滋賀県の湖と聞かれたら、ほとんどの人は、琵琶湖を思い浮かべるでしょう。
その琵琶湖の北東部には、賤ヶ岳と隔てられた小さいな湖「余呉湖(よごこ)」があることをご存じですか。
羽衣伝説や龍神・菊石姫伝説が残されている美しい神秘の湖であり、周囲約7kmしかないため、サイクリングだけでなく、ウォーキングも楽しめます。
春になると湖周辺には、たくさんの桜が咲き誇りますよ。特に余呉湖観光館前で見られる「桜 + 菜の花 + 水道」の風景が素晴らしい。
本記事では、サイクリングしながら余呉湖の見どころを紹介します。
琵琶湖の北東部に位置する「余呉湖」とは
余呉湖(よごこ)のルーツは、琵琶湖と同じ断層湖であり、もともと琵琶湖の一部だったものが、約3万年前に分かれたものだと言われています。
東西1.2km、南北2.3kmで周囲はわずか約7kmほどしかありません。琵琶湖と比べてしまうと、取るに足らない存在に思えてしまいますが、こんな小さな湖には、神秘的な伝説が残されているのです。
こちらが余呉湖の地図。
この地図をみて分かるように、最寄り駅は「余呉駅」であり、余呉湖一周の拠点としては、余呉湖観光館か余呉湖ビジターセンターがおすすめですね。
どちらにも駐車場や食事処があるので、気持ち良くウォーキングやサイクリングを楽しんだ後で、休憩するのにもってこいです。
ちなみに、余呉湖一周のことは「ヨゴイチ」と呼ばれています。ヨゴイチは、湖周回をお手軽に楽しめるので、体力に自信のあるサイクリストは、琵琶湖一周(通称:ビワイチ)と共にチャレンジしてみては如何でしょうか。
ビワイチは難しくても、ヨゴイチだけなら誰でも気軽にチャレンジできるよ。
余呉湖周辺から古戦場「賤ヶ岳」へハイキングができます。賤ヶ岳合戦といえば、秀吉が天下人になる始まりの戦いとして有名ですね。賤ヶ岳山頂からは、余呉湖を一望できるパノラマ絶景が広がっています。
【周辺の見所】
余呉湖周辺の見所を、下記記事で紹介します。
サイクリングで余呉湖一周を楽しむ
余呉湖の最寄り駅「JR余呉駅」です。新幹線が停車する米原からJR北陸本線を利用して、8番目の駅であり、琵琶湖の北に位置する長浜市にあります。
この余呉駅から約200mほど南下すれば、余呉湖が見えてきますね。
余呉駅にある「余呉駅コミュニティハウス」では、レンタサイクルを1日500円で利用できるので、サイクリングを楽しみたい方はレンタルすると良いでしょう。嬉しいことに、指定の場所であれば乗り捨ても可能ですよ。
また、余呉駅から約600mほど南下すると余呉湖観光館があり、ここでもレンタサイクルがありますね。
余呉湖周辺は、平坦路なので自転車で走りやすい。周囲7kmしかないため、ゆっくりサイクリングしても30分もあれば一周できてしまいます。尚、ウォーキングならば約2時間ほどかかりますね。
余呉駅から西へ約800mほど進むと、余呉湖ビジターセンターへ辿り着きました。
ここは緑地広場が整備されており、余呉湖湖畔でのんびり過ごせる。この広場で一際目と引くのがこちらの羽衣天女像です。
さすがは羽衣伝説が残る地。天女が降りたとされる羽衣伝説は、日本各地に残されていますが、余呉湖の伝説が日本最古なんだそうですよ。ロマンを感じますね。
ここで余呉湖をバックに愛車を撮影。うん、よく撮れている。(自画自賛)
後から知ったのですが、余呉駅からこのビジターセンターへ向かう途中には、天女が水浴びの際に羽衣をかけたとされる、柳の木があるんだとか。後日そのことを知って、地団太を踏みました。(笑)
皆さんがヨゴイチへチャレンジする場合は、見逃さないように。ちなみに柳の木の位置はこちらです。
尚、2017年10月の台風21号の影響で、柳の木は、根元から折れてしまったそうですよ。なので、気付かずスルーしてしまうのも知れませんね。
余呉湖は、小さい湖なので道路との距離がとても近い。湖面に触れることができる。湖面は穏やかでとても綺麗。これならば「泳げそうだな」と思ってしまう。
実際泳げるかどうかは、分かりませんが、たとえ泳げなくてもボート遊びが楽しそう。
1km進むごとにこちらのような、案内があります。こういうのは、何気に嬉しいですね。
こちらは、尾の呂が浜。賤ヶ岳合戦の火蓋が切られた場所です。
今ではそんな面影は、どこにも残ってはいない。それだけ時間が流れていった証拠ですね。
桜咲く湖畔を眺めていると、いつまでもここにいたい気持ちにさせられます。そして、何よりとても静かで落ち着いた雰囲気。そんな場所をサイクリングするのは、とても気持ちが良いですよ。
最期に余呉湖と周辺の風景をダイジェストで紹介。
短い時間でしたが、こころが穏やかになる有意義な時間を過ごせました。
【湖・大きな池の紹介】
旅先で訪れた湖と、池とは思えないほど大きな池を、下記記事で紹介します。
【見所①】春の「余呉導水道」
