺める度にテンションが上がりますね。
はりまシーサイドロードは、ツーリングスポットとして有名なところ。バイカー(バイク乗り)の人たちがよく走っています。
特に「七曲り」と言う有名な坂があり、多くのバイカーたちがコーナーを攻めていますよ。(カーブを曲がるともいう)
少しずつですが、辺りはオレンジ色に染まってきだしたので、観光モードから走り屋モードに意識を切り替えることに。七曲りもなんのその、今の私には通じません。
ギアを上げ、ペダルを高速に回し続けますよ。すると、あっという間にバイカーの聖地「道の駅 みつ」へ到着。
少し休憩していきましょう。せっかくなので「みんなが幸せになる鐘」を鳴らしておきました。
尚、「道の駅 みつ」は抜群の瀬戸内海を楽しめるロケーションですよ。
はりまシーサイドロードを走るならば、絶対に足を運んだ方が良いですね。
道の駅を後にして、道なりに進んでいると、「室津の町並み」の入口へ辿り着きました。
【海の絶景ロードを走る自転車旅】
「はりまシーサイドロード」のような海の絶景ロードを走る自転車旅の様子を、下記記事で紹介します。
日本遺産「室津の町並み」を観光
さて、それでは室津の町並みへ向かいますよ。
2019年(令和元年)5月に室津の町並みは、「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間ー北前船寄港地・船主集落ー」として日本遺産に認定されています。
もともと室津は、港町として1,300年の歴史を誇りますね。奈良時代に行基法師によって、大阪から兵庫にかけて主要な5つの港が整備されました。そのうちの1つが「室(室津)」です。
それほど古くから、風待ち・潮待ちの港として栄えた宿場町でした。江戸時代には、西国の大名たちが江戸へ参勤交代で向かう際に、船で室津へ上陸し、ここから江戸を目指したといいますね。
つまり、それほど船の出入りが多ければ、栄えた理由も良く分かります。あまりにも栄えたため「室津千軒」と呼ばれていたとか。家が千軒もひしめくとは、想像を絶する栄え方だったのでしょう。
残念ながら、室津には河川がないので、物資集産地となれなく、次第に寂れてしまい今に至ります。
今は、播磨灘に面する静かで美しい小さな漁港ですよ。栄枯盛衰を経験してきた町だった訳ですね。
町並みを見渡してみても「室津千軒」と呼ばれた面影は感じ取れませんが、石畳の路地の周りには、古い町並みが残り見応えがありました。
観光地化された古い町並みも良い物ですが、そうでない古い町並みも味があります。
また、至るどころに本陣の跡地が残っていますよ。探し出してみるのも面白いかも。
個人的には、駐在所前にあった門がいい感じかな。本陣から出陣すると深読みしました。(笑)
もちろん漁港へ立ち寄ることも忘れません。
細い路地を通り抜けて、階段を上ると、賀茂神社へ到着。
それにしても立派な本殿ですね。その歴史は古く平安時代まで遡ります。
賀茂神社は、本殿を含めて8棟の建造物が、国の重要文化財に指定されてますね。
平清盛が厳島詣での折、この地に立ち寄ったそうですよ。それに、江戸参府時にシーボルトが訪れたそうで、参籠所から播磨灘の展望を絶賛したという話が残っています。
境内には、県天然記念物に指定されたソテツが自生していますね。野生のものとして、日本列島の北限に位置するとか。
賀茂神社は、室津の町並み観光とともに訪れたい場所といえるでしょう。
ちなみに、賀茂神社では、自転車のお守りを授かれますよ。サイクリストには嬉しいですね。
室津周辺で沈みゆく夕日を眺めながら、旅のハイライトとします。
その後、日が完全に沈み切る前に室津半島を抜けて、夜間に相生市街へ辿り着き、本日宿泊するホテルへチェックイン。こうして本日の旅は終わりを告げました。
【古い町並みの紹介(その2)】
旅の道中で訪れた、室津のような古い町並みが残る港町を、下記記事で紹介します。
まとめ
今回の旅は、龍野の町並み見学から始まり、室津の町並みの見学で最後を締めました。
そんな町並みを見ていると、古き良き日本を感じずに入られません。いつまでも後世に残しておきたいですね。
太陽公園では、白鳥城のトリックアートを漫喫したり、万理の長城を散策しながら、様々な石の遺跡を見て回りました。
もし、あなたが相生市と姫路市間をサイクリングする機会があれば、距離的に考えて国道2号周辺の道を走る方が楽ですよ。
けれど、あえて遠回りとなる「はりまシーサイドロード」を走り、瀬戸内海の景色を楽しめるコースをお勧めします。