古都・奈良は、京都と同じく特に歴史ロマンを感じる土地柄ですね。1,300年の歴史を誇る世界遺産があり、古き歴史を今も脈々と伝えています。
本日の旅のメインは、奈良市の観光。世界遺産の春日大社と東大寺へ参拝し、奈良公園へ足を運ぶ予定ですよ。午前中内に観光を終えて、大阪の堺市へ向けて旅立つ予定ですが、計画通りにいきますかね。
なぜなら奈良公園には、神様の使い「鹿」がいるからです。神様の使いの魅力を振りきって、旅立たねばなりません。(笑)
さて、旅の道中にどんな出会いがあり、どんな発見があるのか楽しみだ。
本記事では、奈良市の観光と、奈良市から大阪府堺市まで自転車で旅した様子をお届けします。
「鹿」は神様の使い
清々しい朝の空気が漂う中、私は1人奈良公園を散策しています。奈良公園といえば、野生の鹿で有名な場所ですね。そのため、園内を少し歩いただけでも、至るどころで鹿をみかけました。
偶然なのか、みかけた鹿は単独行。少し近づいても全く逃げるそぶりすら見せません。うん、本当に人に慣れている。そんな鹿を愛でながら、春日大社の参道を歩いていると、二之鳥居へ到着。
そこには、満を持して鹿の群れが現れました。
あまりにも多くの鹿が参道を闊歩していたため、思わず「うぉー!」と声をあげてしまったのは仕方がないでしょう。私も含めて、鳥居の周辺にいた多くの観光客と共に、鹿たちを愛でて過ごします。
参道ということもあり、神聖な空気感が漂う中、静かに歩く鹿の姿に、なぜか後光のようなものを感じることも。気のせいですかね。それとも幻覚か。(笑)
実はこの鹿たちは、神様の使いですよ。この地では、奈良時代から続く「神鹿(しんろく)信仰」が脈々と受け継がれている。また、国の天然記念物に指定されて、大切に扱われています。
実際、江戸時代に鹿を殺した人物が、死刑になったという言い伝えが残っており、鹿の命は、人より重い風習があったそうです。そのような風習は、戦前まで残り、この地の住民は、毎朝、自宅前に鹿の死体がないかチェックしていたという。
今でこそ、野生動物は刑法上「物」扱いとなっていますが、当時は戦々恐々としていたと思う。もし鹿の死体が自宅前で見つかると、想像するだけで恐ろしい。(ブルブル)
そのような過去の出来事を知っていれば、「御鹿様」とお呼びした方がよいかも知れませんね。
木漏れ日の中、御鹿様たちが堂々と闊歩する姿を眺めながら、拝まずにはいられません。その後、少し歩くと、春日大社の本社(大宮)へ辿り着きました。
【旅に役立つサービスの紹介】
旅の道中で活用すると、便利なサービスがたくさんありますので、下記記事で紹介します。
春日大社のお詣り
1,300年の歴史を誇る世界遺産・春日大社は、豊かな森に包まれており、古き歴史を感じる美しい社殿が立ちならんでいます。
回廊に囲まれた本社へ入ると、まずは、幣殿(へいでん)・舞殿(ぶでん)へ足を運びましょう。この場所が「参拝所」として機能しているため、本殿へ向けて参拝します。
また、500円を納めて、特別参拝の受付をすませば、より本殿へ近づけますが、本殿へ向かうのは禁止。さらに撮影も禁止です。それだけ神聖な場所だということですね。
なので、中門正面から少し離れたところから、本殿へ向けて参拝するようにして下さい。
本社まで表参道を歩いてきましたが、参道の両脇には、2,000基の石燈籠が並べられており、その景色は幻想的ですよ。この石燈籠の中には、室町以前に作られた日本中にある石燈籠の約7割をしめている。凄くないですか。
特に本社から若宮神社まで続く参道では、木製で立方体の火袋が特徴的な「御間型灯籠(おあいがたとうろう)」が並んでいます。これは、周りの景色と相まって実に神秘的ですよ。
境内には、本社だけでなく61社の摂社・末社があり、どんな願いも叶えてくれる。春日大社は、まさに総合神社といえますね。
そこで、春日大社の様子をダイジェストで紹介。
境内をゆっくり歩きながら、1,300年も続いてきた歴史と文化に触れていました。
さて、次の目的地は、表参道を歩いている時に気になった「萬葉植物園(春日大社神苑)」。早速、行ってみよう。
尚、春日大社については、下記関連記事でくわしく紹介します。
萬葉植物園の見学
春日大社の二之鳥居の近くには国宝殿があり、駐車場を挟んで東門が見えます。この門が萬葉(まんよう)植物園の入口の1つです。
萬葉植物園は、昭和天皇より御下賜金をいただいて、開園した由緒ある植物園。万葉集に詠まれた約300種の植物を栽培しており、散策しながら見学ができます。
