
町の9割以上が森林に占められるという鳥取県八頭郡智頭町。江戸時代には、参勤交代の宿場町として栄え、今もその名残を残す町並みが魅力的です。
そんな町並みから少し離れたところには、全国的に類をみない杉の精霊を祀る「杉神社」が鎮座しています。知る人ぞ知る隠れた名所ですね。
境内一帯の光景に思わず「杉・杉・杉!」と叫びたくなるほど杉の木がいっぱい。そのような静謐な空気の中にポツンと建つ、斬新なデザインの白亜の三角塔は、実に神秘的ですよ。また、境内の奥には高さ約10mの竜谷の滝が流れているので、マイナスイオンをたっぷりと感じよう。
本記事では、白亜の三角塔・杉・滝の競演が魅力的な「杉神社」を紹介します。
目次
全国でも類をみない「杉神社」とは

杉神社は「杉の町」で知られる智頭町の山の中腹に位置し、他の神社とはまた違う独特の雰囲気を醸し出しています。
主に家庭円満・心身の安定・産業の豊かさ(林業・豊作)などのご利益あり。毎年10月には、杉神社例大祭が行われます。
杉神社の配置図から、境内には三角形の御神体があり、その手前に社務所兼拝殿があるのが分かるでしょう。それほど規模は大きくないので、一通り見て回るならば所要時間は20~30分ほどです。
境内の入口にある独特な鳥居

智頭駅を北上して千代川に架かる京橋を渡り、国道373号線を約1.2kmほど東へ進むと杉神社の社号標が見えてきます。
左折して社号標の奥に続く坂道(参道)を上ろう。道幅はそれほど広くはなく、普通車2台がなんとか通過できるほどですね。ちなみに私はマイ自転車で訪れました。
智頭駅前には「智頭町総合案内所 暮らし屋」があるので、そこでレンタサイクル(電動アシスト付き)をかりると移動に便利。自転車でのんびりとサイクリングしながら智頭宿や杉神社を巡るのをおすすめします。
社号標から歩いても約10分もあれば杉神社の鳥居前へ辿り着く。鳥居前からもう少し坂道を上った先に駐車場があるので、車で来られた方はそちらへ駐車して下さい。


しばらくすると、前方に2本の石柱の間に太い注連縄(しめなわ)をしたものを発見。これが杉神社の鳥居です。注連縄がなければ、鳥居とは気づかなかったかも。

このような独得の形をした鳥居は珍しいですね。パッと見た目には、何かの砲弾かと思いました。(砲弾を祀る神社は結構多いです。)
辺り一帯は杉に囲まれて静まり返っており、鳥居の奥に道が続いているのを見て取れます。
そのような景色を眺めていると、まるで異世界へ続いているように感じてしまう。日中は良いですが、夜間に来るのは結構怖いかも。そのように感じるのは私だけではないと思います。
境内は見渡す限り「杉」だらけ

境内の辺り一面は杉に囲まれており、森林浴におすすめです。それに加え、川のせせらぎは心地よく、日々の喧騒を忘れさせてくれますね。
また、路面は足の踏み場がないほど杉の落葉が多く、全体を見渡すと寂しげで趣のある情景を感じました。
地域の森林組合で管理されていますが、そもそも杉は一年中落葉しているので、清掃してもきりがないのは容易に想像できます。なので、この状態は仕方がないでしょう。特に新葉が茂る初夏(5月~6月)が最も多いだろうな。

寒暖差が激しい智頭で育つ智頭杉は、様々な建築物に使われているそうですよ。
それに杉は、昔から神様が降臨する際に伝って降りてくる木なので、神社で見かける機会が多いですね。たくさんの杉が真っ直ぐに天へ向けて伸びる姿には、神秘性を感じてやみません。
参道を奥へ向けて歩くと、山の中腹に御神体の「白亜の三角塔」があり、さらに奥へ歩くと竜谷の滝(りゅうだにのたき)があるので、鳥のさえずりに耳を傾けながら落葉を踏みしめて奥へ向かいましょう。
杉の精霊か!?自然の中に佇む御神体「白亜の三角塔」

自然豊かな境内にて、ひと際目を引くのは御神体です。御神体は、杉の形をかたどった白い三角形をしており、高さ12m、底辺8mの大きな塔ですね。
1955年(昭和30年)に当時の町議会議員であった米井信二郎氏が私財を投じて建設しました。白木の板を斜めに組んでおり、斬新なデザインが緑の中で良く映えます。
そのためか、カメラのシャッターを切る指が止まりません。


