「旅に出る」「旅行へ行く」というのは、何気によく聞くフレーズですね。
そもそも「旅」と「旅行」は、大枠では同じ意味で使われているため、ハッキリ何が違うのか、明言できない方もいるのではないでしょうか。実はこの両者は、かなり似ていますが、明確な区別ができるのです。
私自身は、旅や旅行が好きなので、今でもよく出かけています。その昔、何気なく使っていた両者の違いを知って「なるほど!」とうなずいたものですね。ということで、その違いをまとめました。
本記事では、「旅」と「旅行」の違いについて説明します。
「旅」と「旅行」のイメージ
あなたは「旅」と「旅行」という言葉からどのようなイメージを連想しますか。
そのイメージの中には、おそらく誰しもが納得できるものもあれば、反対に首をかしげるものもあるでしょう。つまり、人によってとらえ方がまちまちです。また、旅と旅行は同じものとして捉えていても何もおかしくありません。
そこで、この両者の言葉で抱く、主なイメージを以下にまとめてみました。(あくまでも私のイメージなので悪しからず)
- 【旅】
- 楽しい・辛い・日常・非日常・自由・冒険・出会い・発見・成長
- 【旅行】
- 楽しい・非日常・観光地・計画的・リフレッシュ
これらはあくまでイメージなので、実際の旅では計画的なことなんて普通にあるし、観光地を訪ねることも多い。旅行でも出会いや発見など十分あり得ます。
そういう意味では、大枠では「旅」と「旅行」に大きな違いはなく、同義と考えられますね。
「旅」と「旅行」の違いを説明
旅や旅行で行う行動を、一言で表すならば「自分が住んでいる場所から一時的に他の場所へ出向き、宿泊して帰ってくる」となります。
こう聞くと確かに「旅=旅行」というのは、あながち間違いではありません。
しかし、旅行となると「観光・慰安・見物・見学・調査」などの目的が加わることが多い。一方、旅では目的があってもなくてもどちらでも良いですね。
そもそも旅行は、特に行き先と目的そのものを重視していますが、旅は行き先や目的に至るまでの過程を重視しているところが大きく違う。そこで、両者の違いについて説明します。
【旅や旅行に役立つ話(その2)】
旅や旅行に役立つ話を、下記記事で紹介します。
旅行は目的を重視、旅は過程を重視する
「旅行」とは、自分が住んでいる場所を離れて、観光や慰安、見物などのために遊びに行くことです。
つまり、普段の日常では味わえない「体験を楽しむ」のが目的になります。また、家族や友人たちとの交流を図るのも大事な目的といえるでしょう。
特に「体験を楽しむ」にあっては、事前にやりたいことが決まっていて、その体験をするために旅行へ出かけるものです。
一方、「旅」とは、旅行と同じく「体験を楽しむ」というのもありますが、それ以上に過程や手段が重視されます。
そのため、必ずしも目的が重要になる訳ではないですよ。といっても実際は、目的があった方が達成した時の満足度が高いので、あった方がよいでしょう。
目的地までの道中で景色を楽しんだり、そこで出会った人々との交流などは、すべて過程となる。また、目的地までの移動手段も大事だ。私は主に自転車旅が多いですが、自分の力で前へ突き進むのは、それだけでも達成感や充実感がありますね。
当然、道中では楽しいことだけでなく、辛いこともある。たとえ、どのような体験をしたとしても人生の経験値を得られるのは違いありません。
これらのことから、旅は自己成長が目的になることが多く、新たな自分の可能性に気づけたりできます。
【自転車旅に関する話】
自転車旅の魅力やメリットなどを、下記記事で紹介します。
旅行はどちらかといえば計画的、旅はとにかく自由度が高い、
旅行へ出かける際、入念なスケジュールを立てる人が多いですね。
たとえば数日間の旅行では、決められた期間内で、目的地や移動手段、宿泊先などをあらかじめ決めてから行動を行うのが一般的です。人によっては、分単位のスケジュールで立てたりするものですよ。
確かに決められた期間内に、様々な体験を楽しむには効率的に行動する必要がある。そのためには「計画」がとても大事だ。特に家族や友人などグループで行動するならば、より計画は綿密になり、自分の行動が制限されてしまう。それが旅行の弊害といえなくもない。
また旅行は、あらかじめ準備された娯楽を体験することがほとんどなので、予想外のトラブルに合う頻度は少ないです。
これが旅ともなると話が全く違ってくる。もちろん計画的に旅を続けることもできますが、旅行と違って自由度が全く違います。
状況に応じて、大きく計画を変更するのは当たり前。必要に応じて旅の期間を延ばしたりもする。旅は過程を重視するので、そこにはルールなどありません。
私なんて、旅の計画は立てますが、旅先で計画の変更を加えるのが平常運転ですよ。
たとえば、道中で綺麗な絶景スポットを知り、そこへ足を運んだり、地元の人との会話の中で、知り得た穴場のスポットへ訪れることがあるので、旅の計画を立てる際には、十分な「余裕時間」を持たせていますね。つまり、旅行と違って綿密な計画は必要ないともいえるかな。
さらにいえば、旅の計画を立てずに行動してもかまわない。何もかも自由なのが旅の特権です。
