
岡山県倉敷市南部にそびえ立つ標高133mの鷲羽山。年間130万人が訪れる人気の観光スポットです。
その中腹には、ひっそりと鎮座する「穴場稲荷(あなばいなり)」があります。観光客の喧騒から離れた場所にあるため、気付かない人も多いでしょう。
長い石段を上る道中では、朱塗りの鳥居や瀬戸大橋が織りなす瀬戸内海を見渡せます。さらに石段の奥には「奥の院」があり、磐座と思われる巨大な石組みの中へ入れるのは貴重な体験ですね。
本記事では、知る人ぞ知る隠れた絶景スポット「穴場稲荷」を紹介します。
目次
穴場稲荷のご祭神・ご利益・所要時間

穴場稲荷は、岡山県倉敷市下津井田之浦に位置し、ほぼ瀬戸大橋と同じ高さから瀬戸内海を一望できる隠れた絶景スポットです。
また、朱塗りの鳥居と瀬戸大橋が織りなす景観は見応えがあります。
周囲を山と海に囲まれた静かな場所のため、都会の喧騒から離れて過ごしたい人にピッタリ。神秘的な神社と瀬戸内海の風景のコラボにて、ぜひ癒されて下さいね。
正式名称は「穴場祥蔵正一位稲荷大明神」。稲荷信仰でお馴染みの宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)をお祀りし、商売繁盛や五穀豊穣、家庭円満など様々なご利益を期待できます。
所要時間は15~20分ほど。麓にある朱塗りの千本鳥居をくぐり抜けて、石段の参道を3~5分ほど上り続けると、奥の宮へ辿り着きます。
【周辺の見どころ】
穴場稲荷周辺の見どころを、下記記事で紹介します。
鮮やかな朱塗りの鳥居が連なる「石段の参道」

児島半島の最南端付近にて、鷲羽山と下津井地区を結ぶ鷲羽山スカイライン(県道393号)を通過していると、沿岸に色鮮やかな朱塗りの千本鳥居が現れます。この鳥居が穴場稲荷の出入り口です。
あまりにも周囲の自然に溶け込んでいるため、その存在に気づかずに素通りしてしまう人も多いというので、気を付けて下さいね。
鳥居の奥には、山頂まで鬱蒼と茂る木々に囲まれた石段の参道が続いており、千本鳥居の存在は、まるで異世界へいざなっているように感じるのは私だけでしょうか。
鳥居の隣には小さな駐車場があります。トイレやべンチなどが設置されているので、参拝前後の休憩に活用しましょう。

この鳥居の奥を見てみると、山頂へ向けて急峻な長い石段が続いているの見て取れます。実際、そこそこハードな登り坂なので、動きやすい服とスニーカーまたは運動靴を履いておくのがおすすめです。
境内はこじんまりとしていて、ほとんどこの石段の上り下りに時間を要する環境ですよ。

参道には手すりが設置されているぞ。これは本当にありがたい。というのは、山頂へ近づくにつれてより急峻となり、手すりを使う場面が増えてきます。
拝殿がある当たり前までは比較的登りやすいですが、それ以降は試練となる人も少なくないでしょう。個人的には上っている最中より、下っている最中に良く手すりを利用しました。

こちらは、拝殿と奥の院をとらえた光景です。特に一本松をのせた巨岩が印象的なので、「あれ、何だろう?」と思う人も多いはず。実はこの巨岩が「奥の院」ですね。
運動不足の人には堪える石段ですが、標高が高くなるにつれ、より遠くの景色を見渡せるようになります。絶景というのは、疲れた体に最高のご褒美となるので、最期まで頑張って上りましょう。
境内は瀬戸大橋を望む穴場のビュースポット

石段を上っている最中に、足元に注意しながら、ふと振り返って見て下さい。目の前には、四国まで延びる雄大な瀬戸大橋の姿が現れます。
瀬戸大橋の展望スポットの多くは、橋の下から見上げるのか、高い場所から橋を見下ろすパターンなのですが、穴場稲荷はほぼ橋と同じ高さから見られる貴重なスポットです。
瀬戸大橋といえば、岡山県倉敷市と香川県坂出市を結ぶ全長約13.1kmもある世界最長の道路鉄道併用橋として超有名。瀬戸内海の多島美を背景にした美しい橋の景観には、拍手喝采を贈りたい。


石段を上り下りしながら、高さを調整して瀬戸大橋が織りなす景色を楽しもう。観光用の展望台とはまた違った、感動を味わえると思います。
夕暮れ時になると、瀬戸大橋はライトアップされるので美しさがよりアップ。日中とはまた違った、鳥居とのコラボレーションを楽しんで下さいね。
ちなみに穴場稲荷から約350mほど離れた場所には田土浦公園があり、瀬戸大橋を真下から見上げるポイントになっています。あわせて訪れてみてはいかがですか。

そもそも絶景を眺めていると、まるで時間が止まっているように感じる機会が多い。けれど、橋を走行する車や鉄道、瀬戸内海を航行する船舶などから確実に時間が流れているのが分かりました。
列車といえば、橋を通過する快速マリンライナーや特急しおかぜ、特急南風、寝台特急サンライズ瀬戸などを撮影できるポイントですよ。なので、鉄道ファンの人にもおすすめ。