そもそも精霊とは、自然界や無生物、生物などあらゆるものに宿る超自然的な魂や存在です。智頭杉は、林業用としては50~60年ほど育成されていて、中には100年を超えるものもあるという。
特に400年以上前の植えられた「慶長杉」が最古級の人工林として有名です。
江戸時代から人々の様々な願いや想いを引き継ぎながら、本格的な林業地として発展した歴史ある地なので、杉の精霊が生まれたとしても不思議ではないでしょう。

こちらが社務所兼拝殿です。一般的に見かける拝殿とは全く外観が違っているので、分からない人も多いはず。かくゆう私も案内図をみなければ、直ぐに分かりませんした。


拝殿の両隣りには手水舎と装束室がありますが、賽銭箱は見当らなかったですね。
御神体の手前にあることから察するに、拝殿の中へ立って正面の御神体へ向けてお詣りするのが正しいと思います。
【神社仏閣の紹介】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
滝大明神が祀られる「竜谷の滝」

御神体の奥へ歩いていくと、竜谷の滝が見えてきます。滝の近くまでは1~2分ほどで辿り着きますが、歩きにくい場所なので、動きやすい服装と運動靴やスニーカを履いておこう。
この滝は、杉神社のお滝さんとも呼ばれていて、滝大明神をお祀りしています。落差約10mほどの上下二段に分かれる滝ですね。
豪快な水音が響きわたらせながら、激しく落下する様はとても迫力あり。さらに苔むした大きな岩がゴロゴロ転がっていて、周囲の雰囲気に良くマッチしています。
それに神社という場所なこともあり、より神秘性を感じました。


1795年(寛政7年)に書かれた「因幡誌」の名所絵図によると、この滝大明神は風光明媚で清浄な信仰の地と紹介されています。

滝を正面から見て、右手側の階段を上った先が一番滝に近づけるようです。私が訪れた日は、杉の枝が落ちて道を塞いでおり、足元が悪そうだったのでパスしました。
強引に歩こうと思えば歩けたのですが、このような場所では無理をしないことが大事です。
気になったので後日インターネットなどで調べてみると、落石の危険により立入禁止になっているとのこと。(行かなくても正解でした。)今も禁止なのかは分かりませんが、気になる方は観光協会へ問い合わせて下さい。

そういう経緯もあり、今の「お滝社」は滝へ向かう参道に設置されています。
御神体の後ろに見えるので、直ぐに気付くでしょう。滝をバックにしてお詣りして下さいね。
【滝の紹介】
旅先で訪れた滝を、下記記事で紹介します。
人生橋の秘密?に注目

拝殿の手前には、川に架けられた小さな橋があります。これが「人生橋」ですね。
一見すると普通の橋に見えるのですが、橋を渡る前に入口前に立って、橋の形を見下ろしてみよう。すると、面白い仕掛けに気が付くのではないだろうか。

ヒントは橋の名前です。じっくりと眺めていると、奥から手前に向かって二股となっている通路の形が「人」に見えるし、杉の形をかたどった三角形の中に「生」という漢字が隠されていて驚きました。
秘密ってほどではありませんが、このような遊び心は個人的に大好き。この橋のデザインを考えた方、グッジョブです。
この橋を渡ることで、どのようなご利益があるのか分かりませんが、人生に何かしらの影響を与えると信じたいですね。
杉神社の基本情報とアクセス
| 住所 | 鳥取県八頭郡智頭町智頭 |
| 電話番号 | 0858-76-1111(智頭町観光協会) |
【アクセス】
- 智頭急行またはJRの智頭駅から徒歩約30分
- 智頭急行またはJRの智頭駅からタクシーで約5分
- 鳥取自動車道「智頭IC」から車で約10分
杉神社の駐車場
杉神社には、無料駐車場があります。(普通車 約10台)
まとめ

杉神社は、古い町並みが残る智頭宿から約2kmほど離れた場所に鎮座しています。
思った以上に山奥まで入る訳ではなく、お手軽に行けるのが良いですね。智頭駅前にある「智頭町総合案内所 暮らし屋」でレンタサイクルをかりると移動に便利です。
辺り一帯を杉に囲まれた境内では、森林浴と滝を楽しめます。また、花粉症の方は、杉の精霊を祀る御神体にて花粉症の平癒を願ってみてはいかがですか。
智頭町へ観光に訪れた際には、智頭宿ともにあわせて杉神社へ足を運んでみて下さいね。(花粉症の方は、花粉の時期を避けるのが無難だと思います。)