本園には、目立たずそっと生きている植物が多いのですが、そのような中、主役はずばり「藤」ですね。
私が訪れた時期は、すでに藤の見頃を過ぎ去っていましたが、まだ少しだけ見ることができました。もともと狙って訪れた訳ではないので、これは仕方がないかな。
けれど、今年はすでに藤は見納めていたと思っていたため、サプライズでしたね。当然ながらテンションが上がりました。(笑)
園内には20品種、200本の藤の園が整備されているので、藤のシーズンが実に楽しみ。
そんな園内は、水場もある緑豊かな心地よい空間です。万葉歌碑とともに、関連する植物が植えられている。うん、面白い趣向だ。
園内中央へ向かえば、大きな池を発見。その池には、舞台が浮かんでいます。後から知ったのですが、5/5と11/3にこの舞台で、萬葉雅楽会が開かれるそうです。
雅楽(ががく)とは、奈良時代に中国や朝鮮半島から伝来した古典音楽の1つで、平安時代にて大成しました。機会があれば、どのような舞台なのか見てみたい。
その舞台の後ろ側には、とても目を引く巨木がある。
説明板によると、奈良県の天然記念物に指定されている「臥竜のイチイガシ」といいます。幹回りが3mを越えるイチガシの姿は、まるで臥竜そのもの。なるほど、良いネーミングですね。
そういう植物があったかと思うと、誰もがよく知る植物・・・いや、野菜がありました。
それがこちら。どこからどうみても大根だ。
「こんなところに、なぜ大根があるの」と思いましたが、すぐさま「収穫して美味しく頂くのかな」と思ってしまうのは、私だけでしょうか。
そんな大根の姿にホッコリしながら、園内を一通り見て回りました。
【花見を楽しめる観光スポットを紹介】
桜や藤など花見を楽しめる観光スポットを、下記記事で紹介します。
東大寺と奈良公園を巡る
次に向かうのは、東大寺です。国宝殿から東大寺までは、約1kmほどある。奈良公園は、総面積660ヘクタールもあるので、徒歩だけで移動するのは、結構たいへん。なので、自転車を活用しよう。
あっという間に、東大寺前の参道へ辿り着くと、自転車を降りて参道を歩き駐輪場を探します。参道には、人・人・人ーー!! 平日であるにも関わらず何ですか、この人の多さは。老若男女問わず、多くの人がいました。また、それに負けず鹿の数が多いこと。
私も学生時代に東大寺へきたことがあるのですが、こんなに人が多かったのか当時の記憶がない。けれど、鹿と戯れていた記憶だけはある。(笑)
東大寺を有する奈良公園は、日本を代表する観光スポットです。年間約1,300万人の観光客が訪れる。それに、奈良公園を闊歩する鹿は、約1,200頭以上もいますので、この混雑ぶりは納得できますね。
駐輪場に自転車を置くと、東大寺南大門へ向かいました。
この南大門自体が、歴史ロマンを感じる建築物。それに加え有名なのは、門内左右に安置されている金剛力士像(仁王像)ですね。憤怒の表情や盛り上がった筋肉は、躍動感にあふれ迫力満点だ。
南大門を通り過ぎ、大仏殿へ到着。
ここも凄い行列が並んでいましたが、スペースが広いためか、割とスムーズに移動できました。
大仏様とご対面を果たし、その安らぎを感じるご尊顔を眺めていると、心が落ち着き穏やかになります。ありがたや、ありがたや。
その後、二月堂、法華堂、東大寺ミュージアムなど多くの見どころを見て回り、時には鹿の様子を愛でながら、東大寺観光を満喫した次第です。
ちなみに、二月堂は高台の上に建てられているので、長い階段を上った先にあるお堂から、奈良市を一望できるフォトスポットですね。
また、鏡池ごしの大仏殿は、有名なフォトスポット。私が訪れた日も、修学旅行生が集合写真を撮っていました。
東大寺・奈良公園へ訪れた際には、これらのフォトスポットをお見逃しなく。
あっ、いい忘れていましたが、奈良公園の鹿は野生動物であり、飼育されているわけではありません。不用意に近づいたり、鹿せんべいをあげる際、じらしていると、攻撃されることもあるので注意するように。
園内には、鹿だけでなく、平和の象徴「ハト」も闊歩していました。何とも緩やか景色に、心が和みます。
時計をみると、12時30分を越えている。ほぼ予定通りとみてよいでしょう。本日の予定では、このまま大阪へ向かうだけなので、夕方までには辿り着くと思う。
こうして奈良市の観光を漫喫した後は、よいよ大阪へ向けて自転車旅の開始です。
尚、東大寺と奈良公園については、下記関連記事で紹介します。
ならまち格子の家へ立ち寄る