桜シーズンになると、余呉湖周辺は、ピンク色に染まります。そんな景色の中でも特に足を運んで欲しいのは、余呉湖観光館の手前にある余呉導水道の周辺です。
「桜 + 菜の花 + 水道」が織りなす景色は、実に素晴らしい。桜並木を散策しながら、春の景色を漫喫しましょう。
私もそうですが、見かけた大半の観光客がこの場所で記念撮影をしていました。
このような場所では、性能の良いカメラを使いたいものですね。高性能のカメラは、高額なものが多いため無理して購入しなくてもレンタルやサブスクといった選択肢があります。
余呉導水道は、長浜市余呉町中之郷で余呉川より水を取り入れ、下余呉で余呉湖に導かれる水路として、1960年に完成しました。
周囲には、広大な田園地帯が広がっており、余呉駅から徒歩約5分で辿り着きますね。水道を近くで眺めても、遠くから眺めても絵になるので、自然に頬が緩みますよ。(嬉)
春に余呉湖一周する際には、ハイライトとして相応しいのでは無いでしょうか。
【春の花畑の景色】
春になれば、桜や菜の花、藤など綺麗な花が咲き誇りますね。そんな花が見られる観光スポットを下記記事で紹介します。
【見所②】「鏡湖」と称される美しい水面
余呉湖は、別名「鏡湖」と言われるほど美しく透明度のある湖です。
日本のウユニ湖とも呼ばれていますよ。特に辺り一面に雪景色が見られる時期では、湖面に映る景色がSNSなどで話題になってますね。
私が訪れた季節は、春でしたのでそのような景色は見られませんでしたが、余呉湖一周していると、それらしき景色に出会えたりします。
サイクリングをする際に、急いで余呉湖一周するのは、実にもったいない。ゆっくりなペースで自転車を走らせ、気にいった場所へ立ち止まりながら、余呉湖の景色を堪能しましょう。
余呉湖に伝わる2つの伝説
羽衣伝説
羽衣伝説は、日本各地に伝承されているので、聞いたことがある人は多いと思います。先ほども触れましたが、余呉湖の羽衣伝説は、日本最古といわれていますね。
その伝説のエビソードは、ある日、織女(しょくじょ)が余呉湖に降り立ったところから始まります。
織女が余呉湖で水浴びをしていると、伊香刀美(いかとみ)という男がその姿に恋心を抱き、一枚の羽衣を盗み出してしまうのです。とんでもないヤツですね。
話はそれで終わりません。織女が羽衣がないため、天へ帰れなくなり、やがて伊香刀美の妻になりました。きっと、弱みに付け込んだんでしょう。
やがて、織女は子供を産みましたが、天へ帰りたい気持ちは失せず、声を忍んで泣いて過ごしていました。子供が父が出かけている間に、隠していた羽衣を見つけて母に渡します。
織女は大喜び。そのまま衣をまとって天へ帰っていきました。う~む、子供を見捨てたとも言えるので、個人的には後味が悪いかな。
尚、その子孫が地元の豪族の先祖になったと伝えられています。
龍神・菊石姫伝説
川浪村の南に都落ちしてきた桐畑太夫には、菊石姫という娘がいました。姫はある年、干ばつに苦しむ村人を救うため、自分が湖の主となり雨を降らせようと入水したそうです。
いわゆる人柱ですね。すると、姫は竜となり雨を降らせましたが、もう人間に戻ることができません。長年世話になった乳母へ、疫病の薬として竜の目玉を抜きとり与えました。この竜の目玉は舐めると、病気が治ったりする不思議な力があったという。
その話を聞きつけたお上は、竜の目玉を取り上げ、もう一つの目も差し出せと迫ります。いつの時代でも権力者の欲望は天上しらず。今でいうパワーハラスメントは、昔から横行しており、全くなくなる気配が見えませんね。
乳母が泣く泣く頼むと竜は、目玉を抜きとり湖中から投げ与えました。目玉は石の上に落ちると、目玉の跡がつき、その石が「蛇の目玉石」として今も伝わっています。
凍る水面上で「ワカサギ釣り」を楽しめる
余呉湖の冬の風物詩として有名なのが、ワカサギ釣りです。
例年11月下旬の解禁日から翌年3月下旬まで開催されますね。自分で釣ったワカサギを天婦羅にして食べれば、より美味しく感じるものですよ。
興味がある方は、家族や友人同士で是非チャレンジしてみて下さい。
余呉湖の基本情報とアクセス
住所 | 滋賀県長浜市余呉町川並 |
電話番号 | 0749-53-2650(長浜観光協会) |
【アクセス】
- JR余呉駅から徒歩約5分
- 北陸自動車道「木之元IC」より車で約10分
余呉湖の駐車場
駐車場は、余呉湖観光館の無料駐車場を利用すると便利です。(普通車20台、大型車2台)
まとめ
余呉湖の周囲は、わずか約7kmしかなく平坦路なので、とてもサイクリングがしやすいです。
また、位置的にも関西や中部圏なら日帰りも可能ですね。それに、北へ向かえば日本海に面する福井県へつながります。
琵琶湖一周中に立ち寄ってもよいし、余呉湖単独でも十分楽しめる。羽衣伝説や龍神・菊石姫伝説が残されている、美しい神秘の湖を眺めながら、ヨゴイチを堪能しましょう。