視線を瀬戸大橋が延びる先に見える四国の山々に向けてみよう。その中には、「讃岐富士」の愛称で知られる標高422mの飯野山が薄っすらと見えます。
丸亀市と坂出市にまたがるこの美しい円錐形の山は、香川県を代表するランドマークの一つとして、地元の人たちに親しまれている存在ですね。約1時間ほどで頂上へ辿り着くため、気軽にハイキングができる山として人気が高いです。
石段を上り拝殿や本殿、境内社へ

石段を上っていると、途中で拝殿が見えてきます。
最初にこの拝殿を見た時は、その外観から「普通の民家や集会所のようだ?」と思いましたが、建物前にある鳥居と後ろの一段高い場所に本殿があることから、どうやら間違いなく拝殿のようです。
そのような外観のためか、より親しみを感じました。

そして、こちらが本殿。本殿正面に立つことができるので、直接参拝できるようです。
ふと本殿を見上げると、天皇が神様に対して授ける最高ランクの「正一位(しょういちい)」が贈られているのに気が付きました。

京都の伏見稲荷大社の稲荷神が「正一位」を授けられているので、分霊された稲荷神社も「正一位」となるのだろう。そのため、神社巡りをしていると見かける機会はそれなりに多いですね。
また正一位は、現在も続く日本の律令制において、国家に多大な功績があった者に対して授与される位階の中でも最高ランクなんだとか。1917年に織田信長(死後追贈)公へ贈られたのを最後に、実在の人物への授与はなされていません。

本殿の隣には、猿田彦大明神や波切不動明王、小穴場稲荷の小さな社が並んでいます。この小穴場稲荷は、神社側が祀ったのでなくて、個人が祀ったものなんだそうですよ。

また、本殿の右手側へ歩くと、少し高い場所に白鬚稲荷大明神の社を発見。白鬚稲荷大明神といえば、主に稲荷神を祀り、五穀豊穣や商売繁盛、産業興隆のご利益が期待できる神社です。
以前滋賀県を旅した時に、白鬚神社へお詣りしましたが、「白鬚(しらひげ)」と「白髭(しらひげ)」は漢字が良く似ているため、同じ神様を祀っていると勘違いされやすいかな。(昔の私がそうでした。)
信仰対象が異なる場合もあるので、参拝する際には気を付けて下さいね。
【神舎仏閣の紹介】
旅先で訪れた神社仏閣を、下記記事で紹介します。
石段を上った先にある「奥の院」は必見

本殿から先へ続く石段は、これまで以上に上るのが大変になってきます。手すりを適時利用しながら慎重に先へ進みましょう。
奥の院へ近づくにつれ、巨石群が増えてくるのでより雰囲気良し。冒険心が刺激されてやみません。
巨石というのは、そこにあるだけで存在感が抜群ですね。古代から「磐座」として、神が降り立つ聖なる場所であったり、あるいは神そのものとして崇められていたりします。
磐座は基本的に立入禁止や内部へ入れないのですが、ここでは磐座と思われる巨大な石組みの中へ入ることができるので、これは足を運ばないのは実にもったいないです。

しばらくすると、自然石をくりぬいて作られた手水鉢を発見。ここまでくると奥の院まであと少し。最後まで気を抜かず上りましょう。

そして、さらに奥へ登ると一本松をのせた存在感抜群の巨岩(磐座)が見えてきました。これが「奥の院」ですね。
いきなり石室の中へ入るのも良し。その前に眼下の景色を楽しむの良し。朱塗りの鳥居の隣には、奥へ続く道が見えるのですが、どうやら鷲羽山山頂付近へ続いているみたい。
気になったので少し調べてみると、道なき道?を歩くようです。

ちなみに、こちらは麓から磐座を撮影したもの。右端に見える朱塗りの鳥居と比較すると、その大きさがより分かるでしょ。

石室の中は、明らかに人の手で加工や積み上げがされたのが分かります。石室はあまり広くはなく、奥に小さな社があり、何とも可愛らしいお稲荷様がいらっしゃるではないですか。
ここまで上りきった高揚感とともにテンションが爆上がりました。
お詣りの際には、頭をぶつけないように注意すること。そして、眼下の景色を楽しみながら帰路へついて下さいね。
穴場稲荷の基本情報とアクセス
| 住所 | 岡山県倉敷市下津井田之浦 |
【アクセス】
- JR児島駅から下電バス下津井線に乗って(約15分)、田土浦公園前で下車後徒歩約6分
- 瀬戸中央自動車道「児島IC」から車で約4分
穴場稲荷の駐車場
穴場稲荷の入口となる鳥居の隣には、無料駐車場があります。(普通車 約5台)
まとめ

穴場稲荷は、鷲羽山中腹に鎮座する瀬戸大橋に最も近い神社の一つです。観光スポットから外れているため、観光客はほとんどいない知る人ぞ知る隠れた絶景スポットとなっています。
山と海に囲まれた静かな場所に佇み、心ゆくまで瀬戸大橋が織りなす絶景を独り占めして下さいね。
鷲羽山スカイラインからのアクセスは良好なので、倉敷観光や鷲羽山へ訪れる機会があれば、足を延ばして訪れてみてはいかがですか。