東大寺のある位置から西へ進めば大阪市ですね。その道中には、生駒山があり、暗峠を越えることになる。
この暗峠は、サイクリストの間でよく知られている超激坂。最大勾配37%もあります。うん、興味はあるけど今回はパス。
ヒルクライムをメインにするならば、チャレンジのしがいがありますが、旅の道中で上るような場所ではないかな。そのため南下して、途中から西へ進み、生駒山を回避するコースを走ります。
東大寺から南下していると、元興寺町へやってきました。このあたりは、歴史的な町並みが広がる「ならまち」エリアですね。
そこで、とある家屋に面白い窓を目撃。なんとこの窓は、ネパールの伝統的飾窓なんだそうですよ。
1970年に開催された大阪万国博物館で、ネパール館に使用されたそうで、日本・ネパール両国の友好の証として元興寺に寄贈されました。
この窓のデザインが秀逸ですね。ロータス(蓮)・パルメット(アーカンサス)・ガルーダ(神鳥)・ライオン・ドラゴンなどインド文化圏の宗教的な特徴が色濃くでています。
ならまちエリアには、興味をそそる施設やお店が多い。
当初はどこの施設にも立ち寄るつもりがなく、まっすく大阪へ向かう予定だったのですが、「ならまち格子の家」を見つけると予定を変更します。
この家は、奈良町の伝統的な町家を再現しており、入館は無料。これは立ち寄るしかないでしょう。
ならまち格子の家は、今よりも数多く存在した「奈良町家」をモデルに建てられた施設です。この施設の特徴は、古い町家を保存しているのではなく、かつての姿を新築したもの。
「格子の家」の名前が示す通り、入り口近くには立派な格子がありますね。早速、入館して見学しました。
館内は「みせの間」・「中の間」・「奥の間」・「通り庭」・「2階部分」に分かれていて、かつての町家の暮らしぶりを体感できます。
こちらは、みせの間。今でいう応接スペースですね。
玄関・道路沿いに最も近い位置にあり、格子越しに外の風景が見て取れる。
中の間にある2階へ上がる階段は、いわゆる「箱階段」。箱状の収納スペースがありますね。この階段は、急なうえ手すりなどがないため、2階へ上がる際は注意するように。
通り庭は、吹き抜けのような開放的な空間となっており、長細い敷地内には「中庭」もある。
この場所では、季節ごとの風情を感じ取れるだろう。一通り館内を見て回り、ならまち格子の家を後にしました。
【カメラに関する話】
観光するには、カメラは欠かせないですね。思い出に残る1枚を撮りたいものです。下記記事では、カメラに関する話を紹介します。
堺市へ到着
西よりに南下を続けていると、国道25号へ合流しました。この国道を西に進めば大阪へ入ります。
この頃には、空には多くの雲がかかり、晴天とはいえない状態になりましたが、雨が降る心配は皆無のため、意気揚々と自転車のペダルを回し続けていた次第です。
尚、ずっと国道を走っていた訳ではなく、道中走りやすそうな道を見つけると、そちらへコースを変更することもありました。
すると、とある路面で「猫の足跡」のデザインを発見。個人的にこういう足跡シリーズが好きですね。旅の道中でたまに見つけるので、見つけるとテンションが上がります。(笑)
国道を走れば、車の交通量は多い。けれど、自転車のスピードは上げやすいですね。なので、当然スピードアップ!
気分は泉田塔一郎ですが、アプの雄たけびを上げるほどではありません。快調に大和川沿いに整備された国道を通過していると、自然豊かな景色が流れていきます。
これから向かう堺市は、政令指定都市。大阪府では、大阪市に次いで人口が多い。つまり立派な都会だ。そういう都会では、車の往来が多く、スピードは出しずらいので、都市部へ入るまで疾走感を味わいますよ。
そうこうしている内に、堺市駅へ辿り着く。
いつの間にか、空の雲は晴れ、青空が戻っていました。ここまでくれば、あとは本日予約しているホテルへ向かうだけ。
こうして本日の旅は、終わりを告げました。
【自転車旅の様子】
自転車で旅をした様子を、下記記事で紹介します。
まとめ
本日の自転車旅は、前半は奈良市の観光で、後半は堺市までの移動でしたね。
自転車は走るだけでも面白いので、移動だけでも楽しめるのがよいところ。そういう意味では、前半後半でメリハリが効いていたかな。
奈良は古都というだけあって、観光スポットはかなり多い。本日の旅では、春日大社や東大寺、奈良公園など有名どころへ足を運びましたが、これ以外にも法隆寺や大神神社、明日香村、曽爾高原など訪ねてみたいところは山ほどある。またの機会に訪れたいと思います。