ただし自由度が高いということは、現地での予期せぬハプニングやトラブルに合う可能性が高くなる。なので、柔軟に対応できるよう余裕をもって行動しよう。
旅行は非日常を楽しみ、旅は日常も楽しむ
旅行では、興味ある体験をするために出かけるのですから、それなりにお金を使う機会が多いですね。居心地の良いホテルや旅館などへ宿泊し、その土地の名物や美味しい食事を食べたりするでしょう。
さらに観光スポットで様々な体験を通じて、リフレッシュを図ります。そんな普段の日常とは違った「非日常」を楽しむのが旅行の醍醐味ですよ。
また、旅行では誰と行くのかも重要になる。一緒に訪れたメンバーと交流を図り、より親密になれるものです。それは、ともに「非日常」を過ごすことで、連帯感が生まれるからですね。もちろん一人で旅行へ出かけてもOK。リフレッシュを図る意味では、特に人数は関係ありません。
これらのことから、旅行は一種のエンターテインメントといえるでしょう。
旅では、「非日常」を楽しむだけでなく、「日常」も楽しむ側面を持っています。
たとえば、旅先では地元の人と交流したり、より親しくなれば泊めてもらうこともある。その町で生活する人々の暮らしぶりを、垣間見る機会が多いですね。
また、費用面から自炊や洗濯をする機会も多い。否応なしに「日常」が顔をのぞかせます。
旅は必ずしもエンターテインメントを求めている訳ではありません。旅先での滞在期間の長期化に伴い、地元の人々の日常に触れ、体感している内に、いつしか非日常が日常になり得ます。
旅と旅行では、道中の楽しみ方が異なる
旅行では、観光スポットで食べ歩きをしたり、温泉に入ったり、町並みを見物したり、テーマパークで遊んだりするなど様々な体験を楽しむものです。
ツアーなどでは、専用バスが用意されており、観光スポット間の移動が楽にできるよう考えられています。移動中に休息を取ったり、お喋りしたり、スマホなどで動画鑑賞や読書などをして時間を過ごすことが多いですね。
そもそも旅行では、移動時間に「体験の楽しさ」を求めてはいないでしょう。そこが旅とは決定的に違うところです。
先ほど触れましたが、旅は「過程」を重視します。移動中に気になる景色を見かけたら、ふらっと道草をしたりするし、旅先で知り合った人と一緒に行動をともにすることもある。これらのことにより、新たな発見や新鮮な体験につながる機会が多いですね。
しかし、必ずしも楽しいことばかりではなく、ハプニングやトラブルなどで辛い出来事に遭遇したりします。けれど、どのような体験をしたとしても、自分自身の成長につながるのであれば、時間が経つことで良い思い出になりますね。
【旅路の移動手段】
旅や旅行では、飛行機やレンタカーを利用する機会があるでしょう。下記記事では、飛行機の予約やレンタカーに関する話を紹介します。
旅行は比較的再現性が高く、同じ旅は二度とない
旅行は、同じコースで同じ観光スポットへ行くと、何度でも同じ内容を楽しめる可能性が、比較的高いです。もちろん、季節や時間帯による限定されたイベントがあったり、年月が経つことでイベントの誕生や変化が起きるものなので、一概に全く同じ内容とはなりません。
けれど、基本的には、特定の体験を繰り返し楽しめるというのは、旅行の利点といえるでしょう。たとえば5年や10年後に、再度同じ場所へ旅行し、楽しかった思い出を追体験できるのは、感慨深いですね。
旅では、旅行のように再現性がある部分もありますが、基本的に同じ過程が繰り返されることはありません。そもそも最初から最後まで、同じ内容を再現するなんて不可能ですよ。
それに、たとえ同じ場所を旅したとしても、その時に感じたことや、その旅で得たことは、その時の自分と今の自分では、全く違っているものです。人は旅を経て成長していき、感性が磨かれていくと、感じ方も違ってきます。
旅とは、その時限りのものであるからこそ、より貴重な体験といえるでしょう。
【天気のことわざ】
旅や旅行は、出来るだけ晴れの日に行いたいものです。下記記事では、天気に関することわざを紹介します。
【参考】観光とは何か?
「旅行」と同じ意味で使われることの多い「観光」について説明します。
観光とは、1995年に観光政策審議会が「余暇時間の中で、日常生活圏を離れて行う様々な活動であって、触れ合い、学び、遊ぶということを目的とするもの」と定義しました。
簡単にいうと、訪れた土地の風景や文化、史跡に触れることです。特に景色・名所・史跡などを見物するといった意味合いが強いといえる。
それに観光では、宿泊をするかどうかなどの期間は問われません。旅や旅行と比べて「見物する体験」を重視しているともいえますね。
まとめ
本記事では、「旅」と「旅行」の違いについて説明しました。
今まで両者を同じものと思っていた方にとっては、明確な違いがあることが分かって頂いたと思います。旅と旅行では、目的・自由度・道中の楽しみ方など様々な違いがあり、明確な区別がある一方、「別の場所を訪れる」という意味では同じ扱いです。
旅と旅行というフレーズは、人により抱くイメージが様々なので、その言葉の意味をしっかり理解して使いたいですね。